オシャレなのにエグすぎる。男を許さない復讐サスペンス『プロミシング・ヤング・ウーマン』

狂気は誰にでも、平等に宿る―

誰がおかしいのか?もしかして、全員狂ってる?

と言いたくなるのがこちらの映画。イギリス/アメリカ映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』。2021年。女優のエメラルド・フェネルが初監督と脚本を務め、製作総指揮に主演のキャリー・マリガンも名を連ねている。

ハーレイ・クインを演じているマーゴット・ロビーも製作に加わっており、この時点でものすごい圧っつうかパワーを感じますね。

主人公・キャシーは元医大生。大親友が酒に酔わされて強〇→自死を選んだことを機に医大を退学、カフェ店員として働く冴えない日々。でも夜になるとクラブに繰り出し、ナンパしてきた男どもをこわ~い目に合わせる。

しかし、医大の同窓生(イケメン)・ライアンとの再会が、復讐に燃える彼女の心を鎮めていく。一方で親友を強〇した主犯の結婚話を聞き、揺れる彼女だが…

この「怖い目に合わせる」というのがいささか抽象的で、殺したり危害を加えている描写があるわけでもない。何かされたらしい男の友達が後から出てきて主人公をナンパしているくらいだから、殺してはいないのか?でも、何をしたかは教えてもらえない。それが怖い。

だが、押し倒して好き勝手しようとする男性に目玉をひん剥いてお説教を始める姿はなかなかに怖い。「あ、この人、ヤバイ」と男がドンドン引いていくのがわかる。

関係ないけど、私の好きなクリストファー・ミンツ・プラッセがクソ男役で友情出演?していたのでちょっと高まりました。

途中までは復讐と恋愛物語をいったりきたりします。変なお話だな、と思いながらもどんどん引き込まれていく。

しかし、この復讐がなかなかエグい。

  • 親友の噂を広めたクソ女→酒に薬を入れて眠らせ男にお持ち帰りさせる(のちに男は何もしていないと発覚するが、本当かは不明)
  • 親友のことを訴えても聞き入れなかった学校関係者→ティーンの娘に酒を飲ませて男の家に置いてきたわよ、でもこんなのたいしたことじゃないわよね?とニヤニヤ(ちなみにこれはウソ)
  • 訴えを取り下げさせたゲス弁護士→自分のしたことを悔いて心を病んでいたので鉄槌ナシ

などなどあるのですが、なんと!

例のクソ女が突然接触してきて、当時の動画があったから渡すと言い出します。

再生すると、そこには今ラブラブの自分の彼氏ライアンも傍観者としてその飲み会に参加し、親友が強〇されるのをただ見ていた(何してるんだよ、バカじゃねーのみたいなノリではあるが)ことを知るわけです。

キャシーは彼氏をフリ(このシーンの彼氏の暴言がひどすぎて、いままでの王子様キャラが崩れ去るのもお見事)、主犯の男のバチェラーパーティーへ。

ストリッパーに扮して彼と二人きりになるも、なんと殺されてしまいます!

マジのマジで主人公が殺されちゃうんですよ。びっくり。

ゴミのように焼かれ、捨てられるキャシー。

ですが彼女は、例の反省弁護士に「もしかしたらあの事件を蒸し返したせいで自分は殺されるかも、帰ってこなかったら通報してほしい」と手紙を書いて送っており、主犯男は結婚式の最中に逮捕。その友達(こいつもクソ)は逃走。参列していたライアンは、自分も嘘の証言をしていたことから責任を問われることを察し、苦々しい表情を浮かべる…というところで終わります。

「女性を酔わせて乱暴する」という事件、アメリカだと多いんだろうな(映画やドラマでもたびたび問題となっていますね)。製作陣のこういうことする男、フザけんなよ!殺されてもワシらはお前に復讐したるからな!!!という怒りが伝わってきますね。

しかも、ただ単にお仕置きよ!スカッと解決!ということではなく、命をかけて自分の親友を汚した人を消し去ろうとする姿。これが、非常に怖い。

そもそも、この親友・ニーナにおそろしいほど執着しており、もうひとりの幼馴染から「いい加減に忘れたほうがいい、自分のためにも」と忠告されるほどの愛を注いでいるキャシー。

「彼女は私にとっての神だった」

と独白するシーンがあったのですが、ニーナ本人がどういう女性なのか?回想シーンもなく、写真すらもなく、途中までは「ホントにいたのかしら…」と思うほど(キャシーの二重人格なのかなと思わせられた)。

ニーナはそこまでキャシーを愛していたのかもわからない。精神的に不安定だと両親も認めるキャシーですが、男の浅はかさよりも盲目的な愛の恐ろしさをひしひしと感じました。

あと、セットや衣装が非常にかわいらしい反面、焼かれていくキャシーの焦げて灰がついたような腕と美しく塗られたマニキュアの対比のシーンなんかは、忘れられないほど生々しい。

この映画に出てくる男がたいがい低能なのですが(関係ない男もヒュー、ねえちゃんやらせろよ!とはやしたててきたりする)、こういう男性ばかりじゃないことを胸に刻みつつ、この映画をスルメのように噛みしめております。

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