「処刑軍団ザップ」

idrinkyourblood

1970年に作られたカルトホラー!「処刑軍団ザップ」を見ました。
そもそも処刑軍団ってなんだろう?とか、ザップって誰?ナニ?とかあったのですが、見てもぶっちゃけわからなかったよね。
だって原題は「I DRINK YOUR BLOOD」です。この映画は2回TSUTAYAディスカスで見ました。面白い映画だよ。

あらすじ

小さな田舎町に現れた“サタンの息子”を名乗るヒッピー集団の凶行。報復のために狂犬の血が入れられたミートパイを食べた若者たちは狂人と化し、彼らに襲われた住民も次々に狂っていく……。「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生」の影響下で作られたであろう事は明白な恐怖映画だが、ヒッピー・ムーブメントとドラッグ・カルチャーを取り入れている所がポイントで、「鮮血の美学」(72)や「悪魔のいけにえ」(74)といった70年代前半に集中した前衛的ホラー群を語る上では落とせない1本。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=10943

登場人物

ミルドレッド:主人公の女性。シングルマザー。
ロジャー:七三の髪型が目立つミルドレッドの彼氏。ほんのりオードリー春日さん臭がするのはなぜだろう。
シルビア:ミルドレッドの長女。カルト集団のメンバーのひとりがボーイフレンド
:勇気ある少年。彼の行いがきっかけで、カルト教団がキチ化
じいちゃん:勇気があるじいちゃん。ダンディ!

ホーレス:カルト教団リーダー。ロン毛おじさん
ロロ:教団でもぶっちぎりのキチ。
アンディ:シルビアのボーイフレンド。
シェリー:ホーレスと仲が悪い。

デブ:ホーレスの子を妊娠しているデブっちょ
ロングヘアー:他のカルト映画にも主演していた気がする女子。ヘビ顔
ビッチ:巨乳女子。とにかくビッチ。
中国人:スー・リンという名前。タロット占いが得意。

まず、冒頭から悪魔の儀式をしているカルト集団の映像から始まります。全員が森でマッパ。かゆそう。
中国人の女性が股間にガイコツを置いて寝そべっています。誰のガイコツがわからないけど不憫である。そして何かの血をまわし飲みして祈りまくりますが、それを地元の女の子・シルビアに目撃され、全裸で追いかける男たち。ロロに捕まえられて何かされる(もしやレ●プ?)されるシルビアです。

翌日ぼろぼろになって帰ってくる彼女を心配する家族。

その頃、カルト集団は森から彼らの住む村へ。しかし、ノリでシェリーが乗ったままの車を崖から突き落とし、そのままケガをさせます。い、意味不明。オクスリの影響でしょうか。

ミルドレッドは恋人・ロジャーの同僚(ダム建設で来ている技術者)のなかにシルビアを傷付けたものがいるのではないかと偵察に行きますが、怒られて終了。
しかしこの技術者たちもなかなかの荒くれ者なのです……。

村に滞在することになったカルト集団。廃屋を安く借りることに。
この廃屋をとにかく壊しまくり、ネズミを狩りまくる面々。外から見ている弟もびびるほどの暴れよう。しかも「ネズミを焼いてシシカバブにしよう」とか、提案がオリジナリティに溢れすぎだと思いました。

その夜、ロロが皆の王様になります(よくわからないけど、リーダーが「今日はこいつに実権やるわ!」みたいなことを言い出す)。
やたらと反抗的なシェリーを捉えて足の裏を切ったり、天井裏につるしたりしていじめる彼らですが、孫から真実を聞き出したじいちゃんが殴り込みに来たことで状況が一転。
今度はじいちゃんがターゲットになります。暴力を振るわれ、メガネを割られ、ビッチにほっぺたをぺろぺろされてドラッグを飲まされるじいちゃん。

爺ちゃんを返せ!と勇気ある弟が抗議に行きますが、結局追い返されます。じいちゃんはフラフラで帰ってきますが、弟は怒った!銃を持ち出して狂犬病のわんこを殺し、その血を自宅のパン屋で作っているミートパイに混入。カルト集団に食べさせちゃうのであります。
もう、少年がショットガンをぶっぱなすのも、犬を殺すのも、犬の血を抜いてるのも何が何だか。しかし熱量はスゴイ!

