「ウェイワード・パインズ」シーズン2・第3話のネタバレ

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第3話 昔々 ある街で…(Once Upon a Time in Wayward Pines )

アビーが姿を消したため、ジェイソンはフェンスの外を調査し街を拡大しようと考えていた。そんな彼の前に、突然パムが現れる。街の指導者デイビッドを殺したパムは、長らく街外れの家に幽閉されていたのだ。一方 イェドリンは、パムからある話を聞かされる。彼がハワイで拉致された時、パムもハワイにいたというのだ。イェドリンが拉致された背景には、彼が思っている以上に多くの事実が隠されているようだった。
http://tv.foxjapan.com/fox/program/episode/index/prgm_id/20547

ネタバレ

※昔話風のナレーションからスタート

昔々ある街がありました
はるかなる時空を超えて存在する街で
周囲にはフェンスがありました
フェンスの外には化け物がいて
そのおぞましい生き物は人類の末路でした

街には1人の男の子がいました
幼いその子にはまだ知る由もありませんが
とても特別な子だったのです

赤ん坊がスリープ用の装置に入れられている。その装置には「ジェイソン・ヒギンス」と表示されている。

森を歩いている兵士たち。何かを見つけて走るが、それは鹿だ。
「ただの鹿だった」と笑う兵士たち。

テオは病院内を歩いている。と、アーリーンが彼に「アビーが消えた」というニュースを伝える。彼女はテオを飲みに誘おうとする。テオは彼女に結婚指輪を見せるが、アーリーンは引き下がらない。

ケリーとジェイソンは口論している。アビーは消えたというジェイソンと、楽観視するのは早いというケリー。調査隊を出したいジェイソンだが、その調査隊がベンの死体を見つけたら、ジェイソンは“第一世代殺し”になるだろう。ケリーはそれを危惧している。

レベッカとテオはアビーが消えた件について語り合う。レベッカは、ジェイソンが特別な存在だと語る。テオはそれに反発するが、レベッカは何かを知っているのか。

ジェイソンは「問題が山積みだ」と疲弊しているが、ケリーに撫でられ、熱烈なキスをする。と、家の中で物音がする。銃を持って階下に降りるジェイソン。侵入者か。と、リビングにいたのは中年の女性だ。そばにはマリオもいる。
「久しぶりね、ジェイソン」
彼女は微笑む。それはパム(※シーズン1で暗躍したピルチャーの妹)だ。

その幼い子は
ウェイワード・パインズで生まれた初めての男の仔
優しくて賢い男とその妹が男の子を育てました
兄妹は彼を我が子のように愛し
新世界の指導者とすべく帝王学を授けました

眠らされている人間たちを見ているジェイソン。
「彼らに興味があるの?見せてあげる」
眠らされている人物たちのプロフィールについて語るパム。パムは、ケイトの夫(シーズン1で反乱を起こし、ジェイソンによって殺される)が元会計士だが、この街ではおもちゃ屋の店主になることを語り、次に指したエミリーは自然ガイドだったとも語る。彼女はこの街への“適応”を助けるガイドのような役割を担うだろう。
そこにミッチャムが現れて、パムと共にジェイソンにいろいろと教えようとする。だが、彼はジェイソンにすべてを教えるべきだと語る。パムはそれに反対しているようだ。
「いずれわかるわ、あなたの世界ですもの。最も大切な任務を追うのよ」

パムがそこにいることに驚くジェイソン。彼女は、ジェイソンの指導役としてここに現れたのだろう。彼女は髪の毛を短くしており、カジュアルな服装で印象が変わっている。
パムは、ある家で幽閉されていた。ピルチャーを殺した咎で。だが、パムは兄のやってきたことをずっと見てきた。最近の反乱や騒動、ベンのことも。ジェイソンがベンにしたことも、彼女は知っている。パムは、混乱しているジェイソンを導きたいと思っているが、ジェイソンはそれを拒否しようとする。だが、パムには逆らえない。

