「トム・ホランドの世にも奇妙な物語」

tomh

2014年「トム・ホランドの世にも奇妙な物語」を見ました。トム・ホランドは「チャイルドプレイ」で脚本と監督を担当、「フライトナイト」やなんかも撮ってます。あと、「ランゴリアーズ」も……。
短編集なのですが、とにかく長い!140分くらいあったかな?短編集はサクサクみられるのが嬉しいですが、9本も入ってるのには思わず白目を剥くよね。また、しっかりした小説で読んだらかろうじて面白いのかもしれないのですが、全体的に「知ってる」感じの話ばかりなのも泣ける!

なんというのでしょうか。大林監督の映画を見るような温かい目で見るといいと思います(大林監督のAKB48「so long!」のMVは忘れられない……)。

ネタバレ

※全部原題のママです

①Fred & the GPS

妻を殺した男が国外に逃れるために車を運転している。いつしか、GPSと口論になる男。GPSには妻が乗り移ったように、浮気の原因を話し出す。フレッドはGPSを壊すが、そのGPSが案内した場所で降車した男は、そのまま轢かれる。
「最終目的地についたわね」

②TO HELL WITH YOU

浮気された女が、彼氏に復讐を持ちかけてきた悪魔と契約してしまう。女は血で拇印を押し(海外にも血判ってあるんだなと思いました)、彼氏は死ぬ。だが、女はその願いと引き換えに地獄に行かなければならない。追加で願いを叶えてくれるように頼んだ女は、その悪魔のボスに会わせてくれと頼む。契約は反故にできない。悪魔は頭を抱える(人間を連れて行ったら大目玉だから)。女は、全てをなかったことにするように悪魔に命じる。
その通り、全てが巻き戻り、女は浮気男に罵声を浴びせてその場を後にする(女も浮気していたことが明かされる)。だが、今度は、悪魔は彼氏のほうに声をかけて、女を殺すように持ち掛けるのだった。

③BOOM

軍隊で爆弾処理の仕事をしていた男と、その友達。男は友達と自分の妻が浮気していると思い込み、友達を爆弾につないでしまう。嫁にも爆弾を吊るし、本当のことを言うように迫る。だが、実は男の誕生日パーティを企画していた友人と妻(なんだよこのマンガみたいな展開)。男は後悔して、友達の代わりに自分が爆弾につながれる。だが、浮気していたのは本当だった。友達と嫁は男の前でこれ見よがしにキスをして出ていく。だが、爆弾は偽物で、本当の爆弾は車に隠されていた。車ごと、友達と嫁は爆発する。

④mongo’s magick mirror

マジシャンの男と美人助手は、不思議な鏡を持つ路地裏の老マジシャンを訪ね、その鏡を譲ってもらうように交渉する。
その鏡は、異世界へと通じている。鏡の中に入りこむ助手。キラキラとした世界を見て、彼女は喜ぶ。だが、これは人間の心を反映する鏡だった(助手は心がキレイだからキレイな世界が見られた)。鏡を力づくで奪うマジシャン。老マジシャンも助手も入るが、そこは天変地異が起きた世界だ。これは老マジシャンの世界なのだ。老マジシャンであるモンゴは昔話をしながら警告するが、マジシャンはどうしても鏡が欲しい。モンゴと美女助手は鏡に閉じ込められるが、マジシャンも引きずり込まれる。そこには、大きな虫が異常発生している。これはマジシャンの心の中を反映した世界なのだ。モンゴと美人助手は脱出して、マジシャンだけが取り残される。マジシャンは無視と戦い続ける。
モンゴは美人助手をスカウトして、彼女もそれを受ける。鏡は何度捨てても戻ってくる。マジシャンは、鏡の中でとうとう虫に食われてしまう。

⑤BITE

未来が見えるドラッグを吸う若者たち。ドラッグを吸った順に、オオカミと化して仲間を襲い出す。……という未来を見た主人公は警告するが、その未来の通りになってしまう。
(ちなみに、殴り合いや血が出るシーンは、その瞬間にストップモーション&謎のぬるぬるした動きの血のCGという、トム・ホランドファンを泣かせてくるようなしょぼう出来であります)

