2021年ゾンビドラマの最高傑作!『ブラックサマー』シーズン2を完全解説!(ネタバレあり)

ブラックサマー

ネットフリックス限定配信『ブラックサマー』シーズン2を見ました!先日完結した『Zネーション』シリーズのスピンオフですが、本編が仲間の絆やブラックユーモアを詰め込んでいるのに対し、スピンオフはもう、ドッロドロ。裏切り、殺し合い、支配… 「ゾンビより人間のほうが怖い」というのは陳腐な言葉ですけど、数人を除いてホンットに自己中心的な人しか出てこないので笑っちゃうほどドロドロです。個人的には、今配信・放送されているゾンビドラマの中では屈指の出来栄えだと思います。もう、ホントにすき。

登場人物は前回から続投のキャラクターもたくさん出てきます。吹替と字幕の名前表記にゆらぎがあったのは残念。

登場人物

ローズ:主人公。前シーズンでは娘を探し求めて長い旅をした。シーズン2でも娘を守るために活躍。「娘を生かすためなら他の人間は死んでもいい」とすら思っている。ちなみに夫はすぐにゾンビ化したため離脱している。

アナ(アンナ):ローズの娘。ローズに負けず劣らず銃を使いこなし、冷静に振舞う。母とともに飛行場を目指し、安息地を求める。

サン:韓国人の女性。ローズとともに行動を共にしていたが、シーズン2では敵対グループに囚われ、捕虜として扱われていた。心優しい性格で争いを好まない傾向がある。英語を話すことができるが、あまり得意ではないようで、口数が異常に少ない。

スピアーズ:ローズの仲間。元犯罪者で元不良だが、ローズの冷酷さに驚かされることがある。シーズン2ではローズの裏切りに遭うことに…

そして、人間のグループもいくつか登場します。便宜的にアルファベットで分けます。

軍人グループ:男のみ、おそらく軍人で構成されるグループ。武装しており、黒い防弾ジャケットや迷彩服を着ているメンバーが多い。物資を独り占めしようとするなど、自己中心的な振る舞いが多い。リーダーは赤いジャケットを羽織っている。サンはこのグループに捕虜にされた。

先住民グループ:先住民が中心のグループ。カラフルなスキージャケットなどを身にまとう。女性もいる。彼らも物資を強奪したり、他人にたかったりして生活を成り立たせている。

ママと息子たち:ローズとアンナが立ち寄った屋敷にいた親子3人組。どことなく残酷性を感じさせるママ、甘やかされて育ったのか非常に自己中心的で粗野なソニー、常に労働を命じられているフレディの家族。

屋敷にいた家族:ママと息子たちよりも先に家にいた人たち。老女・女性・マークという男性の3人組。彼らは飛行機の操縦士と連絡を取り合う術を持っていた。

まだまだいるのですが、それはおいおい。では、各エピソードを見ながら解説していきま~す!未見の方はぜひご覧になってほしい。伏線が多いので、2回以上楽しめます。あのゾンビがあの人だったのか… とかね。

第1話『凍てつく冬』

「ルークとソフィ」

黄色いコートの男(シーズン1の登場人物であるランスと思われる。そのためランスと表記します)は、ガソリンを求めて車で彷徨っていた。しかし、ゾンビに襲われている妊婦を見かけ、突発的に助けてしまう。しかし彼女は男とグルであり、彼はランスを殺して車を奪った。しかし数秒で衝突事故を起こした男は、ゾンビに転移したランスに追われて逃げ惑う。組んでいた女には見捨てられ、新しい車を見つけるもゾンビは車の屋根にしがみつかれ、暴走。急ブレーキをかけた車飛ばされたランスのゾンビは人間を追いかけて走り回る。

補足:このエピソードはカメラを止めずに撮影されていて、すごく見ごたえがありました。黄色いコートの男はランスだと思うんですが、シーズン1のラストではぐれたまま彼だけ単独行動をしていたのかは謎。ゾンビに転移してから木製の扉もガラス窓も体当たりでバリンバリン割りまくるので、俳優さん大変だったろうな。

「4ヶ月後」

冬。ゾンビから逃げている男。彼はある屋敷を目指して走り続けるが、誰かがゾンビをライフルで射殺してくれる。感謝する男。しかし、男もすぐさま射殺される。

「奇襲」

冬の山の中、軍人グループと先住民グループが撃ち合っている。ゾンビに変異した人間も入り交じり、混戦している。軍人グループが撤退し、縛られていた捕虜の男性から話を聞き出そうとする先住民グループもいるが、彼はあっという間に変異してしまった。

