「ウェイワード・パインズ」シーズン2・第4話のネタバレ

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第4話 消えたアビー(Exit Strategy )

アビーに襲われたはずのザンダーだったが、穴の中で目を覚ます。そんな彼の前に、意外な人物が姿を現し、無事に街へと生還する。一方、アビーが姿を消した今がチャンスと考えたCJは、壁の外にある畑の拡張を進言し、ジェイソンの了承を得る。人口増加策を推し進める彼らにとって、食料確保は切迫した課題だった。CJたち調査隊が壁の外へ向かっていると、ベンを見つけたい一心でテレサが同行を志願するのだが…。
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ネタバレ

引きずられていったザンダーは、落ちくぼんだ穴の中で目を覚ます。彼は無事なようだ。目覚めた彼は慌てて起き上がり、穴を見上げる。ベンを呼ぶが、そこには誰もいない。
穴を登ろうとしても、そこにはアビーがいる!せっかく登ったのにまた落下するザンダーを追って、アビーが飛び降りてくる。取っ組み合いをするアビーを、絞め落とす(!)ザンダー。石を使って、その頭を砕く。再度、穴を登っていくザンダー。とうとう脱出するが、疲れてそこから動けない。

朝。アイスクリームカーを利用した朝のアナウンスが流れるなか、ランニングをしているテオ。

会議では、メーガンが妊娠している生徒の人数について語っている。初潮の人数すら把握しているメーガンに、ケリーは、テオもアビーの研究に加えてはどうかと提案する。メーガンは難色を示すが、ケリーは彼を推薦する。ついでに研修医のことも相談すべきだというケリーに、頷くジェイソン(ちなみに、パムを殺してからは横分けからオールバックに髪型を変えている)。
だが、ミッチャムは会議から出て行こうとする。食糧問題以外の話なら、自分は必要ないというのだ。食糧問題を最優先すべきだというミッチェム。人口を増やすつもりなら、それより前に畑を増やさなければいけない。水も必要だ。アビーがいない今こそチャンスなのだ。
だが、ケリーやメーガンは違う意見を持っている。メーガンは街の再建にこそ力を入れるべきだと言うが、ジェイソンはミッチェムの意見を優先させる。メーガンは自分の意見こそピルチャーの意志だと語るが、ジェイソンはやはり彼を支持する。しかし、全員が心配そうだ。「それでもやらなければ」とジェイソンは語る。

ザンダーは川で水を飲んでいる。背後から、何かが近付いてくるようだ。と、そこにはヒゲもじゃの男がいる。
ピルチャーが死んだことをザンダーから知り、ショックを受けている男・ハスラー。
(ハスラーとは、アダム・ハスラー。前シーズンの主人公・イーサンの同僚であり、彼がウェイワード・パインズに向かうように手配した人物(ピルチャーに指示され、イーサンを拉致する手はずを整えたが、そのことを後悔もしていた。テレサは元同僚であり、イーサンの嫁だったのでかなり面識がある模様)
「街は誰が仕切ってる?パムか?」
「いいや。噂では彼女がピルチャーを殺したと。しばらく姿を見てない。今はジェイソンというやつが仕切ってる。“いい奴”だぜ」
ザンダーは自分の置かれていた状況について説明するが、男はすぐに去る。ハスラーは偵察隊の1人だった。が、今まで外で生きていて、見つけた人間はザンダーだけだった。

レベッカの店。ルーシーの様子がおかしいことに気が付くレベッカだが「じきに慣れる」と言う。彼女は不安そうだ。
「何歳で相手が決まった?」
「今とは違ったの。聞いて、紹介される男の子の中に、きっと素敵な子がいる」
「ママになりたくない。まだ無理よ、学校に戻りたくない」
ルーシーを説得するレベッカ。学校に戻らなければ、不審がられるからだ。レベッカはルーシーを抱きしめる。

アビーが消えたことを、ザンダーはハスラーから知らされる。アビーには偵察役がいる。だから、見つかったら仲間に知らされる前に殺せ、と言う彼。アビーとは、戦い方にルールがあるというのだ。
ハスラーは、ザンダーがなぜここにやってきたのかを尋ねる。5年前の“アビー襲来の日”の少し前に目覚めたザンダーは、身の上話をしようとするが、どうして壁の外に出されたのかをハスラーは聞きたいらしい。
「掟を破ったからだ」
ザンダーの話を聞いて厳罰だと同情するハスラーだが、今は自由の身だと茶化すように話す彼。しかし、ハスラーは街に帰るという。ある人に会うために。だが、ザンダーに関しては「また追い出されるかもしれないな」とも言う。

見張りをしている兵士たちは、トランプに興じていた。だが、何かの気配を察知したモニターを見て、フェンスに向かう。それはザンダーとハスラーだ。フェンスが開き、兵士たちが出てくる。彼らは堂々と中に入っていく。

