イケメンとジジイと人間ではない女の子の三角関係!耐えられない絶望の正体『コールド・スキン』

コールドスキン

2017年の映画『コールド・スキン』を見ました。スペイン/フランス映画。

気象観測員として島にやってきた青年と、島で孤独に暮らす謎の男・グルナー。実は島には謎の生き物たちが生存しており、グルナーは夜な夜なその化け物たちと戦っていた。青年も生きるためにその戦いに巻き込まれていく。しかし、グルナーはその化け物の1人を捕らえ、一緒に暮らしていた… というお話なのですが。

当初は化け物と戦うサバイバル(ちなみにこの化け物…というより人間ではない何かは『アバター』に出てくるアバターくんたちに似ている。『30デイズ・ナイト』とか『ディセント』)ものかと思いきや、なんと若くて繊細なイケメンと孤独な老人、そして若い女らしい生き物(人外)の三角関係ドロドロ物語になっていくのです。

ジジイの性欲と焦燥と嫉妬の詰め合わせ。このドロドロが絶望サバイバルにいいスパイスを加えています。

テンポがいいのも素晴らしい。主人公が島にやってきてすぐ、夜になると彼は化け物の群れに襲われてしまうのです。必死で戦う彼ですが、そのせいですぐに家を焼失する羽目に。

排他的だった灯台守・グルナーの家になんとか身を寄せることになるも、そこには化け物の仲間が!そう、群れからはぐれた女の子を自分のものにして、夜な夜な相手させているグルナー。このあたり、マジでおぞましい。

主人公は助けを呼ぼうとしたり、難破船からダイナマイトを取りに行こうと精力的に動きます。自分にも優しく、知的で、若くて、イケメン。こりゃ女の子もときめきます。女の子と主人公は少しずつお互いを意識し合うように… そのことをなんとなく感じとっているグルナーは攻撃的になります。

ダイナマイトで化け物たちを吹き飛ばそうという計画は、人間も巻き添えをくって失敗(主人公にはドジっ子属性があり、考えた計画がことごとく失敗している)。女の子は群れに合流して仲間を説得し、休戦しようと提案しますが、イライラグルナーは銃を取り出して群れの子供を射殺。そのまま外に出て食い殺されます。

そして主人公の迎えがやってくる日。灯台で暮らし、蛮族のような振る舞いをする彼の姿はグルナーそのものであり、実際に間違われるほど。その迎えを、遠くの海から仲間たちのもとに帰った少女も見ている…

ここで、もしかしてグルナーと名乗った老人は本当にグルナーだったのだろうか?という疑問が浮かぶ。世襲制みたいなもので、生き残った人間がグルナーになっていった(孤独と戦いの疲れなどが人格を変えていき、頑固で粗暴な印象の男に代わってしまった?)と思ったのですが、それは考えすぎのようでした。

灯台に群がる化け物の群れと毎晩戦うってしんどそうですよね… 戦闘シーンは緊迫感があり、冒頭の主人公の家が焼かれるシーンには絶望しかありません。

でもそれ以上に、生きていくためにお世話にならなきゃいけない家でDV(暴力、性的なものひっくるめ)が日常化していた時に、自分ならどうするのか?傍観者としての絶望が喉をギュッと締め付けてきます。

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