「ウォーキング・デッド」シーズン7・第16話(最終話)「遺志を継ぐ者たち」のネタバレ

wds71

今回でシーズン7は最終回となります。前回捕まったサシャはどうなるのか?ニーガンとの戦いの結末は?ということで、おさらい。

【現在の状況】

アレクサンドリア:救世主に支配されている。リック、ミショーン、カール、ロジータ、タラ、アーロン、牧師たちがいる。(ダリルは救世主から逃げた後は王国→ヒルトップ→アレクサンドリアに戻ってきている)

ヒルトップ:救世主に支配されているが、比較的有効な関係を築いている。だが、グレゴリーはマギーの統率力を恐れている。マギー、ジーザス、イーニッドがいる。サシャも滞在していた。

王国:救世主に支配されており、平和主義のため救世主と対立したこともある。現在はリックたちに共感している。モーガンとキャロルがいる。リーダーはエゼキエル。

オーシャンサイド:タラが偶然知り合ったコミュニティ。女性と子供しかいない。リック達の考えに共鳴し、武器を全て手渡す。リーダーの老女・ナターニャだけは、救世主との戦いに銃を貸すことすら拒む。彼女の孫のシンディは、タラを助けた過去を持つ。

ゴミの山に住む集団:「私たちは奪う」のをモットーにしている謎の集団。リーダーは女性のジェイディス。一筋縄ではいかない不気味さを持つ。リック達と一瞬対立するが、武器を渡すことを条件に仲間になる。

救世主:ニーガン、ドワイト、サイモン(ヒルトップとの交渉でたびたび登場した)たちが支配する。ユージーンは彼らに連れ去られ、その考えに染まってしまい、サシャの差し伸べた手をつかむことはなかった。捕まったサシャの味方をするなど、考え方は温厚であるが、リックたちの仲間に戻るつもりは今のところない。

今シーズンで死亡したキャラクター:グレン、エイブラハム、スペンサー、オリビア、リチャード(モーガンが殺害)、ベン(救世主に撃たれ死亡)。ヒルトップの医師は、ドワイトに濡れ衣を着せられる形で死亡した(彼はヒルトップにいた医者の兄という設定もある)。
ドワイトの妻は拠点を出て行き、まったくの行方不明となった。

こんなにたくさんキャラクターが出てきたら、もういっぱいいっぱいだよ……。

第16話 遺志を継ぐ者たち(The First Day of the Rest of Your Life)

アレクサンドリアに来たドワイトは救世主を抹殺するために協力すると言うが、デニースを殺されたタラは彼を信じられず、ダリルの怒りも激しかった。だが最初に出会った時のドワイトを知っているダリルは、守るべきものがなくなったと協力の理由を説明する彼を殺すことをためらい、彼の作戦に賭けることにする。そしてニーガン一行が明日アレクサンドリアに来ると知らされ、ゴミ山の住人たちも町に集結し、救世主を待ち受ける。

ネタバレ

サシャは暗闇でイヤホンを耳に差し込み音楽を聴いている。彼女は身動きできない状況のようだ。

「ダーリン、起きろ」
サシャが起きると、そこにはエイブラハムがいる。救世主たちにグレンとエイブラハムが殺される前日に、時間が巻き戻ったようだ。エイブラハムとサシャはキスをする(意外にも、このシーンが2人の初めてのラブシーンです。死んでからラブシーンがあるなんて悲しいですね)
「お前に会えて、最高に嬉しい」
というエイブラハム。サシャは出かけようとするエイブラハムを止めようとしている。

だが、本当に目を覚ますと救世主に入れられた独房の中だった。
「残りの人生の始まりの日にようこそ」
ニーガンが朝食を持って現れる。
「物事を軌道に戻す手伝いをしてくれ」というニーガン。サシャの死を誰も見たくないし、ニーガンも見たくない。サシャは死ぬべきじゃないと言いつつ、「だが、誰かは死ぬ」と彼ははっきり宣言する。
「重要な日だ」という彼だが、朝食のフタを開けると、そこにはブルーベリーを埋めて笑顔を作ってあるパンケーキが出てくる。
「私に何をしろと?」

