「テイキング・オブ・デボラ・ローガン」

テイキングオブデボラローガン

2014年のアメリカ映画「テイキング・オブ・デボラ・ローガン」。デボラ・ローガンというおばあちゃんが認知症だと思っていたら、なんと悪霊にとりつかれていた!という話です。
「おばあちゃんが自分の生皮剥ぐ話」と聞いたんですが、微妙に違いました。ちょい剥ぎくらいでした。想像以上にすごいシーンがありました。

ネタバレ

医学生のミアは認知症患者のデボラ・ローガンの取材(治療や認知症患者の実態をまとめたVTRを作り、大学に提出する)のために、彼女の家を訪れる。カメラマンのギャビン、ルイスと共に向かうが、彼らを迎えてくれたのはデボラの娘のサラだった。

デボラは家の近くの森で、友人のハリスと庭仕事をしている。デボラはミアたちの取材を拒否したがっているが、謝礼や援助があると聞き、サラは乗り気だ(アメリカは医療費高いですからね)。

※基本的には、ルイスの目線(カメラ)で話は進行します

ミアたち3人は、デボラの家に泊まり込む。
ルイスは様子のおかしい(ヘビを持っている?)デボラを見かける。廊下にカメラをとりつけているルイスを見てイライラするデボラ。急に消える。
ギャビンがスコップをとったと大騒ぎするデボラ。その勢いで、自分で首を抉ってしまう。
鏡とおしゃべりするデボラを隠し撮りするルイス。

サラは同性愛者で、そのことでとても苦しめられた(田舎だし、クリスチャンの学校だったから)。

デボラは窓に釘を打ちつけている。だが、夜中に彼女自身が外に出て行ってしまい、血のついた服が窓の外に落ちている。「あの男からの電話に出るな!」と叫んでいるデボラ。彼女の土と血がついた手を洗ってあげるサラだが、デボラはそれをずっと睨んでいる。カメラの映像を確認するギャビンだが、デボラが瞬間移動していることが話題に上がる。デボラのインタビューが敢行されるが、大暴れし始めて中断される。その後、デボラの背中に爛れが出てきて、自分の腕の皮膚を引きちぎったりもする。

ピアノを弾いているデボラだが、急にこっちを見る。さらに突然、大事にしていた陶器の人形を食べようとするデボラ。

ギャビンが撮影した映像。デボラの趣味の絵を見るが、同じ風景を描いているのに、少しずつ黒い影が近付いてくる絵が何枚もある。窓に十字架をぶら下げるギャビンだが、後ろにデボラが立っていて、彼女の合図で釘で打ち付けられていた窓が急に開く。

夜、何かがジリジリ鳴っている。電話ではなく、デボラが昔していた電話の交換手が使用する機械が鳴っている。デボラはまたいない。開かずの扉とされているドアが開いており、そこにつながる屋根裏で、裸で機械にしがみついているデボラがいた。機械が突然スパークして、デボラは気絶する。彼女は「337」という番号を押していた。

ミアは念のため、サラに鎮静剤を渡される。
ギャビンがデボラが話していた謎の言葉を解析したところ、「永遠なるヘビが、お前を解放するだろう」とフランス語で話しているのがわかる。だが、デボラはフランス語は話せない。
デボラの昔の仕事の資料を見ていると、337のページだけない。塗りつぶして文字を照合するミアたちだが、そこからデジャルダンという人物名が浮かび上がる。
彼は地元の小児科医であり、4人の少女を殺した殺人鬼だった。少女たちの額にヘビにマーク、遺体が食べられていた。ターゲットは初潮を迎えたばかりの少女。これはモナカン族という儀式をイメージしているようだ。少女を捧げると不死身になるという言い伝えがある。しかし、このデジャルタンは現在行方不明だ。

サラはデボラにデジャルタンを知っているか聞いてみるが、「その人……知ってる」「ころ……され……た」デボラは昏倒して、土とミミズを吐く。
デボラは病院で統合失調症だと診察される。

ハリスは、サラとミアたちの邪魔をしているように見える。彼はデジャルタンの家のまわりで目撃されていた。ミアはハリスが少女を助けようとして男を殺し、デボラがそれを隠蔽する手伝いをしたのだと推測する。その夜、ハリスはデボラの家に銃弾を撃ち込む。彼は泥酔しているようだ。

ギャビンは仕事から抜けてしまう。デボラは入院しているが、病院で消えてしまう。しかも、白血病の女児を連れて。すぐに見つかる2人だが、デボラは大暴れする。
悪魔祓いを断られるサラ。
ハリスはお見舞いに来る。

人類学者に依頼をするミア。彼はデボラが、考え過ぎて悪霊に憑依されているような状態になっているのだと推測する。

ハリスとデボラ。「殺して」と懇願するデボラを、ハリスは窒息死させようとするが、うまくいかない。

ここで、デジャルタンを殺したのはハリスではなくデボラだということがわかる。5人目の犠牲者になりかねたサラを守るために、デボラは彼を殺したのだ。そして、彼の死体を埋めたのだ。
彼の死体を埋めたという裏庭の像の裏に行く。だが、デボラは先にそれを掘り出していた。
ふと屋敷の天井を見上げると、人型のシミが浮き上がっている。
屋根裏には死体の入っている袋がある。袋を燃やそうとするサラたちだが、そこから大量のヘビが出てくる。なかなか火がつかないまま暖炉が爆発して、サラとミアは吹っ飛ぶ。
家から逃げるサラ、ミア、ルイスだが、家の中に男が立っているのが見える。

だがデボラは脱走していた。しかも、少女を連れて逃げている。
警備員はヘビの毒のアナフィラキシーショックで倒れている。

少女たちが殺された鉱山に向かうサラとミア、ルイス、警察官2人。
ほどなくデボラたちを見つけるが、少女は「いじめないで、彼はいい人よ。川で私を洗ってくれるの」と呟いている。だが、デボラは男の警官に毒を吹きかけ、彼の顔は溶ける。彼を車に寝かせ、デボラを追いかける4人。だが、離れたちょっとした間に女の警官も死んでしまう(警察が全滅するのが早い!)

たくさんのヘビが出現している中、デボラを探す3人。デボラは少女を頭から丸のみにしようとしていた(口が裂け、まるでヘビのようなルックスになっている)。ミアはデボラに鎮静剤を撃ち、サラはミアにカーラを預ける。サラはデジャルタンの死体を燃やしてしまう。

デボラは殺人容疑や誘拐容疑で捕まるが、老衰が進み、立つのはもちろん話せないほどになっている。白血病が突然全快したカーラは地元のテレビ取材に応じている。可憐なカーラだが、最後にカメラに意味ありげに微笑みかける。

感想

・オチってそれほど重要じゃないとは思っているのですが、なんで少女を狙った連続殺人鬼が少女に入るんだろう?ルイスに入るならまだしも……白血病を全快させる悪霊ってすごいですね。
・楳図かずおの「ヘビ女」に通じる子供丸呑みシーンがとにかく怖い。思わず笑ってしまった。
・あと、裸のデボラが機械がスパークしたせいで吹っ飛ぶシーンもちょっと笑ってしまった。「Mr.ビーン」みたいで。
・デボラが普段はすごく穏やかで上品なおばあちゃんなのですが、前髪が薄めなんですよね。途中からウィッグにしていたのでしょうが、その感じも絶妙に怖い。「ヴィレッジ」でも裸のおばあちゃんが出てきましたが、西洋の裸のおばあちゃんは怖いなあ。日本の裸のおばあちゃんは果たして怖いのでしょうか?気になる。