「スリーピー・ホロウ」

Sleepyhollow

「スリーピー・ホロウ」が1999年の映画だってことが信じられない!ティム・バートン監督、デップ主演の映画です。最近はこの伝説をモチーフにしたテレビドラマもありますね。
ちなみにディズニー映画の短編にもスリーピー・ホロウの伝説を扱ったものがあるのですが、この話がすごーく怖くて大好き。機会があればどこかでご覧になっていただきたいぐらい、怖いです。
ちなみにこの映画はPG-12なのですが、生首がボンボン血がブッシューとなるので、なかなかにグロテスク。何よりデップがいいんですね。この頃のデップの映画はどれも好き。

Sleepyhollow

あらすじ

鬼才ティム・バートン監督が“首なし騎士”の伝説を映画化した、ゴシック・ホラー。首なし騎士を具現化した見事な映像や、不気味でユーモラスな美術などバートン色が満載。ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ共演。

1799年、NY郊外の村で人間の首を切り落とす猟奇的な連続殺人事件が発生した。調査に訪れた市警捜査官のイガボットは、南北戦争で殺され、自分の首を求めてさまよう幽霊騎士の伝説を聞かされる。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=159810

ネタバレ

さて、冒頭からじいさんが殺戮されるシーンからスタート。畑に置かれているかかしの頭(カボチャ)に血がべちゃっとかかります。

その首切り連続殺人事件を調査しに、ニューヨークからやってくるイカボッド(ジョニー・デップ)。彼は理論派の捜査官なのですが、とにかくビビリ。でもそれを隠して凛々しく村を訪れます。

そこの村にいたお金持ちのお嬢様・カトリーナ(クリスティーナ・リッチ)。お互いにドキドキする2人ですが、リッチのことが好きな村の男はそれを気に入らない様子。

そしてこの首なし騎士の伝説を耳にするイカボッドです。かつて殺戮の限りを尽くした伝説の騎士が、夜な夜な蘇ってきて人間の首を狩る……という伝説です。ちなみにこの騎士を演じているのが、コメディもシリアスもいけるクリストファー・ウォーケン。歯をギザギザに加工していますが、これは相手に噛みついて致命傷を与えるためのようです。

イカボッドが村に来ても、次々と人が死に、連続殺人事件は止まりません。地元のギャレット家に仕えていた善良な使用人も死に、その息子・マスバスくん(かわいい)がイカボッドの助手として働くこととなります。

かつての被害者の墓を暴きその死体を調べることにするイカボットですが、村に住む未亡人の女性とギャレット家の親子の死体を調べると、女性のお腹の中には赤ちゃんがいたことがわかります!また、ギャレット親子が大喧嘩していて、そのせいで善良な使用人(被害者のひとり)が呼ばれたことも明らかに。この2つのことが事件と何か関係しているのか?

悩むイカボッドですが、突然首なし騎士に遭遇して大慌て。しかし、これはイタズラで、カトリーナのことを好きな男の仕業だったりもします。(ただし、この男ものちに殺されますけど……)
そして、何も知らないと主張していた判事はイカボッドに何かを話そうとしていたのですが、騎士の襲撃を受けて首を落とされます。

森の中を調査するうちに、「死体の木」を見つけたイカボッド。この木は切ればそこから血が出てくるという謎多き木であり、実は地獄と現世をつなぐ“門”であります。
森の中にいる謎のばあさんは「死体の木」の情報と予言をもたらしてくれますが、それと同時に目と舌が口から飛び出してきたのでびっくりしました。「マスク」かよ。

ですが、産婆の家が襲撃され、事件はより血なまぐさくなっていきます。一家の父、母、そして母が命がけで隠した幼児も殺されてしまいます。ちなみに殺された母の生首が転がってきて、床下に隠れている幼児と目が合うシーンは悶絶モノで怖いです。ティム・バートンの映画のなかでも、残酷描写は段違いな気がするなあ。

さーて、実はこの村に隠されたある秘密が、このひどい事件と関わっているらしいのですが、ギャレット親子、未亡人、使用人が物語の冒頭で死亡。判事も産婆一家も殺されていますよね。

そして、未亡人が実は子どもを身ごもっていましたが、その子供の父親の秘密を知っていたのが死んだ人たちと公証人、牧師、医師、そしてカトリーナの父(村一番の金持ち)なわけです。
未亡人はギャレットの子どもを身ごもっていたようですが、それを公にはしたくなかった模様。というのも、ギャレットが遺言状を書き換えたせいで、損をする人がいるから。それがカトリーナの父親です。
ですが事実が露呈してきたことを機に、公証人は自殺してしまいます。
おまけに首なし騎士が村を襲撃(これがまたすごい絵面)してきて、パニックになった大人たちが殺し合いに。牧師も医師も死んでしまいます。 撃ちあいの後、関係者は全員死んでしまい、父ちゃんももちろん死亡します。

生き残ったカトリーナですが、彼女の振る舞いに違和感を持っているイカボッド。もしかして、地獄から「死体の木」を通して首なし騎士を召喚していたのは、カトリーナなのではないか?

しかし、カトリーナが床に書き殴っていた呪文を調べてみたら、「愛する人を守るための呪文」だったことがわかります。この湿っぽいおまじないから「マイバースデイ」という雑誌を思い出しました。
では誰が犯人なのか?そう、犯人はカトリーナの義母のヴァン・タッセル夫人だったのであります。彼女は村への復讐のために村中の人間を利用して、首なし騎士を蘇らせて、夫を含めて皆を殺しまくります。
実は途中で、カトリーナの義母が死んでいた(アイアン・メイデンから首なし死体が飛び出してきた)描写があったのですが、それは使用人の死体だったんですね。

しかも首なし騎士がイカボッドとカトリーナ、そして少年助手をも追いかけてくるのですが、風車に逃げる→上に登って風車の羽につかまって降りる→風車に火が付き、粉塵爆発するというすごい展開。
しかも馬車にしがみつく首なし騎士という、おじいちゃんにはなかなか過酷なアクションシーンも見られます(本人じゃないだろうけど)。

死体の木まで追いつめられるイカボッドですが、義母が持っていたウォーケンのガイコツを取り返して首なし騎士に返却。するとそのガイコツを頭にはめる騎士ですが、そこに血管が走り肉ができ、皮膚で覆われます。この時、ファサーと髪の毛が生えてきて風になびくのが面白い。そして首なし騎士は地獄に義母をテイクアウト!
ちなみに中盤の森にすむ予言ババアは、この義母の妹だったそうです(既に義母が始末)。そして、首なし騎士が死ぬきっかけを作った双子は、この義母と妹だったというわけ。
そもそもこの人たちは村人たちに魔女として家を追われた一家の末裔であり、その復讐だったはずなのですが、途中から私利私欲に走ったように思われていたのはなぜなんだ。
そして村に平和が戻った、というラストであります。

意外とさくさくっと見られる映画(私は過去何回か見てます)で、ゴシックホラーとしてはかなり好きな映画。実はイカボッドが母を魔女と疑われて殺され、そのせいでオカルト現象を毛嫌いしていた、なんて過去シーンもあるのですが、この場面はとてもキレイです。
かなりさっくり軽めにまとめましたが、お話自体は濃厚。しかしこの頃のデップはよかったですね。