愛すべきクズ人間たちのバトルロワイヤル!韓国ドラマ『イカゲーム』を徹底解説!!

ネットフリックス独占配信中の『イカゲーム』を見ました。韓国ドラマです。

記事にもなりましたが、邦画ホラー(ホラーなのか?)の『神様の言うとおり』、同じく邦画の『カイジ』に似ているなぁという印象。記事内にあった『バトルロワイヤル』は特に似ていると感じませんでしたが。拉致される時にガスをかがされて、運転手が振り返ると不気味なガスマスクを着けている…というシーンはたしかに『バトルロワイヤル』だったけど。

『神様の言うとおり』との共通点は、「子供の頃をモチーフにしたデスゲームに挑戦させられる」というところ。身の回りのものをモチーフにした気味の悪いクリーチャーがゲームを仕切るところは、第1ゲームに登場する女の子人形と少し似ているかも。そもそも「だるまさんが転んだ」をやっているのは同じか。

『カイジ』との共通点は、「借金を抱えたクズがゲームに強制参加させられる」ことと、鉄骨渡りに似た「飛び石渡り」ゲームに挑戦するというところでしょうかね。

個人的には、敵のモブキャラたちが『リアル鬼ごっこ』のカラス仮面みたいでかっこよかったなぁ。いや、〇と△と□の仮面をかぶってるんだけど、プレイステーションのコントローラーやんけとしか思えない。

ただ、予算が潤沢であろうこと(セットが豪華、すごい人数のエキストラがキャスティングされている)、主人公のキャラクターがまったく異なる(『神様の…』や『カイジ』のように天才的頭脳や機転を持つわけではなく、どちらかというと『ダンガンロンパ』の主人公のように運がよく、お人よしな性格)ことは明らかに違うポイント。芯になる登場キャラクターの人数も多い。見た目にも派手で、一気見しちゃいましたね。ぶっちゃけ『神様の言うとおり』よりおもしろ…ゲフンゲフン そりゃあまあ、過激なデスゲームがみっちり描かれるわけですから、2時間の映画と比べるのが悪いですね。

この映画のおもしろいところ。

  • キャラクターの絡み合いが面白い。いろんなクズが出てくるし、一方で善人もたくさん出てくる。ドラマなだけあって、掘り下げもしっかりしている。借金している理由もそれぞれで、風刺をきかせている印象もある。
  • セットや衣装が面白い。ビジュアルのインパクトがあるのは外階段(ピンクや青、黄色に塗られて、ペンローズの階段のように入り組んでいる)ですけど、巨大すぎる控室や何段あるのかわからないベッド(6段とか8段ベッド??)がすごい。どこでどう撮影したんだよ… あと、天井から下がっている巨大な豚の貯金箱もかわいいです。一方で衣装が全員ジャージっていうのが新鮮。海外だと緑色のイモジャーって絶対出てこないもんね。
  • 運営の裏側まで描かれており、スタッフ側にも何かがあることが推測される。デスゲームだと、日本には「人狼ゲーム」「王様ゲーム」「トモダチゲーム」なんかがありますが、最近だと「シグナル100」とか「今際の国のアリス」とかもありますが、シーズン1から運営の裏側まで描くのはわりとテンポがいいほうかも。
  • ラストの裏切りはわりと予想外ではありました。ストーリーも飽きさせないように工夫されていると思います。

一方で、ちょっと不満なところ…

  • 頭脳戦がない。肉弾戦や運まかせのゲームは多いんですけど、頭を使ったゲームは皆無。駆け引きもない。「カイジ」のじゃんけんカードのような心理戦は期待できません。
  • ちょくちょくつっこみどころはある。まぁ、それはおいおい…
  • クズが多すぎて途中でくどく感じてくるのもたしか。

では登場人物たちを見てみよう。

ソン・ギフン:本作の主人公。もともとは自動車メーカーで働いていたが、不当なリストラを受け、ストを決行した際に友人を失った(殺された)というトラウマを抱える(なお、その日は娘のガヨンが生まれた日であり、出産に間に合わなかったため夫婦仲に亀裂が入った)。この過去から、人一倍「弱者を痛めつける強者」に憎しみを抱くようになったと推測される。その後飲食業を始めるが悉く失敗、現在は運転代行をしながら母と同居して暮らす。バツイチで、娘のガヨンは元妻に引き取られている。ギャンブル好きでだらしない性格だが、お人よしで憎めない性格でもある。借金が膨らみ、臓器を売らされる寸前でゲームに勧誘される。一度はゲームから離れるが、倒れた母の入院費用を稼ぐためにゲームに戻ってくる。

チョ・ソンウ:ギフンの年下の幼馴染。ソウル大学を首席で卒業して証券会社に就職した秀才だったが、先物取引で大損して横領、現在は警察に追われる身。おそらく、参加者の中でもトップクラスの借金を背負う(日本円にして数千万円以上)。ゲームの参加者の中でもトップレベルの頭脳を持つが、自分が生き残るために他人を蹴落とす冷酷な一面を持つ。母は市場で店をやっているが、ソンウは母の家や店の権利すら借金のカタにしている。なお、ソンウの母はギフンと顔なじみであり、非常に優しい女性である。ゲーム中にメガネなくなるんだけど、視力大丈夫なの?

