時は令和5年。時代は移り替わるものです。私は世界で一番酷い(ほめてる)映画は「おっぱいゾンビ」(ameblo時代のブログでレビューしたけど、ホントにひどい)だと思っていた。のですが、その考えを改めるべきだったかもしれないと、ふと遠くを見つめてみたりもしています。
この映画はすごいよ。ハイパー下品。そういえばハイパーメディアクリエイター(沢尻エリカの元旦那)ってどこいったんだろうか。そんなことに思いも馳せたくなる、フィンランドの映画『バニー・ザ・キラー』。2015年の映画。前日に見た「EVIL IDOL SONG」を見て、いろいろ考えさせられてそちらのレビューを書かなきゃなと思っていたのですが… そんなの吹っ飛んだよね。
ストーリーは、本当によくわからない。
- ウサギに改造された男性、悪の組織を脱走して人を襲いまくる
- たまたま仲間で別荘を訪れた若者たち、そのウサギに性的に襲われる。
- トンチの効いたサバイバル劇
という展開です。
登場人物をまとめてみよう
女性陣は3人。
ニナ:美人だが性格に難あり。実はサラのことが好きで、酒で昏倒した時には体をまさぐっていた。あと、理由もなくリスを踏み潰していた。
サラ:微乳がコンプレックスのヤ○マン。性格は明るい。
エンマ:厨二病の香りがする。常にマスクをしているが、口元の皮膚が荒れているため(ニキビ?やけど??)。性器がプリントされた洋服や下着を作っているデザイナーらしい。
どうですか。女性陣だけでむせっかえるような紹介文。
男性陣。
セーリ:主人公かと思いきやそうでもない。なぜかエンマに言い寄っているが、マスクフェチ?職場の救急車で旅行に来るアホ。そもそも名前がこれで正解か思い出せない。間違えていたらすまん(フィンランド語難しいネ)。
ミセ:気のいいでぶっちょ。ほどよく下品で酒飲みで明るい優しいキャラ。この映画の良心ではある。
ジェス:弟(たぶんセーリの)。ニナに恋しており、旅行にこっそりついてきた。2020年代にパンティー泥棒をしようと部屋に忍び込んでニナの秘密を知ってしまう。
トーマス:もっともまともに見えるが、そうでもなかった。エンマの女○器ブランドをなぜか愛用している。ちなみに、トーマスとエンマが家族の模様(たぶん兄妹)。
謎のグループ。
ルーカス:車が故障しているところを、トーマスに助けられた男たちのリーダー。横暴で口が悪い。
ティム:ミセとめちゃくちゃ仲良くなる。酒飲みでアホ。いわゆる“愉快な黒人”枠(ミセとは「ホワイト」「ブラック」と呼び合う)。
ヴィンセント:アジア系の青年。サラにモーションをかけられるが、酔いつぶれた彼女を布団に運んで寝かしつける紳士だった。
こいつらが襲われるメンバー。
ちなみにウサギ人間は将来有望な作家の男性だったらしいのですが、冒頭ですぐに改造されるのでよくわからない。
そう、よくわからないまま進行する点が異常に多いのもこの映画の特徴。しかし、なんで?どうして?わけわからなくない?と言うのも、ナンセンス。伏線が~とか、ラストが~とか、関係ないの。もうひたすら、この映画に身を任せるしかない。シーツをキュッと握りながら「乱暴にしないで」と囁きつつ…
中盤まではそれぞれが秘密を抱えているような意味ありげなシーンもあるのですが、
- ニナはサラが好きで、ちょくちょく泥酔しているところを乱暴していた模様(女性同士でもあるんだなあ)。あと、動物虐待も好きなソシオパスでもある。
- 謎のグループは誘拐犯一味であり(ただしティムとヴィンセントは数合わせみたいなチンピラ)、車のトランクに誘拐してきた有名女性歌手を監禁していた
- ウサギに改造された男性は女○器のことしか考えられないマジ〇チモンスターと化し、女性を襲いまくる(性的な意味でも)!ついでに男性も襲いまくる(物理的なほう)!
