マンションの住人全員狂ってる… ひたすらひたすらエグい隣人系ホラー『マッド・ハウス』

隣人がオカシイ系の映画が好きです。

まぁ『隣の家の少女』みたいな虐待系や監禁モノはイヤなのですが(好み)、なんかそそられるものがありますよね。あっ、香川照之の『クリーピー』あたりはわかりやすく怖くていいですよね。あの映画のでっくんもよかった。ああいう役ならまた見たいですね。また爆発して!

あと、ちょっと違うけど『黒い家』もいいな。

そもそも、『壁の中に誰かがいる』という古めのアメリカ映画があるのですが、これが子供の頃の私に異常に刺さりまして。キチ夫婦が追ってくるのがスリリングでねぇ!

あと、『アダムスファミリー』も好きだったな。隣人としては最低なんですよ、アダムスファミリー。まぁ仲良くしようとしたら(たぶん)いい人たちではあるのだが。悪意はないのよね。キチなだけで…

私の話はいいんだ!

奇妙な家族、奇妙な隣人ならまだ対抗できるかも。

でも、マンションまるごとが“奇妙”だったら?

という設定で描かれた映画『マッド・ハウス』。ハウスじゃなくてマンションだけど。

夢を叶えるために都会へやってきて素敵なマンションに住むことにした主人公ですが、騒音に悩まされ、ペット禁止なのに飼っていた猫を殺されて… 襲ってきたのはなんと、住人たち全員!

監禁されてテスト(体を曲げて立ったままキープし続けるというほぼ拷問)を受け、彼女は住民として認められます。

父親と縁を切り、住人のために働き、仲のよかった老婦人が殺されるのを見守り(先のない病人はコミュニティにとって重荷になるから)、監視カメラで家の中の住人たちをチェックし、好きでもない男と結婚もさせられます。

耐えていた彼女ですが、都会に来て唯一の女友達が新しい住人候補として選ばれ、危害を加えられるのを黙って見ておられず助けることに。

住人たちを束ねるリーダーを殺し、女友達は殺し返され、なんとか逃げ出す主人公。結婚されられた男性が主人公をかばって脱出を手伝い(その後自殺)、なんとか建物外に脱出するも、地区全体が洗脳エリアだったことを知り… それでも必死に逃げる!走る!というエンド。

すごい爽やか。今まで主体性がなく、自分を殺してきた主人公が女友達と結婚相手に背中を押されて、自分のために生きることを決意したシーンをさらりとラストに挿入しています。

家の中にいても休まらない、救いがないってなんだか見ちゃうんだよな。抑圧されているのでしょうか、私は。