ビル・マーレイにゾンビのブシェーミが…!?キャストが豪華すぎる(話はゆるめ)『デッド・ドント・ダイ』

デッドドントダイ

2019年のアメリカ映画『デッド・ドント・ダイ』を見ました。ゾンビ映画でブラックコメディなんですけど、とにかく、とっにっかっく!キャストが豪華。

主人公のクリフを演じるのはビル・マーレイ。あと、ティルダ・スウィントンやスティーヴ・ブシェミ、まさかのイギー・ポップやらセレーナ・ゴメスまでまで出ています。他にもいっぱいいるんだけど、とにかく豪華。

私はスターウォーズ見てないからあまり知らんのだけど、アダム・ドライヴァーも出てるよ。

それに反比例してか、ストーリーは非常に地味で、ゆるゆるとゾンビに侵攻されていく田舎町を描いています。

お話自体はほんとにシンプルで、自転軸がズレたせいで死体が蘇ってきた田舎町のサバイバルに終始します。まずモーテルが襲われ、葬儀社や警察署、ガソリンスタンドもゾンビに襲われてぐちゃぐちゃに。お菓子とおもちゃコーナーが荒らされているのが生々しい。

なぜかというと、ゾンビは生前の習慣をコピーしているタイプ。だからお菓子コーナーに殺到したんだね。ちょっとだったら会話もできる感じ。歩くのは遅い。あと、切りつけると血液じゃなくて土が出るのは新しいですね。塵がぶわっと散る感じで。

なお、子供のゾンビが出てきてビックリしました。子供のゾンビって多くの映画が自主規制している印象だったので、珍しいですね。

身近な人が少しずつゾンビになっていく怖さは久しぶりに感じた。振り返るとあのキャストじゃん!ゾンビになってたの!?みたいな、じわじわくる怖い映画です。

ホラーコメディなので「表の入り口を封鎖したけど裏口を忘れてた、アチャー」とかいうギャグはあるんですけど、それよりもブラックな展開のほうがすごいんだ。セレーナ・ゴメスも首を切られて生首になってるし(しかし、気付かずに見ていてかわいい子だなぁと思った)。

追い詰められた警察署長のクリフ、ロニー、ミンディ。自分のおばあちゃんが閉じこもっているパトカーを叩いていることに気が付いたミンディは恐怖のあまり外に飛び出して自殺しちゃいます。

とうとうラストに近付くわけですが、突然「お前、ずっと様子が変だな」と指摘されるロニー。

「台本を…全部読んだので…」

「俺は自分の出演シーンしか読んでない…」

という、謎のメタ会話があります。わりとポカンとしましたね。えっ、台本?台本って、この映画の?えっ?えっ?と思わされた。

また、謎の女性・ゼルダをひたすら怪演していたティルダ・スウィントンはUFOを召喚してそのまま飛び立っていきます。えっ、今!?みたいなタイミングで。そもそもゾンビと関係ない展開なんだよな。なんだこれ。

このゼルダの描写もなかなかにすごく「異常に早いタイピングで警察署のパソコンをいじる」「柔道着で鍛錬」「日本刀の達人」「葬儀屋なので死者にメイクをするが、ハイブランドのメイクをお手本にしているため遺体がおてもやんメイクになっている」「口調が侍(英語自体は普通なんだけど翻訳がおかしい、イントネーションが日本人の話す英語っぽいってこと??)」と、羅列するだけで胃にもたれるね。ただ、めちゃ美人です。

結局パトカーから降りて、ゾンビ化した友達や知り合いたちをばっさばっさと殺しまくって、最後は飲み込まれて終わり。

「ゾンビは物質主義の賜物」「ゾンビは金と引き換えに魂を売ったんだ」とひたすらゾンビ化した人たちがディスられ、森で暮らしていたホームレスおじさんだけが生き残って終わり。

そういえば、途中で精神病院?に収容されていた若者3人が施設を脱走してそのまま逃げていく描写はあるのですが、この子たちは助かったのかな。ラストに多分出てこなかったので、生きてんのか。

ゾンビと戦うボブ・マーレイが見られただけでも満足か。ゾンビメイクも非常にいいし、ブシェーミゾンビも見られたし、ってところで終わっちゃうのが残念。まぁこのゆるさを楽しむのがちょうどいい見方なのでしょうね。