という感じ。いや、ウサギが怖いんだよ。ウサギ、性欲が強いんだよなんて揶揄されたりしますが(元飼い主としては、そんな品のない言い方をしてほしくはない)、このモンスターは自分のアレを持って振り回しながら追いかけてくるのね。基本は着ぐるみで、目と口元のあたりは中の人が見えている感じ。詳細はこれまた、よくわからない。バックスバニーっぽいほっそりしたルックスではある。長いペ〇スをブン回している以外は…
私も女子高生の時に同じような男に追いかけられたことあるけど、本当に怖いです。しかも早朝に追いかけられた。きっと毎日同じ時間に通るから目をつけられたんだろうね… という本物の恐怖エピソードもぶちこみつつ、この映画を興奮交じりで語っていきたい。
話を戻します。
このウサギ人間がさあ、本当にひどい。
「生のプッ○ーの匂いがするぜぇ~!」
という初登場時のセリフ。生…??この場合、生の反対は何なんだろう?遺物とか…化石とか…?失われた秘宝的な…?
「10代のプ〇〇〇の匂いだよ~!」
と叫んでいるシーンもありました。く、狂ってる…。
なお、若者たちが来店したスーパーの女店員さんが最初の犠牲者になるのですが、足がとれた店員さんがのたうちまわるシーンがものすごくしっかりしたスプラッターだった。高低差がすごい映画だなあ。
ウサギ男に張る狂気のメンヘラギャル・ニナも意味ありげにじわじわ狂気を示してくる。まず、気に食わないことがあり別荘の外に出てくるニナのシーン。ナチュラルに雪の中に酒瓶をポイ捨てしてるんですけど… そしてその直後に気晴らしにリスをブチュッと踏み潰していました。こわい。
それに比べて、他2名の女子のなんと平和なことか。そういえば全員濡れ場はあるのですが(ニナ→サラに対してセクハラキス サラ→ヴィンセントとキス エンマ→セーリと着衣したままセ○○○)、サラとヴィンセントの関係が想像以上にピュアピュアなのね。
酒を飲みすぎて吐いたサラの髪の毛を持って背中をさすってあげるヴィンセント。その後、そのままキスもしてしまいます。う~ん私がヴィンセントならもらいゲーを3回くらい吐いてるけど、拒否せず受け入れているのは優しい。しかもヴィンセントくん、潰れたサラをベッドに抱えて運んであげるのもよき。
一方、セーリとエンマは盛り上がっておせっせしちゃうのですが、男の早撃ちのせいで3秒で合体終了。しかも避妊をしていなかった(する気もなかった)ことに、映画を観ている側も驚きを隠せない。クソ男やんけ…
別荘チームで襲われた最初のメンバーはトーマス… なのですが、彼の死因は轢死。助けに来たパトカーに轢かれるのですが、なんとノーパンで轢かれたのでフロントガラスに彼の巨大なイチモツが張り付くというどうしようもない展開があります。その後、イチモツのせいで前が見えないパトカーは事故って大爆発。なんというアホ・パワー。
そんなこんなで
トーマス:車に轢かれてイチモツ出しつつ大爆発
エンマ:事後にウサギ男に襲われて(なぜか股間を食べられている?)退場
ルーカス:ウサギ男によってフックに頭をひっかけられるが抵抗、最後は目にペ〇〇を入れられて退場
セーリ:ウサギ男に襲われ、自分のペ〇〇が一部吹き飛んで退場
ヴィンセント:武器を手作りしたジェスを援護するが、その武器が命中して退場(ジェスはそのまま逃亡)
ニナ:ウサギ男に襲われて性的に乱暴されて退場(このシーンはかわいそう)
と、矢継ぎ早に仲間が脱落。
ジェスだけは単独でどこかに走り去り、サラ、ミセ、ティムという謎の組み合わせトリオが生き残ります。なんだこのメンツ!? ただひとつの共通点といえば… 性格がクッソ明るいことぐらいだろうか…?