カン・セビョク:脱北者の少女。スリで生計を立てており、ゲームが始まる前にギフンのなけなしの金をスって苦境に陥れたため、当初彼からの印象は悪かった。クールでつっけんどんだが、徐々に仲間に心を開いていく。父は脱北の際に殺されており、母は連れ戻され、唯一共に逃げた弟は養護施設でいじめを受けている。北にいた頃に祖父母と兄を疫病で失っており、非常に貧しい家庭に育ったことがエピソードから伺える。必死で集めた金を脱北ブローカーに持ち逃げされ、母を韓国に呼び寄せて家族で暮らす夢をかなえるためにゲームに参加する。ちなみにセビョクとは「夜明け」を意味する。

オ・イルナム:ゲーム開始時、ギフンが初めて会話をした老人。家族はおらず、家もない。脳に腫瘍があり、かつ認知症を患っているため、たびたび自分の名前を忘れたり会話が途切れたりする。ゲームの参加者の中でもとりわけ高齢者のため、仲間からも冷遇されがちだが、あるゲームで才能を開花させた。ゲームのスリルを誰よりも楽しんでいる節がある。

アリ・アブドゥル:韓国に出稼ぎに来ていたパキスタン人。非常にマジメな性格で、最初のゲームで危険を顧みずギフンを助けてくれた心優しい性格。力が強いが、指を2本欠損している(おそらく職場での事故)。最初にギフンたちの仲間となった。職場での不当な給与未払いに苦しみ、生活費のために借金を重ねたと推測される。ゲームから一時解放された時に社長に支払いを訴え、揉み合いの末に大怪我を負わせてしまい、ゲームに戻るしかなくなる。実は子持ちで嫁もいる。交通費をおごってくれたソンウに特になつき、ソンウを「シャッチョさん」と呼ぶ。フィリピンパブみたいな口調で喋らせるのヤメテ!

ハン・ミニョ:非常におしゃべりな女性。ギドクにくっついてなんとか勝ち残ろうとする姑息な性格であり、ゲーム参加者からは信用がおけない人物として疎まれる。前科(詐欺)五犯持ち。なお、ミニョとは「美女」を意味する。日本で言うと美子とか姫子とかそういう感じ?

チャン・ドクス:ヤクザ。ソギョクをスリとして育てた存在であるが、彼女からは強く憎まれている。参加者の中でも悪そうな奴らを寄り集め、グループを作る。生き残るためには親しい人間を平気で裏切れるクズ人間。体から首、頬にかけて蛇のタトゥーを入れている。フィリピンのカジノで組の金を使い込んでしまい、組長から追われる身。どうでもいいが、草野仁さんにちょっと似ている。

ジヨン:グループでのゲーム決めの際に誘われて仲間に入ったシニカルな性格の女の子。鼻ピアスをつけており、セビョクに懐いている。父は牧師だったが、彼から性的虐待を受けていた(母も暴力を振るわれていた)。父が母を殺し、その父を自分が殺して刑務所に入る。刑務所から出た日にゲームにスカウトされ、行く場所がないからという理由でゲームに参加した。借金は父親のものを肩代わりしている。名字は本人が語りたがらなかったため不明(憎んでいる父の名前だから?)。

ファン・ジュノ:刑事。失踪した兄がゲームに関係していると知り、ギフンを追ってゲームの運営側に潜入する。以前兄から腎臓を移植されており、そのことからも強く恩義を感じていて、何としても兄を探し出そうと奔走する。ゲームの全容や運営がもてなすVIPの存在を独自に調査して明らかにするが、恐ろしい事実に直面する。

あと目立ったやつはキチ牧師(ゲーム中に祈りまくって邪魔する)とか、自分が死ぬ確率を計算している数学教師とかかな。

ゲームのルールについて

参加者はおそらくほぼ全員、謎の男に声をかけられ、めんこ勝負を申し込まれる(勝ったら金がもらえ、負けたら殴られる)。この勝負を受け、殴られてでも金に執着した者たちだけがゲームにスカウトされた模様。参加者たちは全員、何らかの形で借金を抱えている。