ハスラーはテオと面会している。テオは、彼がどうして街の外にいたのかを訪ねている。テオの質問に答えないハスラー。
「分からないこともあるよな」
「分かってるさ」
テオの腕をつかむハスラー。
「アビーは敵じゃない、人類の後継者なんだ」
「なんだって?」
痛みを感じているらしいハスラーを、テオは寝かせて診察する。彼の腹には、たくさんの傷がある。

ハスラーの具合を偵察しに来たジェイソンだが、テオは答えない。守秘義務があるからだという。イライラしたジェイソンは彼を英雄だと語る。偵察隊のなかで、彼だけが生還したからだ。いろいろ聞き出そうとするジェイソンを、テオは「自分で聞け」と一括する。ジェイソンはテオの頑なさを指摘して、自分には住人を守る義務があると主張する。
「(住人は)家族同然だからね」
「パムみたいな存在か?」
「あなたに何がわかる」
「彼女は死んだろ」
「僕は住人を心から心配しているし、守るためなら何でもできる。厳しい決断も下す。あなたは?」
ジェイソンは立ち去る。

ハスラーは具合が悪そうだ。アビーとの死闘が、夢にまで出てくる。彼は起きて上着を身につけ、出て行こうとする。だが、廊下にアビーがいる!しかし、それは幻だ。何度も、何度も、アビーの幻覚に悩まされる彼。白昼夢のように、それは彼の前に現れ続ける。アーリーンが来て、ハスラーに散髪を無料してしてもらえることになったと話しかけるが、出ていく彼には無視される。

学校では、ピルチャーを主人公にした子供たちの芝居が上演されている。
客席にいたルーシーは、芝居が終わった瞬間に外に駆けだしていく。彼女に声をかけるメーガン。「最近、トイレの回数が増えたわね」というメーガンを、ルーシーははぐらかす。彼女といつも一緒にいる兄のフランクがルーシーに話しかける。
「彼女、気付いている」
「大丈夫。秘密にするよ」
その横をハスラーが通っていく。注目を浴びながら。だが、彼は通りを歩いているのか、森の中を歩いているのかわからないほど憔悴している。
そこに通りかかるテレサ。
「アダム?」
彼はイーサンを探していた。だが、テレサの口から、彼が死んだということを知って呆然とする。テレサはをベンを見なかったか尋ねるが、彼は何も知らない。
テレサは彼を責める。
「あなたのせいよ。あなたが夫をここへ。全部知ってたのね。ピルチャーの計画に加担していたんでしょ。よくも家族を奪ったわね。信頼してたのに」
テレサは立ち去る。

ケリーは車の中で、ザンダーの資料を見ている。自分の店に帰ってくるザンダーだが、店内ではケリーが待ち受けている。彼女は、この街の大抵の鍵なら開けることができるのだ。
ケリーは、ザンダーの処分をジェイソンが迷っていることを告げる。ザンダーは銃や手榴弾を盗み、第一世代への忠誠心が絶対ではなかった。しかし、彼は生還したし、街はもとに戻りつつある。「もう次はないわよ」と警告する彼女。ザンダーはそれを受け入れる。
ケリーは出ていく間際、戻ってこれたのはハスラーのおかげなのか?と問うが、彼は自分がハスラーを助けてやったんだとうそぶく。
「いいか、アビーはバカじゃない。戦い方がある。学ぶ時間はあった」
ハスラーの行ったことをそのまま受け売りするザンダー。彼は、ハスラーとの橋渡しすらかってでる。彼を盾に生き残ろうとしているようだ。

ハスラーは道端で酒を飲んでいる。アイスを食べている少年が彼を見つめているが、その背後にアビーが見える。子どもの喉をかききるアビー。だが、それはやはり幻覚だ。テレサは、逃げ出す彼を見つめている。

レベッカは「アビーは人間の後継者だ」というハスラーの言葉をテオ伝いに聞き、それを否定する。だが、テオはその言葉に意味があるものと考えているようだ。

メーガンはルーシーの兄のフランクを喫茶店に呼び出している。彼女は「第一世代の間で隠し事は禁止」と言い、自分にも隠し事をするなと命令する。少年は告げ口を要求するのかと躊躇するが、メーガンは「告げ口じゃない、情報共有だ」と言う。フランクは妹のルーシーを守ろうとしているが、彼女はその気持ちすら利用しようとしているように見える。少年の手を握り、「街全体のことを考えて」というメーガン。

テオはミッチャムの小屋を訪れている。
「自らの犠牲にするのは社会性がある証拠だ」
と、アビーの脅威について語るテオ。ミッチャムも思わず耳を傾ける。
しかし、こうも語る。
「奴らを過小評価するべきじゃない。街に来てどのくらい経つ?1週間?10日?ここで5年や10年過ごすとどうなるか想像してみろ。過去に残してきた人のことは、次第に忘れていく。時折懐かしむことはあっても、その人たちが戻るわけじゃない。
たしかに今回の調査は重要だが、水や食料の確保や土地の開拓のためではない。フェンスの向こう側に滞在するのは、俺たちのためではなく、過去に残してきた人たちのためだ。箱舟に乗れなかった人のためにね。俺達には、彼らの未来が託されている。俺達が希望なんだ
テオはその言葉にかすかに微笑みながら俯く。

