「ストレイン」シーズン2・第2話のネタバレ

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第2話「対抗策」(BY ANY MEANS)

アイヒホルストは棺を撫でている。「美しい」と棺の模様を褒めたたえている。一緒にいるボリバルは「俺にはわからない」と呟く。マスターは新しい肉体を選び、蘇るのだとアイヒホルストは語る。
「誰が選ばれる?」
「マスターがお決めになる」
しかし、しもべは姿かたちを変えたとしても彼に仕え続けなければいけない。その覚悟があるか(誰が選ばれても、献身的に仕えられるか)と聞かれたボリバルは「とっくにある」と言う。アイヒホルストは満足そうに笑い、棺の中に横になる。その棺は新しいもののようだ。

感知者たちは、ケリーのまわりに集まる。1人の子どもの顔を持ち、次は別の子どもの顔を持ち、何かを感じているようなケリー。途中で、1人の子どもの首をへし折ってしまう。選別しているのだろうか。

ブルックリン キャロルガーデンズ 
老夫婦の傷の手当てをする2人。ストリゴイの死体から体液を抜き取りながら、いつ真実を話すか彼らは相談する。エフは「感染しているんだから(死ぬんだから)、結局彼らの体を何に使おうが構わない」と主張する。ノーラはその言葉に眉を顰める。

ヴァシリーはエイブラハムの様子を見に行くらしい。ダッチと共に出かけるという彼だが「飯を食うのを忘れるなよ」と言い続け、エイブラハムに「トイレに行くのも忘れるなって?」とイヤミを返される。しかし、エイブラハムが食欲を失っており、ひどくやつれているのは事実だ。彼は自分の資料を見直している。老いには勝てないという彼だが、そこに必ず見落としがあるはずだと確信している。マスターを倒すヒントがそこにあるのだ。

1965年 ウィーン大学
ヴァンパイアについて講義をしているエイブラハムだが、そこにある男が現れる。それが若かりし頃のパーマーだ。彼は車イスに乗っている。エイブラハムの研究に資金援助を申し出ようとするパーマー。エイブラハムは「危険な研究だから」と背中を見せるが、サルデューの話を持ち出され、振り返る。サルデューの杖がウィーンで再び見つかったという情報を持ち込まれ、エイブラハムは驚く。そして恐る恐る握手する。

エフとノーラは、老夫婦に感染を打ち明け、協力を頼む。だが、もちろん彼らは断る。だが、「彼らはもうすぐ死に、愛する者を捜して感染させるだろう」ことを知った彼らは、離れて暮らす息子のことを思い出して呆然とする。協力するしかない、と夫婦は決意する。ノーラは落ち込んでいるし、エフも同様だ。

マンハッタン 市庁舎
市議会議員のフェラルドという女性、市長にくわえて、疾病対策センターでエフの上司だった(現在は出世しており、パーマーの手先と化した)バーンズもいる。バーンズはなんとか彼らを丸め込もうとするが、彼の話に穴があり、信憑性に欠ける。
フェラルドは「スタテン島を取り戻せばいい」と主張して、さっさと去っていく。

マンハッタン ストーンハート・グループ(パーマーのビル)
パーマーのもとに出勤したマルシャン。マルシャンはニューヨークの現状を憂いている。パーマーはそれに同調し、自身のグループが市民に食料支援を行うことを明かす。そして、その最初のセンターが明日オープンすること、そのセレモニーのスピーチ原稿を彼女に書くように頼んで出ていく。マルシャンは「あなたの意見を盛り込まないと」と慌てるが、彼は上機嫌で出ていく。

