「ブレス・ザ・チャイルド」

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2000年のアメリカ映画「ブレス・ザ・チャイルド」を見ました。
6歳の子どもばかりが狙われる誘拐事件。その誘拐事件の被害者は、全員同じ日に生まれた子どもたちばかりだった……。という、いかにもオカルト臭ムンムンのお話であります。
キム・ベイシンガー主演。クリスティーナ・リッチが共演しているのですが、ものすごいチョイ役(というよりも、あまりにも悲惨な役)でびっくりしました。

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あらすじ

6歳の幼児ばかりを狙った連続誘拐殺人事件。ひとつの共通点で結ばれた子供たち。その裏に潜む邪悪な悪魔崇拝……。たったひとりの姪を守るため、恐怖と戦う女性の姿を描いたオカルト・スリラー。主演は「L.A.コンフィデンシャル」でオスカーに輝いたキム・ベイシンガー。監督は「マスク」のチャック・ラッセル。

クリスマス・イヴ。ニューヨークの大学病院で働く看護婦マギーの前に音信不通だった妹ジェンナが突然現れ、生まれたばかりの赤ん坊・コーディを預けていった。それから6年、マギーとコーディは実の親子のように暮らしていたが、街では幼児連続誘拐事件が多発しており、中には儀式殺人の犠牲者として発見される子供もいた。NY市警はFBIの捜査官トラヴィスの協力を得て、悪魔崇拝者の線から事件の捜査を進め、子供たち全員が6年前の12月16日に生まれていた事実を知る。それはコーディの誕生日でもあった……。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=236293

ネタバレ

クリスマス・イブの夜、オクスリ中毒の妹が生まれたての子どもを置き去りにして失踪。子どもができない体のせいで離婚した看護師・マギーは、この女の子・コーディの母親代わりになることを決意します。

このコーディは発達障害なのかな?というところがあり(あまりそのへんに詳しくないので、解釈が間違っていたらスミマセン)、専用の施設に通うことになります。
しかし、死んだ鳩を生き返らせるというイエス・キリスト並みのことをやってのけるコーディ。マギーはそれを目撃して、仰天します。

そしてマギーの病院にやってきたヤク中患者・シェリー。彼女から「アンタ、ジェナに似てるね」と言われてびっくりするマギーです。ジェナこそ、失踪した彼女の妹です。
ジェナはどこにいるのか?

一方、6歳児の誘拐事件を捜査を担当するトラヴィス。彼は元牧師という変わった経歴の持ち主でもあります。正義感でもって、この事件を解決するために燃えています。彼は「復活祭の前に、何かが起きるはず」と考え、捜査を進めます。

マギーとコーディにも異変が起こります。シェリーのことを調べようとするマギーですが、コーディの部屋の中に大量のネズミが出現!教会では大量のろうそくが一気に点灯!などのこれから起こる悪夢の予兆と奇跡がごちゃまぜにおきます。

ジェナのことを調べようとしているうちに、エリック・スタークと名乗る自助組織のリーダー(麻薬などでドロップアウトした若者を助けるための組織らしい)と立ち直ったというジェナがマギーの家を訪ねてきます。そして、コーディを奪われるマギー。しかし、警察も頼りになりません。

エリック・スタークの施設について調べるマギー。潜入しますが、うさんくさいだけで本人はおらず。
そのうちにシェリーとコンタクトをとることができたのですが、彼女がこの自助組織のやつらに発見され、追われ、地下鉄に逃げ込みます。シェリーもマギーもボコボコにされます。飛び交う悪魔の幻覚すら見るマギー。電車に轢かれそうになりながらも、何とか助かってシェリーを揺さぶると、なんと彼女の首がゴロン(血痕ないんだが、どうやったんだ?)。リッチの生首……。

マギーはへこたれず、エリック・スタークの家を見つけます。ここでコーディを見つけるものの、スタークの部下に口をふさがれて失神。
目が覚めたら橋の上、車を逆走させているところで目を覚まします。どういう仕組みでこんな状況が作れるのかはわかりませんが、橋から車ごと落ちそうになるマギー。それを親切な男性が助けてくれますが、はっと気が付くとその男性の姿は消えています。
なお、このような「手助けをしてくれるけれど、気が付けば消えている人物」というのが何回も物語に登場。天使的な存在ですかね?