めんこ勝負の際にもらった「〇△□」と書かれた名刺の番号に電話するとゲームに参加できる。指定された場所に車が向かい、参加者は合言葉(だるまさんが転んだ)を言うと乗車できる。ただし、ガスをかがされて眠らされるのでどこに向かうかはわからない。参加者はすべての私物を没収(預かり)されるが、小さいものであれば体内に隠して持ち込むことは可能。

ゲームの参加者は運営と契約書を交わし、6日間で6つのゲームをプレイする。ゲームの内容は事前に知らされることはないが、子供時代のゲームに由来するものばかりである。ルールは3つ、「勝手に中断できない」「ゲームを拒否したら脱落」「過半数の同意でゲームを中断できる」というもの。ゲームを中断した場合、脱落者(死亡した者)の家庭に1億ウォンの賠償金が支払われるが、生存者には見返りはない。

なお、中断後に再開の打診があった場合、それを拒否もしくは無視すればゲームに強制参加させられることはないため、ドロップアウトすることは可能。そういう者は殺されることはないが、監視は受けている模様。

最後のゲームに勝利した者が参加者人数×1億ウォン(今回は456億ウォン)を手にすることができる。1人死ぬごとに1億ウォンが上乗せされていき、その様子は参加者の待機する部屋につるされた巨大な豚の貯金箱で確認される。なお、複数の参加者が勝ち残る可能性を示唆している参加者もいたが、途中で登場した優勝者リストによると、毎年1人しか生き残っていない模様(例外があるかは不明)。

脱落者はプレゼントを模した棺に入れられ、そのまま焼却処分される。

なお、運営にも序列があり、〇、△、□、フロントマン、ホスト(およびVIP)と序列が上がっていく。フロントマンは1名しか存在せず、ゲームのすべてを取り仕切る。

ゲームの内容

事前テスト:めんこ勝負

1回戦:だるまさんが転んだ。巨大な女の子人形が振り向いた瞬間に少しでも動いたら射殺されて死亡(ただし、小声で話すなど顔の動きは許される)。また、制限時間(5分)内に線を越えなければ死亡。セットは運動場。

2回戦:型抜き。参加者は事前に丸、三角、星、傘の形を選び、配布されたカルメ焼きの型抜きを制限時間(10分)内に行う。失敗したり制限時間を過ぎたら死亡。セットは巨大な公園。

3回戦:綱引き。参加者は10人で1つのグループを作り、他チームと対戦する。相手チームが落下するまで綱を引き続け、落下したチームは全員死亡する。セットは高い足場の上に作られている。

4回戦:ビー玉。ペア戦。参加者は一緒に戦う相手を選び、握手をすればペア成立。ただし、ともに戦うのではなく、その相手と対戦しなければならない。ビー玉を使った勝負ならば何でも可だが、多くの者は手のひらにビー玉を隠し奇数か偶数か当てるゲームを行っていた。暴力を使って奪い取るのは禁止。相手のビー玉10個をすべて入手出来たら勝利、負けた側は死亡する。なお、制限時間(30分)内に勝敗がつかなかった場合については触れられていない(両方とも殺されるのかは不明)。セットは下町の路地裏。

5回戦:飛び石渡り。参加者はまずゼッケンを選ばされ、そのゼッケン順にゲームに参加することになる(つまり、後のほうを選んだほうが有利なゲーム)。2本のラインにとびとびに配置された普通のガラスと強化ガラスを見分け、強化ガラスの足場のみを選んでゴールを目指す。普通のガラスに乗り落下したり、制限時間(16分。ゲーム参加者16人×持ち時間1分だと思われる)内にゴールできなかったら死亡。セットはなぜかサーカス風の綱渡り風。なお、カイジに酷似しているゲームはこれ。

6回戦:イカゲーム。冒頭でも登場した韓国の陣地取りゲーム。攻撃と守備に分かれ、陣地取りを行う。攻撃側は線の外に押し出されたら死亡。守備側は攻撃側に特定の陣地を踏まれたら死亡。勝利したら賞金が得られ、かつ帰宅できる。このゲームは事前に渡されたナイフを持ち込み可能であり、まさになんでもあり。セットは運動場。

第1話「だるまさんが転んだ日」

主人公のギフンは借金まみれで老いた母に生活費を依存、それでもギャンブルにハマるどうしようもない男。娘・ガヨンの誕生日を祝う金すら事欠く始末。一度は競馬で勝つも、その金を女にスられてしまう。その夜、地下鉄のホームで謎の男にめんこ勝負を申し込まれ、体を張って金を獲得。その後、ゲームに勧誘される。娘を引き取りたいと考えるギフンは渡された名刺に電話し、ゲームに参加。