しかし、突然拉致されたサラとミセとティム。実はウサギ男を作り出した悪の組織こそ、ルーカスやティム、ヴィンセントのグループに女性ミュージシャンの誘拐を依頼していた犯罪組織でもあることが判明(ちなみに彼女は既に脱出済)。そして、若者たちが立ち寄ったスーパーでトーマスを威嚇していた謎の男2人組が、その誘拐の依頼人だったことも判明。
ここからがわけのわからなさのマックス。サラは女性ミュージシャンと代わりに差し出されそうになったり、抵抗するミセに悪の組織の手が迫ったりするのですが、突然ミセの右目から眼球?が飛び出してきて相手にからまり、その勢いで誤射事件が起きたりするという超展開があり、最終的にティムの巨大なペ〇〇でビンタされて敵は撃沈(おそらくアフリカ系の男性は巨大なブツを持っているということを揶揄するためのギャグ)。
いや、ほんといい加減にしなさいよ!!!
そしてミセとティムは見つめ合ってキッス…
これもLGBTQに配慮した展開なのでしょうか。こんな映画に配慮されるの、逆にまっぴらごめんだと思うんだけど…
脱出した3人は、驚きの光景に遭遇。
なんと、たくさんの男たちがウサギ人間たちに乱暴しているのを見たのだ!もう、ウサギの性別すらなんなのかよくわからない。メスウサギじゃなくてオスウサギなんだろうか… それともウサギならなんでもいいのか…? とりあえずド変態上級者のケモナーたちが集まっていることはよくわかります。この場にいるウサギたちは、主人公たちを襲撃したウサギ男とは別で、従順な印象がありました。暴れまわっていたウサギ男は失敗作だったのかな?
そんな変態たちはサラにヘッドショットされるのですが、ここでサブリミナルのようにち〇〇んのカットを大量挿入してくるというお節介も解せない。知らないうちに脳内に刷り込まれたらどうしてくれるのでしょうか。やめてください!!!
まあなんだかんだで生還する3人。では、ジェスは…?
森の中を逃げている間に部族に助けられ、勇者として見染められて(なぜだ)、族長の娘が服を脱いで迫ってきます。このラッキースケベの瞬間の「ワーオ…(ニヤリからのデレ~)」みたいな顔で映画が終わるのよ。
この子役くん、すごいな。学校でからかわれないのだろうか…?
いや、でもこの映画に出るということは勲章とも言えるのかもしれない。スケベホラー映画のエリート俳優としての勲章を彼は得たのだ。
あともうひとつ触れておきたいラスト。ウサギ人間に襲われた主人公グループのなかから、ウサギ人間として復活した男女各1名が出現。メ、メイクで誰だかわかんねぇ…
でも、ペ〇〇が欠けた描写があるから片方はセーリであろう。彼は「プ〇シー!」と連呼しているのですが、ウサギ女はもちろん「ペ〇〇!ペ〇〇!」と連呼。自身のおまたも舌なめずりをする獣のように蠢いております。はい、最低。
楳図かずお先生の「14歳」に出てくる宇宙人のようでもありますが(宇宙人が降臨して片っ端から人間を襲って性器から生気を吸い取るというシーンがあります)、このウサギ女って最初はエンマかなと思っていたのです。が、後からニナか!と思う。女性に乱暴していたオンナが男性を求めるモンスターになる。性加害者へのものすごい皮肉のようにも思えるし、彼女の何かしらの復讐のようにも思える。私の稚拙な表現では伝わらないでしょうが…
とにかくクッソ性格悪い男女がウサギ人間として蘇ってきたところに人類の危機を感じます。
ちなみにエンドロールを確認すると、サラ、ミセ、ティムの順番でクレジットが出てきたので驚いた。この3人が公式でも主役なんですね。
サラは最初に脱落する“ブロンド”枠、ミセは主人公の良い友人枠、ティムは“面白黒人”枠というイメージでしたが、その印象を覆されました。そういう意味では新しい…のか?
いや、新しいものずくめの映画です。キングオブ下品。でも、この世に存在するほとんどの映画より面白い、純然たるパワーに溢れた作品でもあります。
最後にもうひとつだけみどころを。ウサギ人間に改造されかけて逃亡する男性のシーンが冒頭にあるのですが、ブリーフ1枚で積雪した森の中をひたすらダッシュさせられていて、ちょっと笑ってたわ。楽しいとかじゃなくて、おそらく過酷すぎて顔が引きつって笑ってた模様。
調べたら、フィンランドの冬って当然氷点下なんですよね。そんな俳優さんの素の表情を探してみるのもまた一興かもしれません。