「死霊館 エンフィールド事件」

死霊館 エンフィールド

「死霊館」の続編、2016年のアメリカ映画「死霊館 エンフィールド事件」。
「アナベル 死霊館の人形」という続編?もありますが、全体的によくできているなあという感じです。
この“ホラー映画のお手本”感が好きな人もいれば、苦手な人もいるかもしれません。

あらすじ

「ソウ」「インシディアス」のジェームズ・ワン監督が実在の心霊研究家ウォーレン夫妻を主人公に、彼らが遭遇する戦慄の心霊現象を描いて大ヒットしたホラー作品の続編。今度は英国を舞台に、もっとも有名なポルターガイスト現象の一つとして知られる“エンフィールド事件”を巡る衝撃の顛末を描き出す。主演は引き続きパトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガ。
1974年に起きた“アミティビル事件”を調査したウォーレン夫妻の名声はますます高まり、一方で激しいバッシングにもさらされることに。そんな中、1977年に夫妻のもとに英国から新たな依頼が舞い込む。それは、エンフィールドの古い家に住むシングルマザーのペギー・ホジソンと4人の子どもたちが怪現象に悩まされているというもの。どうやら、前に住んでいた老人の霊が次女のジャネットに取り憑いてしまったらしいとのこと。そこで、ことの真偽を確かめるべくエンフィールドへと向かうウォーレン夫妻だったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=356339

ネタバレ

死霊館 エンフィールド2

1976年、ニューヨーク州・アシティビル。
ある一家を霊視しているロレイン。一家惨殺事件の舞台となったラッツ一家はどのように殺されたのかを調べている。一家惨殺、白目の少年、4人の子供がのぞき込む鏡。
イギリスにも似たような話があり、彼らはそれで地獄を見たことがわかる。
「これは実話である」

貧しいながらも仲良く暮らすイギリスのホジソン一家の4人姉弟。弟は吃音である。
ウィジャボードで遊ぶ子供たち。「パパは帰ってくる?」その返事はない。
そして、夜中に家の中でドンドンと音がするようになる。

一家の父は行方不明であり、貧乏なのに洗濯機が壊れて母は困っている。
ジャネットは「弟を殺す」という霊と喧嘩しようとして、姉に止められる。
何もしていないのにオモチャの消防車が走ってくるし、テントの中から弟の声がするのに誰もいない。

病気で寝込んで1人家に残る姉。父らしき気配を椅子のところに感じる。テレビを見ている彼女だが、リモコンが浮き、「俺の家だ!」と耳元で男が叫ぶ。
その後、一家は勝手にタンスが動くのを目撃する。ポルターガイストがどんどん始まっていく。

アメリカのウォーレン一家の娘は、自宅で尼さんの幽霊を目撃している(なぜかデカい尼さん)。
おどろおどろしい絵、突然流れるテープ。影が絵と融合し、壁から幽霊が飛び出してくる(頭は額縁の絵、首から下はよくわからないけど幽霊らしきもの。まるきりコントのような風貌である)。
そして、ローレンはエドが死ぬ瞬間を霊視してしまう。

ジャネットの周りに起きていることがテレビで報道される。停電や家の揺れなどのポルターガイスト現象が起きているが、それはビルという亡くなった老人の仕業ではないかとされる。
その一方で、一家の息子は母親に好物のビスケットを渡して励ます。

夜。犬が変形して童話の「へそ曲がり男」(脚が異様に長い紳士)となって襲ってくる。
暖炉から部品が飛んできて棚に刺さり、ジャネットは泡を吹く。

ウォーレン夫婦に連絡が入り、この一家を3日間様子を見てくれと頼まれる。ロレインはエドの死が実現するのではと悩むが、結局引き受けることになる。
家に到着するウォーレン夫妻だが、ジャネットの部屋には大量の十字架が飾られており、彼女はかなり苦しんでいるようだ。ローレンは憑依体質のジャネットに共感し、自分を信じるように話す。気持ちはわかる、だからこそ人を拒むなと伝えるローレン。
ジャネットは疲れ切っている。安眠できないからだ。
彼女の父は浮気して出て行った。霊は“弱いものいじめ”をして楽しんでいる。

死霊館 エンフィールド1

エドは霊とコンタクトをとるが、幽霊のビルはここを出て行くつもりはないと言う。
「離して 助けて アレが」というビルの声がテープに残っている。

他の大人たちは、ジャネットが精神障害ではないかと疑う。精神障害では彼女が霊に乗っ取られて出しているような声は出せないだろうが、その一方で霊らしさというものは欠けているようにも思える。

