「口裂け女VSメリーさん」

口裂け女VSメリーさん

情報が少なすぎて劇場公開されたのかすらよくわからないけど、2017年にレンタル・販売開始された「口裂け女VSメリーさん」を見ました。もう、明らかに「貞子VS伽椰子」をパクってるんですけど、その点においてはまだいいかなと思う(今さら「フレディVSジェイソン」「エイリアンVSプレデター」をパクったんならそれはそれですごい)。「口裂け女VSカシマさん」まで作って、既にコンテンツを食い潰しつつありますけど。「VS」シリーズをしゃぶりつくすつもりでしょうか。
もちろん、元AKB48のあきちゃこと高城亜樹さんの演技についても、文句はないし(むしろ、想像していたより活舌がいい!)、他のキャストについても同様。ただ、脚本が驚くほどつまらない。化け物たちのメイクもすごくいいだけに、この脚本のアレな感じが際立つ。2017年のワーストオブホラーを差し上げる勢いです。

ネタバレ

5年前。
挙動不審でひたすら逃げまくっている男。だが、逃げ込んだトイレの個室で何かに殺されてしまう。
この「5年前」に意味があるかと思ったら特にナシ!あと、トイレの個室に逃げるのってさすがに危なすぎないですか?

OPムービーでは、棒読みを超越したヘッタクソとしか言えない、口裂け女やらなんやらの噂話(女子高生??)を聞かされる。 「この間雑誌で見たんだけどさ~、口裂け女のハナシ」って、何の雑誌読んでるのかしら。実話ナックルズか?

雑誌記者の亜紀は、記事取材で、ある女性・ヤスムラキョウコの変死事件を調べていた。亜紀は、この事件が口裂け女によるものだと思っている。霊能力者・坂本に協力を求めるも、「彼女からは怨念が感じられない」と言われ、引き下がるしかない。
キョウコの死体は、口の両端が裂かれていた。
この亜紀は何の雑誌記者なんだろ?やっぱり実話ナックルズ?それともムーか?

その後、亜紀は、メリーさんに夫を殺されたという女性(冒頭に殺された男性)・アツコに、記事の内容のことで文句をつけられる。彼女は、渡辺という男の関与を疑っているらしい。だが、亜紀は彼女を冷たく突き放す。

そこに、急に弟の哲平から電話がかかってくる。彼女に会いたがっている哲平は突然亜紀の車を探し出して乗り込んできて、資料を漁り始める。彼には時間がないのだ。毎年、5月10日に25歳の男がメリーさんに殺されている。そして、哲平がそのターゲットになっているのだ。
亜紀はメリーさんのことは信じないが、口裂け女のことは信じているらしい。
哲平はテレポーテーションの使い手なのかな??と首を掴んで問い詰めたいくらい唐突な登場。亜紀は井の頭通りにいるとしか言ってないんですけど…。

哲平の携帯が鳴る。哲平は止めるが、亜紀は出てしまう。
メリーさんが「今、あなたの後ろにいるの」と告げる。バックミラーには、メリーさん(白い帽子に白いワンピース、人形を抱いている女性。顔はズタズタ)が映る。
「今、あなたの車の上にいるの」という言葉と同時に、車が軋む。
ってさ~、車の上にいるってジャッキー・チェンのカーチェイスじゃないんだから。

振り向かずに車を走らせ、先ほど亜紀に文句をつけてきたアツコのもとに向かう姉弟。
この女性は、哲平が変な人につけられていないかと聞く。哲平は、グレーの帽子をかぶった男に尾行されていたと明かす。彼女の夫・アキオも、渡辺と死ぬ前に飲んでいた。彼女の死んだ夫と同じようなことが、哲平にも起こっている。それが渡辺なのだろうか。

と突然、アツコが哲平を襲う。亜紀は既に倒れている。
でも、何の音もしないし武器もノコギリなので、意味が分からない。柄の部分で殴ったの?
アツコは、哲平の携帯を奪って電話に出る。そして、渡辺という男はメリーさんの恋人だったのだと口走る。
登場したメリーさんは哲平の首を超能力で締めあげるが、アツコはメリーさんに向かっていく。だが、彼女は操られるようにノコギリで首を切ってしまう(風呂場でわざわざ首を斬る)。ガラス戸に何度も血が飛び散る。

家から逃げる姉弟。だが、突然、別方向から口裂け女が出てきて、彼女たちを追いかける。
そこで助けてくれたのは霊能力者の坂本だった。彼は、アツコの怨念を感じてここに来たのだという。
亜紀は、口裂け女の正体とされるヤスムラキョウコの家に行き、遺品を持ってきて坂本に調べてもらうと提案する。

外で待つ哲平と坂本。もしかして、亜紀は既に口裂け女に魅入られているのかもしれない。他の者への負の感情を吸い取り、増大させていく。哲平は、両親の離婚の際に、父親に引き取られて酷い目にあった亜紀の気持ちを思いやる。しかし、坂本は謎のグレーの帽子の男に襲われ、哲平も気絶する。
ちなみに、車に乗って走っているシーンが合成です。久しぶりに見た、こういうシーンでの合成。

ひたすら廃屋をウロウロする映像が続き、飽きる。
亜紀はキャンパスノートに書かれた雑な日記を見つける。どうやら、ヤスムラキョウコの妹のものらしい。ここで、姉の恋人を妹がとってしまい、トラブルになったことがわかる。そして亜紀は、口裂け女は姉のキョウコ、メリーさんは妹のアキコであることを知る。そこに、口裂け女が現れる!

