「ウォーキング・デッド」シーズン8・第8話『暗夜の口笛』のネタバレ

ウォーキングデッドシーズン8

(何を見ているのかはわからないが)ただただ、呆然としているリック。

少し昔の光景。リックとカールは言い争いをしている。
カールはこの戦いに、意味を見つけられない。リックはそれに反論している。

リックと清掃人たちは、聖域に向かって歩いている。だが、聖域にはウォーカーは残っていない。なぎはらわれたような跡が残っている。ニーガンたちは逃げ出したのか!?
狙撃が始まり、ジェイディスなど清掃人たちは逃げていく。逃げ遅れたリックだが、そこに、キャロルとジュリーが車で現れる。その車で逃げるリック。
だが、リックはまだ希望を失っていないように見える。

カールとリックはまだ言い争っている。やはり、穏健派のカールはリックと対立しているように見える。

リック、カール、キャロル、エゼキエル、ジュリー、マギー?ジェイディス??、ニーガンの顔のアップ。
車で走りながら、ニーガンは愉快そうに笑っている。

イーニッドとアーロンは、どこかに車で向かっている。アーロンはエリックを失った悲しみにまだ浸りきっている。かつての思い出が、彼を苦しめている。
2人はオーシャンサイドに向かっている。話し合いをするつもりなのだ。射殺されるかもしれないが、戦いにオーシャンサイドの者たちを引き込もうとしている。だが、2人はオーシャンサイドの者たちと戦うことは望んでいない。
アーロンと運転を代わるイーニッド。彼女は、オーシャンサイドの者たちのために物資を探すつもりなのだ。何か渡せば、彼女たちの心をほぐすことができるかもしれない。

アレクサンドリア。ミショーンは、ジュディスをあやしている。
戻ってきたダリルと顔を合わせるミショーン。ダリルはもう少しで彼らが降伏すると信じている。
ミショーンはダリルに、計画に参加しなかったことを謝る。

カールは家の中で、手紙を書きつけている。「父さんへ」と書かれているメモだ。
「なんとか生き延びて」
とそこには書かれている。

アレクサンドリアで作業をしているロジータ。タラがやってくる。
タラは、ロジータに成功したことを伝える。だが、ロジータはほとんど表情を変えない。
帰り道で見つけた物資を荷台から下ろしているロジータは、タラに物資を渡す。
あまりの重さにフラフラしつつ、タラはそれを運んでいく。
(ロジータはタラに対して怒っているのかと思いきや、そうでもない様子。久しぶりのコミカルなシーン)

醸造所に立ち寄るアーロンたち。アーロンとイーニッドは、そこで一晩を過ごすことにする。だが、夜中に何かの影が近付いてきたことに気が付く。2人は外に出て、その人物を倒そうとする。
しかし、彼らが殺したのはオーシャンサイドの女性ボスの老女・ナターニャ(だと思いますたぶん。暗くてよく見えなかったけど)だった。予想していなかった展開に、武装したオーシャンサイドの女性に囲まれながら、困惑する2人。
彼らは大きな失敗をしてしまった。

カールは下水に何かを入れている。それをミショーンが見つけて咎めるが、彼は旅人を救っているだけだと告げる。だが、そこにある男の声が響き渡る。
「なぜ監視が、警報をならさなかったかわかるか?」
ニーガンだ。彼らは脱出して、ここにやってきたのだ。
「お前たちの負け。終わりだ」
これからそれぞれの家の前に行って、謝罪をしてもらう。
一番下手な謝罪をした者を殺す
そしてみんなの前でリックを殺す。
3分待ってやる。門を開けなければ、爆弾の雨を降らせる。
そう告げるニーガンの声に、カールたちは凍り付く。

キャロル、リック、ジェリーは車を走らせているが、突然、何かにぶつかる。

「陛下へ
約束を守るために行きます。勝利の時にもあなたにいてほしい」
ジェリーの手紙を読み、瞳を閉じているエゼキエル。
しかし、襲撃の音が聞こえる。エゼキエルは王座から逃げ出し、襲撃者たちは中に押し入ってくる。

マギーやジーザスたちは、車でどこかに向かっている。
しかし、道を倒木が塞いでいる。マギーは何かに気が付き、引き返すことを選ぶ。だが、ヒルトップの後列者たちには既に異変が起きているようだ。通信ができない。
そして知らない車が近付いてきて、トラックの荷台からニーガンの部下たちが出てくる。
彼らは、車から誰かを引きずり落とす。それはジェリーだ。ジェリーはボロボロに傷付いている。
運転席(おそらく、正確には助手席)から降りてきたのはサイモンだ。彼はにこやかに挨拶をする。
「いい夜だな」

