2018年の韓国映画『モクソリ』を見た。韓国映画のいいところって、俳優さんのことを知らずにみられるところだと思う。パーソナルな情報なし・先入観なしで見られるので、わりと没入しやすい。
邦画ホラーにもいいところはたくさんあるんですけどね。そういえば、最近はアイドルホラーもめっきり見なくなりました。アイドル戦国時代が終わったんですねぇ…
この映画は廃遊園地に遊びに行った高校生たちが恐ろしい目に遭う、というストレートなホラーなんですけども、『としまえん』よりはバリバリに怖い。『戦慄迷宮3D』とはいい勝負くらいかなぁ。わりと好きなんですよ、遊園地ホラー。
何しろ、お化け屋敷を舞台にしているんですが、このクオリティが異常に高いんですね。天井からぶら下げられた袋にマネキンが入っているのが透けて見える… しかもそれがさなぎのように、いくつもいくつもぶら下がっている… とか。首吊りのマネキンが何十体もあって、その合間をくぐっていかなきゃいけない… とか。
見どころはずばり、
- 怖すぎる!セット(クオリティ異常に高い)
- 独特の幽霊たちと翻弄される生存者
- 意外なラスト
かな。逆にちょっとン?となったのは、特殊メイクではなくCGの部分があったのですが、それがめちゃ浮いてたとこ。顔のCGって難しそう。
登場人物は6人。
優等生のウナは、親友の死後抜け殻状態になってしまい、大学の一次試験に失敗。そんなウナをそっと見守るのがアイドル志望(男のアイドル志望がホラーに出てくるの初めて見た)のイケメン・ミヌ。彼はどうやらウナのことが好きな様子。
それ以外に配信中毒のウソン、ガリベンのドンイル、美女でミヌが好きなジョンユン、ぽっちゃり愛されキャラのヘクグ。ミヌがウソンと仲がいいほうで、そこにミヌが好きなジョンユンがくっついてきて、ドンイルはジョンユンが好きで… と、変な組み合わせの6人で気晴らしに海を見に行くことに。とはいえ、ウナがジョンユンに嫌がらせされたりせずさっぱりしているので、その点は見やすい。
しかし、6人は迷い込んだ山道で遊園地に迷い込み…
この遊園地、もともと霊的に不安定な土地だったようなのですが、無理やり遊園地を立て、「幽霊が出る」という悪い噂を利用して大流行。しかし、経営に失敗し、社長が妻と娘を虐殺したという顛末があるらしい。どういう顛末や…
ここでウソンが「配信したい」と言い張り、6人は夜のお化け屋敷で過ごすことに。ウナは突然現れた女の子に誘導されて別行動、ヤラセの脅かし役にされたドンイルは穴の中に転落。同じく隠れていたヘクグも怪しい気配を感じ… と、全員がバラバラに!
よくわからないのが、社長の幽霊やら子供の幽霊やら女の幽霊やらがウヨウヨしているのですが、誰が誰なのかはあまり明確に語れないので幽霊関係は不明です。ただ、わりと怖いっす。女の子が呪怨のとしおくんメイクなのも怖い。
ドンイル→穴に落ちた挙句目のない幽霊に目玉をほじられる
ウソン→幽霊に魅入られ、自身も手引きをする幽霊と化す
ヘクグ→衣装室?でミシン幽霊に出会い、目と口を縫われてしまう
ジョンユン→自分は生きていると信じていた女の幽霊につかまる
みたいな感じで脱落。いろんなホラーの寄せ集めっぽいけど、充分ゾワゾワ。夏らしいホラーだ。
ウナとミヌは逃げるも、ウナの背後にいたのは…死んだはずの親友。「私が一緒にいけば(彼女は死ななかった)…」と以前悔いていたウナ。今度こそ彼女をひとりにできない…と、遊園地に残ることを決意。
ミヌはひとりお化け屋敷を脱出して涙を流しますが、その背後で動き出すメリーゴーラウンド。「まだ、終わっていないよ…」というメッセージなのか、「ふられてやんの~!」m9(^Д^)プギャー という煽りなのかは不明ですが…
そういえば m9(^Д^)プギャー ってAA、もう見ないですね。でも絶妙にそんな感じ。おっさんたちの幽霊がせせら笑っているのだろうか。
謎解きもなく、幽霊の気持ちを鎮めてあげるわけでもなく、ただただ生々しいティーンズホラーでした。