2015年の映画『招かれざる隣人』を見ました。フランス映画化と思いきやイギリス映画。
主な登場人物は4人。主人公のケイトとその夫であるジャスティン、階下の夫婦のテレサとジョン。
隣人トラブルに子供を巡ってのトラブルが重なって、追い詰められていく主人公の姿がスリリングに描かれています。
階下に引っ越してきた女性が自分と同じ妊婦であることに親近感を持ち、近付くケイト。お金持ちで余裕たっぷり、愛妻家のジョンと美しくて天真爛漫なテレサを眩しく感じるケイトですが、実は彼女らもテレサたちを刺激していたのです。
ケイトは自身の母と関係が悪く、子供を欲しくないと考えていたタイプ。一方、テレサは自由奔放な母親に育てられて、ジョンと出会い、熱烈な恋愛を経て結婚するのですが、不妊に苦しんでいました。
また、ジョンは夫婦が友人たちに向かって下の夫婦の庭の趣味が悪いと言っているところを聞いてしまい、それ以来ツンケン。
そんな4人がディナーを共にしたのですが、テレサが階段を落ちてしまって死産してしまい、関係はぎくしゃくしたものになってしまうのです。
テレサが階段を落ちた原因としては
- 直前に夫婦が喧嘩ムードになって気まずく、テレサは早く去ろうと焦っていた
- 階段の電気が切れていた(ジャスティンの怠慢ではあるが、変えようとしている前にテレサが階段を降りてしまった)
- テレサが夫に内緒で飲酒していた(これはケイトしか知らない)
- テレサは家に入る前に靴を脱ぐ習慣があり、そのせいで慌てて靴をはいてもたついた?
- なぜかジョンがテレサを動かし、出血しているのにも関わらず立たせて歩いて家に戻った
などなど、いろんな理由が重なっているんです。いや、不正出血しているのに歩かせちゃダメだろ…
お互いに主張があって譲らず、結局言い争いになってテレサとジョンは一度家を離れることに。
その間ケイトは出産しますが、仕事人間のジャスティンには育児で頼れず、母との関係に相変わらず悩み… そのすきをついてテレサが徐々に関係を修復し、生まれた息子の面倒を見るようになります。
ここからが非常につらいんですね。
- 子供がアレルギーになり、母乳をやめなければいけなくなる。ケイトは母乳を続ける代わりに厳しい食事制限を受けることに
- ガスの元栓を閉め忘れていて死にそうになる
- 子供が泣きまくり育児ノイローゼに
- 部屋で水漏れが起きる
- 夜中に階下の警報がなり(セコムみたいなやつ)、そのせいで寝ていた子供が起こされて寝不足に
ガスと水漏れと警報は明らかにテレサのしわざ。
しかし、ケイトもそれに勘付き、夫婦の企みを見破ろうとするのですが(実はテレサたち、ケイトの息子の子供部屋を自分たちの家に作っていた)失敗、「君は精神不安定なんだ」の一言で終わり。結局引っ越しを決意したものの、ひとりになったケイトは子供を川に投げ込んで自殺してしまいます。
ですが!犯人はやっぱりテレサとジョン。ケイトが飲んだ牛乳(家の前に宅配してくれるタイプの牛乳)に薬が混ぜられており、ぐったりした彼女を浴槽に沈め、自殺予告のメッセージまでわざわざ代筆。ケイトの息子に関しては、テレサがケイトの服を着て川に何かを投げ込み、なりすましての目撃情報をゲット。もちろん息子は生きていて、何も知らないジャスティンはひとりで引っ越し、夫婦は息子を得ることができたというそらおそろしいエンド。
ジョンの顔、めっちゃ怖いのですごい俳優さんだなあと思って調べてみたら、ビックリ!!!『ウォーキング・デッド』の総督じゃないですか!!!なつかし!!!あーおどろいた。
「どんな手段を使ってでも欲しいものは手に入れる。妻とはそんな共通点もあるんだ」みたいなことをジョンが言っていたのですが、まぁ日本ならあり得ないよなぁ。出生届どうしたのかとか、海外に出国しようとしてるけどパスポートは?とか、いろいろ問題がありますね。