「ウォーキング・デッド」シーズン6・第4話のネタバレ

walkinddeads6

あらすじ

第4話 師の教え(Here’s Not Here)

アレクサンドリアにたどり着く前に森でモーガンを襲った“W”の男。モーガンは彼が仲間と共にアレクサンドリアに侵入し、住人を虐殺しても殺すことはせずに捕らえ、再び“W”の男と対峙する。“最後の1滴まで何もかも奪う”と言った男に、自分の“最後の1滴”は何かを話し始めるモーガン。妻子を亡くし立てこもっていた町でリックとの再会を果たしてから、アレクサンドリアに到着するまでのモーガンの過去が明らかになる。

http://tv.foxjapan.com/fox/program/episode/index/prgm_id/20091

ネタバレ

「師の教え」

現在(というテロップが出ます)

誰かのもとに、モーガンがやってきてこうつぶやきます。

おしゃべりが好きだろ
そう言ってた
“火を挟んでまるで映画の世界だ”と
俺のものすべてを奪うと言った
最後の1滴まで

これだ
これが最後の1滴だ

あの時……(というテロップが出ます)

“駆除”と書かれた壁。誰かが「駆除できない」とつぶやきます。「無理だ」「できない」「無理だ」「できない」「何日あっても足りやしない」ぶつぶつ言うモーガン。全部彼のひとりごとです。
「行くべきじゃなかった、ナイフがあったのに。銃だってあった」
「お前のせいだ、お前の責任だ。自分が悪いとわかってる。嘘をつくな、知ってるだろ」
「すべてお前のせいだ!」
『ここではない』と表記されている壁は燃え続けています。その壁に向かってひとり、悪態をつき続けるモーガン……。

静まり返っている森。モーガンが1人、ウォーカーたちを次々と倒していっています。その死体を積み上げ、夜になったら火を付けます。何とも言えない顔をしているモーガン。そこに、またウォーカーが現れます。火につられてやってくる彼らを次々と殺しますが、火の中を突っ切ってきた炎上ウォーカーをも倒します。
翌朝、彼は焚火の跡を木の杭で囲み、自分の拠点を作っています。ウォーカーを狩り、また死体を集めます。昼間から酒を飲みながら、焼け焦げた死体を見つめます。そこには血で「駆除」と書かれた石が転がっています。

また森の中を彷徨うモーガン。人間が後をつけてきているのに気が付きます。追いかけてきた2人組の男のうち、1人の首に木の杭を刺してもう1人の首を絞めて殺害。「お前には無理だ!」と叫びながら命だけはと懇願する男を殺します。ふと自分の行いに気が付き、モーガンは呆然とします。

焚火と“駆除”を繰り返す日々。血で森に「A」と書き「無意味だ」「ここではない」「駆除」と書き捨て、拠点を去ります。そして、また森を彷徨い始めます。
突然、美しい草原に突如足を踏み入れた彼。たくさんの花が咲いている、美しい場所です。
でもモーガンは「変わっていない」「同じことをしている、よく見るんだ。目をそらすな。よく見ろ」と言いながら、腕を振り回し、地面に棒を突き刺します。

ふと何かに気がついた彼。進んでいくと、そこにはたくさんの缶で作られたトラップ(侵入すると音がなるようにしてある)が。その先には小屋があります。ヤギもいます。ヤギに手をかけようとするモーガンに「そのヤギは君のものじゃない。チーズを作るのに必要なんだ」という男の声がします。
銃を発砲するモーガンをなだめる謎の声。コロッケを一緒に食べようと誘ってきます。そっと小屋を覗く彼を説得し続ける人物の正体は、いったい何なのか。警告を聞かず、モーガンは探索を続けます。と、棒で突然殴られる彼。倒れた先には白人の男がおり「悪いね」と言いながらもう一度殴ってきます。

モーガンが目を覚ますと、そこは檻の中。普通の家の中ですが、檻が設置されています。親切に食料も置かれています。すぐ近くに子どもが描いたらしき絵も見えます。そこに先ほどの白人の男が戻ってきます。
「名前は」
「kill me(俺を殺せ)」
物騒な名前だと言う男に、モーガンは自分を殺すように懇願します。白人男は何も言わず、日曜大工を続けています。「殺してくれ」しか言わないモーガンに『平穏の極意』という本を投げる男。自らをイーストマンと名乗ります。
「大丈夫だ、タバサ」とヤギに呼びかけるイーストマン。「来やがったな」というつぶやきが聞こえ、イーストマンは外へ。華麗な棒捌きでウォーカーを倒しているのが、檻のそばの窓からも見えます。

