「ダーク・プレイス」

ダークプレイス

2015年イギリス/フランス/アメリカ映画「ダーク・プレイス」。シャーリーズ・セロンの演技をひたすら堪能するミステリー映画。非常に面白い映画だと思う。

あらすじ

「ゴーン・ガール」の原作者ギリアン・フリンの世界的ベストセラー『冥闇』をシャーリーズ・セロン主演で映画化したミステリー・ドラマ。幼い頃に家族を惨殺され、その犯人として実の兄を名指しした少女が、その28年後に、兄の無実を信じる謎の組織と関わったことから、封印していた過去の記憶と向き合い、事件の意外な真相に迫っていくさまを描く。共演はニコラス・ホルト、クロエ・グレース・モレッツ、クリスティナ・ヘンドリックス。監督は「マルセイユ・ヴァイス」「サラの鍵」のジル・パケ=ブランネール。
1985年、カンザス州の田舎町で母親と2人の姉妹が殺害される凄惨な事件が起こる。目撃者は8歳の末妹のリビー・デイ。彼女の証言が決め手となり、彼女の兄ベンが逮捕される。28年後。仕事もせず孤独な日々を送っていたリビーは、過去の有名な殺人事件の再検証を行う“殺人クラブ”という団体のメンバー、ライルから誘いを受け、報酬目当てに、彼らの会合に出席することを承諾する。こうして、嫌々ながらも事件のことを振り返り始めたリビー。さっそく刑務所を訪れ、久々にベンと面会した彼女は、次第に封印していた事件の記憶を呼び覚ましていくのだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=355924

ネタバレ

ダークプレイス1

子供のころのリビーの記憶。
「愛してるリビー、絶対に忘れないで」という母の言葉が聞こえる。

彼女は幼い頃に家族(母と2人の姉)を惨殺され、その犯人として実の兄・ベンが逮捕されていた。ベンが刑務所にいて28年。リビーは大人になるも、ゴミ屋敷のような家に住み、働きもせず、つまらない告白本の売り上げやカンパで暮らしていた。だが、彼女は既に生活費を失っている。

そんななか、“殺人クラブ”のメンバーであるライルから会合に誘われ、ギャラにつられて参加することになる。

幼い頃の記憶。リビーはベンのことを受け入れているが、母やリビーの姉の1人・ミシェルとベンは折り合いが悪い(もう1人の姉・デビーはのんびりした性格であり、あまりベンとは交流がないように見える)。

“殺人クラブ”は有名な殺人事件の検証を行う有志のクラブだった。元刑事や探偵、保険調査員、弁護士なども所属している。ベンが無実だと信じる人たちとリビーは対立してしまい、彼女はそこでも孤立する。

ヘビメタを愛好していたベンは、悪魔崇拝者のような扱われ方をしていた。そして、母は金の工面で苦労していたこともわかる。
リビーはベンが犯人だと思い、子供時代にもそう証言している。

久しぶりにベンのもとを訪れるリビー。リビーは兄を信じていない。自分が殺していないなら、なぜそう主張しないのか?

ベンのガールフレンド・ディオンドラは妊娠していたようだ。母は友人から引っ越しを勧められるが、彼女はこの土地で、農場で子供を育てたいと考えていた。
ベンはディオンドラに駆け落ちを迫られる。その一方で、不良のトレイはベンに、彼の父親はヤクの売人だと告げられる。

ベンは小さい女の子・クリシーにいたずらしたと通報されて、トラブルになる。それは果たして本当なのだろうか?

現在のクリシーの母は離婚して別の人と再婚しており、クリシーとは縁を切っている。クリシー自身はストリップクラブにいる。

ベンの母は息子を信じているが、いたずらの被害者家族に会いに行くと少女たちは怯えきっている。
「あんな奴は地獄へ行け!」

現在のクリシーに会いに行くリビーだが、彼女のウソに気が付く。クリシーは彼女がリビーだとは気付かない。

リビーは合点がいかない。母親と一緒に寝た時、どうして彼女はこちらを向いてめったに言わない「愛してる」という言葉を告げたのか?

彼女は徐々に、自分の心の中に残してきた闇(=ダーク・プレイス)と向かいあう。

ミシェルはディオンドラととても仲が悪かった。
母はベンのことを気にかけているが、金を無心に来た元夫と喧嘩になる。

現在、リビーの父は生きており、廃棄物置き場でホームレスのような身なりをしてくらしている。彼には借金があり、トレイにそれを返さなければいけないと追い詰められていた。

もしかしたら、その父が犯人なのだろうか?リビーにも思い出せない。
ディオンドラはどこに行ったのか?殺されたのか?

ドラッグのせいか、ベンの前でトレイとディオンドラは牛を殺す。

ベンは真実を探りたくないと主張する。

母は、子供服をベンのベッドの下から見つける。それはディオンドラのためにベンが用意した者だったが、彼女はてっきり小児性愛者の証拠だと思い込む。

ディオンドラは現在行方不明だ。
そして、ここでリビーにとっても衝撃的なことがわかる。ベンとクリシーは年が離れていた(高校生と小学生)が、両思いだったとリビーに会いにきた(金を返しに来た)クリシーから聞かされる。

リビーとライルも少しずつ交流を深めてくる。ライルは自らも山火事を起こしたことがあると語る。

現在のトレイのところに行ったところ、ディオンドラの別名であるポリー・パームという名を聞かされる。ベンとディオンドラは逃げようととしていた。

ディオンドラを探し出し、真実を尋ねるリビー。だが、真実はベンしか知らないと言われる。

ダークプレイス2

深夜、逃げる前にベンの家に立ち寄るディオンドラとベン。だが、起きてきたミシェルとディオンドラがもみあいになってしまう。

リビーの前にディオンドラの子供であるクリスタルが登場する。

真実はこうだった。リビーの母が死んだのは、保険金のためにだった。自殺を事故や殺しに仕立てるスペシャリストが、母の依頼で彼女を殺したのだ。

ディオンドラの家に、母が大事にしていた十字架があるのを見つけるリビー。

殺人を依頼された男は、母を殺し、デビーを殺した。だが、ミシェルを殺したのはディオンドラだった。リビーも襲われながらも逃げてしまう。
母の保険金を手に入れようと持ち掛けられるも、断るベン。ディオンドラは1人で逃げてしまう。

ディオンドラとクリスタルは真実をバラされないためにリビーを襲うが、彼女は何とか逃げる。
ベンがいままで真実を話さなかったのは、クリスタルを守るためだったのだ。ディオンドラは殺人容疑で逮捕されるが、クリスタルは逃亡している。

リビーは兄が犯人だと嘘をついた。
「2人とも嘘つきよ」
と、ベンと面会しながら語る兄妹。
「家族だよな?」
「妹でも、他人よ」
ベンは刑務所で許すことを学んだといい、リビーを許す。

「価値ある人生を送れ 普通でいい 普通の人生で
今 始まった  今 やっと始まった」

感想

・リビーを演じているシャーリーズ・セロンが序盤、ホントーに嫌な人なんですが、だんだんと彼女の心の中がわかってきて、彼女自身も変化していくところが素晴らしい
・クロエ・グレース・モレッツがディオンドラとして出演していますが、やたらとよく出ていますね。
・最後、兄が妹を「許す」のもいいですよね。「許す」ことはとても尊いです。ラストのセリフの最高にいい。