ジャネットは学校でタバコを吸っていたと問題児扱いされており、それが母を悩ましていた(騒動前の話)。だが、彼女は母に「カッコつけたかっただけ」と真相を話し、謝罪する。
夜、また幽霊がやってくる。十字架が逆さになり、逆さ十字になる。そしてじいさんが横から飛び出してくる。彼はジャネットを求めているように見える。
そのじいさんの幽霊を皆が目撃し、彼女が精神障害でないことを皆が確信し始める。

「怖いのは人間と悪魔、どっち?」
「悪魔よ」

一部の大人たちは、この一家が補助金を目当てに騒動を起こしているのではないかと考え続けている。夫婦はそれでもジャネットを信じ続けている。

エドは姉弟たちにギターを弾いて聞かせ、和ませる。
ジャネットとエドは話をする。エドはロレインが最大の理解者であることを語り聞かせる。

一家の地下室の水漏れを直そうとするエド。なにかが後ろに迫る。母のペギーが水に落ちて噛まれ、ビルは入れ歯だけを残して立ち去る。

クリスマスシーズンなのに、一家の雰囲気は暗い。
包丁を研ぐ音がする。ジャネットは突然消えて、台所に現れる。またポルターガイスト現象が起こり、ジャネットはいなくなる。
「オレの くれない…… オレの くれない……」

だが、この騒動はジャネットの自作自演なのではないだろうか?ジャネットは1人で物を投げていただけなのでは?そして、ジャネットは幽霊に脅されて工作したと白状する。
エドはふと、テープレコーダーを2台出す。
「助けて、あれが……放して」という以前のメッセージに、「オレの くれない」というメッセージを重ねたら、それは「助けて アレが オレのことを 離して くれない」という声になる。
そしてロレインは霊に憑依される。

ビルの記憶。家族に会いに来たが、戻れない。あいつが女の子を狙っている。支配するつもりだ。かわいそうで離れられないんだ。彼はそう語る。
ヒントは「さずけたりちなんだりする」「誕生日の時にあった」「一生死ぬまでつきまとう」。
ビルは道具にされていただけで、本当の黒幕である悪魔は、まだいる。その悪魔を追い払うためにはヒントから得られたものを与えればいい。そう、名前だ。

悪魔の名前を言えば、一家から悪魔は離れていくだろう。だが、悪魔はまだジャネットをつけ狙っている。一度アメリカに帰ろうとしていた夫婦は大急ぎで一家の元に戻るが、家の中に入れない。
エドは窓から中に入ろうとするが、ロレインは予知夢を恐れている。しかし、エドは自分が死ぬかもしれないと思ってもなお、後悔したくないと地下室に入っていく。
ガスで目を攻撃されるエド。外では、隣人の夫がドアを開けようと頑張っている。

悪魔の名前は「ヴァラク」だとわかる。
その一方で、ロレインはエドが家の庭の木に突き刺さって死ぬビジョンを見る。ロレインも家の中に入り、エドを探す。

窓から落ちそうなジャネットの腕をつかむエド、それを支えるロレイン。
悪魔を地獄に戻そうとする夫妻は見事それをやりとげ、エドも間一髪で助かる。
エドはジャネットに大事なネックレスを渡す。

この一連の事件はエンフィールド事件として語られ、のちに信憑性の高い事件として認定された。ペギーはこの家に住み続け、最期はリビングのイスの上で死んだ。ビルの死んだ、イスの上で。

感想

・この話が実話だろうがそうじゃなかろうが、どっちでもいいです。
「実話だよ、怖いでしょ?」と言われても。もっとむごい実話いっぱいあるから……
・尼さんの幽霊や、じいさんの幽霊、悪魔など盛りだくさんですが、ビジュアルがムチャクチャ怖いなかにも少し「アレ?なんかちょっとマヌケ?」という感じがあるのがいいですね。
異様に身長が高い人間って怖いなあと「イット・フォローズ」を見て思ったんですけど、この映画に出てくるでっかい尼さんはなんというか、六本木のハロウィン感があります。
・それにしても、エドを演じているパトリック・ウィルソンって蝋人形みたい。熱で溶けそう。シリアルキラー絶対似合うよ。
・ジャネットを演じている女の子が、すごくいいです。子役は全員うまいです。

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