補足:ここで登場した捕虜の男性はのちのエピソードで登場するマークという青年であり、軍人グループに捕まって家の場所や飛行機の投下した物資について吐かされたことがわかる。先住民グループも「私たちは悪者じゃない」とアピールして情報を聞き出そうとしていましたが、この時点ではいい人に見える。けど後に悪者だと判明します。そして、このシーズンの鍵となる「飛行機」が印象的に登場します。

「捕虜」

少し前の出来事。軍人グループはサンの目の前で捕虜の男性に暴行を加えて情報を聞き出すが、そのまま先住民グループに襲われる。サンを連れてスノーモービルで逃げるグループのリーダー・レイだが、崖下に転落してしまう。

補足:ちなみにスノーモービルはマークの持ち物です。

「死者」

屋敷の近く、木の上にいる男・フレディ。ゾンビに追われて木の上で隠れていたらしい。散らばって落ちている薪を拾って屋敷の扉を叩くが、中に入れてもらえない。頼み込んで扉を開けてもらうが、そこにはローズとアナがいる。そして、死体がごろごろ転がっている。家の中にいた他の人たちは全員死んだらしい。フレディを家にいれるも、信用していないローズ。彼女は窓の外を見て、ゾンビに追われながら助けを求めてきた男性を射殺する。

補足:「4ヶ月後」のエピソードがここでつながります。この時点では「??」な状態。フレディとは誰?死んでいる人たちは誰??となりますが、この後に話が巻き戻ります。相変わらず仲間じゃない人間をガンガン殺すローズは怖いですね。ちなみに、屋敷のまわりを徘徊していたゾンビにも意味がある配役なのか調べようとしたのですが、よくわかりませんでした。特に登場しなかった人かな?

「置き去り」

ケガをしているスピアーズは気が付いたら1人になっていて、森を彷徨っていた。

補足:仲間だったスピアーズはどこにいったのか?なぜ1人で森にいるのか?衝撃の理由はまたまた後回しです。

「逆境」

エピソードは「ルークとソフィ」で車を強奪した男の話に戻る。

彼はゾンビに追われ、建物の中にいる人間に助けを求めるも追っ払われる。だが動く車を見つけて、安堵する彼。写真とドッグタグを車に飾り(そんなことしてる場合か?)「災い転じて福となすってね…」と言っているうちに、ランスのゾンビが走ってきて、頭から窓ガラスに突っ込んでくる。

補足:このシーン、一番ビックリした。窓ガラスにブチ当たるのかと思いきや、そのままバリーンと飛び込んできたので度肝を抜かれました。現場は楽しそう。

第2話『序章』

「レイ・ナゼリ」

ゾンビが蔓延するほんの少し前のこと。地下室から出ていく男。家族?らしきゾンビたちが追いかけてくる中、彼は準備をしてそのまま出ていく。

補足:この男が実は、軍人グループのリーダー(赤ジャケット着てたからたぶんそう)。レイって名前なのでしょうか。しかし、誰もその名を呼ぶことがありませんでした。過去もこれだけしかわかりません。のちに彼が「俺は一度死んだ」と言ったのは、このエピソード前後の出来事を指しているのかも?

「決断」

雑貨店で物資を選んでいる、通りすがりの男たち。助けを求めてきた子供を中に入れるが、その子供はアナで、彼女は母を裏から手引きする。男たちを追い出して目当てのものを探すローズたち。しかし、軍人グループがやってくる。彼らの車から逃げている間にスピアーズが撃たれ、ローズは彼を置き去りにすると断言。やや抵抗の色を見せたアナとともに先に行ってしまう。サンは迷い、スピアーズを段差の下に突き落として隠し、自分が投降することを選ぶ。

補足:ローズはスピアーズを見捨て、サンは捕虜になったという経緯がわかるエピソードです。

「Uターン」

車に乗った男たちは物資を求めてやってくるが、その先で先住民グループに追いはぎされる。途中でオレンジの服の女が横入りし、銃を見せびらかしながら自分にも分け前をよこせと言ってくる。

