2018年に中国で製作された『カイジ 動物世界』を見た。
なぜかマイケル・ダグラスが出ていた件でお馴染みの今作、めちゃくちゃ改変されているものの、本編への愛情はものすごく感じました。ホラー映画かって言われるとわからんが。
いや、面白いのよ。カイジって毎回ストーリー忘れるから、何回か見ていても新鮮に見てしまう。脳内が記録することを拒否しているのでしょうか。
主人公の俳優さんもいいですね。目元が山崎まさよしっぽい。
本編と違うところをピックアップ。
(私も原作を読み込んでいないのでズレているところがあったらすみません)
カイジの過去
オリジナルのカイジはシンプルなクズだった印象ですが、今作のカイジは家族団らん中に襲撃されて父親は死亡、母親は植物状態になるというすごく重たい過去を背負わされています。ちなみにカイジは数学教師だという父に知識を与えられたという設定もあります。
顔に布をかぶせられていたものの、その影響で精神的に不安定になったカイジ(一応病名もついているらしいが何かは不明)。パニックになるとまわりが動物に見えたり、音に過敏になったり…という描写があり、一瞬超能力が使えるのか?とドギマギしましたね。
そしてその両親を殺した黒幕が、ゲームに関係している…というにおわせもあります。
映画の舞台
オリジナル映画(1作目)では船でのじゃんけんゲームと鉄骨渡りがありましたが、今作ではたっぷりとじゃんけんだけを楽しむシステム。続編があるらしい??(映画では続く…みたいな終わり方していました)ので、この先、見られるかも。
いや、パチンコ編に飛ぶかもしれませんね。イカゲームで似たようなシーンやっちゃったし… でも地下編とかファン多そうだし…(主に班長)
カイジの人間関係
カイジ1作目といえば!香川照之(運営黒幕の利根川)、山本太郎(ごちそーさん)、光石研(カイジに助けられるおじさん)などが出演していましたが、今作で仲間として登場するのはカイジを貶めて家をだまし取り借金を背負わせた友達のジェン(こいつがクソ)。また、船の中で知り合った冴えないでぶちゃん・ホンという謎トリオで戦うことに。なお、ごちそーさん役の俳優さんはちゃんと登場します。
あと、驚きなのがカイジに美人看護師の彼女がいること。
えーっ、カイジの漫画に出てくる女なんてだいたいが顔面フルスロットルの女ですけどねぇ… まぁ2作目に出てきた吉高由里子はかわいいけど。なお、彼女役の女優さんもかわいいです。
この子がカイジのことをただただひたむきに思っているというのがまた新鮮で… 後でカイジの悲惨な過去が明らかになってくると、「そりゃあただのクソ男じゃないわよね」という気持ちになりましたが。
船がワールドワイド
中国製作ということもあり、出演者もアジア人に留まらずさまざまな国籍の役者が出演しています。言葉はどうすんねん?と思ったら、耳に装着した機械が同時翻訳してくれるというめちゃくちゃな設定。ドラえもんの道具みたいだけど、あれは翻訳コンニャクでしたね。
やりたいことを詰め込んでいる
ギャンブル要素だけじゃない!ものすごくいろんな要素があります。スポンサーの意向でしょうか。
カイジは両親が襲われた時にピエロのヒーローが無双するアニメを見ていたせいで、心の中にいつもピエロがいるという謎設定があるのですが、一度妄想に没入すると人間がクリーチャーに見えてくるというさらなる謎設定に展開。で、そのクリーチャーをゲーム画面よろしく斬りまくる、というシーンがあります。
戦闘シーンはアベンジャーズあたり、敵のクリーチャーはスター・ウォーズの登場人物(人外)を意識しているのか?ピエロはバッドマンのジョーカーかな??
あと、なぜかカーアクションが始まったり(妄想のなかだけど)と、もうめちゃくちゃなんですよ。
心理描写のCGにめっちゃくちゃお金がかかっていたのが何よりも驚いた点ですかね。チャイナマネーの凄さを思い知ったぞ。
ストーリーはほぼ変更なし。
- 船に乗船してじゃんけんに参加
- 最初親切を装った詐欺師に星を2つとられて瀕死状態
- 似たような状態の親友・ジェン、冴えないデブ・ホンと合流して協力することに
- カードを買い集めてゲームを支配しようとするも、阻止される。でもやり返して星と金を巻き上げる
- 最初対戦した詐欺師に騙されそうになるが、騙し返して星を奪還。ただし、トイレにカードを流した男がおり、そのせいでカイジだけ小部屋行き
- 自分を助けてくれるというジェンを信じるが、ホンの裏切りに引きずられるようにカイジを見捨てるジェン。カイジは小部屋に宝石を持ち込んでいた男からそれを盗み、自ら脱出。ホンから星を取り上げ、息子のためにゲームに参加した老人を助け出す
- 下船して彼女にプロポーズ
- これで幸せになるんや!という矢先に、運営が目の前に登場。しかもその男は、両親を襲った時にいた男で…!?
で、続く…となるわけですね。再現度はものすごくいいです。話も当然面白い。
しかし原題の「アニマルワールド」ってすごいな。人間としての尊厳を捨てて本能・野生がむきだしの戦い、という意味合いもあるのでしょうが…
カイジが好きな人は見て損はないと思う。まぁ同じ話なんだけどネ!