「ウォーキング・デッド」シーズン7・第13話「決壊した良心」のネタバレ

wds71

今回はモーガンが主役の回でした。王国の面々を中心に、モーガンの「人を殺さない」という決意が、覆されてしまう回です。ぶっちゃけ、私は泣いてしまいました……モーガン役の俳優さんはうまいなあ。頻繁に登場していたキャラも数名、ここで退場してしまいます。

第13話 決壊した良心(Bury Me Here )

夢にうなされ涙して目覚めるキャロル。ダリルからアレクサンドリアの仲間は無事だと聞かされたが、気になって仕方がなく、モーガンに“真実を教えて”と詰め寄る。王国が救世主に供給する日、約束ではメロンを12個渡すはずが、取引の場に到着すると荷台に積んであったのは11個だった。王国を出発する時には確かにあったと事実を説明するエゼキエルだが、取引の意味を理解していないと攻め寄られ、救世主との間に緊張が走る。
http://tv.foxjapan.com/fox/program/episode/index/prgm_id/20608

ネタバレ

王国では、みんながトラックに何かを積み込んでいる。だが、それはメロン1つだ。仰々しくそれを見つめ、王はトラックの扉を閉める。

キャロルは、ベッドサイドのあかりを灯す。彼女はいつの間にか、タバコを吸っている(以前、アレクサンドリアでキャロルと揉めた直後に死亡した女性が喫煙していたが、彼女はそのことを引きずっているのかもしれない)。

モーガンはベンの弟に、棒術の稽古をつけている。
「兄貴を倒したい」という彼に、「兄貴みたいに強くなりたいんだろ」と言うモーガン。

キャロルは家を出て、王国にやってくる。木の上に登り、誘われてきたウォーカーを標識を使って手際よく串刺しにする彼女を見て、ベンは驚く。
キャロルはモーガンを訪れ、質問する。なぜダリルは王国に来たのか?と。モーガンは「協力するためだ」とごまかす。「でも、王国は救世主と戦っていない。取引したって聞いた」とつっこむキャロル。皆は本当に無事なのか、尋ねる。モーガンはダリルに聞いてくれと言うが、キャロルは真実を知りたい。モーガンは真実を話さないが、アレクサンドリアに行くなら自分も一緒に行く、一人で行動するなと言う。
「君が望んだことだ。1人になりたいと。それが望みだろ?未練があるのか?」
モーガンの言葉を聞きながら、キャロルは涙を流している。
「今すぐ出発してもいい。君が望むなら」

キャロルはまたすぐに王国から去るが、ベンがくっついてこようとする。彼女の強さを目の当たりにして魅了され、教えを乞いたいというのだ。だが、キャロルはそれを断る。

リチャードは、1人で何かをしている。「katy」と名前がついたリュックを埋めている彼。

王国にも、親子がたくさんいる。収穫の光景を見つめている王。そこに、ナビラというぽっちゃりした女性が登場し、作物の一部に害虫がついていると告げる。王はそれを受け入れ、一部の畑を処分することを了承する。「また芽が出る」という王。

ベンはモーガンに絵をプレゼントする。ある絵に、女の子が手を加えたものだという。その女の子のことを聞かれ、はぐらかすベン。

リチャードとモーガンの会話。リチャードには、かつて妻も子供もいた。完璧な、理想の家庭だった。だが、それはもう失われてしまった。
モーガンはやはり、リチャードの計画にのることができない。リチャードは救世主は殺されるべきだし、モーガンは善人だとも言う。だが、彼は警告する。いずれ彼の理想は崩れる。その時、自分を責めてはいけないと。

救世主との取引に向かう王やモーガンたち。だが、道がショッピングカートで塞がれている。それをどかしているうちに、道のわきに「私をここに埋めてくれ」というメッセージと、墓穴が彫ってある。
「世界は人を変にする。人類は悲劇にあってきた」「我らが生きるこの世界で、気がふれないのは幸運なことだ」
しかし、王には感謝の意を込めて、この言葉が投げかけられる。
「世界が人を変にするというが、あなたは別の世界を作ったんだ」

救世主との取引に遅刻した王たち。王の側近のジェリーは殴られる。イライラしている救世主サイド(ニーガンはいないが)は、銃をも要求する。しぶしぶ差し出す彼ら。しかも、供給物のメロンが足りない。王は慌てて、倍の量を渡すと申し出るが、彼らは許さない。
「今ここではっきりさせる」
銃をリチャードに向ける救世主の部下たち。だが、撃たれたのはベンだった。

足を撃たれ苦しむベン。
「供給は時間通り、ちゃんと渡せ」
と命令される。モーガンには棒が戻ってくるが、ベンは失血死しそうだ。
キャロルの家に運ばれるベン。リチャードはただただ、呆然としている。