食事をするモーガンと、淡々としているイーストマン。ぶつぶつモーガンは話しています。
「お前のだ。奪え。奪われるぞ。奪うんだ。16時間で19人殺した。お前ならできる」
イーストマンは家の中に作った新しい木製の檻の中にヤギを入れ「食料を与えてやった。だからヤギを殺すな」と言います。「おやすみ」と言い、立ち去るイーストマン。モーガンは無視してトマトを齧りつづけます。

翌朝。棒の練習をしているイーストマンを、モーガンは檻のそばの窓から見ています。イーストマンは棒を使ってウォーカーを倒しています。
「16時間で19人殺した」と言いながら、食べ物を齧りつづけるモーガン。

イーストマンはヤギのミルクを使ってチーズを作っています。食料も集めてきています。チーズ作りに失敗して吐き出すイーストマン。また、別の日も棒の練習をしているのを、モーガンはただ見ています。

イーストマンはモーガンに話しかけます。彼はアトランタ出身で、司法精神医学者だったそう。重罪を犯した人間を釈放するか判断する仕事です。今はこの小屋で暮らしていると言います。
モーガンは「君は何をしている」と聞かれ「駆除だ」と答えます。
「ウォーカーも人間も、俺に近付くものは全て殺す。駆除だ」と言うモーガン。
「なぜだ」
「そのために生きてる」
「そうか。くだらんたわごとだな」
イーストマンはモーガンの食事を作り、檻に差し入れます。

目を盗んで外したファスナーのかけらで檻の一部分を壊し、窓から外に出ようとするモーガン。そこにイーストマンが戻ってくるので、慌てて隠します。
「君はPTSDだ。トラウマを抱えてる」
「こん棒の先に血がついてただろ」
と、モーガンは突然自分の殺人を告白(先般の男性2人組は親子だったらしいこともわかります)。殺人について述べ「それが俺だ」と締めます。
「たくさん殺した」
「ああ」
「君を襲った?」
「全員じゃない」
「誰か救った?」
「……」
「救ったんだな」
「無意味だった。皆、転化する」
「指輪をしてる。愛する人がいたんだな。子どもは?愛してた、だからこうなった。見たんだな?」
イーストマンは、モーガンが子どもの死の瞬間を目撃したことで心を病んだのだと分析。立ち直る手助けをしてくれているようです。
「だが友よ、いつか正しい扉が開く(トラウマを克服し、元通りの自分を取り戻せる)」
「俺には友などいない」
「俺がなる」
「殺してやる」
「なぜだ」
「駆除するんだ」
「しなくたっていい、それが人間だ」
人間にとって、殺しは不快なものである。それはゆるぎない事実だと話すイーストマン。生まれながらの悪人を見たのは、今まで1人だけだったと語ります。犯罪者の多くは、モーガン同様、傷付いた人たちだったと言うのです。
ここでイーストマンは、実は檻に鍵はかかっておらず、最初から開いていたと告白。駆除に行ってもいいし、一緒に住んでもいい。好きな方を選べと彼に問いかけます。立ち去るか、残るか。(ただし、イーストマンを殺すのはナシだと言われます)檻の外に出て、イーストマンにとびかかるモーガン。しかし、容易に彼は組み伏せられてしまいます。

「選択肢を与えた」のに、裏切ったモーガン。彼は一度組み伏せられたものの、怪力でイーストマンの上に馬乗りになります。それでも形成を逆転させるイーストマン。モーガンはしめ落とされます。このどさくさでイーストマンの子どもが描いた絵が落ちてしまい、壊れてしまいます。どうやら、絵ではなく壁画のようなものだったみたい。その怒りが爆発しそうになるも、モーガンの挑発に乗らずに冷静になる彼です。モーガンは自ら檻の中に戻ります。彼の閉めた扉を、イーストマンはあえて開けていきます。もう一度、乱暴に閉めるモーガン。

イーストマンは自分の技が「合気道」だと語ります。刑務所で囚人を相手に勤務していたということ。5歳の娘がおり、酔って泣いている彼に幸運のお守り(猫のしっぽのようなキーホルダー)をくれたこと。次の日から合気道を習い始めたこと。
妻と娘の話をしようとするイーストマンに「死んだんだろ」と言い捨てるモーガン。しかしイーストマンはその挑発に乗らず、合気道をモーガンに教えると言い出します。どうやら、彼は旅に出たいよう。そのためにもモーガンに合気道を習得してほしいそうです。ただし、その目的地はわかりません。
「おやすみ」と声をかけ、電気を消すイーストマン。「おやすみ」と人に言われるあたたかさが、じわりとモーガンの心に染みていきます。
彼が寝たのを確認しておもむろに檻の外に出たモーガンは、イーストマンが自分に話しかけながら懸命に何をしていたのかを確認しに行きます。そこには、モーガンが壊した子どもの絵を必死に修復している様子があって……座り込むモーガン。