ダリルやロジータ、ミショーン、カールたちは逃げる準備を進めている。
カールは街を捨てるつもりだ。ロジータはカールが正しいといい、タラはまだ戦えるという。ミショーンは、街を捨てるべきではないと主張するが、カールがそれを説得する。

王国民たちの前で、ニーガンの部下たちは演説をしている。
困惑している国民たち。彼らは、ニーガンに属することになる。健康な男女は聖域に移動して、修繕をしなければいけない。そして、ニーガンたちが彼らの代わりに王国に住むと告げる。

サイモンたちは、マギーたちに銃を出すように命じる。
彼らは次々と銃を押収されていく。

アレクサンドリアの前では、時間が来たとニーガンが声を上げる。
そこにカールが現れる。彼は見張り台の上にいる。
「パパはいない」
ニーガンはお気に入りのカールが出てきて、大喜びだ。彼の勇気を称える。
時間稼ぎをするカール。裏では住民たちが大慌てで走り回っている。
ジュディスの話題を出して気を引こうとするカールだが、ニーガンは聖域や基地にも子供はいたと言い返す。カールは「もうやめよう」と説得しようとするが、リックに殺されかけたニーガンはそれをやめようとしない。
しかし、ここで「僕を殺せ」というカール。ニーガンも思わず言葉を失う。
「誰かを殺すなら、罰が必要なら、僕を殺せ。本気だ」
「死にたいのか?」
「そうじゃない。でもいずれ― 死ぬんだ。僕が死んで終わりにできるなら、僕たちの状況が変わるなら、あんたや子供たちの心が変わるなら。
これが望みだった?これが最善の方法?それが理想の自分?」

アレクサンドリアの裏からは、トラックが壁を破り、逃げていく。ニーガンたちも彼らを制止できない。
ニーガンの前からも、いつの間にかカールが消えており、彼は激昂する。
カールは慌てて見張り台から降り、逃げる準備をしている(足をケガしたようにも見える)。

発煙筒で煙幕を張り、姿を見えにくくするカール。だが、目の前の家が燃え上がり、度肝を抜かれる。さらに、目の前の車が爆発し、カールは吹き飛ばされる。

王国では、エゼキエルの責任を追及しているニーガンの部下たちが、エゼキエルの居場所について追及を続けている。だが、王国民たちは何も話そうとしない。5分待った後、ニーガンに彼らの処分を聞いてみると言う男。住民たちの背後には、エゼキエルの影が見える。

サイモンは、マギーたちに脱出したことを自慢している。
「王国は今頃、現実を思い知っているだろう」
王国もアレクサンドリアも、そしてヒルトップも、ニーガンの支配下に入る。恥をかかせたグレゴリーのことを恨んでいるサイモン。マギーに、その恥を挽回するように言う。
「聞こえるか?耳を澄まして、よく聞け」
サイモンは、ユージーンがすべてを成功させたと告げる。彼らはウォーカーを誘導させ、移動を促している。

方法は2つ。ジェリーを殺して、マギーを棺に詰める。それならば窒息で死にはしない。サシャのように。そしてヒルトップに連れていき、住民たちの前でマギーを殺す。死体は聖域前に串刺しにする。ヒルトップにウォーカーを誘導して、住民たちも殺す。
それか、家に帰ってソルガムに水をやれと命じるサイモン。だが、1人は殺さないといけない。それで安泰だといい、まだサイモンはにやつく。
「まて、俺がやる」
サイモンは仲間を制止してマギーの車に同乗していた男・ニールを撃ち殺し、挑発する。

マギーはサイモンを制止し、「面倒はかけない」と告げる。
「1つだけお願い」
「何だ」
「その箱(サイモンが持ってきた棺)を頂戴。ニールを埋葬する」
サイモンは微笑んでそれを了承する。マギーは目を閉じる。

12時。ユージーンは時計を確認して、ベッドから起き上がる。彼はワインに手を伸ばす(現実逃避のためか、すっかりアルコールにハマっている)。
ユージーンは涙ぐむ。横になっても、涙が止まらないのだ。彼は声を出さないようにしながら、泣き続けている。

煙の中、カールは逃げ続けている。ニーガンたちが中に入ってきたのだ。爆発の衝撃か、カールはふらついている。必死で逃げるカール。
アレクサンドリアの家が、カールの目の前で次々と爆発していく。

