「パージ:大統領令」

パージ 大統領令

2016年の「パージ:大統領令」を見ました。「パージ」「パージ:アナーキー」から続く3作目。これで完結なのかもしれないけど、どうなのでしょうか?

登場人物

レオ:前作「パージ:アナーキー」の主人公のひとり。息子を失った復讐を果たそうとするが、正しい道に戻り、殺人には至らなかった。高い戦闘能力を活かし、現在は議員のSPとして働く。
ローン上院議員:パージの法律撤廃を目指す女性議員。自分以外の家族をパージで皆殺しにされた過去を持つ。
ジョー:コンビニ店長。パージ前日に保険料を上げられてしまったため、パージの日は店に残ることを選ぶ。昔はギャングだった。
マルコス:コンビニ店員。メキシコ出身であり、かつてはすさんだ環境の中を生きてきた。自分を採用してくれたジョーに恩を感じている。
レイニー:元ギャングで、チンピラ女子からは伝説の存在。現在は更生しており、それを手助けしてくれたジョーにやはり感謝している。
ビショップ:パージ反対派のリーダー。パージの混乱に乗じて、ローン議員と対立するパージ賛成派の暗殺を目論む。

ネタバレ

お化けがアカンベーをしたような仮面をかぶった男が、パージ専用のプレイリストを聞きながら笑っている。押し入られた家に住む住民たちは血まみれで縛られている。男はその家の母親に、1人生き残る人を決めろと言い出す。絶叫する女性。

パージ2日前。

「パージ:アナーキー」の跡、パージ反対派の声はどんどん大きくなっていた。18歳でひとりだけ生き残ったあの家庭の少女は議員となり、大統領選に挑んでいる。

現大統領は、そのローン議員を殺すために、パージを利用しようと思い立つ。
ローン議員の対立候補は牧師だが、彼はパージの日にミサを開催し、罪のない人たちを大量に殺しているという恐ろしい男であった。

今まで守られてきた政治家だが、今回は誰を殺してもおとがめなしと法律が変わってしまう(こんなに早く変わるのか……?)。※前作によると、政治家などはパージの対象にならないように法律で守られていた。
議員はシェルターに入るようにレオに勧められるが、他の国民と同様、家に残ると決める。
街には人を殺そうと浮かれる人間も多い。人を殺すために、パージの日にわざわざアメリカ旅行に来る「殺人ツーリスト」も人気を集めている。

パージ1日前。

ローン議員を応援しているマルコスやジョー、ラッカー。彼らは店のテレビで彼女のことを見ている。チョコバーを万引きしようとする女子高生に注意するジョーだが、少女たちは反抗的だ。ラッカーが出てきて収めるが、元伝説のギャングのラッカーのことをバカにする女子高生。パージの日は覚悟しなければならないようだ。
しかも、店のパージ保険の保険料が急にアップしたせいで、店が壊れてもお金が降りなくなる。ジョーは自分で自分の店を守ると宣言。ラッカーは当日、他のことに忙しいようで彼を手伝えない。

パージ当日。

パージ 大統領令2

ラッカーは母親と共に、ケガを負った人を助けるために車を走らせ続けている。

ローン議員は自宅にこもっている。レオと彼女はパージを憎んでいるという共通点で深くつながっているようだ。

車でパトロールしているラッカー。彼女の車の横に狂人がはりつくが、すぐに他の者に弓で頭を打ち抜かれてしまう。
・手製のギロチンで、捕まえた人間の首を落としている集団
・車のボンネットに何人もの人間がくくりつけられ、蛇行しながら爆走している。
・鉄球に鉄のイガイガがついた武器を持っている人。これ、扱うのすごく難しそうですよね。
有名なリンカーン像のところにも、「パージ」と落書きされている。

店の屋上で見張りをするジョーのところに、マルコスもやってくる。そこに、電飾で全面キラキラにした車が走ってきて、店の前で止まる(この車がスゴイ。どうやってドアをあけしめするんだ。あと、前が見えなくない?)。昼間の女子高生だ。手作りのぐしゃぐしゃのピエロやガイコツ、鬼(額に「KISS ME」と書いてある)のお面をかぶって、チュチュや下着姿で、スワロフスキーでデコレーションした銃を持っている女子高生たち。昼間の恨みを晴らしに来たのだ。既に彼女は、「パパとママを殺した」と言い、血まみれで大笑いする。
「チョコバーをよこせ!」
彼女をすぐに狙撃するマルコス。フアレス出身の彼は、銃を扱うのが得意だった。女子高生たちはあっという間に撤退する。

議員の家では、レオ以外の幹部SPたちが裏切り、警備の者たちが次々殺されている。その事態に気が付いたレオは、隠し扉から議員と一緒に逃げ出す。レオは議員の今までいた部屋を爆破し、裏切り者たちは全員死亡する(議員の大事な家族写真は……??)。

逃げる議員とレオだが、死体収集車に出くわして驚く。ドローンが追ってくるが、レオが撃ち落としてしまう。
街にはピエロやリンカーンの恰好をした死体が転がっているが、彼らは死んだふりをしているだけで生きており、襲ってくる。車の中からはモーツァルトも出てくるが、あっという間にレオは倒してしまう。
しかし、「I WANT YOU」の軍人募集のポスターでおなじみのおじさんのコスプレをした人、NYの女神だが顔は電飾で顔文字になっている女性?が彼らを襲う。