補足:男たちの車の中で「スタジアムは現在危険」という無線が流れてきますが、これはシーズン1の時のゴールだったスタジアムでしょうか?先住民グループも悪行を重ねているのがよくわかる話です。横入りしたオレンジの服の女は、1話の「奇襲」のエピソードでよく映っていた女性。そこでは戦い慣れしていませんでしたが、このエピソードではわりとワルぶっています。先住民グループにはヒエラルキーがあるようで、強くないといい物資はとれないようですね。1話の「奇襲」の時に彼らが使っていたバットは、ここで男たちから奪ったものです。

「友人」

冬の雪山。献身的に足をケガしている友達の面倒を見ている男性。しかし、ゾンビ化した友達に襲われ、そのまま外に飛び出していく。

補足:この2人が、1話の「4ヶ月後」で追っかけっこをしていた2人。夜から追われて、何時間も走り続けてようやくたどり着いた屋敷で殺されたという… この2人はすごくいい人たちなのですが、それだけに生き残れなかったのでしょうか…

「影」

雪山の中、スピアーズは何かに追われながら歩き続けた。崖から落下すると、遺体がたくさんある。凍ったゾンビから手袋を拝借してそのまま歩いていく。

補足:スピアーズが何に追われていたのかは不明。男性に見えたけど… のちのエピソードから察するに、彼はスピアーズの見ている妄想なのか?それとも、本当に誰かに追われていたのか?

「ローズとアナ」

母娘は雪山の中で屋敷を見つける。周辺にはゾンビがウロウロしていた。なんとか屋敷に入れてもらうが、家の中の雰囲気は異様なものだった。

第3話『トランプ』

「家」

家の中のグループは2組おり、どちらも少し前に屋敷に到着したらしい。ママと呼ばれる女性と息子のソニーとフレディの3人組は暴力的な雰囲気をまとって周囲を威圧する。マークと呼ばれる男性とそのパートナーらしき女性、初老の女性の3人は、彼らに従うしかない。通信機を使えるというマークは飛行機の操縦士と話したというが、その通信機がある上階には謎の男性が潜んでいる。マークはママに強要され、日が暮れかかっているのに飛行機が落とした物資を取りに行かされることになってしまう。マークはゾンビが襲来する中、スノーモービルを起動させて走りだす。

補足:ソニーは暴れん坊で短気などうしようもない愛玩子、フレディは搾取子で憎めない小悪党という感じですね。おそらく彼らは銃があって、マークたちはないからいうことを聞かざるをえないのでしょうか。そして屋敷の中に潜む男は…? 彼は需要なキーパーソン、ブーンです。

ちなみに『トランプ』というエピソードタイトルは、ローズとアナがずっとトランプをしているから。このトランプのゲームにフレディも加わろうとしますが、あまりにルールが難しいため「俺、頭悪いからわかんねぇ」と辞退します。

「木の上」

マークが戻ってこないので、イライラし始めるソニー。一触即発の雰囲気が漂う中、マークは無線にも応じない。生きているのか死んでいるのかもわからない。日が暮れ、薪もなくなり、誰が取りに行くかで押し付け合いになる屋敷の面々。アナを行かせようとするソニーに抵抗するローズ。結局フレディが取りに行くことになるが、マヌケな彼はゾンビに追われ、木の上に登るしかない。

「フィードバック・ループ」

なぜか斧がなくなり、屋敷の中では混乱が続く。ソニーは無線をいじっていたマークの妻を撃ってしまい、彼女はゾンビ化。初老の女性が噛まれてしまい、2人ともローズが始末する。

「川」

薪がなくなり、屋敷は冷え込んでいく。ソニーは苛立ちが最高潮になり、無線をいじくった後に叩き壊してしまう。食料がなくなったとケチをつけられたローズとアナはそのままママとソニーを射殺する。

補足:ローズ譲りの強い精神力を持つアナ。躊躇なく人を殺すようになっており、母娘の連携プレーは見事なものであります。

「斧」

夜。寝室で眠るローズとアナだが、そこに斧を持った謎の人物が迫る。

補足:これは誰かはわからないのですが、おそらく屋敷に隠れていたブーンです。結局、斧は何にも使われなかったですね。

ここでだいぶ話がわかってきます!

