エナジードリンク飲んで狂暴化した社員たちと戦って生き残れ!『Z Bull ゼット・ブル』

ゼットブル

2018年のアメリカ映画『Z Bull ゼット・ブル』を見ました。すっげぇゾンビ映画が出てきたとツイッターで見かけたのですが、明確にはゾンビ映画じゃなかったですね。エナジードリンクを飲んで狂暴化してしまった社員たちが暴れるオフィスから脱出を目指す落ちこぼれ社員たちのコメディです。『iゾンビ』でも似たような展開ありましたね。あちらはゾンビをより凶暴化させるドリンクでしたが…

わりといろんな映画に出ていて知名度も高めの俳優さんたちがたくさん出ているのですが、ビッグネームは『シャザム』で主演を務めたザカリー・リーヴァイですかね。

主人公のデズモンドは軍事企業で働く超下っ端社員。自分でゲームを作りながら働いていますが、会社の仕事は二の次。落ちこぼれ社員たち同士で仲良く過ごしているのですが、上司のナスバウムにキツく当たられるのが悩み(しかし、どう考えても上司は正論しか言っていないのだが)。

新作のエナジードリンクが配られたミーティングをさぼり、報告書を仕上げていたデズモンドは、出社後で社員が異常に凶暴になっていることに気が付きます。

幼馴染でほんのり恋し続けてきたサム(人事部)は半量、職場の同僚のムラトはラマダン中でまったく飲んでいなかったことから、わりとまともな3人で脱出を計画。途中でリストラされたおじさん・レントワースも合流します。

鉄壁の防御を誇る社長室に匿ってもらおうとするものの、レントワースが脱落するわ、社長室の壁は建材をケチっていて薄っぺらいので暴力社員たちがなだれ込むわでパニックに。

うまいなぁと思ったのは、大量の社員に囲まれた時に銃弾がいっぱい入ったボウルを撃ち、暴発させて彼らをやっつけたというもの。いや、ヘタすりゃ主人公も死んでるんですけど…

しかし、サムを助けるためには新製品のバトルスーツに身を包んだナスバウムのいる倉庫から薬品を持ってこなければならず…(ちなみに他の社員たちは脳みそがブヨブヨになっていて助かる見込みはなし、後は死ぬのみ…)。ちなみに、こんなことになったのは主人公の怠慢で発注していた薬品が届かず、代替品を使ったらこんなことになっちゃったよというすさまじいオチ。しかしさすが主人公、そんなことは全然気にしません。

倉庫でバトルもありますが、社員たちを演じている俳優さんにパルクールができる方々が起用されており、それがうまくこの映画にはマッチしてる感じ(ゾンビ映画とパルクールって、相性がいいようで悪いですよね。ドロドロ肌のゾンビがパルクールしているのって違和感あるし)。

サムもなんとか助かり(このあたりが割愛されていてあっさりすぎるが)、戦いも終盤へ。しかし、仕様書を読まずに行動を起こしてしまうデズモンドのせいで、ナスバウムをスーツごと爆破する計画は失敗。しかし、爆弾を直接踏ませて爆破し、ビルも炎上。主人公たちはビルから脱出し、デズモンドとサムが長めの尺でキスして終わりであります。

「会社のフロアの上にいけばいくほど社員の性格は悪くなる(上司になればなるほど性格が悪い)」とか、「人事部の女子は陰口でコントロールすればいい」とか、わりと毒のある“会社あるある”をちりばめている感じ。

個人的に気に入っているのは、主人公と同居人(男)みんなでふざけまわるシーン。主人公がマリオ、同居人がノコノコの格好になり、友達に後ろから買い物カートに押してもらいながらマリオカートごっこをするんですが、非常にバカバカしくてよかったです。

あと、アイデア出すときにリーダーがバスケットボールをもって投げられた人がその場でキャッチフレーズやアイデアをひねり出さなきゃいけないっていうやり方、見ているだけでお腹痛くなる。これ、上司に冷遇されていると何言っても冷ややかに対応されるだけのやつじゃん!