「ストレイン」シーズン2・第6話のネタバレ

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第6話「決意」(IDENTITY)

マンハッタン ミートパッキング地区 ワシントンストリート
ホームレスを無視した女性は、その男から「お前も噛まれちまえ!」と罵声を浴びている。と、そこにトラックが現れる。堂々と荷台から降りていく新たなストリゴイ(前話で飛行機から登場した)。運転手の黒人女性は、ホームレスにトラックの鍵を投げ、トラックと中の冷凍エビ900キロをプレゼントするという。彼らは別の黒塗りの車に乗り換え、去っていく。ホームレスの男はポカンとしている。

ワシントンD.C. フォレストヒルズ エリコットストリートNW
雪が降りしきる中、男は車を止めて降りてくる。突然げろげろと吐き戻した男。そこにエフが話しかける。彼らは友人であり、酒飲み仲間らしい。彼こそ、エフの友人のロブだ。怪我をしており、かつ「ジョナサン」と身分を偽るエフのことを中に招き入れる。

エフはまず、ロブに事情を説明しながらヴァンパイアへの生物兵器を開発したことを説明する。製薬会社に話をつけ、量産体制を確立して国防総省に持ち込みたいというエフ。しかし、ロブは国防総省よりも州兵軍のほうが話を持ち掛けやすいという。

隠れ家にフィッツウィリアムを連れ帰ってきたエイブラハム。ザックはぶっきらぼうに「あなた誰?」と尋ねる。ザック、ヴァシリー、ノーラが彼に対面する。ザックは朝食を持って立ち去ってしまう。
自室で吸入器(喘息の発作の時に吸う器具)を使っているザック。ノーラはエフがいつ戻るか聞きに来るが、ザックもそれは知らない。ノーラは彼の部屋に入る。
ザックはいつも父がいなかったようなことを匂わせる。しかし、ノーラの前ではザックは気丈だ。ふと、2人はハグをする。自分に大丈夫か尋ねてくれたザックに、ノーラは「気遣ってくれてありがとう」と言う(前シーズンで、ノーラは母を感染で亡くしている。つまり、数週間前に死んだばかりなのだ)。

ハーレム 2番街と116丁目の角
ガスはエンジェルの店に来ている。しつこくエンジェルが元プロレスラーだと言うが、エンジェルはガスを無視している。エンジェルの主演映画を(自ら)悪く言うエンジェルに(あの映画はクズだと発言した)、ガスは本人のいないところで文句を言うなと怒る。ガスは映画の大ファンで全シリーズを見ているらしい。映画の話をべらべらと続けている。エンジェルはとうとう、「俺が“銀の天使”だ」と認めたが「二度と言うな」と怒鳴って出ていく。

エンジェルに怒られたガスを、地下室に連れていくアーニャ。最後の出演作である「銀の天使対暗黒の帝王」の同じシーンを、エンジェルは繰り返し見ているらしい。彼が膝をケガした(引退の原因であり、膝を引きずる原因になった)シーンも映っている。

ワシントンD.C. CストリートNW
約束の時間を15分過ぎても待ち人が現れないことにイライラしているエフ。
「ここでは遅刻の内に入らない」
とロブはからかう。
ニューヨークの感染拡大について伝えるニュースが報じられている。と、そこに約束の女性、リーが現れる。彼女の口から、元上司のバーンズが列車から落ちて死んだことが明かされる。ロブはちらりとエフを見る。女性は「きな臭い感じ」と呟く。

リーに対して、自分の作った薬を売り込むエフ。エフは、自分たちが失った者について語る。皆が大切な人を失った。僕たちにとってはただの疫病ではない、と。リーは電話をかけてくると立ち上がる。
ロブはエフがバーンズを殺したと誤解している(それは事実ではあるが、真実ではない)。ロブはエフの弁解を聞かず、何も気付かなかったふりをするようだ。リーが戻ってきて、主任に報告したと彼らに伝える。彼らの味方になってくれたようだ。

