既視感スゴイけど見やすかった!『君と世界が終わる日に』入門編の感想(ネタバレあり)

『君と世界が終わる日に 入門編』…ってナニ?

と思っていたら、シーズン4がHuluで配信になる前に、地上波で特別ドラマを製作して放送したということらしい。てっきり総集編かと思いきや、ちゃんとオリジナルドラマです。

ただ、配信版のほうと比べると非常に軽いというか、完全にコメディですね。マキタスポーツさんが脱落して以来、お笑い要素といわないまでも、コミカルな会話なんて皆無だったので久しぶりの感覚である。響も本編のようにひたすら怒ったり狂ったりしてないし。

もうひとつ、ドラマが1時間程度なので見やすいのは嬉しい。

ただし、時間軸はXを探している頃なので、シーズン3の前くらい?の設定のようですね。

キャストは主人公の響と仲間の結月ちゃんのみレギュラー、後はこのドラマのみの出演者。

響と正反対で頼りなく力もないエース(柄本時生)、エースと響に助けられたレイナ(泉里香)、リゾート施設で立てこもるパリピ軍団のリーダー一ノ瀬(小宮璃央)、エースのかつてのオンラインゲーム仲間・ローズ(トリンドル瑠奈)あたりがメインキャストでしょうか。

いや、トリンドル玲奈が出るのか~!豪華だな~!(なんだかんだでわりとこの人の演技好きですよワタシ)と思っていたら、妹だったのでひっくり返った。あと、泉里香さんは演技してても何しててもオシャレめいてますね。キラキラがすごいわ。

ちなみに今回の悪役を演じていた小宮璃央くんはキラメイジャーレッドでしたが、シーズン3で同じく悪役のひとりを演じていた水石亜飛夢くんはキラメイジャーブルーでしたね。水石さんのふてぶてしい演技、すごくツボなのでよく覚えてたんですけど。イエローは何してるんだと思って調べたら、「きさらぎ駅」のチャラヤンキー役を演じていた俳優さんだったことに気が付きびびった。この人も演技うまいのね(「きさらぎ駅」見た当時、むちゃくちゃ嫌なヤツ~という印象しかなかった!)。

 

キャストの話はおいといて。

今回の作品の悪役たちは「人質をとって奴隷制度を導入し、ヒエラルキーの頂点・パリピ軍団はヒャッハー暮らしまくる」という、あれ?これ『今際の国のアリス』のボウシヤたちじゃあ… という既視感にあふれる皆さまです。

こういう設定が使い古されてカピカピ状態の今、「〇〇のオマージュ?パクリ??」ということがいかに愚かしいかはわかっているのですが。

どうせなら男女逆転させて、女の絶対的リーダーとパリピ軍団で男を奴隷にしてる、みたいにするだけでも見方は変わると思うんだが。

そして今回のもうひとりの主人公・エースが殺したゾンビの数を数えながらゲーム感覚で旅をしているって… 『Zネーション』の10Kじゃないんだからさ(銃の名手で、殺したゾンビの数をあますところなくカウントしている。イケメン)、とか。エースが顔を見たことのないゲーム仲間の女の子に恋していて、意を決して会いに行くという場面では『ウォーキング・デッド』のユージーンじゃないんだからさ、とかさ。

最近のゾンビドラマをこすりまくってる、この感じ!!!なりふり構っていられない貪欲さを感じます(適当)。

あと、ゾンビの人がたまに特殊メイクじゃなくてマスクになってない?頭蓋骨の皮膚がノビノビで気になりました。

 

あらすじは以下。

  • レイナとエースは響に助けられ、パリピ軍団の根城(リゾート施設)へ。
  • エースはゲーム仲間(初対面)のローズに会えて喜ぶも、パリピ軍団は人質をとって奴隷を働かせるワルい集団だった。結月ちゃんは人質に、響は奴隷に、エースは奴隷よりワンランク上の奴隷の管理者に任命される(エースには反乱を起こす気概がないと判断されたため)。
  • レイナは裏切り者で、パリピ軍団の仲間だった。しかし、レイナも妹を人質にとられている奴隷だった。さらに、レイナはエースとトランシーバーで交信したことがある「クイーン」だったことも明かされる。
  • 奴隷たちと行動を共にして物資を取りにいったエースは、響や他の奴隷たちの思いに触発され、変わろうと決意。響と協力して計画を立て、ゴーレムをリゾート施設に大量投入するも、レイナの妹を人質から解放することに失敗。レイナは一ノ瀬からエースを殺すことを命じられるが、エースはそれを受け入れる。躊躇するレイナ。しかし、響がチャラ男軍団を制裁。人質や奴隷にされていた人たちで施設を再建することに決まる。
  • 一ノ瀬は監禁され、ゴーレムウイルスに感染したローズに噛まれて絶命。
  • 響と結月ちゃんはまた旅に出ることに。

わりと見やすい構成だったのですが、まずトリンドル瑠奈ちゃんがゆるふわ最強美人女子みたいな風貌でオンラインゲームをごりごりやりまくっていたという違和感がすごい。適当な騙りかと思ったら本当に彼女はローズではあったらしいし。「黒歴史なんだから、それ以上言わないでよね~」みたいにおちゃらけてましたけども。

ローズももともとは悪い子じゃなかったんだと思うけど、イージーなほうに流され続けてそうなってしまったんだよ、という掘り下げは少し欲しかった。この人はいったい何なんだ?というハテナがでかすぎる。

レイナのキャラクターもわかりやすいけど、クイーンってのはなんなんだ。終末世界、こんなに知り合いだらけになるものなのでしょうか。

 

このドラマが見やすかったのって、響とエースの対比があったからだと思う。クールでそれでいて情に脆く、とにかく強い響。弱くて単純で流されやすいけど、いざとなったら頑固でやり抜くエース、という対比がわかりやすかった。

そもそも、響ってシーズン1ではめちゃくちゃ熱くて優しくて、みんなのリーダーで人間思いで… という感じだったのに、途中からはクルミークルミー!クルミークルミー!しか言わなくなり、人間不信になり、シーズン4からはもうほぼ発狂してるし、迷いなく人を殴るし撃つし(女囚もブン殴っていたのは記憶に新しい)という変貌を遂げているのが、あまり好きではない。というよりも、重い。

シーズン1~2って、等々力くんの病みがすごすぎて響の病みがかすんでいたのかもしれないけど、彼がいい人間に傾いていくと、響のキャラクターの不安定さ、荒れが増してきたといいますか。

正統派のいい人(お人よし故にトラブルメーカーみたいなキャラ)をそばに置いておくなり、もっとはっちゃけ暴走キャラを隣において響の重みを薄めていかないと、ホント見るのつらいっす。

犬でも猫でもオウムでもいいから出してくれ。頼む。

ドーベルマンとかゾンビ退治に役立ちそうだけど、鷹もビジュアル含め強そうだなとふと思いました。鷹、どうですか。象もいいかもしれない。

「俺は人間を信じるぜ!わかりあえるぜ!」みたいな奴が、現時点でひとりもいない終末ドラマなんですよね、『君と世界が終わる日に』って。そう考えるとスゴイな。

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