「ウォーキング・デッド」シーズン8・第11話『捨て身』のネタバレ

ウォーキングデッドシーズン8

ニーガンの部下のもとに、ゲイブリエルと医師のカーソン(ヒルトップにもともといた医師。ドワイトに罪を着せられ殺された聖域の医師の兄弟らしい)が逃亡したことが伝えられる。橋の上にいたニーガンの部下は、そのまま車を走らせてどこかに向かう。その橋の下にいたのは、ダリルだ。身を隠している彼は、アレクサンドリアの村人たちがヒルトップに逃げられるように、支持をしている。サポートするロジータ。だが、タラはケガをしているドワイトを助けない。ロジータはタラの態度を見て、頭を振る。

鎖を引きずって這って行くウォーカー。車の中で、地図とにらめっこしているゲイブリエル。彼は感染症のために、目が見えにくくなっている。だが、ゲイブリエルはマギーのいるヒルトップに、カーソンを送り届けることが自分の使命だと思っている。
「道を間違っても、方向は正しい」
ゲイブリエルは心配するカーソンを笑い飛ばすが、汗をかきフラフラになっている。
その車に、鎖を引きずりながら這っているウォーカーが近付いていく。

だが、次の瞬間、ウォーカーは殺されている。
カーソンは、ゲイブリエルの視界を診察している。彼は視界がぼやけ、ほぼ見えなくなっているのだ。その代わり、聴力が研ぎ澄まされているようで、何かの音を聞きつける。
歩き続ける2人。そこには家があった。

寝ずに歩き続けているダリルたち。タラはドワイトを強く憎み、殺したくてたまらない。
「まだだめだ」
ダリルがそれを止める。ロジータも同意する。
「ドワイトの知識が必要よ。彼も協力を望んでる」
納得のいかないタラ。
「カールを失った、今はやめて。ヒルトップにつくまでは」

ヒルトップでは、多くの人が働いているのが見える。避難してきたキャロルとモーガン、ヘンリーがそれを座って眺めているが、ヘンリーはふさぎこんでいる。
有刺鉄線の檻の中から、捕虜の男が、ヘンリーをどこかに連れて行くようにモーガンに言う。
その声をかき消すように、ヘンリーが大きい声で言う。
「誰が兄貴を殺した?」
その声に、皆が凍り付く。
「ジェリーに食事をもらって」
キャロルに促され、ヘンリーはそのまま立ち去る。モーガンはキャロルに問う。
「なぜ教えない?」
「わかるでしょ。まだ子供よ。これ以上酷だわ」
「彼なら乗り越えられる。苦しまない。平気だ」
「まだわかってないだけよ。平気じゃない」
キャロルはモーガンに休むように言う。モーガンは立ち去り、キャロルはそこに座る。そのやりとりをマギーも見ている。

「残念だ、ユージーン」
カーソンとゲイブリエルが脱走したことを、ニーガンはユージーンの仕業だと思っているのか。呼び出され、ニーガンの前に立つユージーン。だが、表情を変えずにしらばっくれる。
ニーガンは、カーソンが首謀者だと思っている口ぶりで話し続ける。しかし、2人を探し出しここに戻せば、すべてが明らかになるとユージーンに話す。
その話を後追いせず、アレクサンドリアについて尋ねるユージーン。
「心配か?」「心配なのか、ユージーン?」と言われても、彼は答えない。
ニーガンは、彼にある基地を任せるという。弾の製造をさせるために。
その弾が、リックとの問題を解決してくれるだろう。ユージーンは、さらなる殺し合いを暗示するようなニーガンの口調に違和感を覚える。
「人間は資源なのでは?」
「弾は最終手段だ。もちろん、このルシールが最優先だ。だがリックと馬鹿どもの集団が引き金を引くなら、俺達も引くしかない。奴らの責任だ。お前でも俺でもない」
ドワイトはその基地に、女性や食事も用意するとニヤつく。ユージーンはひとつだけ、尋ねる。
「ワインは?」
「もちろんある」

ゲイブリエルは、見つけた家の中に避難している。ブタの貯金箱を見つけ、振って笑う彼。
また、メモを見つける。偵察をしていたカーソンは彼を見つけ、横になれと命じる。が、ゲイブリエルは無線を見つけ、現在地がわかるかもしれないと言う。
無線を使っていた男は、誰の役に立ったはずだと思うゲイブリエル。しかし、カーソンは寝室で、ビニール袋をかぶって自殺してウォーカーと化した男を見つける。

