「呪怨館」

呪怨館

2014年の映画「呪怨館」。アメリカの映画です。「THE JUON 呪怨」の製作陣と、「インシディアス」のプロデューサーが参加しているそうですが、だから「呪怨館」なんですね。たしかに、「呪怨」を想起する演出がところどころにあります。

ネタバレ

泣きながら酒を飲んでいる男。ある箱を通じて、家族(霊)の声を拾っているようだ。子供たちの声を聞くが、男は倒れ、苦しんで死んでしまう。

その家には、かつてある一家が住んでいた。父は歯科医、母は小児科医。だが、子供が自殺をしたせいで商売が立ち行かなくなり、最終的に彼らは死んでしまった。頑固な長男のマシュー、幼い次女のヒラリー、自由な長女ケイティ。彼らはなぜ、死ななければいけなかったのか?

そして、その家に新しく家族が引っ越してくる。父は医者、一男二女という兄弟構成も似ている一家。
長男のエヴァンは、ある部屋のクローゼットに気味の悪い自画像があるのを見つける。彼の姉は、その顔が腐っているように見え、怯えてしまう。
彼らはその家に住むことになる。

彼らの家を訪れてきたのは、前の住人・ジャネットだ。あの一家の母親らしい。彼女だけが生き残っている。
彼女は息子の肖像画を取りに来たという。
エヴァンは近所に住む少女・サムと知り合う。

家が突然停電し、赤ちゃんの声が聞こえてくることに驚くエヴァン。

エヴァンが夜寝ていると、気が付いたらサムが横で寝ている。彼女は赤ちゃんの頃、この家に来て診察をしてもらったことがあるようだ。エヴァンはどこか病んでいるようなサムを気遣い、そのまま家に泊め、翌朝家族に会わせる。

夜、エヴァンとサムはプールサイドでドラッグをしている。サムは何かを感じ取っており、呑気なエヴァンに警告をするが、彼らはキスをする。
そして、冒頭の霊を呼び出す箱を起動させるサムとエヴァン。
「俺の部屋から出ていけ」
と青年の声が聞こえてくる。

家の近くにある彼らの墓を探すことにするエヴァンたちだが、近くの小屋に放置されたようにあった写真や子供たちの荷物。どこかおかしい。しかし、エヴァンとサムはまたいい感じになる。
ベッドでイチャイチャする2人の後ろに、幽霊が立ち尽くしている。

次の日。アニータが誰かと話していることに気が付くエヴァン。奇妙に思いながらも立ち去った後、ドアの隙間なら少女の幽霊がズルッと出てくる。
シャワーを借りているサムだが、「サマンサ……」という声や滴る黒い液体に怯え、絶叫する。

奇妙な出来事が続き、彼らは家族会議を開くことにする。
幽霊に怯えるエヴァンや姉に比べ、アニータだけは冷めている。
「私の部屋に幽霊がいたら、怒らせないのに」
彼女は自分たちの家族写真の、兄の目の部分をぐりぐりと削っている。
母親はサムを心配しつつ、不審に思う。

だが、サムは再度交信して、幽霊に憑依されてしまう。自殺しようとするサムと止めるエヴァンでもみ合いになるが、彼女を突き飛ばして止める。
その後、行方不明になるサム。彼女を心配して家まで行くが、乱暴な父に追い返される。ようやく会えたサムは、天国を見たかっただけだからもうやめたいと言い出す。

何かを知っていそうなジャネットを訪ねるエヴァン。彼女は箱を燃やし、エヴァンの部屋にある小さな隠し部屋に鍵を打てと命じる。その通りにしたエヴァンだが、その夜、サムとエヴァンは夢を見る。

実はサムの母はこの一家の父(ジャネットの夫)と不倫をして子どもを産んでいた。そのことがジャネットにバレ、彼女の母親は殺されてしまった。彼女の母親の遺体は、エヴァンの部屋の隠し部屋の中に隠されていたのだ。
サムは突然おかしくなり、エヴァンを金づちで殴り、殺してしまう。その物音に気が付いた両親や姉妹たちは彼の死に気が付き、遺体にすがりつく。

サムは警察に連れていかれてしまう。エヴァンを失った一家は引っ越していくが、エヴァンの意識だけは家に残り、ただ彷徨い続けている。

“死”とはつまり我々が最後に帰る家のこと
必ず行きつく場所だ
度の幽霊の物語も家出起こった悲劇から始まる

しかし結末はさまざまだ
真実が葬られることもあれば
ひときわ死臭を放つ家になることも……

感想

・ラストはかなり好き。エヴァンが家をひとりで彷徨っているところは、妙に怖い。
・しかし、このブログで思い返してみると、かなり説明がはしょられている映画だなあと思う。ジャネットのこと、サムが憑依されたこと、アニータのことなど説明がないまま終わるし。また、具体的に恐怖を感じさせるシーンはさほどなく、その雰囲気を楽しむホラーかと思います。