もちろん、彼らはミートパイを食べちゃいます。
ただし具合の悪いシェリー、その看病をしているアンディは食べず。また、妊婦のデブ子もちょっとしか食べてません。泡を吹きつつ具合悪くなるカルト集団。

ミルドレッドはまた恋人のところに行って「何かがおかしい、変なことが起こる」と告げるのですが、「しらんがな」みたいな対応をされて終わり。怒って帰ります。

狂犬病になった彼ら。ロロは狂ってシェリーを殺して足を切り落とし、その切り口を仲間にちらちら見せたりする嫌がらせを敢行。
ロロから逃げ出すメンバー続出です

ミルドレッドも、運転する車の上にホーレスが飛び出してきてびっくり。
手は血まみれだし、泡ふいてるし。しかしなんとか逃げ出します。
ロロはその頃、森の中で斧をブンブン振り回しまくっています。

家で食事をしているシルビアのもとに逃げてきたアンディが現れ、「これから大変なことが起こるよ」と告げます。彼はシルビアを助けようとしているのです。
しかし、こいつはなんでカルト教団のメンバーなのか?「なんかカッコイイと思って~」みたいな、ゆるーい理由だった気がしますけど。
彼らはなんやかんやで納屋で密会。いちゃこきます。あんなにひどい目にあったけど、イチャこくのは別腹なのでしょうか。

ミルドレッドの恋人・ロジャーは心配で、技術者たちに「廃屋の様子を見てこい」「パン屋に誰か侵入していないか見てこい」と命令。
しかし途中でロロから逃げ出したビッチちゃんをヒッチハイクで拾います。デレデレの技術者たち。

ミルドレッドは、車につけられた血の手形を医者に分析してもらうことに。これで彼らが狂犬病だとわかります。

二手に分かれた技術者たちですが、廃屋を見に行くチームはビッチちゃんとどこかにしけこんでしまい、空振りに終わったパン屋確認チームが後から戻ってきて、仲間を探しに廃屋に入っていきます。
誰もいないので不気味に感じる彼ら。しかし、シェリーの死体を見つけるわ、リーダーのホーレスに殺されまくっちゃうわで死亡。しかし、技術者はお腹を切りつけられて内臓がぽろぽろっと出てくるのですが、あんなに細切れになった内臓はなかなか出てこないと思うのね。

しかも、1人をいつの間にか首吊り状態にする素早さ!リーダー、手際がいいですね!ボーイスカウト出身なのカナ?

その頃、アンディとシルビアのところに弟が来て、自分のしたことを告白します。

技術者たちはビッチちゃんを男子寮までお持ち帰りして、もうヤリまくり!しょうもないシーンですね。

ロジャーがミルドレッドに会いに来て、「やはりこの村はおかしなことになっている」と断言。警戒する彼ら。

そしてビッチちゃんは大乱交をしていたわけですが、ここで狂犬病についての説明シーンがかぶさります。
狂犬病は別名「恐水病」ともされ、水が怖くて怖くてたまらなくなるんですって。ホントでしょうか。調べる気も起きないのはなぜでしょう。
その症状が
・水が怖い
・体液感染する
・感染したらけっこうすぐ死ぬ
・暴力的になって、人を襲いたくなる
・カルト集団の場合、ヤクもやってるから症状が複雑なんだよ~(で済ませようとする)
という感じ。

当然ビッチちゃんもおかしくなってきて、男を爪でひっかいちゃいます。なぜかシャワールームに自ら逃げ込むビッチちゃんに、シャワーの水をかけて「おしおきだぜ」とニヤつく技術者たち。そしてシャワーのもとで取っ組み合いに。
彼らは狂犬病のこと知らないのに、どうしてシャワーをわざわざかけたりしたのかはわかりません!