隣り合って座るマギーとサシャの映像が挿入される。彼女たちは何かを眺めている。

アレクサンドリアでは、ドワイトの発言に全員が驚いていた。
ニーガンを殺したいというドワイトに、ダリルが激昂する。自分でやればいいというリックだが、ドワイトは自分の力だけでは無理だと感じている。
タラはドワイトに詰め寄り「あんたが殺した子には名前があった」とデニースのことで責める。だが、ドワイトはそれを軽くいなし、タラを怒らせる。
「これでいいならやればいい」と言いながらも、ドワイトは謝罪をする。ダリルは彼を殺す寸前だ。
「弱みがあった。だが、もう違う。彼女は出てった。だからここへ」
ドワイトはダリルに続ける。
「彼女のおかげで、お前も出られた」
ダリルは迷うが、ドワイトを放す。ここで、サシャが捕まっていることを知るリックたち。ドワイトはニーガンの計画について語り、アレクサンドリアにやってきた者たちをまず殺し、その後にドワイトのトラックに乗り込んで拠点(ドワイトは「聖域」と呼んだ)に侵入、残りを一掃しようと提案する。基地をそうやってひとつずつ潰していこうというのだ。

ドワイトは帰っていく。ダリルとリックはそれを見送る。
「始まったな、すべてが」
ダリルは毒づく。
「終わったら、奴が後悔していようと、あのクソを殺す」
「殺せるならとっくに殺してただろ」
リックはそう言い、立ち去る。タラはダリルを睨んでいる

♪いつの日かみんな、自由になれる……

エイブラハムとの記憶を反芻し続けるサシャ。

「聖域」では、ニーガンが計画について話している。アレクサンドリアにサシャを連れて向かい、ルシールで3人を殺す。「これは罰だ。誰か死ぬしかない」という彼だが、サシャは強硬にそれに反対する。
「誰も死ぬ必要はない」
「それじゃ1人だ」
それに合意するサシャ。
「俺は君に、心底惚れちまった」
男女の意味ではなく、と前置きしながら楽しそうに笑うニーガン。

マギーとサシャの映像がまた挿入される。2人は同じ場所に座り続けている。

ヒルトップでは、マギーがジーザスやイーニッドと話している。グレゴリーが消えたのだ。ジーザスたちはヒルトップに残るべきだと言われたが、グレゴリーから計画がバレるなら、リックたちに加勢すべきだと彼らは考えている。
「難しい決断だ」と言いながら笑うジーザス。
「なぜ笑うの?」
「決断するのが君だから」
マギーの足元にはジュディスがいる。イーニッドがジュディスを連れていき、マギーに何かを手渡す。それはマギーの父からグレンにわたり、グレンからマギーにわたり、マギーからイーニッドにわたった懐中時計だ。マギーはそれを握りしめる。

キャロルはエゼキエルや王国民たち(部隊として訓練を受けたであろう者たちのみ)とどこかへ歩いている。そこに、カートが並べられ、足止めされているのがわかる。リチャードがしたのと同じ光景だ。
そこに、モーガンが出てくる。彼は小さい防具をつけているが、それはベンのつけていたものだ。
血まみれのモーガンを心配する皆。モーガンは救世主たちに奇襲をかけようとしていたようだ。
エゼキエルはモーガンを説得する。救世主を殺したいなら隊に加われと。ニーガンは多頭のドラゴンと同じだから、協力しなければ倒せないというのだ。
行き詰ったというモーガンに、エゼキエルは「君は行き詰っていない。一緒に同盟を作るんだ」という。モーガンも隊列に加わり、彼らは進んでいく。

アレクサンドリアにやってきたのは、ゴミ捨て場に住む集団だ(自転車に乗っている者もいる)。ボスのジェイディスは、唐突に「後で彼(リック)と寝る」と宣言し、ミショーンは困惑する。

ロジータやアーロンたちは、車の中に爆弾を設置している。

ニーガンたちは、アレクサンドリアに向かう途中に倒木で足止めされている。ニーガンは彼らの計画にもう感づいている。ユージーンは自分が説得すると申し出る。

ミショーンとゴミ捨て場からきた女の1人(名前は不明)は、ニーガンを遠くからスナイプする予定で配置につく。女は「私たちが勝つ」と言い、ミショーンは頷く。

サシャはまた曲を聴いている。

サシャとエイブラハムの回想。彼女はエイブラハムがいなくなった夢を見たという。エイブラハムは危険な任務に欠かさず参加している。だからこそ、今回(マギーをヒルトップに運ぶ)の任務からは外れてほしいと頼む。