  • マークは夜に物資を取りに行かされ、見つかって暴行されて殺された
  • 屋敷ではソニーのせいでマークの妻が死に、噛まれた初老の女性はヘッドショットされた。そしてママとソニーは言い争いの末にローズたちに殺され、ローズとアナだけが生き残った。そこに、一晩中木の上に追いやられていたフレディが戻ってきた(フレディを襲っていたゾンビが木から離れたのは、たぶん屋敷に迫るグループたちの気配を察したから??)。しかし、マークから屋敷の場所を聞き出した人間たちが群がるようにやってくる。

そもそも、人間たちの目的は飛行機が落とした物資で生き永らえること、そして飛行機に乗ること。飛行機に乗れば安全な場所に行けるとは限らないのですが(あちらに撃たれる可能性も…)、それでも彼らは飛行機に乗ろうとあがくのです。このあたり『ゾンビ』のヘリコプターを思い起こさせる感じもしますね。“箱舟”に乗れるのは果たして誰なのか?そして、それは本当に存在するのか?

第4話『冷戦』

「冷戦」

屋敷のまわりを取り囲むサンを捕虜にした軍人グループ。サンは屋敷に対して白旗(ハンカチ)を降る役を命じられる。

補足:サンは危険な役目や荷物持ちをひたすらやらされています。

「停戦」

屋敷の中ではローズとフレディが策を考えあぐねていた。軍人グループから投降を勧められるも、2階から発砲音がして(おそらくアナが撃った)、撃ち合いが始まってしまう。屋敷の中のフレディも撃たれてしまい、ローズは彼に肩を貸す。そしてそのまま地下室に投げ込んでしまう。

補足:この世界では、「死にそうな人間はゾンビにして足止めしよう」という世界観があるんだぜ…

「ヘッドショット」

軍人グループと先住民グループは屋敷の中へのルートを探しながら撃ち合っている。地下室に入るルートを見つけた男もいるが、ゾンビになったフレディに遭遇。そのまま顔を噛まれ、自殺を選ぶ。

補足:予告編でも使われていた、真っ暗な地下室の棚の隙間からフレディがバー!するシーンはここのエピソードです。このシーンがあるため、このエピソードのみ「自殺するシーンがあるので注意」と警告がついています。この警告にびびった。

「解放」

サンも男たちに連れられて屋敷の中に入るが、手すりにつながれる。ゾンビに襲われ、手すりごと外して逃げるサン。逃げたところをオレンジの服の女に見つかるも、なぜか彼女はサンをすぐに殺さない。と、不意にゾンビに襲われるオレンジ女。サンは命を張って彼女を助ける。その時も、飛行機が飛んでいき、何かの物資を落としたのが見える。軍人グループのリーダーと遭遇するサンだが、彼とオレンジ女は頷きあう。そして彼らはそのまま屋敷を出る。

補足:結局逃亡できなかったサン。おそらくオレンジの服の女は軍人グループと取引をして、銃を入手したんでしょうか。ちなみに先住民グループにはオレンジの服の女、水色の服の女(ナタリー)、紫の服の女(ジェイス)がいますが、全員ワルいです。

「浮上」

屋敷の2階で隠れているローズとアナ。何度も見つかりそうになるも、なんとか隠れ続けた。しかし、そこでブーンと鉢合わせる。銃を持っている母娘に怯えるブーンは、自分は飛行場で働いていた整備士で、そこまで案内できるから命を助けてくれと言うが…?

補足:このブーンはコミカルなキャラクターの人。それだけに少し軽薄に見えるところもあります。軍人グループに見つかってもお目こぼしをしてもらったブーンですが、おそらく飛行機の音が聞こえ、そちらのほうに全員向かったのでしょう。屋敷のシーンはここで終了します。

第5話『白い馬』

「出会い」

まだ雪が降る前の山の中。スピアーズは森を彷徨っている中、ブライズウェストと名乗る男と出会う。彼はスピアーズをずっと尾行してきたといい、知り合いだと言い張る。一緒に行動しようと誘われ、しり込みするスピアーズだが、押しの強さに負けてしまう。

補足:なお、ブライズウェストは何度もスピアーズの名前を言い間違えるのですが、一度「ダリルじゃない?」というボケをかましていました。『ウォーキング・デッド』ネタ?ちなみにブライズウェストは「人肉を食べたやつとは行動しない」と明言します。この世界ではそういうことがよく行われていた、という暗示なのでしょうか。

