ペルーってあんまりホラー映画のイメージがない。たぶん、10年くらいホラーを見てきて初。かもしれない。
そんなペルーから『シークレット・マツシタ/怨霊屋敷』というホラー映画が届きました。DVDでは『怨霊屋敷/シークレット・マツシタ』になっていますが。どうでもいい情報ですね。
「実話です!」とDVDジャケットに書かれていましたが、こんなん実話なら笑うわ。鼻からナポリタンスパゲティを食べながら逆立ちで校庭を1周できそう(のび太感)。
日系人一家が棲んでいた有名な幽霊屋敷で起きた失踪事件。その真相がテープに記録されていた…
というわりと既視感がある設定のPOV作品です。
もともとはパルボラという女性がこの敷地に住んでいたのですが、魔女狩りのようなものに遭い死亡。彼女は「この土地に住むものを呪う」と言って死に、実際にその後に住み着いた一家は死んでしまった… という伝説付き。
つまり、女性の悪霊を怒らせてしまって屋敷の中で右往左往するお話なんですね。
いやぁ。いいね。つっこみどころ、満載。間違ったニホン、最高。でも何より、廃屋がいいのよ。建物が怖い。怖すぎる。たぶんホントの廃屋を使用しているのでしょうが、壁紙のボロボロ加減が恐ろしすぎるっす。
幽霊屋敷を取材しに来たクルー、ヒメナ(プロデューサー的な人?)、ファビアン(レポーター)、ルイス(カメラマン)。そして雇われてついてきたお祓いおじさんを中心に物語が進むのですが…
冒頭はひたすらダラダラ。幽霊屋敷が一般公開されているという衝撃設定(海外ではちょこちょこあるみたいですけど、ペルーでもあるんですね)を経て、警備員と撮影開始時間についてうっすら揉め、カメラ機材の紹介とその不備で揉め。なお、幽霊屋敷なんだけど都会にあるっていうのもいいよね。アメリカ大使館の近くにあったらしいから、日本だと港区にある外国人住宅が幽霊や域になってしまったみたいな感じなのかな?
我慢して(私は機材自慢のところは早送りしたよ、ごめんね)前半を見ると、後半からどんどん面白くなってきます。
変異がこわおもしろい。以下、書いておく。
- 「死」とだけ書かれたメモが出てくる。どんなメモだよ。そして漢字を書き慣れていない人が書いたのであろうか? “はね”がエグイ角度をしています。
- 一家の写真が出てくるが突然発火。この写真がどう見てもペラペラ
- 床にも「死」と彫り込まれていて、その床下から「死」と柄に刺繍された刀が出てくる。この刀がお粗末すぎる。ヒメナが抜くんだけど、抜いた時点で軸がぐらついてちょっと曲がってるのね。全然切れなさそうだし。
- ふと視線を落とすと、足の間から少年の手が床に落ちていたおもちゃをひっつかんでいく。これは普通に怖いぞ。
- ベビーカーが揺れて、突然壁に叩きつけられてバラバラになる。プロレスラーがパイプイスを叩きつけるシーンのようだ。なかに大仁田厚がいるんじゃないか?
- お祓いのおじさんは咆哮(暴走した超能力少女みたい)するし、ルイスは机をひっくり返して大暴れ。その後、ルイスは幽霊に首を締めあげられて浮き上がり、引きずられて退場
- 少年が呪怨のとしおくんにしか見えないゾ
- 壁の中から赤ちゃんのミイラが発見。パルボラの赤ちゃんらしい。この子供を埋葬すればいいのだ(キリッ)としていたお祓いおじさん、壁に空いた穴から高速で引きずり込まれて脱落。このシーンが一番怖い
- 連れ去られていたヒメナ、ろうそくが大量におかれた部屋で上半身裸にさせられて鞭打たれていた。目からは血が… 女性だけサービスシーンありなのね
- 狂ったヒメナ、ファビアンを捕まえて食堂に監禁。男3人を並べて内臓料理を出し(もしかして男性陣から引きずり出したセルフ内臓なのでしょうか)、髪をはさみで切り落とす。彼女の額には「死」。ルイスの額にも「死」が刻まれている。ギャグでしょ?正気?
- 食卓の上で四つん這いになり、狂ったように頭を振りまくるヒメナ(呆気にとられる問題シーンでもある)。正気に戻るが、今度はファビアンのほうが狂ってしまい、彼女を刺して自死。
- ババアのアップが2回続く。漫☆画太郎先生の漫画レベルの顔圧ババアをバーン!と見せられるショッキングさ
いや…アンタらドンブラザーズじゃないんだからさ…(ドンブラザーズに出てくる敵組織「脳人」がヒーローたちとゲーム対決をして、負けたヒーローの額に「脳人」と書きなぐるシーンがあったんだよなぁ)
なお、この手の映画にたびたびあるのですが、「エンドロールの曲が日本語」でした。この曲が絶妙に何言ってんだかわかんないのもまたいい。映画中に聞こえてくる日本語も全然聞き取れないんですよね。いい演出だなあ。
たぶん監督が邦画ホラーを好きなのかな(清水崇監督あたり)と想像しました。
まぁ、人に勧めるかっつったらわかんないけどネ!