ユージーンはサシャを歓迎しつつ、一緒に歩いている。毒薬を使わなかった彼女に安心しているユージーン。仲間として彼女を歓迎する。

サシャとマギーの回想。
「なぜ、ここにいるの」
「このためよ」

アレクサンドリアでは、みんなが配置についている。そこにニーガンたちがやってくるが、姿を見せたのはユージーンだった。驚くリックや、顔をしかめるロジータ。
「ニーガンは?」
「私がニーガンだ」
ユージーンはそう宣言する。
ロジータとリックは何度も目配せをし、ロジータは結局ボタンを押す。だが、爆弾を積んだ車からは何の音もしない。その瞬間、ゴミ捨て場の者たちが全員、アレクサンドリアの住人たちに銃を向ける!彼らはアレクサンドリアから、ニーガンたちに寝返ったのだ。

呆然と遠くからそれを見ているミショーン。後ろにスナイパー任務仲間だったゴミ捨て場の女が立っており、微笑む。
「私たちが勝つ」

ニーガンはリックがバカなリーダーだと嘲笑する。愚かな彼のせいで、また仲間が死ぬのだと。
ジェイディスを問いただすリックだが、「ニーガンのほうが好条件だった」と言われて唖然とする。
そして、彼らの前にはピカピカの棺桶が出てくる。
「ユージーンは嫌いになったか?でも、サシャは好きだろ?」
彼女は棺桶の中にいるのだ。
「銃を全部渡して、1人選べ。ダリルも返してもらう」
ニーガンはそう宣言する。
「棺に入っているからといって、死は必要ない」

サシャとエイブラハムの回想。不安なサシャに、エイブラハムはまたキスをする。
彼はこう言う。
「オレたちの死には、意味がないとダメだ」
そして、マギーは未来を担っていると言う。サシャも「その通りよ」と笑う。
「誰かのためにケツを差し出し、引き裂かれてもいい。それが人生だ」
「バカね」
「否定しない」
彼らは笑いながら、家から出ていく。

ユージーンを説得しようとするサシャだが、彼は頑なだ。
「私は利己的で臆病だが、感謝の気持ちはある」
と、彼女にipodを渡すユージーン。
「あきらめないわ、あなたのこと」
だが、サシャは自ら望み、棺桶の中に入る(そうしてリック達にショックを与え、彼らをゆさぶろうと自ら提案したようだ)。その提案に、ニーガンはとても満足している。
「まいったな。君は本当に、特別だ」

ダニー・ハサウェイの「いつか自由に」が流れるなか、サシャは棺桶の中で(ずっと暗闇で音楽を聴いていたのは、棺桶の中だったからだということがここでわかる)ユージーンから都合してもらった薬を飲みこむ。

そして、ニーガンは意気揚々とサシャが入っている棺を開ける。だが、そこから出てきたのはウォーカーと化したサシャだった!サシャはニーガンに噛みつこうと飛びかかる。
その瞬間、ゴミ捨て場の者たちに反旗を翻すアレクサンドリアの住人たち。激しい撃ちあいになる。だが、リックだけはジェイディスに銃をつきつけられていて動けない。
ニーガンは危うく死にそうになるが、サイモンに助けられる。サシャはニーガンたちに噛みついている。
リックはジェイディスに足を撃たれ、見張りの櫓の上から蹴り落とされる。

カールは戦っている。ミショーンは件の女と取っ組み合いを続けている。リックは死んでいる仲間たちを目にする。

だが、アレクサンドリアの者たちはすぐに制圧され、ニーガンやジェイディスの前で、カールとリックは並んで座らされる。ドワイトもそこにいる。

ミショーンは取っ組み合いの末、植木鉢のかけらで女の頭を刺す。だが、彼女はまだ生きている。

ジェイディスとニーガンは、アレクサンドリアの人間たちをどう分けるか(働き手として使うらしい)で喧嘩をしている。涙を流すリックを面白そうに見ているニーガン。
「全部俺が悪いのかも。正さないとな。もう一度最初からやり直そう」
というニーガン。

ミショーンはまだ殴り合っている。
「私たちは生きるんだ!」
「私たちこそ!」

アレクサンドリアの住人たちはほとんどが捕まったようだ。(とはいえ、主要人物たちの姿はあまり見えない)
そこに、女性が落下した音と叫び声がする。それがミショーンのものだと確信する彼。
「絶好のタイミングだ。リック、お前が選んだ。警告してやったのに。罰を与える」
ニーガンは、カールを殺して、リックの両手をぐちゃぐちゃに潰す(武器も持てないくらいに、ということだろう)という。カールが好きだから一発で殺してやろうと言うニーガン。
だが、リックはニーガンを見据える。
「時間がかかってもお前たちを殺す。それは変わらない。既にお前は死んでいる」
ニーガンは彼らを殺そうとする。だが、その瞬間、ニーガンの仲間に虎が襲いかかる!

