なんとなくAIに流されて殺人鬼になるトンデモ女子高生『デスアシスタント 殺・人工知能』

デスアシスタント

Huluで配信されていたのを軽い気持ちで見たら、足をすくわれて頭を強打した。2019年のカナダ映画『デスアシスタント 殺・人工知能』は、そんな感じの頭痛を人生にそっと添えてくれる映画であります。

まだ見ていないそこのあなた!ラッキーですね。

主人公は女子高生のキャシー。お母さんを亡くして落ち込む日々…なのですが、スマホのAIの音声をお母さんの声そっくりに設定できてびっくり!しかもそのAIは彼女を言葉巧みに殺人に誘導して…

って、この時点でアレ?じゃないですか。人工知能に狙われ、追い詰められる話かと思いきや、AIに洗脳されて殺人に手を染める女子高生の話なんですね。

しかも周囲がクソで、彼氏のリアムは別に女を作って遊びまくりだし、友達はリアムと浮気してるし(この友達はちょっと異常で、キャシーの歴代の男たちと寝ており、その男のものをコレクションするという謎の趣味を持つ)、お父さんはその友達に誘われてちょっと乗り気になるし…という、めちゃくちゃな環境にいるのであります。

まず自分の彼氏を誘惑していた友達を殺し、殺人を見咎めた父親を殺し、殺人を知ったまったく悪くないもうひとりの女友達(この映画の良心にして無個性)も殺し、ラスボスの彼氏も親もろとも殺してしまいます。

しかしこのリアムくん、自分のAIを『コーチ』で設定するんだけど… 部活の監督みたいな口調でポルノを勧めてくるAIなんて使いたいか?

この時点で全然怖くないじゃん!という感想しかないのですが、リアムが部屋から出てきたら自分の父親の頭をフランクにかち割ってるキャシーがいる… というシーンはわりと面白かった。どんだけ強いんや(お父さんはまあまあ巨漢だった)。

なんだかんだでリアムを殺したキャシーは無罪になったようなラストなのですが(どうやって罪を隠蔽したのかねぇ)、本当に怖いのはここからだ!

AIに洗脳されているキャシーはまた母の声を持つAIと暮らしているのですが、その横には父の声のAIとリアムの声のAIもいます(※全部スマホです)。3台のスマホとの家族団らんのひと時。と、突然赤ちゃんの泣き声が!キャシーがベビーベッドのほうに行くと、そこにはスマートフォンが… リアムのAIとの間に赤ちゃんの声のAIが生まれたんだネ… ってなんなんだこの話は…

キャシーちゃん、ご近所で有名なキチになってそうで怖いね。そういや、まわりの人は殺しまくったから殺人はもういいやって感じなのでしょうか?

お母さんが実は殺人鬼で、AIに宿り娘を後継者として育てていたのだ!というわけでもなく、お母さんを騙った悪霊の仕業だった!というわけでもなく、狂ったAIに利用されるだけの話なんですけど… この狂ったAIがなぜそんなことをするのか?どこからきたのか?などはまったく語られません。

世にも奇妙な物語のホラーコメディ回みたいですね。