「アリゲーター」

al

1980年のアメリカ映画「アリゲーター」を見ました。これはいい映画です。面白い。

あらすじ

下水道に捨てられたワニの赤ん坊が、成長ホルモンの実験材料の死体を食い漁り、巨大化。
そして人間を襲い始める。
刑事と生物学者のカップルは、この危機に立ち向かうことができるのか。

ネタバレ

やっぱり元祖パニック映画は面白い!

冒頭から、アリゲーターショーを見に来ているホットなほかほか家族たちの様子が映し出されます。
案の定、油断した隙にアリゲーターにばりばり食われる係の人。もう、後ろから前からばりばり食われるので、客はカチカチに凍ってます。
そんな悲劇を目撃しながらも、赤ちゃんアリゲーターを購入してお持ち帰りした女の子。いや、売る方も買う方もなかなかキ○ガイだろとさすがに言いたくなりますが、このアリゲーターを飼育している家のパパが激怒。「もう、家がウ○チでいっぱいになるから捨てる!」とトイレに流します。この家は、アリゲーターを放し飼いにしているのかね?
とりあえず下水道に流れてすくすく成長するアリゲーター。「ミュータントタートルズ」も真っ青のデカさです。こんなに大きくなったら下水道通れないと思うんだけどな。下水道もアメリカサイズなのかな。

12年後、主人公のデヴィッド・マディソン刑事はペットショップで犬を購入しているところからようやく本編がスタート。未だかつてありましたでしょうか、犬を購入する刑事のシーンから始まるホラー映画。
ヨークシャテリアみたいな犬を、いかにもワルそうな親父からお買い上げする刑事であります。
本編とは関係ないですが、この俳優さんは薄毛なのですね。だからやたらと薄毛をいじられるし、薄毛の自虐ネタすら入っているのです。ここでも、じいさんに薄毛いじられる刑事。もう、面白い要素が多すぎです(本編と関係ない場面で)。

まあ、そもそも刑事の飼っていた犬が盗まれたり(探せよ)、それだけでなくペット泥棒が多発しているのはこのペットショップのじじいが研究所の実験材料にするためにさらっていたから。
すごく効率が悪そう。
そして、その死体を下水に捨てるのもじじいの仕事です。
愛犬家としては非常に腹立たしいなあ。

この近辺では連続殺人事件が起きているのですが、人の腕やら犬の死体やらが良く見つかります。それを担当しているのがマディソン刑事なのですが、珍しい犬の死体が下水処理であがったので飼い主を呼んだところ、「うちの犬はもっと小さいはず」と言われてしまいます。それはなぜ……?

悪事を繰り返すじいさんですが、当然アリゲーターに下水道で食われてその死体が見つかります。ちなみに、アリゲーターの迫ってくる時のBGMは「ジョーズ」のそれにすごく似ている。

そのじいさんの死体と所業を調べるうちに、すぐに研究所に辿り着く刑事。
しかし、彼らは悪事を認めません。
それどころか、記者会見を開いたマディソン刑事に「アンタの相棒はアンタのせいで死んだそうですね」とニヤニヤ質問してくる意地悪記者が出現して、どっちかというと刑事のほうが立場悪くなります。
なお、このあたりで画面が切り替わる時のエフェクト(っていうのかな)で☆のマークが出てくるのも非常にバカバカしい。

悪い噂のせいでみんなが彼と組みたがらず(今更?)相棒が見つからない刑事。しかしキュートな新人警官が名乗り出て、彼と組んでくれます。
でもこの直後に「オレが犯人なんだぜ」というキチが出てきたり(本当に頭がおかしい人)、寄り道が多い話です。
下水道を新人警官と捜索する刑事ですが、案の定アリゲーターにぱっくんちょされ、新人くんは犠牲になったのであります。

刑事も入院しますが、そこにまでやってくる意地悪記者。当然、次の犠牲者はコイツ。下水道に取材として入り込み、フラッシュを炊きながら死亡します。

ここで警察も陽動作戦としてアリゲーターを追い込んで始末しようとしますが、何も収穫なし。マディソン刑事は立場が非常に、ヒジョーに悪くなり、識者として呼ばれた生物学者のマリサともあまり意見が噛みあいません。
ですが、ツンツンデレデレしているうちにマリサに夢中になるハゲ刑事。ピロートークでハゲネタを盛り込むのはお約束か?
ここでアリゲーターのことを忘れて彼女とイチャイチャしたり、彼女の親に挨拶したりと、ワイルド刑事の清らかなお付き合いを延々と見せられます。

al

しかし、アリゲーターは既に人間の世界に進出!なんと、マンホールを突き破って、コンクリすら砕いて地表に出てきます。尻尾の力で人やものをなぎ倒し、パトカーまで横転させるアリゲーター。でもまた隠れてしまったので、アリゲーター探しは終わりません。

ですが、あまりに一匹狼なせいで刑事をクビになったマディソン!ここでマリサと協力して、なんとしてもヤツを叩きのめそうと約束します。
一方、やりたい放題のアリゲーターは子どものお誕生日会にまで侵入し、プールに飛び込んだ子どもをパックンチョ。
血まみれプールにビフォーアフター☆匠の技が光ります。

ちなみにマリサの代わりに警察に協力していた底意地の悪い大佐も、フツーにアリゲーターに立ち向かおうとしてバクバク食べられて即死亡。
そんなこんなで人間界を満喫しているアリゲーターですが、なんと研究所の元締め企業の社長の家を襲来。ご自慢のバーベキューの匂いにつられてきますが、食べるのは人肉じゃ!
社長の娘の結婚式は台無しです。次々食われるウェイターやウェイトレス。そして車ごとぶっつぶされる社長。

そんなアリゲーターがそろそろ巣に戻るはずだ!と下水道に爆弾を仕掛ける刑事とマリサですが、刑事が下水道に爆弾を仕掛けている間に、逃げ道として確保していたマンホールの上に駐車するおばさまが登場。マリサが車を奪って運転し、すんでのところで刑事は外へ。そのまま下水道は爆発します。
「とうとうやった」と手を取り合う刑事とマリサ。

しかし、下水道にはまだまだ小さいアリゲーターが潜んでいるのだ……!
という、続編作る気マンマンのエンドでした。
アリゲーターの造形そのものは当時としてはよくできているのでしょうが、なーんか立ち上がってラップしながらラジカセ肩乗せて踊り出しそうな顔をしているような気もしないでもないのであります。
サトームセン顔っていうんですかね。 ♪素敵なsomething!comeon!