ルーシーとレベッカが、通りを行く調査隊の様子を見ている。レベッカの目線の先にはザンダーが見える。ザンダーはレベッカに手をあげて、挨拶している。彼らは旧知の仲のようだ。
ミッチェムの車を止めたテレサ。調査隊に連れて行ってくれと懇願される。その脇では、ハスラーが勝手に車に乗り込んでいる。それを横目に、テレサも車に乗り込む。車は塀に向かって進んでいく。

ザンダーの店を訪れるレベッカ。レベッカはザンダーの処分を案じているが、彼がうまく立ち回ったことを知って微笑む。
「いい子にしててよ」
「努力してる」
「2人とも生き残らなきゃ」
ザンダーは新商品のお菓子をレベッカに渡す。彼らはどんな関係があるのだろうか?

レベッカが店に戻ると、メーガンがルーシーと話している。メーガンはルーシーに果たすべき役割(パートナーと関係を持ち、妊娠するという役割)を解くが、彼女は本気で嫌がっている。メーガンと2人で話し合うレベッカ。メーガンは出産こそが街のためになると思っており、子どもが産めないレベッカを皮肉るような発言をする。レベッカはまだ子供のルーシーをかばい、「彼女は私が守る」と宣言する。
「掟破りは許されない。仕方ないわね。ここで話したことをジェイソンに説明するわ」
「何と言って報告するの?“レベッカは掟に従わない、レベッカの行動は制限すべきだ”。ケンカを売りたいの?あなたに勝ち目はないでしょ」
レベッカはメーガンの車イスを外に押し出す。
「とても自己破滅的な行動ね。自覚してるかしら」
メーガンは言い捨てて立ち去る。レベッカは、ルーシーを中に呼び戻し、今日はレベッカの自宅に泊まるように言う。

湖畔に辿り着いた調査隊。テントを張る。テレサはハスラーに話しかける。
「なぜ戻ったの?私を助けるため?」
「そうだ」
「そう」
「ベンを捜して」

キャンプ地には火が焚かれる。ミッチャムはハスラーに近付く。
「俺には分かる、見たものを説明しても、誰も信じないと思ってるだろ。
終わりが近いと感じている
ハスラーは立ち上がって、ミッチャムから離れる。

ハスラーは森に踏み入り、ベンを捜している。アビーはいない。

テレサはテントで眠っているが、話し声で目が覚める。周囲がざわついている。兵士たちの真ん中に、死体がある。テレサはこわごわと近付く?ベンなのか?
彼女はそれを見て涙を流し出す。ミッチャムはテントの中からそれを見ているが、すぐに隠れてしまう。

ルーシーを家に連れてきたレベッカ。彼女は、兄と学校の寮で暮らしている。両親はいない。彼女が「生理が始まった」から、“出産プログラム”に組み込まれることを知り、驚くテオ。プログラムとは、決まった相手と学校のある部屋に入り……というものだ。
「昔ながらのやり方よ」
とレベッカは言う。テオは驚き、怒りを隠せない。
「相手は誰が決めるんだ?」
「さあ。1人じゃないわ」
「基準は容姿か、知能指数か?体型もだろうな。優生学だぞ、見てみぬフリを?」
「私だってこんなの反対よ。だから私なりに彼女を守ろうと思って、うちに連れてきたの」
「CJ(ミッチャム)は壁の外へ行くのは食料のためではなく、希望のためだと。それなりに納得できるやり方だ。だが、納得できることが1つあれば、解せないことが2つは出てくる
「だからこうして話し合ってる」
「生き残る方法をね。人間らしい生活とは程遠い」
「“ウェイワード・パインズで幸せになろう!”」
レベッカはキャッチフレーズを呟く。テオは顔をしかめる。

登校したルーシーは、兄のフランクに怒っている。
「自分だって話されたら困るでしょ」
「何のことだ」
「大嫌い!」
フランクにも秘密があるのだろうか。

深夜。1日中考え込んでいたフランクは、1人で寮を抜け出し、フードをかぶって徘徊する。通りのベンチに座り、サンドイッチを食べ始める横で、突然メリーゴーランドの電気がついて、回転を始める。近寄るフランク。それはうっとりするほど美しい光景だ。だが、突然電気が消えて、BGMも歪んでいく。回転木馬の間で蠢く何か。それはアビーだ。フランクはサンドイッチを落とし、動けない。

感想

・新キャラとして、ハスラーが登場しました。

・ベンは死んでしまったのか?
・レベッカとザンダーはどういう関係なのか?
・フランクは助かるのか?そして、ルーシーは自分の身を守れるのか?
・しかし、テオはひたすら困惑して悩んで怒っているだけだなあ。
・トウモロコシ畑の中で、ザンダーの声が聞こえてきたのは本人のものだったのでしょうか??