巨大な部屋で目を覚ました456人の参加者たちは、深く考えずにゲームに参加する。

運動場で行われたゲームは「だるまさんが転んだ」だったが、次々と動いた人が殺されている様子を見て多くの者がパニックを起こし、半分近くが射殺される。出遅れたギフンはアリに助けられ、制限時間ギリギリでゴールする。

感想

1話らしい、とにかうビジュアルの派手なお話。ギフンのクズぶりをひたすら見せられるのでイライラしますが、ゲーセンのUFOキャッチャーで娘の誕生日プレゼントをゲットしてくれたメガネ少年を抱っこして大喜びしたりと、憎めない人であることがよくわかる。

ちなみにスカウトマンは『新感染 ファイナル・エクスプレス』主演でのヒットも記憶に新しいコン・ユがカメオ出演。この人、やっぱり演技がうまいなあ。薄気味悪いんだもの。

第2話「地獄」

456人から201人に減った参加者は、ゲームの中断をかけて投票を行う。賞金に目がくらむものもいるが、ギリギリで中断派が勝利。彼らはいったん家に帰される。

しかし、ギフンは母が倒れて手術費が必要になるが誰からも金を借りられず、ゲームに戻るしかなくなる。ソンウは母に借金と逮捕されそうだという事実がバレ、自殺未遂をはかる。セビョクは母を脱北させるためには大金が必要だと思い知る。アリは社長と給与の支払いを巡って喧嘩になり、彼に大怪我を負わせてゲームに逃げ込むしかなくなる。ドクスはヤクザのボスの金を使い込んでいたことで追われ、同じくゲームに戻ってくる。

ギフンがゲームで最初に知り合った老人も「外のほうが地獄だ」という理由でともに舞い戻る。

一方、一度は警察にかけこんだギフンの話を聞き、失踪した自分の兄がゲームに参加しているのではと推測するファン刑事は、ギフンの後をつけてゲームの運営に潜り込むことに成功する。

感想

また泥臭いエピソードなんですよ。第2話にして。非常に暗い話です。

この「ゲームを中断できる」というシステムはいいなぁと思う。面白いよね。全員が自分をクズだと認識するエピソードですが、主要キャラではミニョだけが外の世界の出来事が描写されていません。

第3話「傘をさした男」

ゲームに戻ってきたギフンたち。201人いた参加者が187人に減少している(残りは辞退)。ギフンはサンウ、アリ、さらにはギフンが仲のいい老人・カンナムとチームを組むが、一方でセビョクはギトクの誘いを断っていた。ミニョはギトクに取り入ろうとするが、鼻で笑われてしまう。

運営の下っ端(〇のマスク)と入れ替わったファン刑事は、運営側の厳しいルールのもと、潜入捜査を始めていた。スタッフも「マスクを外すのは禁止」「私語禁止」「(個人に与えられた部屋から)外出禁止」というルールのもの、監視カメラで常にチェックされている。

セビョクはミニョの助けを借り、ダクトをつたって次のゲームが何かを探りに行く。スタッフたちが砂糖を溶かしているのを見たセビョクは、情報を要求してきたミニョ(手助けしたから)とサンウ(韓国のゲームのことを教える代わりに見たものを教えろと要求)にそのことを話す。

参加者たちは第2ゲームに駒を進める。巨大な公園(巨人サイズの遊具が置いてある)に案内され、丸、三角、星、傘のマークを選ばされる参加者。サンウは三角、アリは丸、カンナムは星、ギフンは傘を選ぶ。サンウはゲームの内容を予測できたのに、ギフンに忠告しない。

そしてもうひとり、ゲームの内容を先に知っている男がいた。

ゲーム内容が通告され、カルメ焼きを10分以内に型抜きするという内容に唖然とするギフン。傘のマーク(星もだが)は複雑すぎて難しい。焦って失敗した参加者は射殺されてしまう。

ミニョは持ち込んでいたライターで針をあぶり成功、ギトクにライターを渡してグループの仲間に入れてもらう。サンウやアリ、セビョクは正攻法で成功し、ギフンは「型抜きを裏から舐めて外す」という裏技を実行。カンナムとともにギリギリでクリアする。

脱落者の中にはスタッフを人質にとって暴れる者もいるが、マスクを外させられたスタッフとともに射殺され、容赦なく殺される。しかし、その殺されたスタッフのマスク(□)をファン刑事が入手し、さらに広範囲に潜入していく。