翌朝、またまたチーズを作っているイーストマンがいます。
「生きるとは可能性だ」
と話す彼。このままではビーガンになりそうだけどチョコはやめられないと話します。チョコを残したモーガンに「次も出すぞ、チョコはうまいんだから」という彼。おちゃめです。旅のための物資探しに出かけていくイーストマンは「タバサは殺すなよ」と彼に釘を刺します。

檻の中でぼんやりするモーガン。ふと、足元の本『平穏の極意』を拾って読み出します。合気道の精神がイーストマンによって書かれています。
「合気道は殺しの手段ではない。技で死に至らしめることも可能だが、邪悪な人間でさえ殺すことを避ける武道だ」
そこまで読んで、モーガンはページを閉じてしまいます。ふと、タバサの鳴く声がします。ウォーカーたちがヤギを追いかけているのです。ふと、またおかしくなりそうな感覚になるモーガンですが、タバサの鳴き声で我に返ります。そのままウォーカーを殺し、ヤギを見守る彼。ヤギは静かに草をはんでいます。

先ほど始末したウォーカーの足をつかんで森の中を運んでいるモーガン。ふと、何かに気が付きます。そこには、なんと墓場があります。イーストマンが作ったのでしょうか、1つずつ墓標もつけられています。

モーガンは殺したウォーカーのために、墓穴を掘っています。
「トマトは潰れたけど、ヤギを助けてくれたな」と言いながら現れるイーストマン。「ありがとう。進歩だな」何も言わないモーガンですが、イーストマンは墓穴に入れる寸前のウォーカーの死体から財布を出し、IDカードを取り出します。彼らの名前を木に彫るイーストマンです。

「AとB」と言い出すイーストマン。「A、壊れたトマト菜園の柵を直してくれ。B、ついてこい」と言うイーストマンについていくモーガン。イーストマンはモーガンに綺麗に削った棒を渡します。合気道で使う棒を、彼に授けたのです。

協力して畑を耕し、合気道をする2人。
「敵を思いやること。自分を大事にすること。自分の命全ての命が尊いと信じること。歴史に基づく考えを転換すること。過去は過去だ」
「二度と繰り返さないと誓い、回避するのだ。償うこと。過去を受け入れること」
「万人を受け入れること。万人を守ること。それによって自分を守れる。平穏を築くこと」

「なぜ、山小屋に監房が?」と尋ねるモーガン。この小屋はモーガン夫妻が建てたそうですが、当時はまだ檻はなかったそう。イーストマンは語り始めます。

彼がある日セラピーを担当したクライトン・ダラス・ウィルソンという男は、とても好感が持てるような男だった。「花を植え、育て、罪を償いたい」とすら語っていた。皆が騙された。でも、イーストマンは見抜いた。彼が周囲を巧みに操る嘘つきで、本当の犯罪者だということを。そして彼も「彼の正体にイーストマンが気付いている」ことに気付いてしまった。模範囚だったこの男は立ち上がり、微笑み、彼に殴りかかった。掃除機の音で全ては掻き消された。彼の顔、彼の眼は邪悪だった。仮面が剥がれたのだ。彼はイーストマンを殺そうとした。イーストマンが気付いたことで、彼が釈放されなくなるからという理由で。彼は合気道のおかげで命拾いした。しかし、クライトンは脱獄してしまった。彼はイーストマンの家に行き、妻と娘、息子を殺害した。イーストマンの人生を破壊するために。1年後、刑務所に戻ったクライトンはのうのうと花を育てていた。道路の脇には美しい花が咲いた。
監房を作ったのは、クライトンを閉じ込めて飢え死にさせるためだった。

「やったのか?」
「信じるようになった。すべての命は尊いと」
たとえ自分の妻や子どもたちを殺した命でも尊いとイーストマンは言うのです。モーガンは「よくできたな。“転換”だろ」と言い、食事を進めます。

シートやバールなどを調達しようとしているイーストマン。「道具ならある」とモーガンは告白します。かつての焚火の跡が残り、「駆除」「お前はひとりだ」と書かれた血まみれの石も落ちている拠点。2人は物資を回収しにやってきます。「無意味だ」「ここではない」と書かれた石を眺めるイーストマン。
「誰を失った?」
「妻と息子だ」
とようやく告白するモーガン。
「教えてくれ、名前を」
「ジェニーと……デュエインだ」
「残念だ」
「同情は無用だ」
突然「構えろ」というイーストマン。モーガンはしぶしぶ立ち上がり、合気道を始めます。

