「ウォーキング・デッド」シーズン8・第14話『涙のわけ』のネタバレ

ウォーキングデッドシーズン8

銃声が聞こえてくる。死体の服をはぎとり、死んだふりをするジェイディス。
「ふざけすぎたな、勝てやしない」
ニーガンの部下は、死んだと思い込んでいる彼女に向かってツバを吐く。
誰もいなくなった後、血の付いた黒い服を脱ぎ捨てる彼女。下に着こんでいた白いワンピース姿になる。その姿は、彼女自身の心の変化を表しているようにも見える。

木作りのシンプルな部屋の中、ラフになった格好で泣きじゃくり、荷物をまとめる彼女。(部屋は不思議な長方形をしている。コンテナの中に作られているのだろうか?)
そしてジェイディスはニーガンのバット(ルシール)を持ち、外に出て歩いていく。固く閉じられていたコンテナを開けると、そこには縛り付けられているニーガンその人が見える。
「なんなんだ? 答えろよ、何なんだ!」
縛られ、台車に乗せられたまま、汚いコンテナから引きずり出されるニーガン。彼は叫ぶが、ジェイディスは応じない。

ヒルトップの壁のまわりには、大量のウォーカーがいる。
キャロルのもとにやってくるエゼキエル。ヘンリーは脱走した捕虜たちを追いかけて行ったようだ。彼を追わないキャロルを責めるような口調のエゼキエル。
キャロルは、ヘンリーが死んだのならば、その結果を知りたくないと考えているキャロル。
「君は勇敢だと思っていた。だが、君は、臆病なのだな」
モーガンはそう言い捨てる。

外にいた、ダリルのもとにやってきたタラ。1日経ったが、彼女は発症しなかった!彼女だけが、無事だった。
まだドワイトをかばうタラと、襲来を自分たちに知らせようと思えばできたはずだというダリル。でも、他の人たちは死んだのに、彼女だけは助かった(暗くてわかりにくかったが、彼女を襲ったのはドワイトのようだ)。それにはドワイトの本心が隠れていると、彼女は考えている。
「今こそ彼が必要でしょ。もし彼を殺していたら、私が死んでいた。好きにしていいけど、1人でやって。私はやめる」
タラはドワイトを殺す計画から降りてしまう。

カールの手紙を読み、泣いているミショーン。
「この手紙、読みたい?」
近くにいたリックは首を横に振り、部屋から出て行こうとする。食糧調達に行くのだ。だが、それは言い訳のように聞こえる。
リックは、他の手紙を読んでいない。ミショーンは自分の子を亡くした経験を思い出し、アンドレアがそれを止めてくれたと話す(アンドレアは初期メンバー。刑務所にいた頃、提督との戦いの最中、命を落とした。たぶんS3~S4あたりのエピ)。ミショーンは、カールは彼が手紙を読むことを望んでいるはずと話すが、リックはそれを受け入れられない。
今度はミショーンが部屋から出ていき、リックはそこに残される。

モーガンは、脱走者たちを探そうと外に行こうとしている。
モーガンはキャロルのようになれなかった自分を恥じ、嘲笑する(彼はキャロルを強くて仲間を守れる人、自分を弱くて仲間を守れなかった人間だと思い込んでいるが、その考え自体がキャロルを苦しめているようにも思う)。それを見つめるキャロルは、ようやく自分もついていくという。

ヒルトップの会議では、マギー、ダリル、ロジータ、王国の弓使いの女性が話し合っている。物資は足らないし、弾がない。だが、ダリルはあちらも弾不足のはずだという。しかし、ロジータは弾を製造できる人間、つまりユージーンがあちらにいるから、ヒルトップは不利だと指摘する。

ジェイディスは、ニーガンのバットを焼くつもりだ。それを必死で止めるニーガン。
「分かるよ、どんな惨事が起きたか想像できる。だから燃やすんだろ」
ニーガンは自分の意志ではなく、誰かが勝手にやったことだと主張する。そして、彼なりに心から謝罪する。その言葉を聞きながら、彼の頭に思いきりバットを振り下ろすジェイディス。だが、すんでのところで止める。

探索をしているキャロルとモーガン。落ちているカブを見つけ、近くに脱走者がいると気付く。そこで、ヘンリーらしき人影を見つけたモーガンは走り出す!
だが、振り返ったヘンリーは、既にウォーカーに噛まれている。
「わかってるだろ、お前がやるはずだった!」
「彼はここにはいない!ここにいるはずがない!」
そう、ヘンリーはそこにはいない。誰もそこにいないのだ。モーガンは宙に話しかけている。怪訝な顔をするキャロル。モーガンは、うつろな目をしている。
(モーガンは、ヘンリーの兄を殺した人物を殺さなかったことをひたすら後悔しているようだ)
「彼は死んだ、そうだろ?」
「彼のためじゃない、あなたが心配で来た」
「わかってる。君は何度も人を救った。だが死者は救えない」
「あなたは生きてる」
「俺のことじゃない。俺は死なない。見えるんだ。何度も何度も、何度もだ!目を背けても、見えてしまう」
突然、ウォーカーの死体を見つけたモーガンは、話を中断して走り出す。脈絡のない行動に、キャロルは振り回される。

