これは良すぎる!ティモシー・シャラメ主演のカ〇バリズムラブストーリー『ボーンズアンドオール』

腰を抜かすほどのイケメンが出てきたと思ったら、ティモシー・シャラメだったのか!と驚くほど、すごくカメラ映えする(いや本人もめちゃくちゃカッコイイだろうが)俳優さんであります。ものすごく表情が繊細。エズラ・ミラー以来の興奮かもしれん(彼、どうにかして更生してくれないかしら…)。

そんな彼が主演しているカルト作。2022年『ボーンズアンドオール』を見ました。イタリア/アメリカ映画。

この映画はすごい。原作があることにも驚いたが、ものすごい問題作だ。だってカ〇バリズムラブストーリーだぜ!?(諸事情により伏字にしております)

人をたべたべしたいという衝動をおさえきれない少女・マレンは、父に捨てられ、連絡をとっていなかった母を探す旅に出る。その途中で、同じ衝動を持つ青年・リーと出会い恋に落ちるが、同族の老人・サリーもマレンに執着するようになり…

という、まさかの若者たちとじいちゃんの三角関係物語。いや、若くて希望に溢れたカップルを引き裂き飲み込もうとする老人の孤独、みたいなもののインパクトがすごすぎる。

 

ちょっと話を振り返りつつ、印象的だったシーンをピックアップしたい。

仲の良い友達を衝動的にかじってしまい、騒動を起こすマレン。父は何度も同じことを繰り返し、周囲をざわつかせる娘を扱いきれず、姿を消してしまいます。

まずマレンと出会ったのはサリー。しかし、同族でありながらも彼のことは頼らないマレン。そしてリーと運命の出会いを果たします。

旅の途中で「俺は骨まで食えるぜ」自慢をしてきた他のカニバリ〇トと喧嘩になったり(というよりも途中から襲われたり)、誤って子供がいる男をたべたべしてしまったり(家族がいる人間をたべたべしないというマイルール)、自分の母が同族だと知って幻滅してしまったり… と、怒涛の旅を送るマレン。

リーと離れて自分だけで生きていこうとしますが、そこに現れたのが彼女を尾行していたサリー。このおじいちゃん俳優が本当にうまい。ゆるんだ体のラインもすべてさらけだしているし(パンツ一丁になるシーンがある)、ものすごい変わったキャラクターなのでそこはかとなく漂う不快感、波風を起こしそうな胸騒ぎを呼び起こす演技を見せてくれます。

マレンがサリーを拒否すると、口汚く彼女を罵るのですが、それが年甲斐もなく子供っぽくてまた悲しい。汚い言葉で攻撃することでしか、自分を支えられないおじいちゃん。という物悲しさ。

リーと再会し、一緒に暮らし始めるマレン。普通のカップルのように生活を始めたふたりですが、しつこいサリーは押し込み強盗を働き、リーを刺してしまいます。(もちろん彼もとどめをさされるのですが…)

彼を病院に連れて行こうとするマレンを制止して、「自分を骨まで食べて欲しい」と懇願。

マレンははたしてどうしたのか?それははっきりと描かれません。もしかしたらリーは助かっているのかもしれない。そうではないのかもしれない。リーに頼まれたように、マレンは恋人を自分の体の中に収めたのかもしれない。

ただ、どんな方向にいったとしても、ものすごく胸をかきむしられるような終わり方だなあとしみじみしました。マレンの人生だけはまだ続いていくのですから。

 

どちらかというとヴァンパイア映画のように耽美な雰囲気もありますが、それはシャラメのルックスのせいだろうか。ものすごくファッショナブル(男女の古着をミックスして衣装にしている?)なのも素敵。原作小説を読んでみたくなりました。

ロードムービーとしても恋愛映画としても飽きさせない、ものすごく切ないホラーラブストーリーであります。まあ、たべたべシーンが連発されるので、デートムービーには向かないですけど…

ちょっと監督についても調べてみたら、2018年のリブート『サスペリア』の監督じゃないか!!ルカ・グァダニーノ監督!!!あの狂気のズンドコダンスを思い出すと感慨深い。女子校時代にこの映画見てたら、みんなで真似してたよ休み時間。どんな高校だ。

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