「ザ・キューブ ファイナル・トラップ」

thecubefinal

2014年のアメリカ映画「ザ・キューブ ファイナル・トラップ」を見ました。
騙された。知ってたけど、騙された。「CUBE」シリーズではありません、この映画。
ただ、気になったので見てみました。
・謎の立方体(という名の普通の部屋)に閉じ込められた主人公
・タイムリミットまでに真実を思い出さないと、殺されそう!でも何も思い出せないの!
というお話。

ネタバレ

「君の望みはなんだ?」
「わかってるくせに」

立方体の部屋の中で目覚める女(といっても、カーペットの敷かれた床に木の壁と、見た目は普通である)。壁には制限時間を示す時計が設置されている。縛られていた女は、縄抜けをして周囲を調べる。

彼女はマッチを見つける。そこには「1月11日8:30PM」と書かれている。だが、そこに男たちが押し入ってくる。彼らはガスマスクをつけ、全身タイツのような服を身につけている。パンを渡し、テレビを運び入れる男たち。逃げようとするが、女は逃げられない。パンを食べる女。

彼女の首の後ろには謎のイボがある。「MAMA」というロゴを入れたブレスレット(彼女の娘が作ったのだろう)を見て、泣く女。
そこに顔の書いた袋をかぶった男が入ってくる。女の名前はエミリー・バーンズ。大学で薬学の准教授をしている。
「1月11日に何があった?」
そう聞かれてもエミリーはわからない。
テレビに、彼女の大学卒業時のホームビデオが流れる。男たちはなぜ、この映像を持っているのか。

水責め(バケツに顔をつけられる)を受けるエミリーだが、やはり何もわからない。

「反復が大事なんだ」「話し合いましょう」
教授との話が思い出される。だが、詳細はわからない。

隣の部屋から、メモが差しこまれる。友達のアマンダも捕らわれているのだ。彼女も、どうしてここにいるのかまったくわからない。

モニターには、娘と夫の映像が映る。

謎の男は、写真を差し出す。それは教授の写真だ。だが、エミリーはやはり詳細を思い出せない。

モニターは大学で起きた爆発火災のニュースを映し出している。

教授はなぜ死んだのか?教授の開発していた新薬は、どうなったのか?
このコブ教授の死について、アマンダにも確認するエミリー。「ヘイゼル計画」という新プロジェクトについての書類もエミリーに渡されたが、アマンダも何もわからない。壊疽に関する研究のようだ。
エミリーはふと、マッチに書かれた文字が自分の書いたものであることに気が付く。マッチをすってみたら、一瞬何かを思い出しかけるエミリー。

エミリーは思い出し始めている。彼女は教授に何かを約束している。
モニターには、娘の誕生日の映像が映っている。

エミリーは天井裏から箱を見つける。その中にはカッターがい合っていた。床とカーペットを剥がすと、おこからは新聞が出てくる。
「嘘……」
誰かが来る!急いで原状復帰するエミリーだが、男にカッターを持っていることがバレてしまう。薬をうたれてしまうエミリー。

隣の部屋のアマンダはもうあきらめかけている。
「私は自業自得よ、あなたはあきらめないで」
隣の部屋では、アマンダが死んだような音がする。板で拘束を切るエミリー・

記憶の中で、エミリーは(この立方体の中で)アマンダと喧嘩をしている。「ヘイゼル計画」について、エミリーはやはり何も思い出せない。
また、カブ教授が例のマッチをいじっていたことを思い出す。彼に協力すると言ったエミリー。彼女は全てを思い出せるのか?

部屋の中を、教授が好きな曲が延々と流れている。
「反復が大事なんだ」
教授の声が囁く。
エミリーはまた、水責めされている。

だが、ここで真実が明らかになってくる。
謎の男は脳のスライド写真を見せ、エミリーの映像も見せる。彼女は男たちに協力的であり、進んでこの部屋の中に入っていったことがわかる。
彼女は今日が1月3日だと信じている。だが、謎の男は彼女が4ヵ月近く、同じことを言い続けているという。エミリーは病気なのだ。30分しか記憶を保てない。
謎の男は袋を顔からとり、アトリー博士だと名乗る。彼は主治医であり、エミリーの友人だ。

エミリーはなんとなく、思い出し始める。
自分でマッチに、ある約束の時間をメモしたこと。
教授に計画の助手を頼まれ、了承したこと。
エミリーはその仕事を成功させたこと。
だが、教授のいじっていたマッチで、約束を忘れていたことを思い出したこと。
電話で夫のアンドリューと口論になったこと。
そして、大学が爆発したこと。

ヘイゼル計画にエミリーは関わっていた。しかし、それを思い出せないのは脳の炎症のせいだ。首の後ろのふくらみは、その後遺症だった。彼女の中に、ウイルス(おそらく教授と研究していたウイルス)がいる。
だが、新しいことを記憶できないエミリーは何も思い出せない。でも、自分の命を助けるためには、思い出すしかないのだ。
だから、あえて実験は行われている。恐ろしい体験をして感情を昂らせ、ニュース映像や昔の画像、音楽で心を揺さぶる。

娘と夫、そして生きていたアマンダも姿を現し、彼女を応援する。
それでもエミリーは思い出せない。

「君の望みはなんだ?」
「よくわかってるくせに」

エミリーが目を覚ますと、また立方体の中にいる。彼女はまたすべてを忘れて、同じことを繰り返す。

感想

・こうやって振り返ると、想像以上に微妙だった……。
設定は「メメント」っぽいですけどね。
・エミリーの顔力が凄すぎて集中できない。
・アマンダは毎回協力しているの?時給は発生しているのでしょうか。気になる。
・男がかぶっている麻袋に子どものらくがき(のような顔)はけっこう怖いです。
・部屋がすごく汚いので、見ていて体がかゆくなりました。
とはいえ、正統な続編よりも出来がいい(まあ、おそらく日本の配給会社が勝手に名付けただけですけど。センスのないことしますね)のが泣ける。