一方、自助組織は本当は悪魔崇拝者の教団であり、スタークくんはコーディの力を利用して悪魔を復活させるような儀式を行おうとしているのですが、テストとして彼女をホームレスのじいさんのところに連れていきます。
じいさんに灯油をかぶせて、マッチを投げつけて「どうするぅ?」とニヤニヤするスターク。コーディはマッチに火をつけたじいさんに歩み寄り、そっとマッチを吹き消してハグ。その優しさに涙するじいさん。
しかし、コーディが立ち去った後にはじいさんに容赦なく放火するスタークです。
「あの子は俺のものだ」と言いながら……。

コーディは激変した環境に怯えています。
外を眺めてみたら道で教徒たちが猫をいじめてるし(猫いじめちゃダメよね!)、母のもとに行ったらスタークに麻薬を投与されている真っ最中。そう、ジェナはまだ麻薬中毒者だったのです。

ここで「神を信じるなら飛び降りろ!」「神さまがいるなら助かるだろ!」と屋上に連れていかれてスタークに詰め寄られるコーディ。
彼女は困惑した結果「お先にどうぞ」で切り抜けようとします。一休さんのとんちみたいですね。

マギーは悪魔崇拝者に詳しい教授の紹介を受け、相談。協力を受けてコーディを奪還することに。
コーディが歯医者にて治療が終わったところを奪還して逃げますが、お目付け役の乳母の女性がマギーの運転手をしてくれた男性の目に編み棒を刺して殺すシーンも見られます。
とにかく逃げるマギーとコーディ。

その頃、ホームレスの死体を捜査中のトラヴィスですが、現場に残っていたスタークのライターを押収。あらまあ、なんといううっかりさんなんでしょうか。

そして、そこらじゅうのハイウェイで見張っていた教徒たちの捜査網にひっかかり、マギーとコーディは追い詰められます。
いやーハイウェイを運転中の車をチェックするのってめちゃくちゃ大変そうですけどね。日本野鳥の会並みに視力がいいのかな。視力がいい悪魔崇拝者って、なんだか健康的!

結局コーディをさらわれたマギーは、ヘリで来たトラヴィスと合流。彼を再度探すことにします。
教会では、たくさんのシスターがコーディのために祈っています。元気玉のようなシステムだ。

コーディは不安定になっており、超能力がみなぎりだします。夕食中に、全員のお皿がグワングワン揺れて食べられないという超常現象も勝手に引き起こしますが、そんな楽しい夕食の頃にマギーとトラヴィスがスタークの潜入先を見つけて忍び込むことに。
ただし、またまたマギーはやられて捕まり、儀式を見学することに。

この儀式は教徒の前で行われるのですが、唐突に悪魔が蘇ってきます。「ネズミが集まってきて悪魔になる」「人骨で作ったイスに腰掛けるワイルド悪魔」はまだしも、悪魔の太もものぶっとさに何より目がいきましたね。
まあ、美脚の悪魔ってのもいなさそうだけど。でも、悪魔って足の筋肉使う機会なさそうだけどな。羽あるし。

とはいえ、儀式は失敗して教徒たちはバシバシ反撃をくらいます。
そして、コーディを守ろうとして撃たれるマギー!しかし、コーディの祈りで天使が降臨して彼女を生き返らせてくれます。もうなんでもあり!これを目撃して、心が洗われるジェナっていうのもどうなんでしょうか。
トラヴィスもまたまた合流して、襲って来る教徒を撃ちまくります。スタークももちろん撃たれます。廃教会は炎上しますが、ジェナはマギーが体を張って助けて無事。コーディもトラヴィスも無事です。

後日、マギーはコーディを正式に養女にすることに決定。
トラヴィスとマギーと手をつなぎながらご機嫌のコーディです。
しかし、顔の傷跡も痛々しい?教徒の生き残りが登場!ナイフを持って襲い掛かりますが、コーディがふと振り返って(大人は気付いていない)キッとにらんだところで教徒がひるみ、逃げていきます。

ヒジョーに、いい意味でテレビ東京の午後のロードショー感が強い映画。
この頃の悪魔崇拝者の描写というのが、あまりにテキトーすぎて愛おしい(悪魔崇拝者も厄介なのかもですが、日本ではなかなかお目にかかることがありませんので、呑気な意見ですみません)。
黒幕であるスタークが私利私欲に走るのはまだアリなのですが、いろいろと爪が甘すぎて……もう、その爪がキャンディみたいにぺろぺろしゃぶれそうなくらい、甘い!もうちょい頭が良ければよかったんじゃないか。