ジョーはマルコスといつか一緒に店をやりたいと夢を語り合う。だが、屋上にいた彼らは、たくさんの人が誰かを引きずってくるのを目撃する。議員とレオだ。アメリカモチーフのコスプレをした彼ら(国旗の服、国旗の水着など)は、2人をリンチしている。それを助けるジョーたち。助けたのが議員だと知って驚く。

店でレオの手当てをするマルコス。ジョーとレオはあまり相性が良くない。
そこに、女子高生たちがさらに仲間を連れて戻ってきた。シャッターを切る電ノコも持っている。正面入り口と裏口の両方を攻撃する彼女たち。
ラッカーはパージに行こうとする知り合いの少年を必死に止めていたところだが、ジョーに助けを求められ、戻ってくる。豚の着ぐるみ(鼻のところだけ飛び出し、そこにピアスしてある)を着た少女が、電ノコでシャッターを切り続ける。チョコバー!チョコバー!と叫んでいる万引き女子高生たちだが、ラッカーの車に轢き殺されて死んでしまう。

パージ 大統領令1

彼らはラッカーの車で脱出しようとするが、ジョーは店に残ろうとする。だが、マルコスの説得で彼も脱出する。
トリアージセンターに向かう彼らだが、議員を殺そうとする追っ手(頭にクモの巣のタトゥーをいれたスキンヘッドおじさん)もおってくる。

車から、男たちを木で吊るしてそのまわりで踊っている女たちが見える。
ラッカーはパージの日に「トリアージバン」(救急車)を運転しており、できるだけたくさんの人を助けていたのだ。パージの日、トリアージバンは襲わないのがルール。だが、彼らは襲われ、パージに生きたがっていた少年・ロンドは死んでしまう。

彼らは逃げ続け、半地下のようなスペースに逃げ込む。そこではギャングたちがファイトクラブの真っ最中だった。
レオは自分を撃った弾に発信機が付いていたことに気が付き、自分でそれを引き抜く。
ギャングに車を囲まれた彼らだが(どうでもいいが、ラッカーのお母さんの影が全然ない)、ジョーの知り合いだということがわかる。ドアを開けると、倒れた仲間を助けてほしいというギャングたち。交換条件として、レオはあることを頼む。

追っ手たちはレオを追いかけてくるが、弾は既に体から抜かれている。偵察にきた兵士たちは、ギャングたちに囲まれて襲われる。

トリアージセンターに到着した彼らは、ビショップと顔を合わせる。何かを企んでいるらしいビショップ。ホームレスやケガ人たちが逃げ込むこのセンターでは、医師や看護師たちもおり、人を救い続けている(本来、パージの間は病院は機能してはいけないらしい。入院患者については不明)。
レオはエンジェルを捕虜にして、ビショップの秘密を探る。
彼らは、ローン議員の対立候補である牧師に経済支援をしているパージ賛成派の富裕層を襲撃しようとしていたのだ。レオはそれを止める。

ジョー、マルコス、ラッカーは店に戻ろうとしていたが、トリアージセンターに怪しい車がどんどん走っていくのを見て道を戻る。

レオとローン議員はビショップを止めるためにミサに向かっているが、普通の道にトラップがあり、振り子状に大きな刃が落ちてくる。
燃えている死体の横に座り、おばさんがひとりで歌っている。
と、議員は拉致され、トリアージバンも襲われて横転し、レオとジョー、マルコス、ラッカーの4人は議員を連れ戻すためにミサが行われる教会に向かう。

議員は教会で首を締め落とされ、縛られている。

ビショップと合流した4人。教会のミサでは、罪のないジャンキーの青年が殺されようとしている。ナイフで殺される(とはいえ、キッチン用品が用意されている)彼。
しかし、そこにレオたちが襲撃をする。私怨に走らずに牧師を殺さずに確保するビショップ。だが、他の支援者たちはおおむね射殺される。
舞台裏にいた罪もない人たちを助けようとするレオや議員たち。だが、追っ手がやってくる。レオと殴り合いになるクモの巣ハゲだが、そこに牧師の命令でジャンキーを殺した青年がやってきて、みんなを襲う。ジョーと撃ち合いになり、相討ちする2人。ジョーは議員を守ったのだ。
追っ手も撃退し、牧師もやっつけ、彼らはなんとかパージを乗り切る。

2ヶ月後。ローン議員は大統領に選出された。
パージに関する法律が撤廃されるかもしれないが、今度はパージ賛成派のNFFAが暴動を起こしていると報じられる。

感想

・という、続編がありそうな終わり方であります。しかし、レオ役の方ははいつ見ても顔がやつれている。
・ローン議員はほぼ武装しないので、ラッカーが代わりに戦うシーンも多いのですが、この女優さんがカッコイイ。さりげなくギャング出身とかメキシコ出身とかの人が多いので、銃撃戦もなんとかなるっていうスゴイ設定。
・今まで以上にフォトジェニックなシーンが多く(まあ、ストーリーがさほど複雑ではないから、見た目にこだわったのでしょうが、これは正解だと思う。)、今までの作品の中でももっともビジュアルのインパクトがすごい。万引き女子高生たち、ギロチン、男たちのまわりで踊る女たち(イメージとしては「クロックタワー」の亡霊の子供たちみたいな感じ?ということは、「サスペリア」あたりのホラーも意識しているのかも。ふわっとしたスカートでクルクル踊ってた)は好き。仮面のクオリティも高い。だけど、後半のミサがあんまりよくないですね。教会で撮影しただけって感じ……。街全体がヒャッハーしている感じは、「パージ:アナーキー」のほうが強いかも。