「シー・ノー・イーヴル 肉鉤のいけにえ」

seenoevil

2006年のアメリカ映画「シー・ノー・イーヴル 肉鉤のいけにえ」を見ました。
殺人鬼をプロレスラー(しかもスター選手)が演じているのですが、なぜプロレスラーに殺人鬼を演じさせるのか?どう考えても、面白くなっちゃう気がしてならない。

seenoevil

あらすじ

アメリカの人気プロレス団体“WWE”が、看板スター“ケイン”を主演に据え製作したティーンズ・スプラッタ・ホラー。

軽犯罪を犯した若者8人は、減刑と引き換えに労働奉仕として老朽化著しい廃ホテルの修繕を命じられる。不気味な廃ホテルで週末を過ごすハメになった8人だったが、そこには2人の監察官とホテルの女主人以外にも、恐ろしい殺人鬼“ジェイコブ”がいることなど知る由もなかった…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=326307

ネタバレ

冒頭から、ゴキブリすらも死んでいるという描写がなされるこの映画。文だけだと不潔なのか、逆に清潔すぎるのか?と悩ましいですが、汚いだけよ。
このジェイコブにいたぶられて殺された女性もいるのですが、通報?でやってきた警官も殺され、生き残ったのがもうひとりの警官・ウィリアムズ。

このおっさん・ウィリアムズは事件後にこのトラウマのせいか、少年課に異動したのでしょうか。現在は非行少年たちを指導する立場になっております。

登場人物は意外と多くて

盗品売買のラッセル
ネット詐欺のリッチー
暴行罪(実は無実)のクリスティーン
万引きビッチのゾーイ
麻薬密売犯のマイケル
麻薬密売犯のキーラ(マイケルの元恋人)
不法侵入のタイ
器物破損のメリッサ(動物愛護活動で器物破損)

に、お目付け役のおっさん・ウィリアムズ(主人公)とおばちゃん監視官がいます。男性は少年の監視、女性は少女たちの監視って感じですかね。

この時点では誰が主人公なのかよくわかりませんが、クリスティーンは無実だということからヒロイン。殺され役のゾーイと、(人間のほうに)殴られ役のキーラ。おとなしそうだけど意外とキチなメリッサ。という感じの女性陣。
マイケルはクズ男、タイとリッチーはフツメン、ラッセルは麻薬を持ち込んで女の子とイチャイチャしようとしているのでたぶん殺され役?という感じですかね。

彼らは奉仕活動の一環で、廃ホテルのお掃除にきます。
このホテルを改装してホームレスを受け入れる施設にしようとしているらしい。しかし、クソ汚いトコです。
そしてホテルには実は殺人鬼が潜んでおり、バンバン殺されるという話。

死に方ショーなので、あんまり話すことがない。
ちなみに、この殺人鬼は殺してから目玉をとるという習性があります。あと、鉄のフックが武器。

夜。リッチーとタイは出口とホテルに隠されたお宝を探しに行きます。
マイケルとラッセル、メリッサとゾーイはセックスしながら麻薬を楽しもうと画策。
クリスティーンとキーラは、マイケルに怯えるキーラのために部屋で待機。

ざっくり流れを申しますと
・女の先生、エレベーターで天井にバンバン叩きつけられてそのまま目玉テイクアウト。
・足にフックをブッ刺され、お持ち帰りされるリッチー
・食事を運ぶエレベーターからフックが飛び出てきて、首に刺さる場面も!
・キーラ、胸に下げていた十字架で助かる?
・腰にホースをしばって窓から下に降りようとするも、殺人鬼にホースをブンブンされて手首がグキる。そのうえ野犬がやってきて、血をぴちゃぴちゃ&お肉モグモグされる
・マイケル、殺人鬼と真っ向から戦うといういいやつぶりを急に見せる
・ゾーイは逃げるが、携帯電話を飲まされて死亡。
この殺人方法はコワイ。

女の先生 → エレベーターバンバン死
リッチー → フック死
メリッサ → フック死
ラッセル → ホースでぶら下げられて落っこち死
ゾーイ → 携帯飲まされゴックン死
だったように記憶している。

そもそも、なんでこんなことになったのか?というと、ホテルの改修のために皆を呼んだババアが殺人鬼のママだったから。そして、殺人鬼は「目玉に悪魔(教えに反するもの)がうつる、だから目玉を回収する」というよくわからない理論で皆さんの目玉を集めていた模様です。

要は、神さま大好きババアが息子を虐待しまくり、エロ写真を持っているところを見つけたら檻に閉じ込め、女の子を連れこめば女の子をボコボコに。「神さまの教えに反する!」と主張する母の影響で、「汚いものを見る(映す)おめめが悪いんだ☆」と結論に達したのでしょう。
殺人鬼にジョブチェンジした息子は、神さまの教えを守らない悪い子たちをママの命令通りに殺しまくってきたわけです。
いや、よく足がつかないよねとは思うのですが。連続殺人鬼だよ。
そもそも、殺人鬼になる資質があってママが有名なキチっぽいのに、女を連れこめるこの青年のポテンシャルの高さにびっくりだよ。

主人公だと思っていたウィリアムズは子どもたちをかばうように死んでしまいます。
キーラは檻に閉じ込められており(エロ展開にあらず)、それを助けに行くタイとクリスティーン。タイは見つかってスタンガンで殺されます。

追い詰められるクリスティーンたちですが、さっきブン殴られてどっか吹っ飛んでいったような印象のマイケルが突然現れ「美少女戦士セーラームーン」のタキシード仮面のごとく女子たちを助けてくれます。ババアは死にます。

このあたりはもう、すっごくドタバタしているのでホラーじゃない!とも思うのですが、とにかくマイケルとクリスティーン、キーラは生還。そして死んだ殺人鬼は窓から落下してしまうのですが、野犬がやってきます。あらまたお食事タイム?と思いきや、なんとその死体に犬がおしっこして終わりという、トンデモネー話。

殺人鬼がいわゆるホラー映画のブッチャー体型(大きめの武器を振り回す、ぽっちゃり体型の人。私が勝手に考えた)なのですが、中身は幼児なのかと思いきやそんなこともないのか?集めた目玉を瓶に入れて鑑賞用にしていたり、ホテルを殺人からくり屋敷にしてたりと、コイツ本当は頭いいんじゃねーか感はぬぐえません。
ホラー映画らしくセオリー通りに進む展開と、進まない展開(死ぬ順番とかね)のギャップを楽しむ映画かもしれない。
しかし、プロレスラーはホラーコメディのほうがいいと思うよ。ゾンビコメディとかさ。