ダリル、タラ、ロジータはヒルトップへの抜け道を捜して話し合っている。そこにドワイトが割って入り、穴場となっているだろう道をアドバイスする。だが、タラはドワイトを信用していない。他の住人も、それに続くように、ドワイトを信用できないと言い出す。だが、ドワイトはニーガンのもとには戻れないし、彼を倒すために協力すると言い張る。そして小さく、その後のことも覚悟していると告げる。
より雰囲気が悪くなっていくが、ダリルは何も結論を出さず、進み始める。

聖域の基地から連れ帰った赤ちゃんを見ているマギー。ヒルトップは捕虜も増え、物資が行き渡っていない。

ゲイブリエルはまだ横にならない。重い感染症なのに、懸命にヒルトップに行く手段を案じている。それを心配するカーソンだが、たまたまゲイブリエルが見つけた薬に驚く。それが、抗生物質だったからだ。
「彼に命を救われたかも」
「言葉が見つからない」

ドワイトは、ダリルに自分がなぜ彼らに協力しているのかを語っている。
「何も期待するなよ。すべてシェリーのためだった。許されることじゃないが、それが真実だ」
聖域に拉致され、監禁されていたダリル。ドワイトの元妻・シェリー(ドワイトとは別れさせられ、ニーガンのたくさんいる妻のひとりにさせられた)がダリルを逃がした。そして、シェリーも脱走したと、ダリルに教える。
だが、彼らの前にやっかいな沼地が現れる。沼地にはウォーカーもおり、何が潜んでいるかわからない。まずは道を確保しようというダリルだが、手伝いを申し出たドワイトはそこに残される。タラも、何かを企んでいるようにドワイトと残る。

ヒルトップでは、ニーガンの部下たちと共に有刺鉄線の檻の中に入れられているグレゴリーの姿がある。やってきたマギーに媚びを売り、外に出してくれるように頼むグレゴリー。捕虜の青年のひとりが、グレゴリーの肩を持つ。彼は檻の外に出て、数分間の自由時間が欲しいと申し出る。檻の外で運動したり、リラックスする時間が欲しいのだ。
だがマギーはそれに応じず、配給をストップするという。物資が足らないのだ。
捕虜の男はそんなことは止めるように忠告する。

沼地の中のウォーカーを退治しているダリルたち。
一方、タラとドワイトはそれを待つ住人たちを警護しているが、森の中を歩くウォーカーを見つける。身を潜めるアレクサンドリアの住人たち。タラはドワイトに、ウォーカーを片付けるように命じる。

ゲイブリエルの熱は下がったものの、視力は戻りきっていない。もしかしたら元通りにはならないかもしれないとカーソンは案じている。だが、ゲイブリエル本人はどこか楽観的だ。
目の見えないゲイブリエルが、たまたま落としたブタの貯金箱。カーソンは驚く。その中に探していた地図と車の鍵が入っていたのだ。ここから数マイルのところにヒルトップがあるとわかり、彼らは希望を持つ。

ドワイトは、タラと2人で森の中を歩いている。デニースのことを謝罪するタラ。だが、彼女は改めて銃をドワイトに向ける。
「あんたは救世主よ」
「奴らが憎い。ニーガンのことも」
「だから何?罪は拭えない」
「わかってる、罪は消えない。だがこんな風に、俺を殺して何になる?」
「気が楽になるわ」
タラは彼に発砲する。ドワイトは走って逃げる。しかし、あっさり追いつかれるドワイト。
しかし、そこにニーガンの部下たちがやってきた。思わず隠れる2人だが、藪の中で、タラは銃をドワイトの頭に押し当てる。

どこかにある、車を探すカーソンとゲイブリエル。カーソンは先にスタスタと歩いていく。だが、ゲイブリエルは狭まった視界で、「ワナに注意」という看板をなんとなく読み取る。彼は大声で警告するが、次の瞬間、カーソンはワナに脚を挟まれて絶叫している。しかも、そこに何体ものウォーカーが迫る。
ウォーカーのなかにも、ワナにかかったものがいる。しかし、それを乗り越えたウォーカーがカーソンにかぶさる。ゲイブリエルは手探りで銃を見つけ、奇跡的にウォーカーを撃ち殺す!

