「デッド・フレンド・リクエスト」

デッドフレンドリクエスト

2015年のドイツ映画「デッド・フレンド・リクエスト」を見ました。「ステイク・ランド」主演のコナー・パウロくんが半グレ悪役(どうでもいいけど胸毛がすごい)っぽい感じで脇を固めております。主演はアリシア・デブナム=ケアリー。「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」のアリシアちゃんであります。と、旬のドラマに出ていたキャストでがっちり固めたティーンズホラーなのですが、意外にも完成度が高いので、私はおすすめですね。
・思いっきり「フェイスブック」中毒の女子が主人公(特定のSNSをだしているのはいいのでしょうか?)
・変な女子に付きまとわれてストーキングして傷つけたら、自殺されてしまう
・そのせいで、孤独に陥っていくが……
かなり胸糞が悪い展開が多いので、その点には要注意です。

登場人物

ローラ:主人公。美人でイケメンのカレがいて、友達も多いキラキラ系女子。亡くなった父と同じ、精神科医を目指している。
タイラー:医者(医大生か、研修医だと思うけど忘れた)。イケメンでリア充。
コービー:ローラに未練がある元カレ。現在は友達付き合いをしている。パソコンに詳しい。

オリヴィア:ローラのルームメイト。
イザベル:ローラのルームメイト。ぽっちゃりしている。ガスと付き合っている。
ガス:ローラの男友達。とても明るい。

マリーナ:いつもフードをかぶっている暗い少女。ローラに憧れており、彼女に近付いて……。

ネタバレ

大学の授業前、マリーナという少女が死んだことが明かされる。凍り付くローラ。
時間は巻き戻る。
ローラはキラキラ系女子で、ルームメイトと仲良く暮らしながらイケメン彼氏とも過ごし、友達もたくさんいる。いつも笑顔のローラ。そんな彼女を見つめているマリーナ。

彼女からSNSの友達申請があることに気が付くローラ。彼女は友達ゼロだ。アートの才能があるマリーナの才能に惹かれ、ローラは彼女の申請を承認する。
少し仲良くなるローラとマリーナ。だが、マリーナはローラに執着するようになる。ローラはハチが出てくる悪夢を見るようになる。

あまりのマリーナのしつこさに、SNSをチェックしなおすローラ。彼女はダークなイラストや映像作品をアップしていたが、過去の投稿を遡ると、死体のように見える危ない映像や画像ばかりがアップされていた。
しかも、ローラの誕生日パーティにやってこようとするマリーナ。ローラは恋人と一緒に祝うと断るが、レストランに行くと、友達や母親が待っている。記念写真をガンガンアップロードする面々(マリーナにネットストーキングされているのに、呑気な人たちである)。その様子を、店外の崖の上から見つめているマリーナ。
ちなみに、ローラのバースデーケーキは、普通のケーキの上に酒瓶を持って倒れているバービー人形が乗っていました。アメリカ人の発想はスゴイ。

翌日、食堂でローラを問い詰めるマリーナ。彼女はローラと知り合う前からプレゼントを用意していたらしく、彼女をひどく罵る。キレたローラは彼女を突き飛ばし、マリーナのフードがとれてしまう。すると、彼女が隠していた脱毛症が露わになってしまい、大学生たちは驚く。

ローラはマリーナを「友達」から解除する。
だが、その夜、彼女が送ってくれる予定だったらしい鏡が自分の家にあったことに気が付く。鏡越しに幽霊が後ろに立っているように見えるローラ。だが、次の瞬間、それはもとに戻っている。
そして、マリーナが自殺したと知らされるローラ。だが、死体は見つからないし、彼女の素性も不明だった(学生ではなかったよう)。連絡先も社会保障番号もわからないのだ。

そして、ローラのページから、マリーナの自殺当時の映像がアップされる。彼女はローラの肖像画を燃やし、その後に首吊りをして死んだようだ。彼女の足元から火が付き、体が燃えていく。友達はローラがその映像をアップしたと勘違いして、ローラに悪印象を抱く。しかも、マリーナはローラの「友達」に戻っている。

ローラはSNSを退会できないし、削除もできない。コービーを頼るローラだが、コード自体がひどく文字化けしている。

イザベラと家で遊ぶ予定を立てていたガス。だが、彼のところにマリーナが現れる。
彼女のSNSに登場していた「ピエロの絵」が突然部屋に貼られており、「目のない子供」が現れる。そして、「ハチの巣」もそこに現れる。エレベーターで逃げようとするガスだが……。
マンションについたイザベラがエレベーターのボタンを押すと、頭を打ちつけすぎて脳ミソが見えているガスが立っている。そのまま死んでしまうガス。
イザベラは酷くショックを受け、ローラを罵る。しかも、ローラのSNSにはまたガスの死の瞬間がアップされていて、彼女は非難のまとになる。マリーナからは「孤独を味あわせて上げる:)」(※顔文字付き)とメッセージが届く。

騒動を起こした責任をとらされ、停学になるローラ。
「ハチは魔女の住処にいる」という情報から、ローラとコービーはマリーナのいた学校の寮の部屋に侵入する。そこで見つけたマリーナの写真に映っている施設(養護施設だったかな?学校かもしれない)に向かう。

ローラはマリーナを受け持っていた女性から話を聞くが、マリーナは何もついていないパソコンの画面を見つめていたらしい。
別に動いているコービーは、学校のパソコンルームで魔術や呪いについて調べていて、突然電気を消される。大量のPCに「やめて」「触らないで」というメッセージと共に、大写しの目がギラギラと映し出される。
正直、このあたりは「クロックタワー」をどうしても思い出してしまう。

ローラをかばいつづけているタイラーだが、彼もリサーチ中に文字化けがおき、耳が痛くなる。耳から何かを穿り出すタイラー。なんと、そこからはハチの死体が出てくる!