街のメインストリートに住人たちが集められている。テオは「また処刑か?」と嫌味を言うが、横にいるミッチャムが「パムだ」と説明する。ミッチャムは、パムがピルチャーを殺したことを「仕方がない」ことだと感じているような言い方をする。
パムは町はずれの家に幽閉されていたことが、改めて説明される。

ジェイソンはパムを住人たちに紹介する。群衆の中にいるメーガンは嫌そうな顔をしている。パムを見つめているのはミッチャムだ。ジェイソンは街の外に出ていくために、住人の結束が不可欠だと語る。そのためにも、パムが必要なのだと。
まばらな拍手が起こるが、ジェイソンは例の手拍子を始める。第一世代を中心に子どもたちに広がるリズムは、転校当初のベンを怯えさせたあのリズムでもある。

病院内を、白衣を着て歩いているパム。それを遠巻きに見ている若者たち。アーリーンは逆に親しげに語りかける。
と、パムはある部屋にそっと入る。何かを探しているのか。そこにテオが現れる。
親しげなパムに驚くテオ。以前に、テオとパムは会ったことがあると言う。だが、彼にはその記憶はない。夫婦のベッドの中の事情すらからかうパムに困惑するテオ。
しかも、彼女もテオが拉致された頃、ハワイにいたらしいことがわかる(※テオとレベッカが拉致されたのはハワイ)。テオが立ち去った後、引き出しから注射器を盗みだすパム。そのまま立ち去る。

成長するにつれ、男の子はさまざまなことを探求して学んでいきました
すると、やがて世界が小さく思えるようになり
空は低く森は縮んで見えるようになったのです
フェンスが邪魔でした
男の子は好きなようにどこまでも歩いて
新たな土地を探検したかったのです

森の中で、ひとりになるジェイソン。パムはパーティから抜け出したジェイソンに語り掛けるが、彼は皆が自分を嫌っていると断言する。そこにメーガンが現れ、ポープ保安官がジェイソンのために新しい味のアイスを用意したという。だが、ジェイソンはそれに肩をすくめる。
メーガンはジェイソンに寄り添おうとする。メーガンはパムを悪者にして、自分には心を開くように導く。ジェイソンは特別扱いされたくないと言うが、メーガンは彼が特別なのは当たり前だと言う。街で生まれた最初の子であり、ピルチャーやパムが育てているから。メーガンは他の子どもたちを指し、彼らはジェイソンに従うべき立場の人間たちであり、それを理解していると語る。

メーガンは子供たちに授業をしている。この街でもっとも大事なもの。それは妊娠と出産だ。生徒たちは“パートナー”を卒業までに決めなければならない(とはいえ、既に妊娠している生徒も多い)。
メーガンは4人の女生徒を廊下に呼び、図書館に行ってランドルフ先生から冊子を受け取るように指示する。そのなかには、レベッカの店を手伝っているルーシーも見える。彼女たちは“未経験”であり、その時のために勉強しておいてほしいから、と語るメーガン。彼女たちは言われた通り、歩き出す。

パムは街を散歩している。守衛たちが守る研究所に入ろうとするパム。それを止めようとするマリオだが、自分を外に出したのはジェイソンの意志であり、彼に刃向かう気なのかと脅すパムに、兵士たちはしぶしぶ道を空ける。
ピルチャーがいた司令室を覗き(今はジェイソンのものだが)、実の兄を撃ったことを思い出すパム。続けて、彼女はアビーが捕えられている部屋に向かう。そこで彼女は薬瓶のようなものを盗む。

しかし、メーガンがやってくる。パムを見咎めるメーガン。だが、瓶を盗んだところは見られていない。2人は牽制しあいながら、にこやかに会話を続ける。メーガンはアビーの遺伝子を研究して弱点を探しているという。パムはメーガンが車イスになったことや、元催眠療法士というキャリアから、それ相応の研究をするのは難しいだろうと皮肉る。激しい皮肉の応酬の末、メーガンはパムを研究室から追い出す。