⑥SHOCKWAVE

核爆発の煽りを受けたハワイ。金持ち4人は、2人しか入れないシェルターに誰が入るかを争う。豪邸に招かれた夫婦は、自分たちが入ろうと必死になる。豪邸の持ち主の夫も、自分たちが入りたいと思っている。だが、豪邸の持ち主の妻・リンダだけは、使用人の女性(妊婦)に譲るべきだと思っている。
夫同士は刺し違えてしまい、妻たちは「一緒に志納」と約束するも、招待されたほうの妻が不意を狙って自分だけ生き残ろうとする。しかし、リンダは彼女を殺し、使用人をシェルターに入れ、自分はプールサイドで優雅に死を迎える。
翌朝。使用人が外に出ると(不用意だな)、そこには今まで通りの生活があった。電磁波トラブルが起きただけで、誰も死んでいなかったのだ。リンダと再会を喜び合う使用人だが、「私の夫は生きてるはず」と不用意に漏らし、リンダは顔をひきつらせる(どさくさにまぎれて、カチンとしたことを言った使用人を殺そうとする?)。

⑦CACHED_

自殺を目撃した男は、自殺者のタブレットを盗む。だが、タブレットから首をかききった謎の男、ダニー・ドイルが現れる。彼は自分を「タブレット男」と名乗り、ゲームを持ちかける。ダニーは殺人犯であり、自殺していた事を知る男。彼をどんどん追い詰める。しかし、見えないダニーは追うのをやめない。
彼本人も首をかっ切って死に、それを目撃した男の友人にタブレット越しにゲームを持ちかけるダニー。だが、友人は逃げてしまう。ダニーは大声でゲーム相手を求め続ける。

⑧THE PIZZA GUY

1)亡き妹

死んだ妹に謝りたい主人公は、悪魔を召喚するために魔法人を書いている。呪文を唱える彼女の横には、彼氏や女友達・その彼氏が見守っている。
身を守るために魔法陣に入るように警告する主人公だが、彼氏だけが中に入る。

2)注文者の名前は?

と、ピザの配達が来る。注文もしていないのに?
主人公は、このピザの配達人が悪魔だと思う。そこに、彼氏がたまたまポケットに入れていたポラロイド写真で、彼氏と女友達の浮気が発覚する。
「これも罠よ!」という主人公。
しかし、女友達の彼氏がイライラして帰ってしまう。
(この段階では、4人とも魔法陣にいます)
外に出た友達の彼氏が車に轢かれた音がする。

3)魔法陣の外

女友達も魔法陣の外に出てしまい、死ぬ。呪文を唱えるが、ピザ配達人は消えない。主人公は願いを唱える。

4)死者からの電話

妹ともう一度話したいと願う主人公。その願いは叶えられる(けっこうフランクに「怒ってないよ~」みたいなノリの妹)。しかし、主人公は悪魔が殺した人数だけ、体の一部を捧げなければいけない。

5)究極の犠牲

主人公は2人分の指を切り落とす。それを止めようとして、魔法陣を飛び出した彼氏。彼が急に頭打って死んでしまう。

6)死者の復活

2本切っていた指に追加してもう1本切ると、女友達とその彼氏が部屋に入ってくるわ、彼氏が生き返るわで、なんとかなる。ただ、病院に行こうという他の3人。
ピザ配達人は、なぜか魔術書を欲しがる。魔法陣に入ろうとしたらあたりが炎上して、彼がやはり禍々しい存在だとわかる。
魔術書で妹を助けるという悪魔だが、それは嘘だった。悪魔は魔術書で世界を滅ぼそうとしていた。

7)悪魔は常に嘘をつく

だが、それを予見していた主人公はいったんそれを彼に渡し、悪魔を消す呪文だけは自分が所有していた。悪魔を滅亡させ、主人公は病院に向かう(このオチなんなんだ)。

⑨VAMPIRE DANCE

いなくなったルームメイトを捜している女の子。だが、彼女が訪れたクラブはヴァンパイアの巣窟だった。彼女は誘われるがまま、ヴァンパイアの血を飲み、クネクネしながらヴァンパイアに変化する。

感想

・トム・ホランドがMCとして出てきて、ストーリーをそれぞれ説明。エキストラで出演もしています。
・ピザ配達人の話はこのなかでは面白い……気もする。最後の話は、何で今さらこんな話?という感じ。デルトロの「ストレイン」(まあ、予算違うんだろうけど)と比べてはいけない。ダンスのクオリティがヒドイのも……どうせなら社交ダンスでよかったんじゃないかしら。サンバとか。サンバ踊りながら血を吸うヴァンパイアとかさ。「ヌイグルマーZ」の阿波踊りを思い出したけど。
・それにしても、予算がないからないなりに、お話でカバーしてほしいわけであります。浮気してるだろ!⇒あなたの誕生日パーティの企画を練ってただけよ!⇒ホントだ!メールに「チョコレートケーキを用意しよう」って書いてある!って、笑えるよりも無性に悲しくなったよ。たまたまポケットにエッチな写真が!とかさ。「俺はタブレット男だ!」とかさ。