ブルックリン レッドフック ヴェローナストリート
ヴァシリーとダッチは、自分たちの潜むブロックからストリゴイ退治を始めるようだ。大きなプールのあるスポーツジムへ進んでいく彼ら。地下は薄暗い。
「気を付けろよ」
「心配されるの、好き」
シャワールームやサウナのなかにストリゴイがたくさんいる。ダッチに囮になるように命令するヴァシリー。
「なんで私が囮なのよ」
「食欲をそそるから」
「わかってる」
ヴァシリーの言うとおりに囮になるダッチ。エイブラハムの銀の手りゅう弾を試しながら、ダメージを受けたストリゴイを倒していく2人。カメラはヴァシリーに噛みつこうとするストリゴイの目線になり、そのまま斬り倒される!
全てを終わらせた後、ダッチを軽く口説くヴァシリー。
「あんな風にゾクゾクする勝ち方ってサイコー」
2人はお互いを意識しあっているようだが、ヴァシリーはストリゴイの方に話を逸らす。だが、ダッチは突然服を脱ぎ捨て、プールに入っていく。銀の手りゅう弾から出た銀粉を洗い流すためだ。温水プールにつかるダッチは彼を中に誘うが、実はヴァシリーは泳げないと告白する。彼に泳ぎを教えるというダッチ。ヴァシリーも服を脱ぎすてて裸になり、プールに入っていく。
「俺の口に水が入って息できなくなったらどうする?」
「私が助ける」
2人はキスをする。突然「そーら!」とダッチを振り回すヴァシリー(ふざけあっている)。

ノーラはエイブラハムに、老夫婦がそろそろ変成すると報告する。無言の彼に教えを乞うノーラ。変成した彼らの目を通して、マスターは自分たちの居場所を突き止めるのではないかと確認するが、老夫婦が自分たちのいる場所を正確に把握していなければわからないはずだと答える。
「日光でマスターが死ななかったからといって、自分の言ってきたことは全部間違いというわけじゃない」と主張するエイブラハムだが、ノーラは対抗策を気にしているのはあなただけじゃないと怒りだす。ノーラは、老夫婦へしていることが残酷だと思い、迷いを感じているのだ。エイブラハムは、ノーラが自身の快楽のためにストリゴイを殺す人間ではないし、そうならないと保証する。

1965年 ウィーン
エイブラハムは「シュタイナー」という店を見つけて入っていく。骨董品店のオーナーが彼に話しかけてくる。戦時中の工芸品を探しているという彼を、店主は店の奥に案内する。そこには、ナチス・ドイツ軍の記章やマヤ文明のクリスタルの頭蓋骨などもあるが、エイブラハムはそれらに目もくれずにサルデューの杖を発見する。彼らはサルデューの話でしばし盛り上がるが、その杖は既に売約済だと言い出す店主。
エイブラハムはそれを買い取りたいと粘る。そして自らを誠実だという(客の信頼を裏切らないと主張する)店主に「たしかにあなたは誠実だ、ドレヴァーヘイブン博士」と話しかける。この店主は、エイブラハムが囚人で収容所にいた頃、人体実験をしていたナチス軍の博士だったのだ。その過去について知っているエイブラハムの顔をよく確認して、彼は走って逃げ出してしまう。目の前にあるホテルを通り抜け、なんとか逃げおおせる店主だが、途中でサルデューの杖を落っことしてしまう。それをエイブラハムが拾い上げる。

現代に戻る。
献血をしているエフやノーラたち。ストリゴイを生かすために、自分たちの血液を抜いているのだ。ザックは父が何をしているのか知りたがる。ザックにこの実験のことを話したがらない父に、息子はまた反抗する。

エフはストリゴイの血液を緑膿菌と混ぜ合わせる。ストリゴイの血液は動きを止めてしまう。緑膿菌は抗生物質として役立ちそうだ。だが、老夫婦は苦しみ続けてもうヘトヘトだ。夫は妻を安楽死させてくれるように、そしてその後に自分も殺してくれるようにと訴える。エフが気休めの薬を与えたので妻は落ち着く。しかしエフは安心した夫の手を縛り、拘束してしまう。

エイブラハムは何も見つけられない。「ストリゴイは日光で死ぬ」という章を見てイライラして、本を投げつけて暴れる。それを止めるヴァシリーだが、本からあるページが落ちて気が付く。

回想シーン。
エイブラハムはサルデューの杖をパーマーに見せている。パーマーは「オクシド・ルーメン」という本のコピーを彼に差し出し、次の計画を指示する。「オクシド・ルーメン」はストリゴイの性質について書かれた本だ。パーマーはこの本を探してほしいという。
教授の仕事はどうするのかと尋ねる妻に、パーマーは「本を見つけたら正教授に推薦する」と囁く。エイブラハムの妻は彼がパーマーに利用されているだけだと忠告するが、エイブラハムは「逆に利用するまでだ」と言う。だが、その言葉すら妻をより不安にさせる。