フィッツウィリアムが、パーマーが購入した不動産の位置について説明している。彼は購入した不動産を、何に使おうとしているのか?フィッツウィリアムはアイヒホルストとパーマーが密談する時には外に出されていて、その建物が何に使用されているのか知らない。それを都合がいいとからかうヴァシリーに「助けてやった時にはそんなことは言わなかったくせに」(シーズン1でパーマーのビルに侵入したヴァシリーとダッチを、彼は見逃した)と言い返すフィッツウィリアム。エイブラハムはパーマーの動機が分からない。フィッツウィリアムは彼が「死を恐れているから」と言う。つまり、マスターのパートナーになりたいと願っているというのだ。ヴァシリーは「まいった」とあきれる。

テーブルに座って勉強しているアーニャを、ちらちら見ているガス。そこに、アーニャの父親(エンジェルと別人)が彼女に配達を命じる。危険な街の現状がわかっていないの?というアーニャに、彼女の授業料を稼ぐためだという父。だが、学校は無期限休業だとアーニャは皮肉る。
アーニャについていくというガス。エンジェルは自分が行くと言うが、化け物の扱いには自分のほうが慣れているとガスは胸を張る。エンジェルはガスを止めようとするので、ガスは彼女に選ばせようという。

イーストハーレム ティト・プエンチ通り
配達中のアーニャに、結局ガスとエンジェル2人がついてきている。呼吸器科医を目指しているというアーニャは、医学部を受験するために勉強しているというが、世の中が変わり、自分が何を目指すべきかわからない。そもそも、医学部も母の知り合いが同じ仕事をしていて、高給取りだから目指すように言われているようなもの。アーニャは迷っている。
配達のために、建物の中に入っていく3人。エンジェルの挑発に負け、ガスは自分に前科があることを認める。ボクサーになる夢に破れたこと。母を悲しませたこと。「で、このザマ。満足か?」
「そう見えるか?」
と、アーニャは目当ての家に着く。お金を渡されてそのまま帰ろうとする3人だが、目の前にストリゴイが出てくる!と、袖から武器(小さなオノ)を出して、ストリゴイの顔にそれを叩きつけ、キックするガス。そのストリゴイの頭を撃ち抜いてオノを抜き、振り返ったら、そこには2体目のストリゴイがいる。アーニャに襲いかかったストリゴイを止めようとするエンジェル。ガスも加勢して倒せたが、エンジェルの膝がまた痛みだしてしまう!ガスは彼の方を貸して、建物を抜け出す。

ワシントンD.C. Uストリート回廊
エフは酒を飲みながら、リーにアフリカにいた時の話をしている。冤罪(彼が子どもに打っていたワクチンが逆に健康を害すると決めつけられた)で投獄されたエフを助けたのが、国境なき医師団のふりをした国務省のロブ。それ以来、彼らは親友になったのだ。
そこに電話がかかってくる。リーが主任研究員と明日打ち合わせすることが決まる。ロブは立ち上がり、デートに行くという。リーとエフを置いて行ってしまう。久しぶりに恋の駆け引きのような会話を楽しむエフ。リーといい雰囲気になり、キスをしてしまう。

ワシントンD.C. チャイナタウン マサチューセッツ街NW
と次の瞬間、ベッドに裸で寝ているエフが映る。彼はリーと関係を持ったらしい。ロブはエフを心配してリーに電話をかけてきたようだ。リーとエフは何度も唇を重ねる。しかし、リーの差し出した書類にエフは怒りだす。秘密保持の契約書ではなく、新薬に関する権利放棄の書類だったからだ。独占契約と所有権の譲渡が前提だというリー。彼女は優しく、エフに書類にサインするように迫る。彼はそれにサインするしかできない。

長老に囲まれ、新しく登場したストリゴイはニューヨークのせせこましさを大声で嘆く。この男は長老を指差し「あなた方は彼を甘やかした」「たるみきっている」と強い言葉で非難する。「少なくとも70年前に止めるべきだった、7世紀前にも止めなかった」と、男は目を閉じる。長老に失望し、彼が育てたヴァーン(パーマーのビルの中で死亡している)にも失望したという謎の男は「私の出番だ、マスターを止める。私自身のために。マスターは怪我を負ったはずだ。誰の仕業か知りたい。日中も動ける人間のハンターが必要だ。心当たりは?」長老たちは蠢いている。

