寄生体よりも差別発言満載の高慢親父のほうがよっぽど恐ろしい…『ゼイカム -到来-』

ゼイカム

2018年のイギリス映画『ゼイカム -到来-』を見ました。

シチュエーションスリラーであり、SF要素もあり、いがみあう家族のサバイバルもあり。寄生体が出てくるのですが、ビジュアルが壮絶!しかし、それよりも心に影を落とすのが、差別的な父親の存在なのです。もう、もっのっすごくイヤな親父と姉がいて、みんなをムチャクチャにかき乱すんですね。

話のわからんこのおじさんの存在こそホラーです。

主人公はインド人の医師である彼女を連れて仲の悪い実家に帰郷するのですが、差別的で高圧的な父・その父に従うしかできない母・父にそっくりの傲慢な妊婦の姉・その腰ぎんちゃくの姉夫・父すら恐れるクソじじいの祖父というめちゃくちゃなメンツがお出迎え。

有色人種である彼女への差別発言のオンパレードで、見ているこっちもげんなりしてくるほどですが、突然家の外に出られないという異常事態が発生。テレビだけが指示のメッセージを映し出します。

それを政府の指示だと信じる父はどんなにおかしな指示にも従い、主人公カップルと対立するのですが…

  • 漂白剤で体を拭かされる
  • 謎のワクチンを打たされる(ここでジジイが血を吐いて死亡するも、年寄りだからな!で終了する父)
  • 感染者が1人いる、隔離しろというメッセージで迷わず主人公の彼女を隔離するクソ家族
  • 外に手を出そうとしたら姉夫の指がちょんぎれる
  • 母は精神的におかしくなる
  • 外の様子を探ろうとした主人公、父親と姉夫にボコられ拷問される
  • そんなことをしているうちに具合を悪くしていた妊婦の姉、死亡(父、まったく頼りにならず「必要な犠牲だった」と言い出す)
  • 同じく外を探ろうとした主人公彼女のせいでガスが家の中へ放たれる、母死亡
  • 生贄を捧げよというメッセージを巡り、父対主人公カップルと姉夫が対立。姉夫が父に殺される
  • 実はテレビの中にコードのような形状の寄生体がいた。主人公カップルは脱出しようとするもコードに操られる父の遺体と戦い、負けてしまう。
  • 姉のお腹の中にいた赤ん坊のみ生存。「私を崇めろ」というメッセージが表示されたモニターを見つめる赤子。
  • 他の家も同じようなことになっている模様?

実はお父さんもじじいに厳しく躾けられて虐待されてきたという過去があるのですが、それにしてもめちゃくちゃにイジワル。

寄生体は家族で実験していたらしいのですが(人間がどういう生き物か)、もし仲良し家族で「これはおかしい」とか「これはやめよう」とかすぐに意見が一致して反抗していたらもっとすぐに殺されていたのか?生存ルートは存在したのか?

気になります。

コードの寄生体はすごく出来がいい。ちょっと80年代とか、あそこらへんのホラーの香りもしました。