ダリルとタラ、ロジータ、ミショーンたちは何かを待っている。
ロジータは今でも、サシャのことを引き合いに出し、それを悔いている。しかし、自分が加担しなくても、同じことが起きたのではないかとも考え始めている。
そこにニーガンの部下たちの車がやってくる。そこにはドワイトもいる。撃ち合いが始まるが、彼は決意して、仲間を撃ち殺す。彼は仲間をわざと罠に誘導したのだ。だが、それを知った女性が1人、逃亡してしまう。

ニーガン本人も、アレクサンドリアの中に入ってくる。しかし、カールはまだ街の中にいるはずだ。
家は全部爆破して、カールは生け捕りにするという計画を立てるニーガン。
カールは歩き続けている。煙幕を利用しながら、進む。捕まりそうになるが、彼は下水道の中に逃げ込んだ。

ユージーンは医務室に行き、カーソン医師を起こし、ゲイブリエルの望みを叶えると告げる。
彼自身は合理的ではないと感じているが、ゲイブリエルの「カーソン医師をマギーのもとに返したい」という願いを、ユージーンは叶えるつもりだ。ユージーンは警備に下剤を盛って、彼らを逃がそうと試みている。ゲイブリエルは驚いて尋ねる。
「なぜだ」
「ただ― 眠りたいから」
「一緒に行こう。今ならまだ戻れる」
「私は残る」
わざとらしく、車の鍵を落とすユージーン。
「これが正しいことだ」
ゲイブリエルはそう告げるが、ユージーンはそれを認めないまま、外に出ていく。

エゼキエルはガソリンをまき、火を放つ。あっというまに引火していき、車が燃え上がる。
慌てて様子を見に行くニーガンの部下たち。そこに、スクールバスが突っ込んでくる。運転しているのはエゼキエルだ。住民たちは走って逃げていく。ナビラ(ぽっちゃりした女性)も銃を奪い、走っていく。

逃げていく住人たち。そこにキャロルがやってきて、ナビラにバリケードがある家の位置を教える。
しかし、エゼキエルを助けようとするキャロルに、彼はこう告げる。
「私を助けたように、彼らを助けよ」
エゼキエルは内側から王国の鍵を締めてしまう。キャロルが止めるのも待たない。

ヒルトップに戻ったマギーは、檻の中からニーガンの仲間を1人外に出す。そして、その男を射殺してしまう。ジーザスは目を白黒させる。マギーは男を殺した理由について「救世主に1人殺された」からだという。
「あきらめるのか」というジーザスに、マギーは「まだあきらめない」と強く言う。ヒルトップが最後の砦になるだろう。彼女はこれからに備えると言うが、みんなの目がなくなったところで、涙を流し始める。

ドワイトは「もう大丈夫だ」と叫ぶが、ダリルやタラ、ロジータたちは彼を銃を持ったまま取り囲む。
「俺は戻れない。逃げた女にバレた」
ダリルは、ニーガンたちが逃げた方法について彼を問い詰める。
「ユージーンだ」
彼はそう告げる。
「俺はまだ役に立つ。ニーガンの考えがわかる」とアピールするドワイト。ダリルは乱暴にドワイトのベストを脱がせ、持ち去る(かつて、ドワイトがダリルから盗んだ服だろうか)。
「今すぐ戻るわよ」
ミショーンはつぶやく。
ロジータはそこに留まり、肩を撃たれているドワイトに手を貸して立たせてやる。

サイモンから譲られた棺に、マジックで何かをかきつけているマギー。
“あと38人いる。撤退せよ”
「目立つところへ」
マギーはメッセージを送ろうとしているようだ。

エゼキエルはベンジャミンのことで、ニーガンの部下から嘲られている。しかし、そこにゆっくり近づいてきている人物がいる。モーガンだ。
部下たちは、エゼキエルを殺して聖域に飾るという。それを塀の向こう側から盗み聞きしているモーガン。

下水道の中を覗くダリル。ロジータやタラも下に降りていく。
「申し訳ない。本当に」
ミショーンはドワイトにそう謝られるが、上の空だ。
アレクサンドリアの開いた扉の中から、次々とウォーカーが入っていく。
下水道の中からのロジータの呼びかけが、ミショーンには聞こえない。

リックはアレクサンドリアに戻ってきた。残っていた自宅の中に入り、ミショーンやジュディス、カールを探すリック。しかし、待っていたのはニーガンだった。
リックの手足を死人に食わせて、その後にリックを殺すと言い出すニーガン。さらに、カールの発言内容を教えてやる。カールのことが今まで以上に気に入ったドワイトは、彼を仲間にするという。数年したらカールは幹部になれるだろう。
リックが死ねば、全ては丸く収まると言うニーガン。だが、リックに襲撃され、バットを奪われる。バットを触ったリックに激昂するニーガン。揉みあいの末、リックは銃を拾い、窓を突き破って外に出ていく。