テオは、美容室にいるレベッカを訪れる。彼は妻に散髪してもらおうと考えたようだ。パムのことを聞き出そうとするテオ。レベッカが結婚指輪をしていないことに気が付く。彼女は(機械から出た時に)返してもらえなかったと言い訳する。
テオは「ハワイには多くの事実がある」というパムの言葉を引き合いに出すが、「私もよく覚えていないのよ」とレベッカははぐらかす。

パムは自宅に戻るが、子どもたちが壁に「人殺し」とスプレーで落書きし、逃げていくのが見える。家の前の木には、自殺体のようにつりさげられたマネキンが見える。
パムは自宅で何かを探している。赤いドレスだ。薬と注射を準備して、それを自分に打とうとするパム。だが、テオがやってくるのが見えて、慌てて中断する。

テオは薬剤不足について相談しに来たといい、家に入れてほしいと言う。
彼は、パムが実兄を殺したことには何か理由があるのだと考えている。パムはピルチャーがアビーを壁の中に入れたことを話し、自分たち兄妹は2人とも愚かだったと言う。彼は帰るように促されるが、テオはハワイの件を話し足りない。テオは、なぜ自分が選ばれたのか理由を探っているのだ。彼は確信しているのか。選ばれたのはレベッカだったのだと。
パムはテオを追い帰し、自分に注射を打とうとする。だが、なかなかできない。

メーガンは研究所で、備品のチェックをしている青年の横にいる。1つ足りないものに気が付く青年。『天然痘』がないという。パムが盗んだのは天然痘だったのだ。メーガンは血相を変え、テオに連絡すると言う。

ジェイソンやケリー、ミッチャム、マリオは会議をしている。そこに美しいドレスを着て現れるパム。ジェイソンに意味ありげにキスをする。しかし、そこにテオとメーガンが現れ、皆を避難させようとする。パムは、テオの検査を拒否する。そして語り出す。
パム「この街は人類の救いになるはずだった」
ジェイソン「その通りだ」
パム「今はもう違う」
ケリー「妨害工作?」
パム「街の終わりは運命づけられてたの。兄を失った時から」
メーガン「あなたが殺したのよ」
パム「ジェイソンたちはベンを殺した。今や住民たちの間には憎しみしかないわ」
パムはミッチャムに同意を求める。

「愛しい子、これはあなたへの贈り物なの。街の指導者としてあなたの民を穏やかな周辺へ導いてほしい」
「……許したのに」
「私の話を聞いて」
「連れていけ」
ジェイソンは深く傷ついている。パムは涙を浮かべながら立ち去る。

アビー襲撃の騒動直後。パムとジェイソンが話している。
「アビーは封じた」
「よかった」
「僕等は勝った。そうさ、反逆者を消し、ケイトと仲間たちも生活した」
「ピルチャーは?」
「……ジェイソン」
「嘘だろ」
彼女がピルチャーを殺したことを察し、泣くパムの肩を掴むジェイソン。彼は傲慢な笑みを浮かべている。
「今日分かったよ。奴らの命は僕の手の中にある。今日はそれを握りつぶしてやった。全員をひざまずかせたよ。僕のやったことは、歴史的な偉業となるだろう」
「違う、違う、違う。そんなことは望んでいない」
「どうして?僕はこの街のトップだろ」
ジェイソンの頬を叩くパム。
「バカな子ね!数少ない人類から、死者を出すなんて悲劇だわ。それなのに、あなたは伝説の英雄気取り?違う。そんな子を育てた覚えはないわ。殺戮を行えば、人類存続の余地はない」

ジェイソンは、パムの閉じ込められている部屋にやってきて、ガラス越しに会話をする。
「分かってたのか?」
「何を?」
「ピルチャーの計画が頓挫することだ」
「希望は捨てなかった」
「それでここへ?」
「正しい決断を」
「なんだ?皆殺しか?天然痘で街を全滅させようとするなど、ウェイワード・パインズの息子が許さない」
「街の息子なら他にもいる」
「それは誰だ」
「あなたは私の息子よ。私と同様に諦めない子に育てた。今の私には我々の間違いを正すことしか頭にない。決してあきらめないし、必ず方法を見つける。だから― 私を天然痘で死なせるか、その手で殺しなさい」