リックはジュディスの遊んでいる姿を見つめている。

ヒルトップに残った捕虜の代表格の青年のもとにきたリック。逃げた者たちが身を隠している場所について、心当たりを訪ねると、とある廃墟を教えられる。
青年は、そこに行くなら頼みを聞いてほしいという。必要以上に殺さないで欲しいというのだ。彼らは選択を間違えたが、それに気付いていない。だから連れ戻して正しい道に導いてほしいのだ。リックはそれを受け入れる。

ニーガンを置き去りにするジェイディス。彼は自分がやったことではないと主張を続ける。台車をずらし、逃げようとするニーガン。だが、彼女は別の台車にくくりつけた上半身だけのウォーカーを運んでくる。
しかし、ニーガンのほうが上手だった。彼は銃を片手に、もう片方の手に発煙筒を持ち、彼女の写真を燃やそうとしている。そして、話をしようと持ち掛ける。

行く手を阻むウォーカーの群れを前に、腹に棒が刺さったウォーカーを見つけるキャロル。それはヘンリーの棒だ。モーガンもキャロルも、ヘンリーが死んだと確信する。
モーガンはウォーカーにとどめを刺す。逆方向に行けば彼が見つかるかもと言うキャロルだが、モーガンは彼が死んでいると言い出す。
キャロルはその死を直視しなければいけないと語るが、モーガンはそれを見られない。キャロルは人を救うが、自分は死なせてしまう。そういう人間だと思っている。
だが、キャロルはモーガン(とエゼキエル)が自分を見つけてくれ、元の場所に戻してくれたと思っている。
モーガンは、自分が彼女ほど強くないと思い込んでいる。そして、何が起こるかわかっていたのに放っていたせいで、事態が悪くなった(殺すべきなのに、ヘンリーの仇をとらなかったこと)と責め続ける。だからこそ、逃げた奴らを殺さなければいけない。キャロルはそこについていこうとしない。モーガンはひとりで歩き続ける。

写真を返してほしいジェイディスは、ニーガンの誘いに応じる。彼女はすべて失ったのだ。自分でさえも。だが、ニーガンは珍しく、彼女に自分を重ねたのか、珍しく思い出話をする(とはいえ、ゲイブリエルにも同じような話はしたのだが、それは死を覚悟したからであり、このようなシチュエーションではまれであろう)。
「妻の名はルシール。妻に救われた。どうしようもない俺を救った。普通の人生を送らせてくれた。そのバットは、この世界で俺を救ってくれた。だから、妻の名を。それ以外に意味はないが、最後に残った彼女の一部だ。お前の写真と同じだろ」
「そうよ」
だが、ジェイディスはニーガンにとびかかり、発煙筒を奪う。

と、突然現れたヘリ。ニーガンは驚く。
「どういうことだ」
驚く彼。ヘリは去っていく。ジェイディスは発煙筒を振りながら必死で呼びかけるが、ヘリは行ってしまった。

ジェイディスはバットを燃やそうとするが、ニーガンは必死に止める。彼は、彼女のためにできることをすると誓い、ジェイディスは燃やすのをやめ、泣き出してしまう。

森の中、歩いていたリックの前にフラッと飛び出してきたモーガン。だが、彼はどうにもおかしい。リックをわからないようだ。リックは彼を帰らせようとするが、モーガンは言うことを聞かない。2人は協力して脱走者を探すことにする。
「終わらせよう、俺とあんたで」
リックとモーガンが進む先には、手足が落ちている。

「道を離れ、森も抜けたが、間に合わなかった」
「間に合ったかも。切断したから熱が出てない」
「おいていけない」
ケンカしている脱走者たち。リックとモーガンは捕まっている。
彼らはケガをしている仲間を見捨て、逃げようと主張する者とそうでない者で意見が分かれている。ニーガンは彼らを見捨てたのに、彼らはどこに行けばいい?

長髪の男(ヘンリーの兄を殺した男でもある。リックになびく脱走者もいるなかで、ぶっちぎりでタチが悪い人間)は、リックたちをニーガンに差し出せばまた受け入れてもらえるだろうと主張する。そして、ケガ人は捨てていくと話しているのを、リックが遮る。
リックは彼らに対し、ヒルトップに戻って来いと言う。だが、長髪の男は懐疑的だ。他の者は、リックの意見に同調したいが、長髪の男だけがリックを信じない。モーガンを煽る男。

モーガンは、自分が彼らを殺すためにここまで来たと言い出す。長髪の男は彼を撃とうとするが、モーガンはウォーカーの群れが来ているから弾の無駄遣いをしないほうがいいと告げる。
揉める彼らだが、本当にウォーカーが群れでやってくる。どんどんと押し寄せる彼ら。脱走者たちは怯えて退却を始める。ケガ人はすぐに食べられてしまう。

