元祖・意識高い系が痛い目を見るゾンビ映画「フォレスト・オブ・ザ・デッド」

フォレストオブザデッド

旧作。2005年のアメリカ映画「フォレスト・オブ・ザ・デッド」を見ました。意識高い系の若者たちがゾンビに襲われるという、ちょっぴり「グリーン・インフェルノ」を思い出させる(といっても今作のほうが前の映画ですが)内容です。
といっても主人公は環境破壊を起こしている会社の御曹司であり、そこにいっぱい人が絡んできます。登場人物が多くてドラマが多いこと、見応えのある派手なシーンが多いことなどプラスポイントもたくさんありますが、ラストがとにかくよくわからんという悪点もあります。

登場人物

タイラー:森林伐採を行っている会社の御曹司。リスクを恐れるタイプで、存在感が薄い。
マック:伐採をしている職人たちのリーダー。責任感が強く、仲間思い。
リタ:伐採に反対している活動家のひとり。

ルーク:森林の研究をしていたチームに所属。ものすごくいい人。
カーター:ルークの同僚だが、性格はクソ。自分が助かるために他人を見捨てたことがある。
グレッグ:リタの仲間。抗議活動で自分を木につないでいたところを襲われる。
ステイシー:アジア系。リタの仲間であり、行動をともにしている。
ウェンディ:リタの仲間。グレッグとともに木に自分を縛り付けていた。

ネタバレ

森の伐採に反対している環境保護団体、伐採を進める男たち、森の木を調べている学者たち。だが、木に残っていた釘のせいで伐採担当のマックの部下・エリックがケガをして、そのままゾンビ化して死んでしまう。

会社の御曹司・タイラーは事態の把握と収束のために現場に向かうが、森には誰もいない。しかし、製材所を訪ねたところゾンビと遭遇してしまった。ゾンビを製材用の機械に放り込んでバラバラにしたタイラー。ルークがタイラーを助けてくれるが、隠れ家に戻ってもカーターが彼らを中に入れようとしない。マックがカーターを怒鳴りつけ、やっと彼らは迎え入れられる。

ゾンビはどんどん増えていく。タイラーは車で脱出することを提案し、リタ、マック、ルーク、ステイシー、カーターがついていくことにする。途中で鎖に繋がれたままゾンビに襲われていたグレッグとウェンディを見つけたタイラーたち。彼らは木を切らせないよう、自分たちを鎖で固定していたのだ。ウェンディは犠牲になるも、グレッグは救出に成功する。

車のところまでたどり着くも、森は閉鎖されていて外に出ることが出来なかった。製材所に戻り無線で外に助けを求めることにした彼らだが、車が事故で動かなくなってしまう。

製材所でもゾンビに襲われて、分断された彼ら。グレッグのフォローをするリタとステイシー、ルークとカーターを逃がすマック。だが、襲われたルークを見捨てたカーター。そのことをみんなにも黙っている。
タイラーは泣き出し、カーターはマックに嫌われてしまう。しかも、グレッグとステイシーが消えてしまい…?

グレッグはゾンビ化してステイシーを襲ってしまい、マックはグレッグを殺すしか出来ない。
カーターは木に投与していた成長ホルモンのせいでゾンビができたことを明かし、みんなを驚かせた。

翌日、エリックの車を見つけて脱出することにした面々。
しかし、ゾンビ化したルークに襲われ、マックはショックを受ける。そのルークはリタが殺した。
彼らは別の製材所に逃げ込むも、そこには生存者がたくさんおり、独自のルールで行動していた。しかも、カーターはみんなの嫌われ者だ。生存者たちはゾンビ殺しを楽しみ、賭けの対象にしている。しかし、タイラーは父の会社の者たちが彼らを襲って撃ってくる(口封じのため?)と彼らに聞かされ、ショックを受ける。
一方、リタとタイラーはイチャイチャする仲になっていた。

翌日、カーターが強要されてゾンビを撃つことになる。それを止めようと(※なぜかポエムで)していたラモンは、リーダーに殺されてしまう。リタに夜這いをかけるリーダー。リタは当然断るが…?
しかもその夜、カーターは製材所から逃亡して、その隙間からゾンビが入り込んでしまう。マックも噛まれてしまった。リタはここでようやく、エリックが死んだ原因の釘は自分のせいだと告白して謝罪する。

逃げ出したカーターは森のなかでゾンビに追い詰められていた。ゾンビに群がられ、ガブガブ食べられるカーター(しかも、ここで長尺。嫌われ者の捕食シーンは長くするという謎の趣向)。タイラーはカーターを助けに行き、自分の食べられてしまう。
※しかし、残念ながら雨と暗闇で全然状況がわからない

リタだけが逃げ切ることに成功する。
その頃、タイラーの父は息子の写真を見ながら考え込み、1人で別の部屋に歩いていった…

という謎エンド。

感想

ラスト、タイラーが戻ってきて自分を裏切っていた父を殺しに来たのかと思ったのですけど、そんな展開はなく。ただおじいさんの後ろ姿だけで終わりました。どういうことなのか?そもそも、父の会社のせいでゾンビができていたこと、その隠蔽をしようとしていることは伝わってきたのですが、具体的に何がどう裏で起きているのか、誰が仕組んだのかはわからないんですよね。
カーターのクソッぷり、ルークとマックのいい人っぷりもゾンビ映画ならではかも。カーターが長尺で少しずつ食べられていくシーンはけっこう面白い。ゾンビの群れにうずもれて見えなくなる、というお決まりのシーンに飽きている方にはおすすめかもしれません。