第6話の登場人物
トーマス:大金持ちであり、高い塀に囲まれた別荘で安全に暮らしている。ストランドがここに来るのを待ち続けている。
セリア:トーマスの家に古くから使える使用人であり、ルイスの母。トーマスの母親代わりでもある。使用人たちのリーダーである。死人を恐れず、死やゾンビを受け入れるべきだと主張する。ストランドとは仲が悪い。その代わり、自身の考えに耳を傾けたニックを異様にかわいがるようになる。高いカリスマ性がある。
第6話のネタバレ
教会で説教をしている神父。神父の手から、食べ物(イエスの肉の代わりに教会では信者に小さなパンなどが与えられる)を受け取って口の中に入れる信者たち。
突然、トーマスがそこに車でやってきて、「死で死と対抗するなんてバカげている」と怒りをぶつける。次々と信者たちは倒れていく。彼らは両目から血を流しているのだ。
「あの女は悪魔だ、これはすべてセリアの仕業だ」
神父も倒れ込んでしまい、トーマスは彼を抱きしめる。
船の上。
トラヴィスはクリスと話している。トラヴィスは、リードのことでクリスを問い詰める。クリスは常にイライラしているように見える。
そこに、アビゲイル号に向け、男たちがボートに乗ってやってくるのが見える。1人はストランドも知っているミゲルという男らしいが、もう1人は知らない。
ルイスとストランド以外の人間は機関室に隠れることにする。
国境を越えるため、支払いをしているストランドたちの会話を盗み聞きするダニエル。だが、突然銃声がする!外に出る彼らだが、ルイスと国境警備員の男2人が撃たれているのが見える。ダニエルはそっと甲板に出て、彼らにとどめを刺す。ルイスにもとどめを刺そうとするダニエルだが、ニックとオフェリアがそれを止める。オフェリアに「母に渡してほしい」とコイン(宗教的なもの?)を手渡すルイスだが、ダニエルはそれを奪い、海に捨ててしまう。
国境を無事に越えられた彼らだが、ストランドは死んだ男たちに「どうせ陸で殺される」と言われたと明かす。
メキシコに上陸した面々。彼らはバハの別荘を目指して歩いている。
だが、通りかかった教会の前で死んだたくさんの遺体(ウォーカー化していない。なお、場所は冒頭のシーンに登場した教会)を見つけ、全員が驚く。
ストランドはトーマスの車を見つけ、彼の名前を呼び続け、教会に駆け込んでいく。そして、そこに大量のウォーカーが現れる。それは冒頭の教会にいた信者たちだ。子供たちもたくさん混じっている。ダニエルは、何かを思い出してフリーズしてしまう。オフェリアがそんな父を救う。
反対に、マディソンが襲われている時にクリスはそれを助けられない。それを見咎めるアリシア。
子供のウォーカーを見て、ニックは涙を流しそうなほどつらい顔をしている。
彼らはトーマスの車で移動する。到着した場所は、巨大な壁で覆われている要塞のような家だった。その中には牧場や農園があり、働いている人たちの姿も見える。
そこに待っていたのはルイスの母、セリアだった。
ストランドはルイスが死んだことを彼女に話すが、「じゃあ、帰ってくるわね」と彼女は明るく答える。
中に入ることを許された彼らだが、看護師たちが彼らの武器を没収するという。ダニエルだけは反抗するが、「必要ないでしょ」と言われてしまう。武器を持ちたいなら外へ、と看護師は強い姿勢を崩さない。
ストランドはようやく、トーマスと対面する。だが、彼は右腕を噛まれてしまっている。ようやく再会した2人。ストランドが急いでいた理由は、これだったのかもしれない。トーマスは遅い到着だったストランドを許している。
アリシアはクリスが自分の母を見捨てようとしたことを怒っている。クリスは逆ギレし、そのことを誰にも言うなと命令する。彼女の勘違いとまで言う。
「僕のことを信じてくれ!誰にも言うんじゃない!」
「もし言ったら?」
「誰も傷つけたくないんだ」
クリスは去っていく。
クリスはキッチンのもとにいるセリアを訪れる。彼はお腹がペコペコのようだ。こっそりと食事を分けてくれるセリア。ルイスのことをセリアに語るニックだが、セリアはニックの浮かない表情の理由を尋ねる。
「もう嫌になったんだよ。殺し合いが」
セリアは頷く。彼女は死者たちは自分たちの世界にずっといた、見えるようになったかそうでないかの違いだと話しているが、そこにマディソンがやってくる。セリアはニックが気に入ったようだが、マディソンはそれをけん制する。
ダニエルは外に設置された祭壇に貼られている写真(死んだ者たち)を見ている。そこにセリアが来る。