エゼキエルやキャロル、モーガンたちがやってきたのだ。
「アレクサンドリアを、崩壊させはしない!」
エゼキエルが叫ぶ。

マギーやジーザス、ヒルトップの住人たちもやってくる。
ニーガンたちは驚き、押されている。ニーガンの銃の弾は切れてしまうし、虎は次々とニーガンの仲間を殺す。リックの危機を救ったのは、モーガンだ!

だが、ゴミ捨て場の住人たちが煙幕を張り、彼らは次々に逃げていく。ニーガンたちも退去する。
「終わらせるぞ!」
トラックを追いかける彼らだが、ニーガンは中指を立てて去っていく。さらに追いかけるが、扉は固く閉められてびくともしない。ようやくダリルが見張り台にのぼった頃には、彼らは全員消えていた。

ミショーンのことを確認しに行くリックとカールだが、落下して死んでいたのはゴミ捨て場の女だった。ミショーンは顔を腫らしながらも生きていた。
「私たち……」
「わかっている」
ミショーンとリックは抱き合う。

拠点に戻ったニーガン、サイモン、ドワイト。
「全員、黄信号だ」
準備ができているというドワイト。だが、ニーガンはユージーンに尋ねる。
「なぜ、彼女は箱の中で死んだ?」
ユージーンは顔色を変えずに窒息したのだろうと答える。
「……かもな?」
彼は何かを疑っている。しかし、ニーガンは外の仲間たちに呼びかける。
「さて、いよいよ戦争だ!」
たくさんの“ニーガン”たちが、それに共鳴する。

「サシャは自殺した。彼女が、君を救ってくれた」
ジーザスとマギーは森の中を彷徨うサシャを見つけ、とどめを刺す。

アレクサンドリアでは、死者を埋葬している。
王国民やヒルトップの住人、アレクサンドリアの住人たちがお互いを労わりながら交流している。
無表情のモーガンの隣に座り、同じ方向を見つめるキャロル。
「知らなかった」と書かれた木彫りの人形を拾うダリル(それは、ダリルとドワイトの“因縁の品”でもあり、ドワイトからの置き土産である)。

回想の中で、マギーとサシャは微笑みあう。

リックとエゼキエル、マギーたちは、それぞれの住人たちを集め、話し続ける。

「グレンが決断したのよ。私は彼に導かれただけ」

マギーの掌で、懐中電灯が光る。

感想

・ということで、サシャが死んでしまいました。「スタートレック」のドラマの主役になったんだから、ある意味栄転?なんですけど、やっぱり寂しい!
・エイブラハムのシーンは感動的だった。「意味のある死ならいい=誰かのために死ぬのなら、それを受け入れられる」というその言葉がグサッときました。
・あからさまに裏切り者だったジェイディスたち。やっぱり裏切られました。非常に感じの悪いキャラクター(ある意味、今までに出てきたどのコミュニティよりも不気味です)なので、今後どうストーリーに関わるのか楽しみではある。
・ヒルトップのボスだったグレゴリーはニーガンのもとに合流したようですが、彼はヒルトップに戻ってくるのか?グレゴリーがいい人になるのか、小悪党で終わるのかも気になります。
・エゼキエルや王国民たちのほっこり感が好き。キャロルが元気になったのはいいですが、いれかわりでモーガンがおかしくなっちゃいました。立ち直れるといいのですが。だが、リックの窮地を救ったのがモーガンだった(さんざん喧嘩してた)のにはしびれました。あと、トラが異様に強くて面白い。
・オーシャンサイドは今後どうかかわるのか?仲間になってくれるといいですね。
・救世主たちに染まったユージーンですが、サシャの「あなたをあきらめない」というセリフが彼を変えるのか?サシャが死んでしまったので刑務所合流組が全滅してしまったのですが、ロジータやユージーン、タラにも生きてて欲しい!(ただ、主要キャラが死にやすいからどうだかわからん)
・タラはドワイトを殺さなかったダリルを恨んでいるのか?今後内通者になりそうなドワイトとタラの間の悪感情は解決するのだろうか?
・だんだん、ニーガンの悪党ぶりが好きになってきた。