タラはドワイトから、ニーガンの部下へと銃の向きを変える。
だが、彼女が撃つ前に、ドワイトは彼らのもとを飛び出し、違う方向へニーガンの部下たちを誘導していく。どうやら、彼の裏切りを目撃したローラは、聖域に戻ってきていないようだ。ドワイトはあからさまにホッとする。
タラは去っていったドワイトたちを確認して引き返すが、それを真後ろで見ていたロジータと目が合う。
「止めなかったね」
「無駄でしょ」

ダリルは、戻ってきたタラを怒鳴りつける。ドワイトがニーガンたちの元に戻ったとしたら、彼らを裏切るかもしれない。ダリルはドワイトを疑っているが、タラはドワイトが違う方向に仲間を連れて行ったと彼の肩を持つ。しかし、ダリルは怒りを隠さない。
しかし、彼の大声でジュディスが怯えているのが見える。ダリルは気まずそうに「進むぞ」と言い、彼らはまた歩き始める。

車に乗り込むカーソンとゲイブリエル。ぼろぼろになりながらも助け合っている。
「ありがとう」と微笑みあう2人。

「手を挙げろ」
だが、そこにゲイブリエルたちを追っていたニーガンの部下たちが現れる。彼らは捕まり、車の荷台に乗せられてしまう。
絶望が深まるなか、「信じれば見えてくる」と励ますゲイブリエル。
「見えたよ」
そう言った次の瞬間、銃を奪って発砲しようとしたカーソン。だが、ニーガンの部下に射殺されてしまった。
「そんな……」
ゲイブリエルはひとり、号泣しながら運ばれていく。

ダリルたちは、ようやくヒルトップにたどり着く。キャロルが走って彼らを出迎える。
しかし、ダリルの悲壮な表情を見て、何かに気が付く。
マギーもやってきた。彼らは、カールの死を知る。イーニッドは号泣し、セディクはいたたまれない気持ちになっている。

ヘンリーとモーガンとキャロルは、座ったまま呆然としている。
「カールが死んだのは、奴らのせい?」
「知らない人を助けたの。こんな時でも人を助けた」
キャロルは彼を称える。モーガンは突然、立ち上がってヘンリーに言う。
「兄貴のことを聞いたな。誰が殺したか。ギャビンだ。彼はお前が殺した」
マギーはそのやりとりを、また眺めている。そこにセディクがやってくる。マギーの親切を感謝するセディクだが、診療所について尋ねる。
「俺は医療経験があるから、力になれると思う」
セディクにトレーラーの位置を教えるマギー。

工場では、ユージーンが弾を作り続けている。
そこに、ニーガンがやってくるが、共にゲイブリエルが連れてこられる。ゲイブリエルは、逃亡の主犯はカーソンだと証言。ニーガンは喜ぶ。ゲイブリエルは彼の手伝いをするために、連れてこられたようだ。
ニーガンはヒルトップへの嫌がらせを考えあぐねているが、ユージーンは聖書的な恐怖を与えてはどうかと言い、ウォーカーの頭や手足、内臓などを投げ込む作戦を立てる。「クソの中からバラが咲いた」と喜ぶニーガンは、ご機嫌で去っていく。
ゲイブリエルは絶望から抜け出せていない。
「私は見つけたと思った。すべきことを」
ユージーンは感情を出さずに言い放つ。
「見つけたよ。私も。(作業を)始めろ」

マギーは捕虜たちのもとを訪れ、グレゴリーと青年を檻の外に出すという、そして、今後は捕虜たちを2人組にして、交代制で外に出すという新しいルールを発表する。
しかし、グレゴリーはそれよりもニーガンの報復を恐れ、避難するべきだと主張する。だが、マギーはそれを受け入れない。そこに、リックが到着したと知らせが入る。

聖域では、ニーガンが部下の前でフェンスに縛り付けられたウォーカーを殴りつけている。ルシールをウォーカーの顔になすりつけるニーガン。ルシール(バッド)が血まみれになっていく。顔や腹がえぐれ、無残な姿になるウォーカー。
ニーガンは、ヒルトップ襲撃を考えている。

感想

今回は、ゲイブリエルとカーソンのメイン回って感じ。
そこにユージーン、ドワイトとタラ、マギーのエピソードが加わった感じでしょうか。ただ、ジーザスは今回登場せず。そういえば、アーロンも戻ってきていません。そしてちなみにリックとミショーン、エゼキエルも今回出演せず。人が増えすぎて、メインキャストが登場しない回も出てきましたね。
ゲイブリエルがまたユージーンのもとに戻ってきて、彼の気持ちを変化させていくのか?
マギーのプランは、成功するのか?
ドワイトはニーガンのもとで、何をするのか?
そこらへんが気になりますが、とりあえずジュリーの生存が確認できてよかったです。