2018年の映画『ファミリー☆ウォーズ』を見ました。
もう、ものすんごい情熱を感じる。ギラギラしている。
ホラーのような、サスペンスのような、コメディのような… ものすごくジャンクなことはたしか。なお、テロップがパソコンの無料ソフトで編集したような字体だったのはわざとなのかな?(編集もカメラの画質も荒い)どっちにしても印象に残ったゾ。
今作の監督は『ベイビーわるきゅーれ』でわりと注目されていた印象ですが、私は『黄龍の村』(キラメイジャーブルーが主演の田舎ホラー。たしかすげぇ変わったテイストだと話題になったような)が気になっていたのを思い出した。レンタルする手配をしました。思い出せてよかった。
ストーリーで言えば、大家族のじいちゃんが認知症を患い、ひき逃げをしてしまう。その隠蔽に追われ、家族の仲は最悪に。じいちゃんに餅を食べさせて喉をつまらせようとする父、新興宗教に頼る母、子供たちもそれぞれ問題を抱えていて…?
という、群像劇に近い感じ。
三池監督の『カタクリ家の幸福』(これレンタルないのよねぇ~~!!未見)を思い出した、ひき逃げ×ファミリードタバタ映画であります。
(調べたら『カタクリ家…』はひき逃げしてなかったわ…)
全員が自己中心的。両親については息苦しさみたいなものは薄く描かれている程度ですが、
- 長男は就職活動中だがギャンブル好き、自分の彼女を連れ込んで自室で自己中心的なセ〇クスばかり。ついに彼女を妊娠させてしまう
- 次男は典型的童貞。ラブドールにグラドルの写真を張り付けて結婚
- 長女はアイドルを目指すも、めちゃくちゃいじめられていて仲間外れにもされている。唐突に片腕を失い、アイドルもクビになる
- 次女は引きこもり。親友の彼氏が大嫌い
という… わりとしっかりかわいそうなのはアイドルの姉くらいか。腕なくなって帰ってくるってすげぇな。すがすがしいくらい整合性は無視されています。
明確にクズなのは長男ですね。
で、じいさんをどうしようかともめているうちに
- ひき逃げ被害者の母とその恋人と仲間のチンピラ
- 新興宗教の教祖と信者
- 次女の親友とその彼氏、長男の彼女
- なぜかショットガンを常に持っている隣人
で大揉め、殺し合いに発展します。そして唯一生き残ったのがじじい。こっちのほうが「CUBE」みたいだな。あと、中山きんに君にそっくりの隣人も生き残っています。
性交渉のシーン、スプラッターシーン(ひき逃げされる子供まで…)もしっかり描かれていて、アクションもガンバル!(ケイン・コスギの口調で脳内再生されるこのワード)という感じでしたね。
遺体遺棄のシーンは父親が土建屋という設定上、重機を使っていたのですが、この埋めている時のボーッとしている家族のぼんやり感がすごく良くて、ここらへんはわりときっちりイメージを映像化したのかなと推測。いや、これだけでもセンスあるなあというのはわかる。あと、もちを食べさせてるDVDのジャケットのビジュアルとかね。
個人的には、出てくる料理がぜんっぶまずそうなのがツボでした。なかなかないですよね、「まずそ…」と思いながら映画を見るのって。