2021年のアマゾンプライム限定配信の『ブラック・アズ・ナイト』を見ました。なんとなく見たんだけど、面白かったです。
アフリカ系アメリカ人の人たちの生きづらさ、みたいなものも（歴史もからめて）描かれているのですが、大型ハリケーンの「カトリーナ」の後遺症で主人公の母親がおかしくなってしまったという設定は気になった。でもそれで麻薬に走るのはちょっと…いかがなものか… まぁそれだけ誘惑が近いところにあるってことかな？ お父さんとは離婚してない？けど、別居しているという感じ。
また、主人公のショーナは自分に自信がない（特にルックス）のですが、「肌が明るい女の子のほうがモテる」「だからお前はかわいくない」と主人公がいじられているのにはびっくり。
日本人（アジア人）でいうところのイエベとブルペの違いみたいなものでしょうか。
（男性はご存じないかもしれんが、肌の黄色みが強い＝イエベ、肌が青みがかっている＝ブルペと思っていただければ… そのせいでイエベにマウンティングするブルペもいるらしい。くだらないねぇ）
ちなみにこちらはヴァンパイア映画ですが、黒人ヴァンパイアならではの設定があって面白い。肌が黒ければ黒いほど、日光に強くて昼間も出歩けるとか。ただ、色素が薄いと日光で燃えて炎上しちゃいます。
また、十字架やシルバーがダメとか、ニンニクがダメ（ガーリックパウダーだけで戦える）とか、木の杭を打たれるとダメとか、ベーシックなヴァンパイアですね。ただ、招かれていなくても家の中に入ることができるという新設定もあります。
目は黄色、牙は犬歯だけじゃなく前歯全体がギザギザになるというルックスも新しい。
登場人物をまとめると
ショーナ：主人公。吸血鬼に殺された母の復讐を誓う。
ペドロ：主人公の親友のゲイ。メキシコ系で陸上選手としては一級という設定があるが、そんな走っているシーンなかった気がする。
クリス：ショーナが片思いしているイケメン。ショーナの兄とは友達。実は兄が依存症で苦しんでおり、ショーナを気遣うようになる。
ジャマール：ショーナの兄。妹のルックスをついついからかい傷付けるお調子者。昔「じゃま～る」って雑誌ありましたね。
グラニア：吸血鬼大好きの優等生。教会で吸血鬼小説の読書会を主宰していたことから、ショーナに協力を求められる。
みたいな感じ。ストーリーは以下。
ショーナは片思いしているクリスにアプローチするも大失敗、パーティからひとりで帰るところでヴァンパイアに噛まれてしまう。彼女はなんともなかったが、団地に住む母親はヴァンパイア化し、太陽光で炎上。死んでしまう。
ホームレスのヴァンパイアを捕まえて事情聴取するショーナだが、ヴァンパイアのボス・レフラックが棲むと言われる館を見つけ、娼婦になりすまして潜入する（潜入時も、ルックスをぼろくそに言われるショーナ。かわいいと思うけどな～）。
レフラックを殺したものの、本当のボスは別にいた。団地の取り壊し反対を求めていた老人・バビノーがボスだったのだ。
家の中まで追いかけてきたヴァンパイアたちを撃退してくれたのは、ショーナをストーキングしていたヴァンパイア・トゥンデだった。バビノーとトゥンデは敵対する組織にいるが、ショーナがレフラックを殺したことで平和の均衡が崩れたと責められる。
で、そもそもなんでショーナの母親がヴァンパイアになったかというと、団地に住む弱者をヴァンパイア化して兵士にしていたというバビノーの計画から。社会的弱者なら捜索届も出にくいし、という理由らしい。だから彼は団地を守ろうとしていたんですね。
トゥンデに自宅待機を申しつけられるショーナ。だが、家を抜け出してバビノーに復讐をすることに。ついてきてくれるクリスとペドロ（グラニアは帰宅、兄はおとりになってくれた）。
闘争の結果、バビノーを殺すことには成功したものの、ペドロが死んでしまう。
その後。
兄と仲良くなり（からかうのをやめてくれた）、グラニアとは親友になり、クリスと付き合うようになったショーナ。だがその夜、彼女を訪ねてきたのはヴァンパイアになったペドロだった…！
という後味の悪いんだかなんなんだかエンド。いやぁ、ペドロも吸血鬼になるんだろうなぁと思っていたから驚きはそこまでなのですが、ビジュアルが怖すぎる。
また、親友を失って悲しい…と嘆いたショーナが次のシーンではすぐに彼氏とイチャつきまくっていたので、ペドロのことを忘れたと怒っているのかなぁとは思いました。
面白いんだけど、ちょくちょく展開がご都合主義というか… グラニアが突然「私は帰るわ、もうこれ以上の冒険はいいかな」と帰宅したりするのも物語がつんのめっているようで変な感じだし。あと、レフラックが「見かけはよくないけど若いから」という理由でショーナの血を吸おうとするのもなんかイヤですね。おっさんの発想！
ただし、ヴァンパイアものは久しぶりに見るといいですね。ゾンビものとは違う高まりがあります。