ノーラはザックを連れて、議員や警官たちがいる施設に来ている。そこでは支援物資が持ち込まれており、キャラつきのパンツをザックに勧めたノーラがバッサリ否定されている。「そうよね、私でも履かない」
ノーラは議員を見つけて語りかける。調子はどうかと聞かれた議員は「レッドフックを奪還するまで1~2日」と朗報をもたらす。次はマンハッタンを奪還しようと市長は言っているようだが、そう簡単には行かないだろう。ザックの父はおらず、母は変成したと聞いて、彼の心配をするフェラルド議員。ザックの祖父母とも連絡はとれていない。と、ノーラは日が落ちる前に帰宅することにする。

アイヒホルストは何かの図面を引いている。そこにパーマーが現れる。人間とマスターの種族を比較し、マスターの種族のほうがすべての面で優れているというアイヒホルスト。長老たちがパーマーを拉致しようとしたことを彼は愚痴るが、アイヒホルストは部屋に仕掛けられた紫外線のワナについて触れ、他にも彼が知らないようなワナがあるのではないかと指摘する。しかしパーマーはそれに答えず、マスターとの接触を希望する。「要望はお伝えしよう」とアイヒホルストはかわす。明日は大事な日だから、ちゃんと話をしなければいけないというパーマーだが、彼がマスターの怪我について触れると、アイヒホルストの表情が硬くなる。何か隠し事をされていることを理解する彼。一触即発の状態が続く。
「もしマスターが私を無視するなら、彼の身が危うくなると伝えろ」
「あなたのために その言葉は伝えずにおこう」

ワシントンD.C. KストリートNW ワシントンハーバー
ロブの紹介で、今度は州兵軍のお偉いさんに会っているエフ。ロブとエフは必死に彼を説得し、彼はサンプルを受け取る(=協力する)と言う。彼が立ち去った後、2人は成功に顔をほころばせる。

ブルックリン レッドフック ウォルコットストリート
ノーラとザックは、警官にパトカーで送ってもらっている。ノーラはザックの頭をいとおしそうに撫でている。と、車が何かを轢く!衝撃で飛び起きる2人。轢いた人を助け起こそうとする警官だが、やはりそれはストリゴイだ。しかも、“感知者”だ。やはりケリーが現れる。パトカーの上に乗っている子どものストリゴイを撃ち、ケリーも撃つノーラ。近くにあった教会に向かう。
「今の、ママなの?」
ザックを教会の奥へと引っ張っていくノーラ。

フィッツウィリアムは、指輪を見つめながら何か考え込んでいる。自分を責めるのはやめろ、とエイブラハムは彼に語りかける。
「“過ぎたことは変えられない””やり直せないことを悔いてもムダだ”」
シェイクスピアを引用するエイブラハム。と、電話が鳴る。エイブラハムがそれに出て、ヴァシリーもそこにやってくる。
「すぐ行く」
武器をとれと命令するエイブラハムと、それを追うヴァシリーやフィッツウィリアム。

教会からエイブラハムに電話をしたノーラ。だが、感知者たちは巧みに教会の壁を這いずり、中に侵入してくる。どんどんと中に入っていくザックとノーラと、それを追うケリーたち(なお、4人いた感知者は2人にまで減っている)。キッズルームまで追いかけてくるケリーたちだが、戸棚の中にはザックの服しか残されていない。外にいたノーラたちは、部屋を本棚で塞いでしまう。それを開けることはケリーでも容易ではない。だが、それでも追いかけてくる彼女。ザックはパニックで喘息の発作を起こす。ノーラはザックの口を抑える。礼拝堂に隠れている彼らを追いかけてくるストリゴイたち。ケリーが彼らのすぐそばに迫った瞬間……そこにエイブラハムたちが現れる!