「白い馬」

白い馬に乗った男と森の中ですれ違いそうになるスピアーズたち(男の顔は見えない)。そして偶然にも、酒や銃、火をつける道具を入手でき、彼らはにんまりする。

「たき火」

たき火を囲むスピアーズとブライズウェスト。スピアーズはナッツアレルギーなのでチョコバーを食べられず、ブライズウェストがそれを頬張る。この話でブライズウェストはスピアーズの素性を思い出す。彼はスピアーズの兄の友達(兄がビッグ・ジェームズで、弟のスピアーズはリトル・ジェームズ)だった。そしてスピアーズの過去に話が及ぶ。彼はいろんな人を不幸にした。ブライズウェストの友達もだ。些細なことから彼らは喧嘩を始め、首を絞め、殺し合いのように殺気立っていく。

補足:このエピソード、後から考えるとスピアーズは周囲の人を不幸にしたことをものすごく悔いているし、誰かにそのことを恨まれて当然と考えているという裏返しなんですよね…

「交換レート」

気を失っていたスピアーズ。目を覚ますと雨が降り、周囲にはゾンビがいる。逃げながら、昔話で盛り上がる2人だが、不思議な家に逃げ込む。その家のリビングは白と黄色に壁がペイントされ、隙間なく自己啓発のような文字が書かれていた。ある部屋には集団自殺した教徒らしき人たちと、生き残っている初老の男性(教祖?)がいる。誰かをずっと待っていたという男。スピアーズは彼を射殺する。

補足:こちらは重要な伏線となるエピソード。おそらく集団自殺をしたものの、死ねなかった男。彼は唯一残され、「自殺はしたくない」「でもゾンビにはなりたくない」というはざまにいたと思われます。スピアーズも「ゾンビのようになりたくない、でも自殺はしたくない」ということに気付くのです。

「リトル・ジェームズ」

朝。ブライズウェストに銃を向けるスピアーズ。ブライズウェストはスピアーズの頭の中の人物だったのだ。川の近くに白馬がいるが、今日は誰も乗せていない。彼はずっと乗りたいと言っていた馬にまたがり、消えていく。

補足:ブライズウェストはスピアーズの頭の中の友達だったわけですが、白馬に乗って消えていくっていうのがなんだかいいじゃない。ちなみに白馬に乗った人は現実には登場しなかったので、本当に妄想だったのかな。ロマンチストですね、意外に。ずっと雪が降る前の話なので、スピアーズはずっと1人で森の中を彷徨っていたことが伺えます。

第6話『駆け引き』

「サム」

先住民グループ(穴の開いた帽子のマンス、紫服のジェイス、水色服のナタリー、長い髪をみつあみにしている男性)4人が飛行機が落とした物資を見つけるが、後から武器を持った男性がやってくる。彼はサムと名乗り、4人を脅して物資を運ばせようとする。

「はったり」

森の中を歩き続けているローズ、アナ、ブーン。彼はサプライズで飛行場の前に案内したいところがあるというが、道に迷っている。ブーンは嘘つきなのか?

「邪魔者」

サンはまだ捕虜のまま、3人の男女と歩いている(レイやオレンジの服の女、レイの部下)。飛行機が落とした物資を見つけるが、これまた3人の武装した男性たちと鉢合わせしてにらみ合いになる。物資をどう分ければいいのだろうか?

「押せ」

サムたちは荷物を押しているが、なかなか進まない。

「尾根」

完全に道に迷っているブーン。彼は母娘をスキーロッジに連れて行こうとしていたらしい。ローズは彼の言うことは信じられないとブーンを殺そうとするが、アナが母を止める。

「提供」

物資を分けようとしているレイのグループと敵グループ。レイの子分の男性が殺されるも、サンが割って入り、武器を3人組に渡す。それでなんとなく場は収まり、サンは手錠を外してもらうも、捕虜からは脱出できない。

補足:サンの平和主義が炸裂する回。いい人ですね。

「引け」

今度は荷物を引っ張り上げようとしてるサムたち。あまりに荷物が重すぎてジェイスとナタリーは手を放してしまい、マンスも荷物に体を固定していたロープを切る。荷物ごと谷に転落するサムとみつあみくん。みつあみの男性はゾンビ化し、サムはその横で(おそらく)死亡する。

補足:荷物を小分けにして運ぶとかできないんですかね…?と思ったけど、サムは持ち逃げされることを警戒しているのか。じゃあ人質をとればいいんじゃ…??マンスは巻き込まれるのを防いだから仕方ないにしても、女性陣はさっさと手を放して逃げて行ったのでどうかと思いました。