感想

ギフンの大泉洋感がすごいエピソード。そう考えるとサンウは井浦新さんに似ている気がする。カンナムは麿赤児さんか。なお、カルメ焼きの裏をベロベロ舐めるシーンではなめすぎて溶けるんじゃねーかと心配になりました。日本にもあるみたいだけど、私は見たことないんですよね、型抜き。自分で作れそうではあるが、ひとりでやるのは猛烈に空しい。

スタッフは裏ルートで集められたただのチンピラなのか?それとも何か裏があるのか?は謎。

第4話「チーム分け」

ゲームの内容を先に知らされていた男は医師であり、スタッフの一部が遺体から抜き取った内臓を売りさばく手伝いをしていた(死体から臓器を抜き取る作業を担当)。ファン刑事が入れ替わった男も、そのグループの一員だったため、彼もその裏取引を手伝わなくてはいけなくなる。

参加者たちは187人から108人に減少。運営の差し金で食事が少なく配給(ゆで卵と炭酸飲料のみ)され、さらにギトクたちのグループが2人分横取りしたため、あぶれたものが暴れて諍いに発展。ギトクは食事を返せと言ってきた男を撲殺する。

ゲーム外の暴力は黙認されるということを知った彼らは、夜になると殺し合いを始める。ギフンは孤独なセビョクを気遣い、仲間に引き入れる。たくさんの人が殺される中、カンナムが参加者たちを止めたタイミングでスタッフたちも突入してくる。参加者はまた減り、80人になっていた。

医師はギトクに「明日のゲームの内容を知っている」と耳打ちし、グループに入れてもらう。ミニョはギトクを抱き、彼女は「私を裏切らないで」と強く言う(伏線)。

翌日、第3ゲーム前にまず10人でグループを作れと命じられる参加者たち。ギフンたちのチームにはセビョク、ジヨンといった女性、老人のカンナムがおりメンバーが集まらない。そこにギトクにすぐ裏切られてグループから追い出されたミニョも合流する。

3つ目のゲームは綱引きだった。男性ばかりを集めたギトクチームは勝利。意気消沈しているギフンチームに、出身地で綱引きをよくしていたというカンナムがアドバイスをする。そのアドバイスとサンウの冷静な作戦のおかげで、彼らは辛くも勝利する。

感想

ここで綱引きって… 子供の遊びじゃなくて運動会の種目ちゃうんか…?と思ったのですが、テクニックの解説が入ると俄然参考になって見入ってしまった。なお、綱は途中でギロチンで切られてしまうので、引っかかった綱にぶら下がっていても容赦なく死亡します。それにしても、ミニョが疎まれまくっているのがさすがにかわいそうな気もする。

第5話「平等な世の中」

勝ったことで浮かれるギフンたち。ギトクはギフンをからかうが、ギトクチームの絆のもろさを指摘され、疑心暗鬼に陥る。

その夜、おとなしく就寝する参加者たちの数は、80人から40人になっていた。

アリとサンウは仲を深めていき、ギフンはカンナムにトラウマ(ストで仲間を殺されたこと)を語る。しかし、その後カンナムが高熱を出していることがわかり、ギフンは彼を看病する。

また、遺体から臓器を抜き取っている医者と裏切り者のスタッフたち。ファン刑事の正体がバレかける一方で、医師は「明日のゲームの内容はまだわからない」と言われ、キレまくる。医師はスタッフのひとりを殺し、大暴れする。生き残りのスタッフは彼を説得しようとするが、すべてがフロントマンにバレてしまい、「ゲームの公平性を欠く行動は許さない」(臓器売買はどうでもいい)という理由で全員が殺される。

裏取引に向かう途中だったファン刑事ともうひとりのスタッフ。ファン刑事は彼らが以前臓器を抜き取った遺体が自分の兄だったのではと疑っている(腎臓がひとつなかったという情報から。しかし、臓器を売り飛ばしてからゲームに参加している者も多いのであてにはならない)。その男にリストの存在を教えられ、彼を殺してからフロントマンの部屋に侵入するファン刑事だが、兄が2015年のゲームで優勝していることが明らかになる。しかし、兄の情報だけがファイルから抜き取られて抹消されている。

感想

ファン刑事の回。臓器がたくさん出てくるので、わりと気持ちが悪くなる。お兄ちゃんのキャラがこの時点ではよくわからないんですよね。当初、失踪した時には受験生の寮にいたっぽいし。かなり前にいなくなったのでしょうか。それとも多浪生?優勝経験があるって明らかに強キャラじゃないの…