マリーナをいじめていた子供2人は死んでいた。その死んだ子たちは、マリーナのSNSに登場した目のない子供のようにも見える。

オリヴィアは「イザベルとマリーナが友達になりました」というメッセージを受け入れて驚く。
その頃、入院していたイザベルはスマートフォンの画面に霊の顔が映り、驚く。さらに窓の外を見ると、SNSのマリーナの絵にあった燃えている館が見える。隣のベッドには死体が見えるし、逃げ込んだ先で自分の死体を対面する。彼女も「ハチの巣」や「顔の溶けている子ども」を見て、最終的にマリーナにつかまってしまう。

オリヴィアやタイラー、コービーはそれぞれ、こっそりとSNSから退会しようとするが、できない。

タイラーはマリーナの母について調べてくれ、コービーも情報を集めている。
「黒鏡をのぞき続けると、異世界と交信できる」という言い伝えがあり、「その前で首を吊ると、悪魔・悪霊になれる」と言われている。それは人を、とりついて殺すらしい。つまり、マリーナは黒い鏡=PCをのぞき続け、悪魔になった。助かるためにはそのPCを壊すしかない。彼女の自殺した場所を探すことにするローラ。

アンジェラはPCやスマートフォンをすべて箱に入れ、電源を切り、封印する。だが、プリンターからブリブリと文字化けした大量のメッセージが出てきて、彼女を驚かせる。
イザベラが死んだこともあり、アンジェラは家を出ていくとローラに告げる。さらに、ローラの悪評は大学でも広まり続け、合同葬儀に遅れた彼女を罵る人たちも大勢いる。(なんで遅れたのかはよくわからない。時間前行動しようぜ!)

マリーナの母は放火事件に巻き込まれ、意識不明のまま生かされていた。マリーナが生まれるまで。
ローラは家族もおらず、友達もいなかったマリーナの半生に同情する。

家を出て行こうとしているオリヴィアは、自分の顔が溶けていく幻覚を見る。勝手に封印していたPCが起動する音がして、アラームの音すら聞こえる。ドアの外には何かがいてこちらを覗き返すし、ハチもいっぱい入ってくる。マリーナはアンジェラを見ている。脱毛症で毛が抜けている彼女の頭はハチの巣の穴のようなものが細かく空いており、ハチが出は入りしているのが見える。

コービーと共に、ローラはマリーナの母がいたムーアズグローブへ向かう。
入院したオリヴィアは異常な数値を示して、彼女は目が真っ白になっているように見える。寝ていたはずの彼女は起き上がって見張りの刑事を襲うが、銃を奪い、それで自殺してしまう。びっくりする刑事たち。

コービーもマリーナの幻覚を見るようになる。地下室に入っていく彼女を見た彼は、ローラと共に地下室に入る。
だが、コービーもまた、ローラに執着していた。「君が死んだら、君を孤独にすることはできない」と調理論を展開し、ローラを襲うコービー。彼女は刺されてしまう。逃げるローラだが、途中でマリーナの絵に描かれていた工場に気が付く。
ローラを追いかけていたコービーは、同じくローラを追ってきたタイラーと鉢合わせ、合流する。

ローラは母親に連絡を取るが、彼女もおかしくなっていた。彼女の母は異常な言動を繰り返し、髪の毛をむしり取って死んでしまう。ローラ、タイラー、コービーは工場跡に集まるが、タイラーはコービーに殺され、コービーは大量のハチにたかられて死んでしまう。

「友達になりたいだけ」
パソコンに呼ばれるローラ。それを覗くと、気が付いたらローラはマリーナの描いていた森の中にいる。振り返ると、そこには霊の大きな顔があり、その顔は大きく口を開けて襲ってくる。

新学期が始まった大学。そこには、キャピキャピはしゃぐキラキラ系女子を見つめている、ローラの姿があった。彼女はまるでマリーナのようにフードをかぶり、彼女のようにPCをいじり続けている。彼女のSNSの友達は、もちろんゼロだ。

感想

・とにかく、ご都合主義感は否めない。誰もローラの話を聞かず(SNSの乗っ取りなんてありそうなものだが)、「最低!」と言い捨てて皆が彼女を切り捨てていく。いや、そこまで濃い関係でもなさそうなんですけど、皆と。
・とはいえ、ローラもお誕生日会の様子を何も考えずにアップしているので、無神経ではあります。
・コービーが「お前が死ねばマリーナはお前を狙わない!」と言い出すのはすごい。いや、死にたくないから逃げる手段を探していたのに、「じゃあ俺が殺せばマリーナには殺されないよな」と言い出すのは……狂ってますね。
・ローラに執着した理由は「自分もああなりたかったから」なのかもしれませんが、マリーナが黒魔術に目覚めた理由(子供なのにどうしてそんなこと知っていたのか)や、なぜ身元不明だったのか(当初は身元不明にする必要はなかったんじゃないか)は説明されず。ラストはローラの姿をしているけれど、中身はマリーナなのか?
・などなど、ざっくりしている部分も多いのですが、ゴア描写はしっかりしているし、恐怖演出も素晴らしいと思う。「ワッ!」と構図で驚かすのではなく、しっかりと映像で怖がらせるという意気込みを感じました。