30人の宇宙船員の中にひとりサイコパスがいたら「ヴォイジャー」

ピザのことをピッツァというように、ボイジャーのことをヴォイジャーと呼ばなければいかんのか。

2021年のアメリカ/チェコ/ルーマニア/イギリス映画『ヴォイジャー』を見ました。監督は『ダイバージェント』の人っス。

主演は『レディ・プレイヤー1』のタイ・シェリダン(こんな顔だったっけ??)と、デップの娘リリー=ローズ・デップ。あと、コリン・ファレルが出ていました。イケオジでしたね。『ロブスター』の時、老けたな~!!!と思ったけどやっぱり老けてないわ。さすが俳優さんだわ…

地球温暖化で滅亡が迫る人類は、子供たちで選抜された惑星の探査隊を送り出します。みんなを取りまとめる大人のリチャード以外は30人全員ティーンエイジャー。

宇宙船内で暮らす彼らでしたが、感情を抑制する薬剤を投与されていることに気が付き、それを拒否する者(主人公のクリストファー)が出てきます。そのせいで彼らは人間としての感情を取り戻していくものの、トラブルも発生。

船外を修理中のリチャードが突然死してしまい、船内はますます無秩序な状態に。しかも、宇宙船内にエイリアンが出現したという者まで現れ…!?

要は保守派と革新派に分かれて大喧嘩になるのですが、主人公の元親友・ザックが実はリチャードをいたずら心で殺していたことが判明(エイリアンはそれをごまかすための彼の狂言)。それでも殺し合いはやまず、クリストファーとヒロイン・セラでザックを船外に放り出し、なんとか若者たちをまとめることに成功。

後に彼らは宇宙船内で子供を作り、老い… その後、惑星に到達するところで終わり。いや、惑星が地球に見えたんだけど戻ってきたんじゃあるまいな?とドキドキしたのは私だけでしょうか。

人間の心を他者がコントロールしようとするのは間違っている(自分で選択する・責任を持つことの重要性も説いている)ということが根幹にあるのでしょうが、選りすぐりの超優秀な子供たちのなかにサイコパスが混ざっていたことがスゲー怖いんですけど。

ザックは仲間を巧みに操り、扇動し、自分の意に沿わない者を殺していくんですね。殺された子たちがまたすげーいい子なのも… 正直、ザックは死んでもう追及されないでしょうが、ザックに加担した人たちはどうするんだろう…?と思いました。

若者特有の不安定さ、万能感みたいなものは感じましたが、野菜を栽培している宇宙船の部屋なんてまさにパソナの地下野菜工場みたいでちょっと笑ってしまった。あと宇宙食にイクラと海ブドウみたいなものがありましたね。ずっとイクラ… イクラじゃん?と思ってました。

そもそも楳図かずお先生の名作『14歳』の後半と同じ設定ですね(こちらは子供同士で争いはしないが)。なつかしい。