感知者を1人殺したが、もう1人の感知者にフィッツウィリアムが噛まれてしまう!ストリゴイの首を切り落とすエイブラハム。だが、噛まれた事実は変わらない。ケリーは大笑いするように咆哮する。
「出たな、鬼ババ」
ヴァシリーは彼女に発砲する。
フィッツウィリアムは全てを察している。
「ああ、分かってるよ。あの姿は嫌だ、やってくれ」
「選択肢はない」
エイブラハムはザックを連れていくよう、ケリーに命じる。
涙を浮かべるフィッツウィリアム。
「協力に感謝する」
「役目は果たした、兄にも伝えてくれ」
「わかった、伝えよう」
「頼む、奴らを必ず……」
言い終わる前に、エイブラハムは彼の首をはねる。エイブラハムも大きく息をする。

エフはニューヨークに電話がかけられないか店で聞いているが、たぶん無理だと言われて落胆する。そこにリーが合流する。「動き出した」との言葉に、エフは安堵する。
「生産はまだだけど、扉は開かれた」
サンプルが検査を通ったら72時間以内に結論が出るという。リーにエフは熱烈にキスをする。リーにエフはテキパキと指示を出す。スピードが命だ、予算を確保しろと言うのだ。ロブの家にリーと戻るエフ。しかし、彼は留守だ。「待つのは嫌だ、進み続けたい」というエフ。でもロブは電話にも出ない。リーは今朝、書類と引き換えに寝たと彼に思われて傷付いたと言い出す。エフは謝罪するが、「これからどうするか?」と尋ねる。コートを脱ぐリーに、つられるエフ(また寝ようとしているようだ)。サンプルの半分を州兵軍に渡そうというエフに、この状況でもまだ同じことを言うの?とリーは笑う。

と、寝室に駆け込む2人だが、そこではロブが死んでいる。頭を撃ち抜かれて死んでいるのだ。と、そこに刺客が現れる。サイレンサー付きの銃を持つ男の前で「彼の目当ては自分だから、君は逃げろ」というエフ。だが、男はリーを撃つ。胸を撃たれた彼女。と、エフも撃たれるが彼も隠し持っていた銃で反撃し、見事にヘッドショットを決める。リーは「あなたは誰?」とエフに問いかけ、死んでしまう。エフは混乱して、涙を浮かべる。刺客の落とした携帯をいじると、そこには「ストーンハート」の文字が出てくる。この男も、パーマーの刺客だったのか。撃たれた体を引きずりながら、エフは逃げる。

アイヒホルストはボリバルを連れて、ある建物内の階段を下りている。
「大いなる瞬間が迫っている。目撃できるのは幸運だぞ」
「俺は仕えたいだけだ」
「これはと私にとって大変な名誉だ。いいや、やめよう(お前にはわかるまい、という皮肉)」
“たぐいまれなき瞬間”が訪れる。マスターが起き上がったのだ。マスターの体から、寄生虫が立ち上がっているのすら見える。アイヒホルストは彼の前で目を閉じて跪き、何かを待っている。
「お前は主との交わりを求めるか?我が息子よ」
しかし、アイヒホルストがふと気が付けば、マスターはボリバルに語り掛けている。
「生まれた時から、この体内に神の声を感じたかった。神を受け入れたいと」
アイヒホルストは震えている。それは怒りなのか、「自分が選ばれると思っていた」ことへの恥なのか。
「そんな」
彼はボリバルの口を開けさせ、そこに土と寄生虫を流し込む。マスターはボリバルを抱きあげ、「これが我が体だ」と宣言する。
「マスター」
泣きそうなアイヒホルスト。ボリバルに向けて、口から大量の寄生虫を吐きかけるマスター。これはサルデューが選ばれた時と、まったく同じ流れだ。古いマスターの体は倒れ込み、アイヒホルストは駆け寄る。反対にボリバルは立ち尽くしている。ボリバルはカツラを取り、目を光らせる。
「アイヒホルスト、私がどんな姿に変わろうと、お前は私のしもべだ。跪け」「お前は私の特別な子」「いついかなる時も、我らは共にある」
「永遠に、マスター」
アイヒホルストはボリバル、ではなく新しいマスターの手を取り、その手の甲にキスをする。