「日没」

ブーンはロッジを見つけた。何不自由なさそうな美しいロッジだが、それだけに不安が募っていく。

第7話『ロッジ』

料理している主人公からストーリーが始まります。

「ロッジ」

電気も食料もあるロッジ。母娘はブーンと分かれて個室で休息をとる。

「素敵な夢」

シャワーを浴びて、先に寝てしまうローズ。アナはそっと歩き出し、ロッジを見てまわる。

「亡霊」

ロッジの中では何か音がする。亡霊の声のようにも聞こえる。

「足跡」

ブーンが寝ていることを確認したアナ。彼女は奇妙な音がどこからするのか探しにいくが、ある扉の向こうからゾンビの暴れまわる声と音が聞こえる。そしてアナは何かに気付き、顔をゆがめて驚く。

「復活」

翌朝、ローズはアナが消えたことに気が付く。ロッジを走り回るローズだが、そこにはなんと、かつて見捨てたスピアーズがいた。

補足:ここでローズとアナがすごく面食らった、かつ気まずい顔をしています。

「最後の晩餐」

ローズが作った食事をがっういているブーンとスピアーズ。お酒も入り楽しそうだが、ロッジの不自然な美しさ、豪華さに違和感を覚えているところもある。飛行場は本当にあるのだろうか?スピアーズはそもそも飛行機になぜ乗りたいのか、どこに行きたいのかを母娘に問う。まるでバカにされたように感じたのだろうか?アナはスピアーズが体をだいぶ悪くしており、死期が近いことを言い当てる。そして、アナは突然席を立ち、ゾンビが向こう側に隠されている扉を見に行く。その物音は喧しさを増している。

「にらみ合い」

2人きりになり、スピアーズに謝罪するローズ。しかし、彼は過去を気に留めていないようだ。ローズは娘を守るためなら他人を犠牲にしてもいいと発言する。

補足:スピアーズは本当にローズを恨んでおらず、彼女を許します。

「デザート」

用意していたデザートを取りに行くローズ。しかし銃声がする。駆けつけると、アナがスピアーズを殺していた。そして今すぐここを出るという。

補足:このシーンだけ見ると、アナが突然サイコパスになったよう。しかし、この行動には理由があります。

「谷」

また雪山の中に出たローズ、アナ、ブーン。だが、ブーンは隙をついて逃げていく。

「安息」

スピアーズとアナは、彼が死ぬ直前に話をしていた。スピアーズはゾンビのように森を彷徨いたくないという理由からロッジを死に場所に選んでいた。でも自殺する勇気もなかった。彼は遠回しに、アナに自分を殺してくれるように頼む。アナは手を震わせながら彼を撃つ。

補足:ロッジにいた人間たちをスピアーズが一掃していたのか(それがゾンビになったのか)?それともゾンビが攻め入る直前だったのか(スピアーズはそれを知っていたかも不明)?詳しい説明はまったくないです。

第8話『飛行機』

血まみれのレイが、画面に向かって語り掛けてくる。飛行機に乗るはずだった彼に何があったのか?彼は誰かに「いやしい人間」「利益を得ることばかり考えている」と怒りの言葉を投げ、「ずっと前に俺は死んだ」と言う。

補足:カメラ目線で怒られているようなエピソード。どうやら背景から察するに飛行場ですが、飛行場で何があったのか??またまた気持ちが盛り上がります。ちなみに、このエピから雪はなくなります。飛行場は雪降ってないのか?

「到着」

飛行場についたものの、スピアーズを殺したことで喧嘩しているローズとアナ。しかし、そこにゾンビがやってくる。逃げる親子。

補足:ちなみに、このゾンビはよく見たらブーンです。なぜ彼が撃たれて(弾痕がある)ゾンビとなっているのかはまた後で。

「飛行場」

俯瞰になって上から眺める飛行場。ローズとアナ、その少し離れたところにサンたち3人、さらに別の場所にはナタリーとジェイスが見える。

「古い友人」

ジェイスとナタリーは偶然にもマンスと再会し、仲間に戻る。しかし、撃たれてしまうナタリー。彼女を見捨てられないジェイスは、ゾンビとなったナタリーに襲われ、自身も変異する。