「彼女から感染した者は誰もいなかった」
部屋から出てきて、テオの肩を叩くジェイソン。
「街は救われた、ドクターイェドリン。あなたは英雄だ。住民も感謝するだろう」
「彼女に治療薬を」
「それは僕が決める」
ジェイソンは立ち去る。

ジェイソンとパムは、森を歩いている。
「昔話した物語を覚えてる?」
「この街の物語だろ」
「あなたの物語よ」
「そういえば、結末を聞いたことがない」
「何でもいいのよ。この街の理想の姿を話していただけだから。現実の物語は恐ろしいの。いいわ、話してあげる。
男の子は成長し、彼の街を見ました。街は男の子の望むがままでしたが、もっと欲しくなりました。しかし“もっと”は化け物たちのもの。それを悟った男の子は孤独を感じて―とても悲しくなりました。そして悲嘆の中で、自分がいかに特別かを思い出したのです。男の子は目を閉じ、願いました。神の恩寵を
ジェイソンは彼女の首を絞める。ジェイソンは涙ぐんでいるように見える。ぐったりしたパムを、抱きとめるジェイソン。彼は涙が止まらない。

帰宅したジェイソンを、待っていたケリーが見つめる。
「終わったの?」
「調査隊として誰を送ろうか。貴重な人材を送るのは不安だが、専門家が必要だ」
彼女が否定した調査隊を、ジェイソンは送るつもりになっている。ケリーはその言葉に驚く。ミッチェムは調査隊に立候補しているらしい。
ケリーは彼の言葉を遮り、「何か話したいことは?」と聞くが、彼は話さない。

テオは考え込んでいる。
「大丈夫?」
レベッカが横に座る。テオは、時計を探しているようだ。どこにいったのか。ここでは必要ないけれど、と前置きしながら、テオは自分の死んだ父について語り出す。父から贈り物をもらったことがなかったこと。母の葬儀の後、父の手を握ったら、時計を外して渡してくれた。そして父にバーに誘われ、初めて一緒に飲んだ。それ以来、毎週父と飲みに出た。初めて店に行かなかった日(つまり、彼が拉致されて失踪した後)、父はどうしたのだろうか。自分は電話にも出なかった。消えたからだ。父は自分を探しに店に行ったかもしれない。
「こんなことを考えたらとても生きていけないが、君には知ってほしい。俺は忘れないから」
レベッカは泣いている。そして、彼の手を握る。その目を見返すテオ。レベッカは彼の手をさする。

パムの死体を、火にくべている兵士たち。それを陰から見つめているのは、ミッチャムだ。彼は燃えていくパムの死体を見つめている。BGMとして流れているオルゴールの音は、少しずつ狂っていく。

感想

・パム、再登場するもすぐ退場。ケイトといい、ゲスト出演⇒死亡で退場というのはいかがなものでしょうか。あと、前作とだいぶキャラが変わったような……?こんな、自己犠牲を伴いつつもジェイソンを殺すようなキャラだっけ?もっとしたたかだったような気もする。
・パム、髪を切っているので、最初に登場した時全然わからなかった。さながら浅香光代と同じ髪型です。
・前シーズンで、ジェイソンはそんなにかわいがられていたようなイメージがない。
むしろ、暴走したアホかと思っていた。
・テオの父親とのエピソードが切ない。俳優さんの演技力がすごいなあ。
・結局、ジェイソンは感染していなかったの?ジェイソンが意味ありげにテオの肩をギュと押したのは意味がないのか?
・レベッカも実は街の創設メンバーのひとりだったのではないだろうか?
・メーガンの性教育が怖すぎる件……。

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