キャロルの家に運ばれるベンだが、リチャードはショックを受けていて黙りこくる。
ベンは「敵を傷つけることは、己を傷つけること」と、モーガンから借りていた本のフレーズをつぶやき、そのまま死んでしまう。

モーガンはキャロルの家を飛び出し、歩き続ける。
「私をここに埋めてくれ」のメッセージの穴のところまで歩いていき、腰かけ、手首にナイフを押し付けるモーガン。彼は一気に様々なことを思い出す。息子の死、絶望、ありとあらゆる記憶が彼を打ちのめす。

リチャードの部屋を訪れるモーガン。
リチャードのせいでベンが死んだ。彼は自分が撃たれるつもりだったのだ。リチャードを憎んでいる救世主側のギャビンは、自分を殺すと睨んでいたのだ。自分の死で、モーガンや王を目覚めさせようとしたのだ。
リチャードは、誰かがそれをやってくれると思っていた。今までもそういう生き方をしていた。だが、そのせいで妻を失ったし、他のものもいろいろと失った。怖くてたまらない。すべては、自分が何もしなかったからだ。その独白を、モーガンは彼を睨みながら聞いている。
リチャードは今日のことを利用するんだと言う。救世主たちを信じさせ、殺すのだ。そしてアレクサンドリアとヒルトップと組み、攻撃する。
「だが、君自身も(※正しくは、モーガンの理想を)殺さなきゃいけない」というリチャード。「犠牲が必要だった。俺がなろうとしたが、ダメだった」
彼は代わりに軍を率いて戦うという。一生かけて償うと。だが、モーガンはなにも語らない。

モーガンは、ベンの弟を慰めている王を見かける。

そして、オープニングに戻る。彼らはメロン1つを大事に運んでいく。

救世主たちとの取引に出かけていくモーガンや王たち。ベンの血だまりがまだ残っている。
救世主側のリーダー(ニーガンではない)は、ベンが死んだと聞き、ギャビンを歩いて帰らせる。
「オレたちは理解した」
というリチャードに、突然モーガンが飛びかかり、首を締め上げる。
皆はびっくりしているが、モーガンは彼を殺してしまう。
そしてモーガンは語り始める。リチャードがすべてを仕組んだと。道を塞ぎ、時間をかせぎ、メロンを隠したのだと。彼は救世主たちにどうするべきか示そうとしたのだ。
「俺たちは理解している」と明言するモーガン。

モーガンは王たちにも、リチャードが犠牲になろうとしたと告げる。
ベンの名前を言おうとして、「デュエインが代わりに死んだ」と口走るモーガン。
「デュエイン?」と言われ、はっとする。それは彼の死んだ息子の名前だ。

王はモーガンに王国に戻ろうというが、彼はここに残るという。リチャードの死体の頭にナイフを突き刺すモーガン。

そして、モーガンはリチャードの死体を引きずって穴のところまでもっていく。「ここに埋めてくれ」の穴に彼を投げ込み、埋めるモーガンだが、途中でkatyのリュックを掘り起こす。それを見つめ、埋めなおす彼。そのまま、歩いているウォーカーを殺しまくりながら、キャロルの家に向かう。出てきたキャロルに「本当のことを知りたいか?」と言うモーガン。キャロルはそれを受け入れる。
「何があったの?」
「リチャードを殺した、首を絞めて。彼のせいでベンジャミンが死んだ」
そして、グレンとエイブラハムがバットで撲殺されたこと、町は救世主に抑圧されていると語る。仲間は彼らのために働かされていると。そして、スペンサーもオリビアも殺されたという。リックが王国に来たのは戦うためだ。
「知りたかったろ?」と言い捨て、モーガンはまた出て行こうとする。
「行ってもいい、行かなくても」
しかし、表情が硬いモーガンにキャロルは続ける。
「行かないで」

キャロルは王国を訪れる。荷物を持って。彼女は王に宣言する。
「備えるの、戦うのよ」
王はこう返す。
「戦うが、今日ではない」
その一方で、モーガンはまだ、怒りを抑えられないでいる。

感想

・モーガンの背負ってきた苦しみみたいなものが一気に決壊する回。モーガンが人を殺さないことはこの世界観の中では明らかにマイナスであり、自分はもちろん他の人を危険にさらすこともあったわけですが……しかし、ベンもリチャードも死ぬべきではないキャラクターだっただけに、非常に悲しいエピソードです。
・キャロルが覚醒!というわけではないのですが、モーガンの悲しみにそっと寄り添う姿は素敵であります。キャロルもミショーンも、こういう少し引いた演技の時もうまい。
・デュエインの名前を聞いて、やっぱりモーガンは息子のことをずーっと引きずっていたんだなあと思わされる。
・次回以降はサシャとロジータ、ヒルトップ中心の回とのこと。以前のエピソードで救世主の拠点の医者が殺されてしまいましたが、そのためにヒルトップの医者を譲るように救世主たちが命じに来るそう。ということは、当然マギーもエピソードに絡んできそうです。