「愛を複製する女」

aiwofukuseisuruonna

2010年のドイツ/ハンガリー/フランス映画「愛を複製する女」。主演はエヴァ・グリーン。といっても、私はあまり馴染みがない女優さん。
大好きな男性が死んでしまって、彼をクローン技術で「産み直す」というお話。まぁ~フランス映画っぽいです。偏見かもしれませんが。

ネタバレ

すべて終わった
あなたが応えなくても、私はずっと語りかける
遠くへ旅立っても あなたはここにいる
大事なものがここにある
あなたの最後の贈り物が……

女は大きくなっているお腹をさする。

幼なじみのトミーとレベッカはいつも一緒。だが、レベッカは祖父の家に預けられていただけで、途中で母の仕事で東京に行くことになる。キスして別れる2人。

そして、大きくなったレベッカは戻ってくる。トミーは一人暮らしをしているが、そこにはシベリアンハスキーと、裸の女の子がいる。そして、あごがたくましくなったトミーもだ。
彼はレベッカのことをすっかり忘れている。
彼女のローズ(途中まで、彼女はシースルーのTシャツにパンツ1枚である)と一緒に、トミーとレベッカはお茶を飲む。

レベッカは大学で数学を研究した後、自立して働いている。彼らの仲の良さにローズは怒って出て行ってしまう。

レベッカと海に出かけたトミーは、裸になって海に飛び込む。

一緒にご飯を食べる2人。キスもする。
トミーは環境活動家になっている。大きな冷蔵庫?でゴキブリを飼い、池を埋め立てて作ったモールにそれを放とうとしているのだ。

だが、トミーは事故であっけなく死んでしまう。レベッカは彼から「ずっと渡したかった」と手渡されたマッチ箱を開けてみるが、そこには一緒に育てたカタツムリのカラと、「いつまでも君を待っている」というメモが残されている。

トミーの両親はショックを受けているが、彼らを食事に招待するレベッカ。そして、「彼をよみがえらせる」と宣言する。クローン技術で彼を複製して、自分が産むというのだ。両親はもちろん、反対する。
そして彼らは村を出ていく。

レベッカはひとりで妊娠・出産して、子どもを育てる。どんどんとトミーは成長する。レベッカは彼の“母”になりすます(実際に出産はしているが、)6歳になった彼はガールフレンドをつれてくる。
その一方で、ディマという少女と知り合うレベッカ。彼女は子どもたちからも、親からも嫌われている。クローンだからだ。そのディマの母親は、彼女の祖母のクローンを産んだのだと言う。クローン人間を差別する親たち。レベッカは彼らに迎合する。

だが、その嘘はバレる。トミーの誕生日には誰も来ない。
レベッカは海辺の家に戻り、トミーと2人で暮らし始める。トミーはゲームをし続けている。失敗したゲームキャラクターは、奈落の底に落ちていく。

そして、かなりの時が流れる。トミーはすっかり大人になり、モニカという少女を家に連れ込む。しばらく彼女を家に泊めるというトミー。レベッカは寝込んでしまい、元気がない。
レベッカは布団に隠れて、彼らのセックスを覗き見ようとすらする。
また、トミーはレベッカにふざけてちょっかいを出す。母の服の下に潜りこんだトミーだが、なんだか気まずい雰囲気になる。モニカは立ち去ってしまう。

そこに、老いたトミーの本当の母が訪ねてくる。トミーは「僕はあの人を知っている」と呟く。そして、目に見えてイライラし始める。
彼に彼女が誰なのか言えないレベッカ。だが、彼の懇願に負けて彼に写真を見せる。そこには、トミーと同じ顔をした少年がいる。彼はようやく、自分の存在を悟る。
「人間は全員、違うものだ」と信じていたトミー。だが、彼のアイデンティティは覆る。
「自分がわからなくなる恐怖があなたにはわかるのか?」「これ以上、何が望みなんだ?」
レベッカを責めるトミー。そしてそのまま2人はキスをして、セックスをしてしまう。
そしてその後、トミーは出て行ってしまう。
最後に「ありがとう、レベッカ」と言い残して。

感想

・子どものころかわいかったトミーが、大きくなったらケツアゴになっていてびっくり
・こういうアンモラルな話(クローン人間はともかく、近親相姦要素)はちょっと……。
・とはいえ、「愛する男を育て直す」「その男が、別の女にうつつを抜かす」事は単純に切ないし、愛の恐怖を感じるのもわかる。