自分たちを解放するように求めるリック。だが、長髪の男はそれを遮る。その間に、生存者はどんどんと巻き添えをくっている。結局、リックとモーガンは解放され、戦い始める。リックを助ける脱走者。彼らは協力する。
しかし、次の瞬間、生存者たちを殺すリックとモーガン。

長髪の男だけがウォーカーの群れをすり抜け、逃げていく。追うモーガン。長髪の男と、モーガンは取っ組み合いになる。だが、モーガンは長髪の男をウォーカーの群れに食べさせ、見殺しにする。その瞬間、モーガンは笑っているように見える。

息が残っている男は、呟く。
「あんたは……」
「(ヒルトップで受け入れると言ったのは)嘘だよ。俺は違うんだ」
あっさりと言うリック。
「俺達は、共に生きられたはずだ。ここから」
リックは、何かを言いかけている男を射殺する。そこには死体の山が残る。

様子がおかしいモーガンを、リックは励ます。自分を救ったのは彼だ。
リックは、初めてモーガンと出会った時、彼に助けられたと語る。彼がいなければ、リックは死んでいたかもしれない。なぜ、モーガンはリックを助けたのか?
「息子がいたからだ!」
モーガンはその言葉を絞り出し、去っていく。リックは血まみれの自分の姿を、鏡で見つめる。

「自分は失っていない。覚えておけ」
ニーガンは、写真を見ているジェイディスのそばに立つ。
「ここで何が起きた?何があったんだ?」
ジェイディスは答えない。
「俺と一緒に来い。新しい道だ」
「あんたの道だよ」
「いつでもこい。俺もたまに来る」
二人は、不思議な絆で結ばれる。

ずっとヘンリーを探していたキャロルは、ようやく彼を見つける。彼は生きていた!2人はヒルトップに戻り、ジュリーはニコニコする。エゼキエルも彼を歓迎する(コイツのせいでけっこうな人が死んだんですけど……)。

キャロルとエゼキエル。
「私は恐れていた」と告白するキャロル。
「わかっている。でも、臆病ではない」
彼女は、死んだ娘のことを思い出す。彼女を失って、無になった。だが、仲間がいたから立ち直り、自分を見つけることができたと話す。彼女は変わることができた。

時間をおかず、リックとモーガンが戻る。ヘンリーを見つけたモーガンは囁きかける。
「俺が奴らを殺した。兄貴を殺した奴を、俺が。俺が殺した」
「ごめんなさい」
「いいや、いいんだ。謝るな」
血まみれのリックを見て、いろいろと察する捕虜の青年。失望したようなまなざしで、リックを見つめ続ける。

モーガンはひとり、誰も見ていないところで泣きじゃくる。

ジェイディスは自室に戻り、まとめていた荷物をほどいていく。彼女はゴミ捨て場にとどまることを選んだ。

車を走らせるニーガン。誰かを見つけて、車を停める。
「なんてこった。ヒデエな。クソ以上にクソみたいだぜ」
その相手を車に乗せるニーガン。誰なのか?
ニーガンは聖域に戻ってくるが、見張りに自分が戻ってきたことを誰にも言うなと告げる。サプライズがあるようだ。

ロジータとダリルは、ユージーンの工場を偵察している。
彼らは、ユージーンを殺すつもりなのだ。

リックは服を着替え、ミショーンと愛の言葉をささやき合い、キスをする。
そして彼は、手紙に手を付ける。

※すみません。ラストから目を離していたせいで、オチがよくわからなくなってしまった……。あとで捕捉します。

感想

またリックの感情がよくわからなくなる回。カールにいい影響を受けたかと思いきや、正反対の行動ばかりをとっています。捕虜を皆殺しにする意味もよくわからない。裏切ったんだから当然だ!ということなのか?
モーガンがおかしくなったのは、なんとなく理解できますけれど。

このエピソードは、子供を亡くした親に焦点があてられたエピソードとも言えます。リック、ミショーン、キャロル、モーガンは全員、子供たちを亡くしているんですよね。
そういえば、タラは姉、ダリルは兄を亡くしたという共通点もあったのでした。

今回、ニーガンと合流した人はドワイトの裏切りを知る女性(死んだと思われていた人)かな?とは思ったのですが、もしかしたらグレゴリーかも!とピンとくる。彼だけは脱走者の中にいなかったんですよね。
ニーガンとジェイディスの奇妙な友情も気になる。ニーガンに誘われた彼女ですが、はたして憎きサイモンがいる聖域にやってくるのか?それとも、リックたちのほうに合流するのか?ということはもちろん、彼女が黒ずくめの服を脱いだら白のワンピを着ていたことに衝撃を受ける。

そして、タラは結局生存。タラが死んでユージーンが改心する展開かと思いきや、なんとロジータとダリルがユージーンの命を狙うことに。目が見えなくなったゲイブリエルも助けてあげて欲しいですけど、どうなるんだろう?

キャラクターが多すぎて、話が停滞しすぎている気もする。
こんなに話が進まなかったでしたっけ??