その本のコピーを見つめるエイブラハム。

ラボでは、ストリゴイの変化について研究が進んでいる。妻はかろうじて話を理解できるようだ。夫は妻を心配している。「顔を見せてくれないか」ノーラはその言葉を聞き、彼らのベッドを並べ直す。手をつなぐ夫婦を見て、ノーラは部屋から飛び出して涙を流す。

エフはゴミ箱の中に研究結果を捨てる。ストリゴイの血液は強すぎる。何も術がない。人間には無害で、ストリゴイには害がある菌を探さなければいけない。ノーラはふと、アミノ酸に注目して菌を増やし始める。ヴァンパイアの脳脊髄液を食べる効果のある菌。この試みはうまくいきそうだ。

クイーンズ 食糧支援センター
マルジェラからスピーチ原稿を手渡されるパーマー。彼女は心配そうにしているが、パーマーのスピーチは大ウケしている。
市民には食料が配られるが、その際に彼らの「血液型」も求められる。診療所を作った後の身分証明書に利用するらしいが、それは本当だろうか?
パーマーは彼を称賛する市民と握手を続けている。しかし、次の瞬間、彼はエイブラハムと握手している。彼らは久しぶりに再会したらしい。
「自分が何をしているのかわかっているのか」
パーマーは笑う。
「君のおかげで彼に会えたし、こんなことも実現できた」
「勝利宣言には早い。まだ手持ちの札がある」
オクシド・ルーメンについて触れるパーマー。エイブラハムはそれをもうすぐ手に入れると断言し、その粘り強さにはパーマーも舌を巻く。その2人の会話を、遠くからヴァシリーが見つめている。
「まだ信仰を捨てていないのか」
「神の怒りを知るがいい」
「神が存在しないことは10歳の時に知った。病気を治してくれなかったから」
「では、その答えは“ノー”だったんだ」
じゃあ、神はミリアム(エイブラハムの妻)のことも見捨てたのか?と嘲笑うパーマー。そして、彼女の心臓を今所有していることを明かし、エイブラハムの心臓も横に並べて飾ってやろうと挑発する。
彼から身を離したエイブラハムを外に出すなとパーマーは指示を出すが、ヴァシリーが小さな時限爆弾を爆発させ(ちなみにトイレットペーパーしか爆発していない)、その隙に彼らは逃げる。

ヴァシリーとエイブラハムは車で逃げている。
「何か収穫があったんだろうな」
エイブラハムは、パーマーがオクシド・ルーメンを手に入れていないことをつかんだ。ならば、まだ勝機はある。
「あんまり勝ち目がなさそうだ」
「最初から勝ち目なんてない。でもわしは、勝負からまだ降りていない」

過去。
ドレヴァーヘイブンは店に戻ってくる。そこにはアイヒホルストが待っている。杖を買ったのはアイヒホルストだったのだ。ドレヴァーヘイブンは彼に「金を貸してくれ、ヨーロッパを脱出する」(ナチスでの虐殺の過去がばれたら、ただではいられないから)と泣きつく。アイヒホルストはエイブラハムの存在を認識する。アイヒホルストは「新しい総統が現れた」ことをドレヴァーヘイブンに告げる。同志になるか聞かれたドレヴァーヘイブンは大喜びで彼と握手するが、その瞬間、アイヒホルストに捕食されてしまう。

ラボでは、実験が続いている。夫婦に薬を打ち「うまくいくように祈ってくれ」とエフはつぶやく。

ザックは、隠れ家で父やノーラがこの事態を分析する際にボードに書いた「感染」という文字を手でゴシゴシとこすって消してしまう。

ケリーは家に帰ってきている。息子の服を持ちだしたのだ。“感知者”に服を渡し、その匂いを嗅がせて「私の息子を探して」と命令する。四つん這いになった子どものストリゴイたちは、そのまま四方に走り去る。