と、そこにウォーカーが。
「君が(やれ)」
と言われて、モーガンが相手をすることになります。しかし、そのウォーカーはモーガンが殺した2人組うちの1人(首を絞めて殺した方)。突然動けなくなったモーガンをかばって、イーストマンが噛まれてしまいます。
激昂するモーガン。なんで間に入ったんだ、どうしてだ、教えてくれと怒鳴ります(自分のせいでイーストマンが噛まれたことが許せなくなっている)。
「帰ろう、終わったんだ」というイーストマン。
「君は越えられた。君は越えたんだ」
というイーストマンと、なんと取っ組み合いを始めるモーガン。棒で激しく戦う2人。「殺せ!殺せ!」とわめくモーガンを前に、棒を取り落とすイーストマン。棒を投げ捨て、イーストマンは歩いていきます。ウォーカーの死体を台車に乗せて、彼は歩き出します。
「ここじゃないって言ったのに」
「そうだ、ここじゃない」
イーストマンは死体を埋葬するためなのか、その場から立ち去っていきます。

木の杭を作り、森の中を歩くモーガン。彼はウォーカーを見つけては殺します。しかし、死体が倒れた先には若い人間のカップルが!杭で脅され、食べ物と銃弾をモーガンに差し出すカップル。彼氏のほうは松葉杖をついています。殺そうとしないモーガンに「ありがとう」と言って立ち去る女性。
何かに気付かされた彼。モーガンは拠点に戻り、棒を見つけて拾い、森を走り抜けます。

小屋に戻るとヤギがウォーカーに食べられています。ウォーカーを殺すモーガン。

墓場に行き、ウォーカーとタバサの死体を持ってきたモーガンを見て、イーストマンは少し驚きます。彼と墓穴掘りを交代するモーガン。ふと、昔の墓標を眺めに歩き出します。そこには「クライトン・ダラス・ウィルソン」の墓がありました。イーストマンの過去に触れるモーガン。

85号線脇で花を植えていたクライトンを見つけ、車に乗せてここまで連れてきたと告白するイーストマン。捕まってもよかったという彼ですが、捕まることはありませんでした。具合が悪そうな彼にモーガンは肩を貸します。
クライトンを47日間かけて餓死させ、イーストマンは壊れた。扉を開けようとせず、平穏もやってこなかった。心が安らいだのは、殺さないと決めた時。二度と何も殺さない。自首しようとアトランタに行ったら、世界が終わった。
「終っちゃあいない」
というモーガンに、頷くイーストマン。「進歩だな」と言います。

パニックの中、娘が廊下の壁に書いたという絵をどうしても取りに戻りたかったイーストマンです。途中で車を失い、死者の群れのなかを30マイル歩いたと言います。壁を剥ぐためだけに。「究極の恐怖だった。だがよかった」。食料も電力もあり、一生住めるというこの小屋。でもモーガンは、ここにいてはいけないと彼は言います。歓迎できない客もいるし「君は独りでいるべきじゃない」から。イーストマンは金庫にある銃を取りに行く覚悟(=自殺)を決めたと告げ、立ち上がります。その前に、娘の幸運のお守りをモーガンに託します。

美しい夕暮れ。1人で合気道をするモーガン。そして、彼はイーストマンの家を出ていきます。お墓を通り抜ける彼。そこにはイーストマン自身の墓もあります。世界はまだ相変わらず美しい。モーガンは幸運のお守りを握りしめ、軽く微笑みます。そして「終着駅」(S4終盤~S5冒頭で登場)の「誰でも歓迎」のメッセージを見つけて歩き出します。

そして話は巻き戻ります。
「最後の1滴だ」と語るモーガン。なぜかまぶしそうにしている、襲撃者の1人(生け捕りにされた人)。
「俺にも理解できると?」
「ああ、できるさ」
にやにやする襲撃者。
「かもな」
少し震えていて、冷や汗もかいているという襲撃者。彼はウォーカーに腹を噛まれていたよう。その傷を治す薬もあるんじゃないかと襲撃したというのです。自分は死ぬだろうけど、もし死ななかったらモーガンを殺す。他の住人達も、子どもたちも殺す。イーストマンの子達のように。俺のルールだから、悪いね。という男。「同情は無用だと、あんたが言ったんだ」という男を軽蔑するように見るモーガンです。

外に出ていくモーガン。イーストマンの幸運のお守りを握り、彼は通りに出ていきます。ここで「開けろ、門を開けろ!」という声を聞き、駆けだします!

今回のエピソードのざっくりまとめ

・モーガンオンリーのエピソード!
・イーストマンの優しさと過去のギャップが素晴らしいエピソード
・誰かが帰還したのか?それともまた襲撃者なのか?