そしてギフンのトラウマが開示される回なのですが、キャラクター紹介のところで書いた通り、「強者に痛めつけられる弱者」に同情的であり、強者をめちゃくちゃ憎んでいるのはこの友達の死が関係しているんでしょうね。

サンウとアリが仲を深めているのもすごくフラグっぽい。

第6話「カンブ」

侵入者(ファン刑事)を探すために、参加者たちも起こされ、施設中にサイレンが鳴り響く。

失禁していたカンナムをかばうギフン。しかしゲームの部屋に移動しようと控室を出た参加者たちの前には、医師と裏売買をしていたスタッフたちの遺体が吊るされていた。運営の意に沿わないことをしたらどうなるかを知る参加者たち。

4つ目のゲームの前に、今度はペアを作らされることになる。サンウとアリが組み、ギフンはあぶれてしまった。別の男性から誘われたものの、ギフンはカンナムが見捨てられず、彼と組むことにする。セビョクは自分と同じくらいそっけないジヨンと組み、ギトクは子分と組む。医師が死んだせいでミニョだけがあぶれてしまい、運営に連れていかれてしまう。

38人の参加者が挑むのは、ビー玉遊び。力や頭脳が必要ないと知り喜ぶギフンは、カンナムとカンブ(ビー玉を共有する仲間の契り)を交わす。しかし、ペアを組んだ相手との対戦だと知り、参加者全員が衝撃を受ける。

ゲームに負けそうになったサンウは怒り、泣き、最終的にアリを騙してビー玉を回収する(ビー玉と小石を入れ替えて盗んだ)。

セビョクの壮絶な過去や現在の夢を聞いたジヨンは、自らの壮絶な過去についても語る。セビョクは貧困に苦しみ、ジヨンは家庭内暴力に苦しんでいた過去を持つが、それでも夢を失っていないセビョクにジヨンは感嘆する。そして「自分にはやりたいことがない」という理由から、わざとゲームに負ける。

ギトクもサンウ同様ゲームに負け続け、見下していた子分からバカにされるが、一発逆転のゲームに勝利する。

認知症がひどくなり、まったくゲームを始めず会話すら通じないカンナムに苦労するギフン。なんとかゲームを始めるが、負け続けてしまう。次に失敗したら脱落するギフンだが、カンナムの意識がはっきりしないのにかこつけてズルをしてしまった。そのことを正気を取り戻した指摘され、自分を恥じるギフン。しかし、最後の1個を隠していたカンナムにギフンは怒りをぶつけてしまう。「最後に一発勝負をするか?」と聞かれ、言葉を失うギフンだが、カンナムは彼の手にビー玉を握らせる。最後に自分の名前を思い出したカンナムだが、その直後に撃たれてしまう。

感想

強キャラのサンウやギトクが焦りを見せ、サンウがアリを出し抜き、セビョクの落ち込む顔が見らえるというエピソード。ジヨンが本当にかわいいんですよね。最後、「私と遊んでくれてありがとう」って言い残して撃たれるんですよ。か、かわいそう…

常にギリギリ勝ちをしているギフンですが、ズルを指摘された時の空気が凍る感じとか、最後に1つビー玉を隠し持っていた時の焦りとか、スリルがすごい回。それぞれのペアが、相手が撃たれる瞬間にどういう表情をするのかも描かれています。

第7話「VIPたち」

控室に戻った参加者は生きていたミニョを見て驚く。運営は彼女を生かしていたのだ(不戦勝)。参加者は39人から17人に減少した。妻を失った男はここでゲームを中断させようとするが、誰も賛同せず、夜中にこっそり自殺する。

逃げ続けているファン刑事。2話で刑事が入れ替わった男の遺体(ファンが自分の身分証を持たせていた、顔が腐敗していて判別できない)が見つかり、侵入者の捜索は中断する。

謎のVIPたちを歓迎するフロントマン。「ゲームは一部のセレブに中継されている」「優勝者に金をかけることができる」「彼らは全員顔を隠している(お互いの本当の身分は知らない?)」ことなどが明らかになる。フロントマンのさらに上にいるホストだが、「ある理由から不在」だと発表されて登場しない。

ファン刑事は今度はVIPルームのウエイターに潜入するが、VIPのひとりに目をかけられてしまう(同性愛的な意味で)。

5つ目のゲームに参加する前に、今度はゼッケンを選ばされる。16人になった参加者たち。まずは真ん中(6~11)周辺の番号がとられてしまい、ギフンはぐずぐず悩む。ソンウが14、セビョクが15を選ぶなか、ギトクは1番のゼッケンを譲り、16番のゼッケンをつけることになる。

