DQNグループが海に落ちて船に上がるまでの顛末映画『絶海9000m』

絶海9000m

一時期、「海から落ちて船に戻れない」とか「サメが周囲にいるなか、檻から出られない」とか、その手の映画が流行して、颯爽と消えていったものですが、低予算で作れるというメリットを絵変わりがほとんどないというデメリットが食い殺した印象。あと、映画の顔ぶれの違いも見分けにくいし。

この映画もそう。

ポルトガル映画「絶海9000m」。2017年。

ぜつうみ、なのか?ぜっかい、なのか?携帯小説を思い出すな。「絶恋」とかありそう。あと、絶海5000mだとなぜか思い込んでいたけど、4000m足りてなかったゾ。この9000mはなんなんだ??

まぁ、非常にわかりやすい映画です。船から海に飛び降りたけどはしごを下ろし忘れてて上に行けないよー!というだけ。人間関係は複雑ですが、さほど揉めることもないのが… ヤマ場がないのよねぇ…

主人公のアナは泳げない。旦那のハイメとはうまくいっていない。元カレのダニエルに少々の未練ありという感じ。赤子のエンリケも船に連れてきています。エンリケくんは船の上に終始いたのでご安心あれ。

友達のラウラは悪友・ヴァスコと進展しない仲にやきもき。医大を中退したエリートです。ヴァスコはいじられキャラで、いい人だけどちょっと軽率。

ダニエルは金持ちで自慢したがりのクソ男で、マルガリータは彼の恋人だけどSNS中毒のアホ美人という感じ。まぁ、みんな悪い人ではないけど、ちょいちょいぎくしゃくします(ヴァスコがマルガリータのビキニを誉めたらラウラがへそまげるとか)。

アナはかなづちなので泳がない予定が、ダニエルが彼女を抱えて海に飛び込み、さらにはしごをかけ忘れていたせいで全員が水中でぼんやり。アナだけは救命胴衣をつけています。

マルガリータはパニック後に死亡(低体温?溺死??)、ハイメも意識障害を起こして死亡、ラウラとヴァスコも死亡。ラウラなんて「助けを呼びに行く」とか言い出したんですけど、夜の海を泳いでいくのはどう考えても無茶だろう。

でも、ヴァスコに「生き延びて一緒に地図を買いに行きましょう」と言ってて、ちょっとどういうこと?となりました。いや、「一緒に旅に行こう、紙の地図を買って開けたページのところに行くの」みたいな感動的な話なんですけど、地図かぁ…

アナはなんとかダニエルに助けられて船に上がり、息子の無事を確認(泣かずにポカーンとしているけど、腹へったりしてないのか)。その後、ダニエルを助けるためにまた海に飛び込んだアナ。はしごを下ろしたシーンがなかったので「オイオイオイ!新喜劇かよおかわりするなよ!」と思ったのですが、次のシーンでは生きてたからよかった。

結局生存したのはアナとエンリケのみ。もともとヴァスコの誕生日パーティだったんですけど、すごい嫌な思い出の残る日になっちゃったネ…

台風で避難の警告が出てるのに、無視して河原でバーベキューして結局救助されるファミリーのニュースを思い出しました。気を付けよう。