「ストレイン」シーズン2・第11話のネタバレ

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第11話「閉ざされた世界」(DEAD END)

部屋の中で、鎖につながれているダッチ。震えている。アイヒホルストが警官の男を連れてきて「お友達を連れてきたぞ」と、その男の口の中に酒を流し込む。フラフラする警官の血を吸い尽くすアイヒホルスト。男は真っ青になって倒れる。怯える彼女を鑑賞して、「私は時折だが、人間のカクテルを楽しむのだ」と言い出すアイヒホルスト。
「飲むとくつろげるからな」
「私に何をしようっての」
「あらゆることだ」

マンハッタン ワシントンハイツ セントニコラス街
縛られているエイブラハム。ようやく気が付くが、手足を拘束されて椅子に縛り付けられている。本を目の前にジタバタするエイブラハムだが、“彼”はようやく姿を現す。
「お前は誰だ?」
ラドヤードはエイブラハムのことを覚えていない。彼に語り掛けるエイブラハム。かつての記憶を思い出させる。
「ほどいてくれ」
だが、ラドヤードはなかなか銃を下ろさない。

アイヒホルストはダッチに質問をしている。「誰も知らない秘密を教えろ」と言われるが「自分でも自分が謎」とはぐらかすダッチ。
「お前は見られるのが好きなんだろう」
髪の毛や服装、香水でそれがわかるというアイヒホルストだが、ダッチは香水をつけていない。ダッチの香りを嗅ぐ彼。香水ではなく、シャンプーだと理解する。
アイヒホルストは、自身の秘密を彼女に明かすという。ある“香水の女”のことを思い出したのだ。彼は香水をつけた女に無縁の人生だったが、他のものは全部手に入れたという。
「滑稽だ、報われぬ欲望に今も縛られるとは」
「女とヤレなくてナチになったの?」
顔色を変えるアイヒホルスト。
「お前のような者には決してわかるまい」
そして、部屋を出ていき、扉を閉める。

アイヒホルストの記憶。

1931年 ドイツ ハイデルベルク
訪問販売でラジオを売り歩いているアイヒホルスト。ラジオをうまく売りつける手前まで行くが、家の主人が帰ってきて契約書を破いてしまう。
帰社すると、契約をとれなかった彼は上司に叱責される。美女の事務員・ヘルガがそれを見つめている。明らかに職場になじめていないアイヒホルストだが、ヘルガは彼がもっと高みを目指せる人だと励ます。アイヒホルストは彼女を夜にデートに誘うが、断られてしまう。しかし代わりに土曜の食事を提案され、彼はにっこりする。

ハーレム 2番街
アーニャは荷物をまとめている途中で、ぼんやりしている。そこにガスが入ってくる。家族しかいないところにガスがいるのは変な感じだ、とアーニャは笑う。
ガスは街に残るようだ。
「逃げたくねえんだ、わかるだろ?」
「やっぱり終わりなんだね、どうしたら続いた?」
2人は激しくキスをして、床に倒れ込む。

マンハッタン ミッドタウンイースト 東49丁目
メイフィールドホテルに到着したヴァシリーやエフたち。そこには州兵軍本部がある。

情事を終わらせたガスとアーニャはぼんやりしている。エンジェルが荷物をまとめている。
「本当に街から出られるのか?」
「取引をした。一緒に戦う。先にこっちの要求をのませた」
ガスは検問所の近くまで付き添うが、ついてはいかない。エンジェルにすべてを託したガス。エンジェルは自分も戦うと言うが、一家を守るには彼が必要だとガスを説得する。
一家も準備ができたようだ。彼らは記念写真を撮る。エンジェルもなかに入り、幸せそうだ。
「ちゃんと送り届ける」
エンジェルはガスに約束する。

