国歌を聴くとフリーズしちゃうゾンビが出てくるシンガポール映画『ゾンビプーラ』

ゾンビプーラ

シンガポールの一風変わったゾンビ映画『ゾンビプーラ』を見ました。2018年公開。

アジア圏の映画にしてはユニークなのが、ゾンビが軍の基地に出現したという設定。アメリカやイギリスのゾンビ映画だと軍人はよく出てきますし、助けを求めに訪れる場所と言えば軍の基地ですよね。

そして主人公はやる気ナシ、完全にゆとり世代(なのか?)のカユ。お隣さんの美人・シャオリンとともにゾンビパンデミックに巻き込まれ、戦う羽目になっちゃう… という、漫画みたいなキャラクターです。

ちなみになんで軍の基地に美女がいるんだというツッコミを入れたくもなりますが、シャオリンのお母さんが基地の食堂だか売店だかで働いていて、たまたまついてきたという設定であります。

同僚に裏切られたり、シャオリンのお母さんがゾンビ化したり、基地を抜け出すために奔走したりとまぁ当たり障りのないゾンビ映画らしいストーリーが続くのですが、もうひとつユニークなのがゾンビの習性。

なんと、国歌を聞くと動かなくなるというルールがあります。そのため、放送室から国歌を流してゾンビの動きを止めようとするというトンデモ展開。

テレビ東京で放送されたAKB48のゾンビドラマ『セーラーゾンビ』でも、ある特定の歌を聴かせるとゾンビが戦意を失うって設定がありましたが、ある音源でゾンビの動きを止めるっていう設定自体は珍しいものではないですよね。ただ、国歌ってのがスゴイ。ゾンビになってもなお、国歌は尊い存在ってことかぁ…

そして、行動を共にしていた上司が銃で撃たれてしまった!だけどドックタグが守ってくれたので無事でしたぁ~というラストの展開も物凄いものがある。子供の頃に「好きな人の写真を入れておいたロケット(写真入れられるペンダント)が銃弾を受けて命を守ってくれた」という漫画を読んだことがありますが、これは昭和の展開にしか思えない。

ラストはカユが兵士として目覚め、ゾンビを制圧する部隊で活躍しているところで終わります。

ぶっちゃけ、ジャケットに表記されている「抱腹絶倒」というほど笑うシーンは1つもないのですが、ひったすらダラダラしてサボることだけに命をかけているカユと親友のインド人のしょうもなさはちょっとだけ面白かったです。