ルイスのお悔やみを述べるダニエルに対して、セリアは「頭を撃たれた?撃たれていないなら、お悔やみはいらない」という。ダニエルはセリアに対して、おかしいと感じる。
ストランドと寝込んでいるトーマスの部屋に、食事を持ったマディソンが訪れる。トーマスは、自分が死んだらストランドを頼むとマディソンに言う。
「簡単じゃなさそう」
「だから君に頼みたいんだ」
オフェリアは、考え込んでいる父のもとにやってくる。彼女は感染症もよくなり、食欲が出てきたらしい。そのことを喜ぶ父。だが、ダニエルはやはり考え続けており、食事も「疲れている」ことを理由にとろうとしない。
アリシアはテレビの前にずっと座っているが、それを見ているわけではない。昔も同じなことをしていたと笑うマディソンだが、母が帰ってこないことが怖かったからというアリシア。何かあったと感じ、今はなにが怖いのか尋ねるマディソン。
マディソンとトラヴィスは喧嘩になる。クリスがマディソンを見殺しにしようとしたことが原因だ。クリスが病んでいるというマディソン。だが、ニックのことでマディソンを支え続けたトラヴィスは、彼女の主張に不満がある(自分は恋人の息子を親身になって支えたのに、マディソンはクリスに同じように接していないという不満)。
クリスを一緒に助けてほしいというトラヴィスだが、マディソンはアリシアを守れないかもしれないと不安がる。そしてマディソンはアリシアに、トラヴィスはクリスにつき、2人はその夜別々寝ることを選ぶ。
寝込んでいるトーマスを看病しているストランド。トーマスは眠れなくなっている。
「こんな世界、君に似合わない。もういいんだ」
「君と離れたくない」
涙を流す2人。ストランドは一緒に“行く”と約束するが、トーマスはそれを拒む。
彼らはセリアに協力を求め、心中するつもりなのだ。
ダニエルは、夜中散歩をしている。そこで少年が、犬をダストシュートのようなモノに投げ入れているのを見て、不思議に思う。
オフェリアとニックは夜、散歩に出かけている。だが、ついたのはセリアがきていた屋外の祭壇だった。ニックは「女の子がついてきてっていう時は、たいてい神様のところだ」と茶化すが、オフェリアに従って神妙になる。オフェリアは祭壇を通じて、母に語り掛ける。彼女は父を心配しているのだ。その話を聞きながら、彼は木に彫られたフクロウを見つめている。
そして、いつの間にか最初の感染(シーズン1の冒頭)を発見した教会での出来事(女の子がゾンビに食べられてしまった)を思い出している。
ダニエルは使用人の子供の少年を尾行する。彼は部屋の外から、中にいる母親に話しかけているようだ。ダニエルは母に挨拶したいと少年に話しかける。だが、そこには、檻に入れられたウォーカーたちが何人もおり、ダニエルに向かって手を伸ばしてきていた。
ダニエルはセリアのもとを訪れ、地下室にいる者たちについて尋ねる。あのウォーカーたちは、ここの労働者の家族やパートナー、子供たちだったのだ。セリアは彼らを守ると言う。ダニエルはセリアが毒を盛ったと主張するが、彼女は「死を怖がる理由がわからない」「死者と仲良くすべき」と主張する。
ストランドはセリアに、自殺するための毒を持ってきてもらう。ストランドはセリアからトーマスの子供時代について聞き、死についての覚悟を固める。
ニックはセリアと接触し、「彼らは本当は死んでいない、それじゃあ何なのか?」と問いかける。
セリアは「次に来たるものよ」と言う。
死んでいくトーマスに付き添い、涙を流しているストランド。
夜、クリスは寝室を抜け出してアリシアとマディソンが寝ている部屋へと向かう。
ストランドは毒を見つめている。
アリシアとマディソンの部屋に侵入するクリス。
「アリシア……」
だが、そこで銃声が聞こえる。ナイフを持ってベッドサイドに立っているクリスは、アリシアとマディソンに見つかってしまう。逃げ出すクリス。
ストランドはトーマスを撃ち殺していた。彼は自分の行いに、ただ呆然としている。
感想
・危険な女性、セリア。彼女はどんなトラブルをもってくるのか?と思いきや、なんと「ゾンビを地下室で監禁」という……そういえば「ウォーキング・デッド」のシーズン2で登場した農場でも同じことをしていましたね。あちらは「病気はいつか治るかも」という希望的観測のもとでしたが。
・ストランドは自殺を選べなかった。このことで、セリアとストランドの間にさらなる溝ができそうであります。
・唐突に狂気を加速させていくクリス。セリアに心酔する(よくわからないけど、そういうことになっちゃってるのよ)ニック。そして、何か変わっていくダニエル。次回はターニングポイントとなるエピソードです!