ヴァシリーは騙されたと思っているが、エフは中に入って調べるべきだと主張する。と、空っぽのパトカーが見える。中からダッチの私物も見つかる。
ふと、ヴァシリーは何かに気が付く。「そこだ、俺たちの真正面のホテルだ」
不自然に電気が真っ暗な棟がある。そこにダッチが隠されているのではないかとヴァシリーは推測し、突入する。

エイブラハムとラドヤード。ラドヤードは本を売りさばくのが目的のようだ。アイヒホルストの縄をほどかず、高値で買い取ってくれそうなところに持ち込むという。自分をバカにした人間たちもいるが、タヒチの場所がわからなくたってタヒチには行けると彼は語る。ラドヤードは「これは俺の本だ」「俺の幸運のチケットなんだ」と主張して、そのまま逃げてしまう。

ブロンクス 3番街橋
ガスは彼らを車に乗せており、検問を突破しようとしている。だが、彼らは通してもらえない。と、そこへクインランの運転手をしていた黒人女性が現れ、何かを持ってくる。係員は納得し、車を通す。
「俺たちきっとうまくいってた」
ガスに一緒に行くように求めるアーニャに、ガスはそう微笑む。
でも今は無理だ、いつか迎えに行くというガスは、アーニャに優しくキスする。彼女は車に乗り、ここからはエンジェルが運転するようだ。ガスはフェンスの向こう側にいった彼らを見送る。だが、エンジェルが下車してきてアーニャの父とハグして、戻ってくる。
エンジェルはどうしても、ガスと戦いたいようだ。黒人女性に「何者?」と聞かれ「こいつか?こいつは“銀の天使”だ」「よろしく頼む」。女性は呆れている。彼らはどこかに向かう。

パイナップルをカットしているアイヒホルスト。笑顔だ。

アイヒホルストの過去。
彼はヘルガと食事している。彼女はバイオリンの演奏者らしい。バイオリンについて語る彼女はキラキラしていて、とても美しい。プロを目指していたが、父が失業して家族を養わなければいけないことになったヘルガ。でも、才能があるのだからウィーンに行くべきだと言うアイヒホルストに彼女はキスをする。自分の夢について聞かれた彼だが、それがまだ見つかっていないと思う彼。得意なものは何もない、ヘルガが羨ましいというアイヒホルストだ。
彼らが食事する店内では突然、ナチスの男が演説を始める。
ヘルガは出ていこうと言うが、アイヒホルストは演説を聞きたがる。彼に指差されたアイヒホルストは高揚する。ユダヤ人差別を正しいことだと思うアイヒホルストだが、店を出てヘルガにそれを説いている途中で彼女がユダヤ人だと知って驚く。ヘルガはとても怒っている。
「あなたを誤解していた」
ヘルガは「あなたは底辺がふさわしい」と言い捨てて走り去る。アイヒホルストは「違うんだ、ヘルガ」と呟いている。

ダッチにパイナップルを出すアイヒホルスト。
「私に味付けする気?食べるもんか!」
彼女の鎖を踏みつけ、地面に引き倒されるダッチ。
「私はパイナップルを食べますと言え」
「はい、食べます」
「違うこうだ、はい、私はパイナップルを食べます」
彼女の口に、ハンカチで持ったパイナップルを持っていくアイヒホルスト。ダッチは食べるしかない。
「あたりだよ、パイナップルで味付けするのは最高なんだ」
ダッチは涙を流しながらパイナップルを食べ続ける。アイヒホルストが消えた瞬間、パイナップルを吐きだすダッチ。