ゲーム内容が「飛び石渡り」だと発表され、ゼッケンはゲームに挑戦する順番だと知らされ青ざめる1番。普通のガラスで作られた足場を避け、強化ガラスの足場を選ばなければいけない。参加者は安全な足場をド忘れして落下したり、途中で動けなくなったりしながらも、犠牲者のおかげで少しずつ進んでいく。

ギトクは自分の番がきた途端、後ろの番号の者を先に行かせようとする。しかし、後ろにいたミニョはギトクに抱き着いてともに落下することを選び、壮絶な死に様をみなに見せつける。

生き残った13番、サンウ、セビョク、ギトク。13番はガラス工場で働いていたので、足場を見分けられると断言。「なら、なぜ先にそれを言わなかった」と言うギトクに、クズたちを助けたくないと言い返す。しかし、電気を消されてしまい見分けることが不可能になってしまい、しびれをきらしたサンウに突き飛ばされて落下。ギリギリで生き残ったギフンたち3人だが、制限時間終了の際に爆破されたガラスの足場のせいでセビョクが大怪我を追ってしまう。

自分を抱こうとしたVIPを銃で脅して証言を引き出したファン刑事だが、とうとうフロントマンたちに追い詰められていく。

感想

シーズン1のなかではもっとも盛り上がるエピソードかも。ギフンに頭を下げて1番を譲ってもらった人が、飛ぶ順番だと知って絶望する表情がすごい。しかし、超高所なのに参加者の皆さんはすいすい飛んでいくんだよなあ。怖くないのか?高所恐怖症の人とかいないのか?すごいデブちんが混ざってたら死ぬよなぁ?あと、ズルとかできないのかなぁとひたすら考えていた回。

あと、13番のおじさんのビジュアルが水木しげる感あってよかったです。

ラストにガラスを爆破するのって、「カイジ」の足場を渡り切って安心してドア開けたら気圧?で吹き飛ばされるっていうオチを思い出した。無事にわたって安心してたらガラスが刺さって死亡する可能性もあるんですよね。う~ん、怖い!

VIPは絵に描いたようなクズ金持ちっぽい感じ。金ぴかのアニマル仮面(めちゃくちゃ重そう)をかぶって登場し、ゲームを鑑賞なさる際にはみんなバスローブでソファに寝ながら高い酒飲んでるのがすごくシュールでした。ボディペイントされた人たちがテーブル代わりになったりオブジェになったりしているのも悪趣味でよい。もう、要素のっかりすぎですよね。人間を家具にしよう!ヘビの柄に塗ろう!って言い出したのは誰なんだ。

第8話「フロントマン」

勝者の3人はディナーに招待されるが、サンウの正体を知ったギフンは彼に対しての怒りが収まらない。セビョクはどんどん具合が悪くなる。ディナーでステーキをご馳走になった後、そのステーキナイフを持ち帰ることができた3人。その夜は、殺されないように寝ないでお互いを見張らなくてはいけない。

セビョクのケガを見抜いていたギフンは彼女を気遣うが、同盟を結び、どちらかが生き残れたら、死んだほうの遺族を助けようと約束する。しかし、予想以上に出血しているセビョクに医師を呼ぼうと運営にかけあうギフン。しかし、そのすきをついてサンウが彼女を殺してしまう。

逃げたファン刑事は施設の外に出て自分のボスに証拠の数々(動画やメモなど)を送るが、電波が悪いため成功したかはわからない。そのままフロントマンに追い詰められるが、その正体に愕然とする。なんと、自分の兄、ファン・イノだったのだ。兄を撃つファン刑事だが、フロントマンに肩を撃たれ、そのまま崖下の海へと落下していく。

感想

もう、肉が硬そうなのが… 全然ご飯食べてないところに急に肉を食ったらお腹が痛くなりそうっスね。下痢したらどうするんだろう(夜中はトイレ禁止だった気が…)。

そして衝撃の展開、お兄ちゃんがフロントマンだったという事実!優勝して、運営サイドに憤慨したからこそ取り込まれたのか?何か事情があるのか?弟は海に落下してしまったので生きているのかは不明。ルートとしては①弟は死亡し、証拠を手にした警察サイドの誰かが新しくゲームに潜入する②弟は生きていて、ゲームを探る敵対組織に引き込まれる③フロントマン、弟をこっそり助けて手厚い看護を受けさせ、シーズン2ですべてを語り監視下に置く のどれかかな。

