正しすぎて狂っている家庭からの脱走「籠の中の乙女」

籠の中の乙女

2009年のギリシャ映画「籠の中の乙女」を見ました。ヨルゴス・ランティモス監督は「ロブスター」「聖なる鹿殺し」、最近では「女王陛下のお気に入り」を撮られた方。人生における残酷な瞬間、人間の悪意で顔が醜く歪んだ瞬間を切り取るのにとにかく長けているクリエイターだと思います。この作品はカンヌ映画祭でも「ある視点部門」グランプリをとったくらいなので、クオリティは高い。... 続きを読む

「ジグソウ:ソウ・レガシー」

ジグソウソウレガシー

昔、SAWシリーズをマネたタイトルをつけて映画を見る側を混乱させた「JIGSAW」シリーズもありましたが(2作あったけど、1作は結構面白かった記憶)、これはSAWシリーズの完全なる続編。どれだけ続けるんだって感じですが。
「ジグソウ:ソウ・レガシー」。2017年のアメリカ映画。... 続きを読む

「アニマルズ 愛のケダモノ」

アニマルズ

2016年のオーストラリア映画「アニマルズ 愛のケダモノ」。何だこの邦題。
ホラー映画というよりもサスペンス映画に近い。というのも、残念ながらあまり怖くはないからです。いや、怖いといえば怖いのですが、「そうなったら怖いだろうなあ」という気持ちの怖さであります。映像や台本はどちらかというと淡々しています。... 続きを読む

「プール」

プール

2016年のアメリカ映画「プール」。
似たようなタイトルの映画がいっぱいありますが、この映画は深夜にプールに閉じ込められた姉妹の話です。日本ではあまり見ないフタつきプールで、フタの下(プールの中)に閉じ込められてしまうのですが、水深は3.7メートル。つまり、足がつきません。レーンを区切っているブイがあるので、それにつかまることはできますが、体は休まりませんよね。しかも、途中で温水の機能を切られてしまい、水がどんどん冷たくなります。さらに!お姉さんは糖尿病のため、注射を打たないといけない。
と、意外にも話に引き込まれます。あと、閉じ込められた恐怖というよりも、外にいる清掃員の女(前科者)との駆け引きも面白い。... 続きを読む

「ゲット・アウト」

ゲットアウト

2017年のアメリカ映画「ゲット・アウト」。
人気コメディアンが監督デビューを果たしたということで、かなり大ヒットしたらしい。
「皮肉が効いている」「『黒人差別』をテーマに盛り込んでいる」と言われていましたが、もっとコミカルなのかと思いきや、しっかりとホラーであります。
特筆すべきは、音楽の使い方がすっごくうまいこと。後述しますが、登場人物のひとりがウウレレをつまびいているシーンがありますが、それがまあヘタクソなのです。でも、それが恐怖を増幅していく感じがして、なんとも気味が悪い。キャスティングや演技もいいし、脚本もスッキリしているし、いい映画だなと思いました。... 続きを読む

「エヴォリューション」

エヴォリューション

2015年の映画「エヴォリューション」を見ました。
フランス/スペイン/ベルギーの共同製作らしいですが、「そこはユートピアか、ディストピアか。」というキャッチコピーもかっこいい。監督はルシール・アザリロヴィックさん。女性監督ですが、あの鬼才であるギャスパー・ノエのパートナーだそうです。... 続きを読む