意識を取り戻した哲平は消えた坂本を探す。神社では、捕まっている坂本と帽子の男が待ち受けている。
亜紀は家に入っていく(誰の家かわからないが、坂本の家なのかね。非常に不親切だね)。そこで、哲平の写真が儀式で捧げられているのを見つけてしまう。

帽子の男は、坂本の兄らしい。「俺が救ってやる」と言いながら、坂本を刺す男。
だが、哲平が坂本の拘束を解いてやると、坂本は男を逆に殺してしまう。
亜紀は坂本の家で、少年が2人映っている写真を見つめる。
どうやら、坂本には兄弟がいたということを暗示したいようですが、今それを言って何の意味があるのかねえ? 坂本には兄がいたという話は実際に劇中でも出てきているのですが、さほど内容がないので、これが伏線と言えるのか?は謎。

キョウコとアキコが撮り合った男こそ、坂本だったのだ。
亜紀は、過去のできごとを知る。アキコとイチャついていた坂本(アキコは「私、メリーさん。今あなたの後ろにいるの」とふざけている)は、キョウコにその現場を見られてしまう。そして、キョウコはその場でアキコを、カマでめちゃくちゃに刺してしまう。

坂本は、姉が真相に近付きすぎたから哲平も殺すという。1人より2人のほうが寂しくないからだ。
哲平を追い詰める坂本。
1人よりも2人なら寂しくないよね、ってたびたび聞く理論だけどおかしいよね。2人で死ぬからいいわ!なんて人いるわけないし。サイコパスならこんな理論すら持ちださないと思う。

だが、そこにメリーさんが登場し、口裂け女も出てきてバトルになる。
既に朝は明け、姉弟は逃げている。「姉ちゃん、ごめんな」と哲平は謝っている(離婚して自分が母親に引き取られたことを謝ったのでしょうが、この事件に巻き込まれているのは姉のせいでは?)
にしても時間経過が謎すぎる。朝になっても化け物は元気なんですね。

超能力VSカマで戦うものの、口裂け女はメリーさんに勝利する。しかし、坂本とのいい思い出のせいで、彼にカマを振れない。初めてすれ違った日、公園で読書をしている彼を見かけた日(外で本を読むと目が痛くなりませんか?)、財布を拾って届けてあげた時のこと、姉妹と坂本で楽しく過ごした日々。
「そうだ、お前には俺を殺せない」
坂本はニヤニヤする。
だが、口裂け女は妹との浮気現場を思い出し、坂本をあっさり殺してしまう。

亜紀は、ヤスムラ家に花を供えにやってくる。家の中に花を放置したら腐りそうですが、おかまいなしです。
しかし亜紀は、殺人当時の映像を(なぜか)見てしまう。キョウコはアキコを刺し、その前で自分の口にカマをあてがい、口を裂きながら死んでしまう(出血多量死?ショック死?)。
亜紀はショックを受けつつ、そこになぜか現れたカマを拾い上げる。そこには、メリーさんの人形も落ちている。

眠ってしまっていたらしい亜紀。目を覚ますと、電話をかける。

歩道橋の上で待っている亜紀のもとに、弟とその婚約者が現れる。だが、婚約者にカマで斬りつけたアキの口は、大きく裂けてしまっている。
「姉ちゃん、何で…?」
亜紀は何も答えない。

感想

・口裂け女とメリーさんが戦う、しかも姉妹という設定はユニークとは思うのですが、なぜ妹がメリーさんになったのかについてはあまり語られず。メリーさんの扱いがかなりヒドイです。負けてるし。
・映像はキレイだし、キャストの女性陣も綺麗だし、でも脚本がヒドイという一点においてすごい凡作になってしまった気もする。
・浮気が原因で殺人事件→化け物に変化って、すごい人生ですね。
・亜紀は口裂け女に負けてしまった、ということらしいですが、だったらメリーさんに吸収される女子キャラがいてもよかったんじゃないかな?とは思います。元AKB48つながりで、大堀恵さんも口裂け女の映画に出ていますが、私はあちらのほうが好みですね。大堀さんのちょっぴりキツネっぽいルックスが、メイクとよくに似合っていたように思います。でも、口裂け女とメリーさんのキャストの方、キレイだったな。
・こんなしょっちゅう気絶したり起きたりしている映画始めてみました。ホントに、説明が足らなさすぎる。映画なのに口で説明されるのもイライラするものですが、全部が唐突なまま、製作陣だけわかっている感じで話が進行するのにイライラ。雰囲気を楽しんでほしいなら、もっと怖くしてほしい。あと、亜紀、アキコ、アツコって「ア」がつく名前おおすぎぃ~!

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