アレクサンドリアに戻っているミショーンは、ウォーカーを殺す。だが、彼女にニーガンの仲間が抱き着く。しかし、その頭を刺し、返り討ちにするミショーン。すべての恨みをぶつけるように、男の頭を何度も、何度も突き刺す。
リックはそんなミショーンを見つけ、心配する。ようやくミショーンは正気を取り戻す。

リックとミショーンも、下水道の中に入っていく。
下水道に逃げ込んでいるアレクサンドリアの住人たち。ジュディスの姿も見える。

車の中にいるマギー、ジーザス。
下水道の中で座り込んでいるロジータとタラ。タラとリック、ミショーンの目線が、一瞬合う。
キャロル、不敵に微笑むエゼキエル、それを見守るモーガン。
下水道にいるドワイトに驚くリック。
ユージーン、大汗をかいているゲイブリエル。

ジュディスを抱きしめているダリルの横には、カールが助けた青年・セディクがいた。彼に驚くリック。「僕が連れてきた」というカールの声が響く。
「それでこうなった」
カールが腹を見せると、そこにはウォーカーに噛まれた痕がある。ミショーンとリックは唖然とし、細かく震え始める。差し込む光が、下水道の中で、カールだけを優しく照らし続けている。

シーズン8前半のまとめ

【アレクサンドリア】

リック、ミショーン、ダリル、タラ、ロジータがいる。
セディクが仲間に加わる。ドワイトも聖域から脱出し、仲間に入る。
カールが感染。エリックが脱落。

【聖域】

多くの仲間を失ったが、現在は脱出。ニーガンや幹部たちは生存。
ユージーンは残っている。
大病中のゲイブリエル、カーソン医師はヒルトップに脱出予定のようだが…?
ジェリーが捕虜になっている模様。

【ヒルトップ】

マギー、ジーザス、グレゴリー(この人は捕虜状態)がいる。
ニーガンたちの捕虜が存在しているが、それを知られているのかは謎。

【王国】

囚われになったエゼキエル、それを奪還しようとするキャロルやモーガンがいる。
ジェリーは捕虜となっているが、住人たちは脱出に成功した。トラも死んじゃった…。

【オーシャンサイド】

アーロン、イーニッドが捕らわれる。
ナターニャを殺してしまった彼らの運命とは…?

【ゴミ捨て場】

彼らだけは現状維持だが、リックに手を貸したことがバレた彼らは無事でいられるのだろうか?

感想

まさか、カールが噛まれてしまうとは!これは予想外。主要キャラがほとんど死んでいないな?と思ったら、シーズン1からのレギュラーの脱落率が高いですね。

今後の気になる点としては、
・リックたちは再起できるのか?
・カールはこれからどうなる?(イーニッドもこのことを知らないし…)
・ユージーンは今後、どうするのか?
・エゼキエルは助かるの?
・アーロンとイーニッドは助かるの?
・ゲイブリエルたちは脱出できるの?
・リックが見かけたヘリコプターは何だったの?
・マギーの子供はどうなってるんだ?
というあたりでしょうか。

ラストシーンで、仲間たちが全員顔を伏せているのは拠点を失ったからなのか?と思っていたものの、顔を伏せてリックの顔を絶対に見ようとしないダリルの様子には「?」と思っていました。
しかし、これは自分たちの暴走のせいでカールを失うことになってしまったことを悔いているんだなあと推測。しかも、キャロルやモーガン、マギー、アーロン、イーニッドはこのことを知らないんですから、それも今後気になるところ。

奇襲を計画したダリル、タラ、モーガンたちに対して、リックは何を思うのでしょうか?
そして、人質の生存のことで対立していたモーガンやタラ、ジーザスたちですが、結局うやむやになっちゃいましたね。

そしてここにきて、ロジータがすごくいい人になっているのが面白い。
ユージーンの後悔、ゲイブリエルが牧師としての役割に目覚めている様子、エゼキエルの弱さと強さが強調されたシーズン8前半だったなあ。

やたらとカールがリックのやり方は間違っているんじゃ?と言っていたので、もしかして世代交代かと思っていたのに…しかし、ニーガン視点からのエピソードを見ると、戦いを過熱させたのはリックたちのやり方のせいもあるんだよなあと思ってしまう。
しかし、カールがアレクサンドリアの優しいやり方を、自分が正しいと思うことを引き継いでセディクを助け、結果として彼に助けられたのですから、いや~面白いですね!