補足:谷底に転がり落ちる荷物とともにマンスを見殺しにしようとした女2人ですが、とりあえずは握手して仲直り。しかし、女の友情で連れゾンビになります。

「新しい友人」

サンとレイ、オレンジ色の服の女は、ローズとアナと出会う。投降したフリをしてレイを撃とうとするローズだが、誰かがそれを止める。銃を突きつけられるローズ。

補足:「私は男をやる」「私は女を」って母娘の会話じゃないと思うの… ものすごくテキパキ人殺しの計画をたてる親子であります。

「約束」

飛行場に到着した男たち(5人のうち、3人はレイと物資を巡って喧嘩した男たちで、もう2人はレイの部下)。その横にいるのはブーンだ。ブーンは他の人間を足止めするために殺されてしまう。撃たれて倒れた後、彼の瞳からポロリと涙がこぼれた。

補足:ブーンは誰にでもべらべら飛行場の話をしていたことがわかります。調子がいいというか、なりふり構わずなんですね。しかし、そのせいで今回こそ死亡します。

「照明弾」

レイはブーンを殺した5人と合流し、生存者は一堂に会する。だが、レイは男たちに囲まれ、かつての仲間にも殴られる。誰が飛行機に乗るか決めるどころではない。しかし、外で見張りをやらされていた男がゾンビに襲われて変異。ゾンビは格納庫の中になだれ込んでくる。外に逃げ出したローズ、アナ、サン、オレンジの服の女、レイ。レイは格納庫に向かって銃を乱射。その後、冒頭のシーンが繰り返される(レイはローズたちに怒っていた)。しかし、そこに飛行機がやってきて着陸態勢に入る。レイの気が散った瞬間、ローズは隠し持っていた照明弾を撃ち、それが車に命中。全員が吹っ飛ぶ。軽傷だったアナとサンはローズを運ぼうとするが、彼女は2人に飛行機に乗れと命じる。

補足:この時点で、レイは格納庫に残っていた人たちを射殺、もしくはゾンビに噛ませています。そのため、ゾンビの数はさらに倍増しました。ローズはレイごと車を撃ちましたが、自分も大きなダメージをくらい、立ち上がれないほどになっています。

「飛行機」

サン、アナ、オレンジの服の女は走り続ける。オレンジ女はゾンビにやられ、脱落。サンとアナは飛行機のところまでやってくるも、アナは乗れない。サンだけが乗り込み、アナはゾンビに追われ続ける。

補足:スピアーズの「お母さんを守ってやれ」という遺言がここでフラグになるとは…!

「マンス」

生き残っていたマンスも飛行機に乗り遅れていた。追われているアナを見つけ、助けてくれるマンス。自分がゾンビをひきつける。今まで生きていた者たちが、ゾンビになって延々と襲ってくるという地獄絵図。ひたすら逃げ、殴り蹴り、登り、飛び降り、なんとか逃げ延びる。美しい夕陽の前で意味ありげに膝をつくマンスだが、またやってきたゾンビ(ブーン)を射殺するために弾を使う。

補足:今までの生存者がゾンビパレードで襲ってくるのはけっこう怖いですね。これも基本的に長回しで、カットが変わりません。ゾンビの撃退方法もそれぞれ異なり(フックにひっかけたりもあった)、とにかく緊迫感にあふれています。ただ殺すのではなく、投げたり蹴ったり押しのけたりするシーンが多めなのもリアル。

「出発」

まだ生きているレイとローズは、なんとか体を起こして銃を向け合う。しかし、そこにアナが戻ってきた。言葉がない親子。アナは動く車を見つけ、車を母の横につける。ローズとレイは明後日の方向を見ている。

補足:レイはこの後、ローズと行動を共にするのか?それとも?? ローズはちょっと怒っているような、なんともいえない無表情。

「操縦士」

ひとり飛行機にのったサン。操縦士が韓国語を話せることに感激する。操縦士はこの先にも困難が待ち構えているという話をするが、飛行機はそのままどこかへサンを運んでいく。

補足:サンは「また韓国人に会えると思わなかった」「韓国語が通じる相手と話せると思わなかった」とボロボロ泣きます。想像もできなかったけど、終末世界で母国語で話せないのってたしかに絶望しそう。

ということで、スピアーズが脱落してしまい、サンは別天地へ。そしてローズとアナはまた新たな旅へ… レイも一緒なのかはわかりません。そしてマンスも合流するのか?そのあたりも謎。

ミステリーっぽい始まり方(屋敷のほぼ全員が死んでいる)、美しい屋敷がどんどん崩されていく醜い戦闘、仲間との別れ、そしてオールスター祭のようなラストの死闘、どれも面白かったですね。もう少し全員のバックボーンが知れたらより最高でした!