エイブラハムは時間をかけて拘束をなんとか解き、ラドヤードの後を追うことにする。

ダッチは足で、遠くにある何かを取り出そうとしている。だが、アイヒホルストがそこにも戻ってくる!戻ってきた時には、パイナップルをパクついている彼女。
アイヒホルストは「ズボンを脱げ」と彼女に命令する。戸惑う彼女に「脱げ!」と叫ぶアイヒホルスト。
「70年前にナニをなくしているのに、どうするつもり?」
「さぞや驚くことだろう」
今夜、ダッチは新しい体験をするというアイヒホルスト。口にルージュを塗りつける。
そして、本人は下に座りこみ、そこにまたがらせ、前かがみになれと命令する(口から出す捕食器官で凌辱するつもりだろうか?)。
その命令に従うフリをして、彼の顔にスプレー(痴漢撃退スプレーみたいなもの?)を吹きかけるダッチ。アイヒホルストは苦しんでいる。
ダッチは廊下を逃げる途中でケガをしてしまう。しかも廊下は途中でレンガで塞がれている。彼女は走って逃げ続ける!エレベーターも動いていないし、彼女は絶対絶命だ。

ヴァシリーたちは、地下鉄からホテルの中に入るようだ。

アイヒホルストは目を必死で洗っている。顔のファンデーションも剥げ、コンタクトも外さざるを得ない。

ヴァシリーたちは入口を見つける!

アイヒホルストはダッチを追い始める。「ここからは出られやしない」という彼だが、ダッチは非常階段を使って必死で降りていく。
「お前のシャンプーと血の臭いがするぞ、もう少しだ」
彼は冷静に追い詰めていく。階段もレンガで塞がれており、アイヒホルストが追い付ていしまう。彼女の悲鳴を聞きつけたヴァシリーたち。
「ありがとう、楽しい追いかけっこだったよ」
「私に近付くな!」
君のようなご馳走にありつけるとは、こんなに楽しい食事は想像していなかったというアイヒホルスト。
「私を飲んで喉を詰まらせて死ね!」
というダッチはアイヒホルストにつかみかかる。だが、ビンタされてしまう。
「さあ、そろそろ行こう」
彼女の足をつかんで、階段を上がっていくアイヒホルスト。足をつかまれた状態で、ダッチは階段を引きずられていく。

ダッチの悲鳴を聞きつけたヴァシリーは怪力で、鉄筋を使ってレンガを突き破っていく。ダイナマイトをセットして、レンガを吹き飛ばすヴァシリー。ダッチは延々と引きずられている。だが、銀の手りゅう弾が投げ込まれ、アイヒホルストは逃げる!ヴァシリーはダッチを抱きしめ、お姫様抱っこで何度もキスする。アイヒホルストを逃がしたことにイラつくエフだが、怯えているダッチを見て何も言えない。

外に逃げたアイヒホルストは、顔から煙が上がっている。冷静な彼が久しぶりに咆哮する!
アイヒホルストは地下鉄を辿って逃げていく。

1935年 ドイツ ハイデルベルク
アイヒホルストはナチスで少尉になっている。本部に呼ばれた彼の前に、ぼろぼろになったヘルガがいる。一家ごと国外追放されるという彼女は、助けを求めているようだ。彼女と付き合いがあったか聞かれたアイヒホルストは、以前同じ職場にいたと明かす。だが、手癖が悪くて金を盗んだと嘘の情報を伝える。ヘルガは号泣する。

昼間に散歩しているアイヒホルスト。かつての上司と再会する。今では彼のほうが立場が上だ。へこへこする元上司。張り付いたような笑顔を絶やさず、アイヒホルストは去る。しかし、その目の前に現れたのはヘルガ(とその家族)の首吊り死体だ。吊るされている彼女を見て、アイヒホルストはさすがに驚く。それをナチスの親衛隊が見ていることに気付き、笑顔で彼女にタバコの吸い殻を投げるアイヒホルスト。だが、死体に背中を向けた瞬間、彼の顔は引きつっている。

ダッチは相変わらず泣いている。その髪の毛を、ヴァシリーは優しく撫でている。

マンハッタン ルーズベルト島
ラドヤードはクリームのもとを訪れている。枢機卿の紹介でやってきてクリームにオクシド・ルーメンを売りつけようとする彼。クリームは中身を確認する。銀の装丁の本を見たクリームは彼に「取引しようじゃねえか」と言う。