その頃のロロは、ウサギの死体を木の幹にバンバン叩きつけていた。

さて、デブ子とロングヘアー美女の2人は逃げて逃げて、一軒家へ。親切な夫人に助けられますが、ロングヘアーちゃんがおかしくなり、電動肉切り包丁で奥様の腕を切り落としちゃいます。ハッ、血が飲みたいという症状のせいで殺人を犯してしまうのか?!と思いつつも、そんなに血を飲まねぇので理屈が不明。

デブ子は症状が軽いので、奥様の血を見てギャーと叫び、どこかに逃げ出します。切った手をもってぼんやりするロングヘアー美女。
(この子だけ、自殺シーンも殺されるシーンもない)

ロジャーと医師は狂犬病について話している途中、ビッチちゃんの死体を見つけたり(崖下に転落して死亡?死んでから落っことされたのか?)、おかしくなった技術者たちに襲われたりします。全員がナタやらなんやらもって追いかけてくるのが怖い。
皆、利き腕が右なんでしょうね。同じポーズで追いかけてくるので、変な感じです。
あと、シャツの前をはだけているほうが頭がおかしく見えるということがわかった。着こなしって大事。

「石切り場に逃げろ!」と、川に逃げる彼ら。
水深50センチでもコワイらしく、水の中に入れない感染者たちであります。水しぶきすら嫌がるので、メイクが落ちるからプール授業を嫌がる女子を思い出しました。

リーダーのハーレスはその頃、ヘビの飼育小屋(といっても民家の庭)に入り込んで蛇をナデナデ。当然その家の人(西洋のステテコ姿)に怒られますが、ぬるっと首を絞めて殺しちゃいます。

森を逃げる姉弟とアンディ。お花畑を走りながら獲物を探している感染者たち(メルヘン)。
ボロボロになっているデブ子と遭遇しますが、「お前狂犬病だから、助けらんねぇ!」と見捨てられ、ショックな彼女は自分で自分の腹に杭を刺して自殺。

ロロに見つかる姉弟たち。しかし水辺を移動中だったので、彼は入ってこれません。水しぶきを怖がるロロ。気の毒ですが、バカ丸出しにしか見えない。

その頃、ひとりで家に立てこもるミルドレッド。家の前で、中国人が謎のポージングをしているという嫌がらせをしています(ヨガ?)。
しかし、ロジャーが来たらきまり悪そうにやめるのね。男性と女性の前で態度変えるタイプなのかな?

そういやいなくなっていたじいちゃんですが、なんと納屋でフォークにピン止めされていました。
(フォークによって、壁に死体が固定されている)

さて、中国人女子は唐突に家の外に放置されていたシンナーをまき始めます。そこにやってきたのがハーレス。 彼らは唐突に威嚇しあい、なぜか中国人が自分にガソリンをつけて自決。後ろ姿は完全に作り物マネキンであります。
そして、「わーっ!」と走ってくるリーダーの姿が最高にアホっぽくていいね。

ここでロロとハーレス、さらには姉弟とアンディが鉢合わせ!ロロとハーレスはなぜか顔の皮膚のひっぱりあいを始めたので、そのすきに家の中に逃げ込もうとする姉弟であります。
しかしさらにヨダレダラダラで死んだヤギを引きずっている技術者たちもやってきて、自分たちで殺し合いをしつつも、子どもたちの方ににじりよってきます。

アンディは彼女をかばおうとして、技術者に首を落とされて死亡。アンディの生首をつかんで、楽しそうにしている技術者たちであります。
ハーレスはロロに負け、背中から剣を刺されてしまいます。その剣が口から飛び出してくるのでちょっとびっくり(嘘)。

ここでミルドレッドが唐突に覚醒して、ショットガンで家の中に侵入してきた技術者の頭を吹っ飛ばします。
しかし、どんどんなだれ込む技術者たち。
こいつら、家の壁を「倒す」という芸当を使って侵入してくるんですよ。家の壁、何でできてるんだ。ウエハース?

処刑軍団ザップ

子どもたちを中に入れたものの、やっぱり外に出なきゃ!と四苦八苦する家族。
(そういやロジャーはどっかに行ったんでいません)
水を使って戦いつつ車で逃げようとするも、その車を囲まれてユサユサされます。
ボンネットの上でまた生首を見せびらかす技術者。ネズミをとってきたネコか?

まあ、そんなこんなでロジャーが連れてきた警察や医者が来て、感染者は一掃されて終わり。
という、すさまじくトンデモナイ話。
しかし、こんなにギラギラしたホラーを今ではもう作れないという時点で、なんとなく負けた気持ちもするのであります。