第9話「運のいい日」

最後のゲームに挑戦するギフンとサンウ。ギフンは怒り狂っている。

最後のゲームは、イカゲーム。ギフンが攻撃、サンウが防御となる。ナイフも持ち込み可能、なんでもありの戦いが雨の中で始まる。

サンウはセビョクを殺した理由として「ゲームを中断されないため(セビョクをかわいそうに思ったギフンが彼女に迎合する可能性ありと思った)」と主張。その理由もまたギフンを怒らせ、サンウにナイフをつきたてかける。しかし、彼はサンウを殺せない。ギフンの勝利がほぼ確定したなか、彼はゲームの中断を申し出る。サンウとともに帰ろうというのだ。その言葉を聞いたサンウは自分の首にナイフを突き立てて自殺。ギフンが勝者となる。

リムジンに乗せられて目隠しをされ、また外の世界に戻されるギフン。

賞金はたしかに振り込まれていた。帰宅中にソンウの母に会い、優しくされてつらいギフン。しかし自分の母は、自宅で亡くなっていた。

1年後。

賞金に手を付けず、ブラブラとホームレス状態で暮らしていたギフンは、また名刺を渡され、ある場所に来るように指定される。そこで待っていたのは、寝たきりの状態になっているカンナムだった。この老人こそがホストであり、黒幕(のひとり?)であったのだ。

なぜこんなことをするのか?ゲームの運営は何者なのか?

怒りをにじませるギフンに、またゲームを持ちかけるカンナム。しかしそのゲーム(ビルの下にいたホームレスを誰か助けるかどうか。助ける人がいたらギフンの勝利)に勝ったギフンの前で、カンナムは事切れてしまう。ゲームに負けたらなんでも話すと言ったカンナムだが、それは実現しなかった。

ギフンは長く伸びていた髪の毛を切り、赤く染めて娘がいるアメリカに行くことを決める。そして、セビョクの弟を引きとって大金とともにソンウの母親に預ける(ソンウのお母さんは市場の店を借金にとられたのか、現在は路上でたい焼き屋をやっている)。地下鉄に乗っていて、自分をゲームに勧誘したスカウトマンを見つけるギフン。追いかけるが彼は消え、彼にゲームに誘われた男から名刺をむしりとる。

空港で、その名刺に電話をかけるギフン。アメリカ行きをやめ、ゲームの黒幕の本当の正体を探ることを決意する。

感想

もうびっくりしたのが、髪を切るのはまだしも、なんで赤に染めたんだろう… という謎。しかも赤に染めるかぁ…??せめて金髪にすればいいのに…

もともと、ガヨンがアメリカに(新しいパパと一緒に)いってしまうのを止めるためにゲームに参加したのですが、途中から娘を忘れてるのはどうなんでしょうか。あと、あんだけ約束したんだからせめてセビョクの弟のことは助けてあげてよ!1年も放置しないで!!と思っちゃいましたね。そういや、お金に手をつけてないとは言ってたけど借金どうしたんだろ。それだけは返したのかな。

で、カンナムが黒幕だったのにはびっくり。たしかに不審な点はあったんですけど(深夜に暴動が起きた時に一度不自然に消えて、カンナムが止めた瞬間にスタッフが突入した)。

そうなってくると、鬼ごっこと型抜きはまだしも(型抜きで星チームに入れられた時にはけっこう嫌そうにしていたのはゲーム内容を知っていたから?)、綱引きではカンナムを入れたほうが有利(綱引きに詳しい、つまり彼には有利なゲーム)だったんですかね。ビー玉勝負で負けたのは、ギフンがズルをしたとはいえ「楽しかったから」負けてあげたって感じかな。しかし、じいちゃんで飛び石渡り勝負をやるのはかなり大変そうだから、ビー玉勝負で負けるのは既定路線だったのかな。飛び石渡り勝負の時点でVIPが来るからもてなさなきゃいけなかったようですし。

さて、全体を振り返ってみましたが、シーズン2はどうなるのか?生き残ったのはフロントマンとギフンだけですけど… ラスト、ギフンは次回のゲームへのエントリーをしていた(名刺に電話をかけて申し込みをしていた)けど、それは実現するのかな??

シーズン2の流れを予想。新主人公が出てきて、新しいゲーム6つに挑戦する。生き残る過程でギフンが登場し、ゲームを脱出する手伝いをする…とかかな。もしかしたらセビョクの弟が成長してゲームに巻き込まれたのを助ける、とかはあるかもしれない。もしかしたらギフンの娘が成長して父親を探すというパターンもありますね。その時にはギフンがフロントマンになっている可能性はあるかなぁ…

「キングダム」「SWEETHOME」以来に一気見したかもしれない韓国ドラマ。韓国ではデスゲーム映画があんまり推奨されていないらしいですが、そのせいか煮詰まったようなキャラとストーリーの目白押しで、めちゃくちゃ濃厚でむせっかえるようでした。